ロックウェルオートメーションの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ロックウェルオートメーションは、1903年に創業された米国のプロセス&ファクトリーオートメーション大手です。2001年にアビオニクス事業とオートメーション事業に分社化されました。アビオニクス事業はロックウェルコリンズとして、その後ユナイテ
ッドテクノロジーズ社と経営統合をしております。
クレーンのモーターコントロールなどの分野ではAllen-Bradleyブランドで展開しています。また、分散制御システムやPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)の分野にも強みを持ちます。2021年に製造実行(MES)、ERP、品質、サプライチェーンの管理、産業用IoT、アナリティクスなどのソリューションをSaaS型で提供するPlex Systemsをフランシスコパートナーズから22.2億ドルで買収しました。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は6,695百万ドルで、前年度とほぼ同額となりました。営業利益は1,474百万ドルになりました。営業利益率は22%になりました。買収や為替の影響を除く売上の自立成長率は3%でしたが、為替の変動により相殺されました。

2020年度
売上高は6,330百万ドルで、前年度比5%減となりました。営業利益は1,258百万ドルになりました。営業利益率は20%になりました。買収や為替の影響を除く売上の自立成長率はマイナス8%でした。為替の影響により売上高は1%増加しましたが、買収により売上高は4%増加しました。同社における2つの事業セグメント全てで約200百万ドル売上高が減少しました。

2021年度
売上高は6,997百万ドルで、前年度比11%増となりました。営業利益は1,391百万ドルになりました。営業利益率は20%になりました。買収や為替の影響を除く売上の自立成長率は7%でした。為替の影響により売上高は2%増加し、買収により売上高は2%増加しました。同社における3つの事業セグメント全てで200百万ドルから300百万ドル程度売上が増加しました。

2022年度
売上高は7,760百万ドルで、前年度比11%増となりました。営業利益は1,543百万ドルになりました。営業利益率は20%になりました。買収や為替の影響を除く売上の自立成長率は11%でした。為替の影響により売上高は3%減少しましたが、買収によりこの減少分を相殺しました。価格設定変更の影響により、売上は3%増加しました。同社における3つの事業セグメント全てで200百万ドルから300百万ドル程度売上が増加しました。

2023年度
売上高は9,058百万ドルで、前年度比17%増となりました。営業利益は1,930百万ドルになりました。営業利益率は21%になりました。買収や為替の影響を除く売上の自立成長率は17%でした。為替の影響により売上高は1%減少しましたが、買収によりこの減少分を相殺しました。価格設定変更の影響により、売上は6%増加しました。ドライブ事業で約500百万ドルの売上増、コントロール事業で約500百万ドルの売上増、ライフサイクルサービスで約150百万ドルの売上増となりました。

ロックウェルオートメーションの業績推移
ロックウェルオートメーションの業績推移

業績推移(四半期)

2024年10-12月
売上高は2052百万ドルになりました。営業利益は356百万ドル、営業利益率は17%になりました。

ロックウェルオートメーションの四半期業績推移

ロックウェルオートメーションの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比50%増の11.95ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比5%増の4.72ドルになりました。配当性向は39%になりました。

希薄化後EPSの推移
希薄化後EPSの推移

業績予想


2023年01月
2024年度第一四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は最大で9,400百万ドル、営業利益率は最大で21.5%を予定していると掲載されています。

売上構成


セグメントは、ドライブ事業、コントロール事業、ライフサイクルサービスに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ロックウェルオートメーションの市場シェア(2023年度)
ロックウェルオートメーションの市場シェア(2023年度)

ドライブ事業
低・中電圧可変周波数ドライブ、低・中電圧モータ制御、サーボドライブ、ロータリーサーボモーター、リニアアクチュエータ、独立型カート、安全装置、センシング装置、モータ制御および回路保護装置、オペレータ装置、信号装置、リレー、電気制御アクセサリ、マイクロプログラマブルロジックコントローラなどの開発製造を行っています。

コントロール事業
プログラマブルオートメーションコントローラ、設計・視覚化・シミュレーションソフトウェア、ヒューマンマシンインターフェース製品の開発販売を行っています。

ライフサイクルサービス
自動化、情報プログラム、プロジェクト管理などのコンサルティングサービスを提供しています。

直近のM&A(合併買収)

オートメンション関連のソリューションプロバイダーを中心にM&Aを行っています。

2016年 インテリジェント搬送システムの大手メーカーである MagneMotion を買収することに合意したと発表

2020年 ライフサイエンス、消費者向け製品、産業用ハイテク分野で強力な顧客基盤を持つ産業企業のデジタル改革に特化したソフトウェアを提供およびコンサルティングを実施する Kalypso の買収を完了。この買収により、工場や企業のネットワークと Kalypso の機能の融合が実現し、テクノロジーの実装能力がさらに強化され、顧客にさらに大きな価値を提供できるようになります。

2021年 AIを活用したコンピュータ保守管理システムを提供する Fiix の買収を完了。この買収により、オートメーションのソフトウェア戦略が前進し、ライフサイクルサービス事業の機能が強化されます。

2021年 クラウドを利用した製造プラットフォーム構築のリーダーである Plex Systems の買収を完了。多くの顧客が産業用アプリケーションをクラウドに移行し始めており、業界の流れに後れを取らぬよう追従しました。

2022年 配電盤におけるモジュラーシステムを専門とする CUBIC の買収を完了。この買収により、インテリジェントモーター制御テクノロジーが強化されます。

2023年 産業用途向けのロボット工学のリーダーである Clearpath Robotics Inc の買収を完了。この買収により、製造工場全体のマテリアルハンドリングを簡素化することが可能になります。

2023年 資産管理システムと脆弱性管理ソリューションを提供する Verve Industrial Protection の買収を完了。この買収により、サイバーセキュリティ製品レンジが拡大し、顧客がより安全にシステムを構築できるようになりました。

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