BASFの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

BASFは、1865年に設立された世界最大級の独化学メーカーです。バイエル、ヘキスト(現サノフィ・アヴェンティス)と並ぶドイツ三大化学メーカーの一角となっています。BASFとはバーデン・アニリン・ウント・ソーダ(Badische Anilin- und Soda-Fabrik)の略です。BASFの読み方はバスフでなく、ビーエーエスエフです。アンモニアの量産を可能にしたハーバー・ボッシュ法を発明したことでも有名です。化学業界の売上高ランキングでは、世界1位の座が定番の総合化学の雄と言えます。現在は、石油化学品、高性能製品、機能性材料、農薬事業を展開しています。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は、幅広い業界で需要が回復し、前年度比33%増の786億ユーロとなりました。化学品の値上げが貢献し、営業利益も回復、増収増益になりました。

2020年度
売上高は、2019年と同水準の59,149百万ユーロとなりました。EBITDAマージンが2017年以降減少しています。

BASFの業績推移
BASFの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第3四半期(7-9月)
売上高は前年同期比11.58%増の21,946百万ユーロになりました。営業利益は-28.98%の1,294百万ユーロになりました。営業利益率は5.90%になりました。

2022年第2四半期(4-6月)
売上高は前年同期比16.31%増の22,975百万ユーロになりました。営業利益は1.47%増の2,350百万ユーロになりました。営業利益率は10.23%になりました。

2022年第1四半期(1-3月)
売上高は前年同期比18.98%増の23,083百万ユーロになりました。営業利益は20.51%増の2,785百万ユーロになりました。営業利益率は12.07%になりました。

BASFの希薄化後EPS(四半期)の推移

BASFの希薄化後EPS(四半期)の推移

EPS成長(年次)

好調な業績を反映し、2021年度の希薄化後EPSは大幅に増加しました。

BASFの希薄化後EPSの推移
BASFの希薄化後EPSの推移

EPS成長(四半期)

2022年第3四半期(7-9月)
希薄化後EPSは前年同期比-28.37%増の1.01ドルになりました。

BASFの希薄化後EPS(四半期)の推移

BASFの希薄化後EPS(四半期)の推移

セグメント及び製品別の売上構成

セグメント別売上構成

BASFの売上構成(2021年度)
BASFの売上構成(2021年度)

製品別売上構成

BASFのサブセグメント別売上構成(2021年度)
BASFのサブセグメント別売上構成(2021年度)

化学事業
基礎化学品を中心に洗剤、プラスチック、繊維等の原材料を提供しています。化学業界における世界市場シェアは最上位に位置しています。2000年に英蘭ロイヤルダッチシェアのポリオレフィンポリマー事業と事業統合して、バセル社(ライオンデルバセルの前身)が誕生しています。塩化ビニル業界の世界シェアではイノビンが上位に位置します。

ニュートリション事業
安定剤、着色剤、ビタミンといった食品成分、アロマ成分といった香料原料、食品添加物、飼料添加物を取り扱っています。

ケアケミカル事業
界面活性剤、乳化剤、ポリマー、油性剤、キレート剤、化粧品有効成分および紫外線吸収剤といったパーソナルケア、ホームケア、業務用洗浄などの原料を提供しています。

分散剤(ディスパージョン)や樹脂事業
水系システムの接着剤、シーラント、建築用塗料、紙用コーティング材、建設資材、および不織材料に使われる分散剤やポリウレタン樹脂、紫外線(UV)硬化樹脂、電子線(EB)硬化樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、アルデヒド樹脂、塩ビ共重合体及び非石化由来原料を使用したポリオールといった樹脂を開発提供しています。

パフォーマンスケミカル事業
プラスチック添加剤や燃料・潤滑剤のソリューションを提供しています。

機能性材料事業
ポリウレタン、エンジニアリングプラスチック、生分解性コポリエステル等を提供しています。

モノマー事業
MDI、TDI、カプロラクタム、アジピン酸、ポリアミド 6 および 66、アンモニア、硝酸、硫化物製品、塩化物製品、無機塩、尿素、メラミン、接着剤・樹脂などを提供しています。

サーフェステクノロジー事業
移動体排ガス用触媒、自動車用触媒、バッテリー材料、自動車用塗料の製品を提供しています。塗料や高吸水性樹脂の世界市場シェアでは、上位に位置しています。2016年にコイルや壁紙向けの工業用塗料事業をアクゾノーベルに売却し、自動車用や装飾用塗料に注力する方針です。

農業ソリューション事業
殺菌剤、除草剤、殺虫剤や種子の開発製造を行い、農薬や種子分野で上位に位置しています。

石油ガスの権益開発事業について
石油やガスの権益開発では、子会社のWintershall(ウィンターシャル)を通じて行っていました。ドイツ国内では最大級の石油・ガス開発会社で、ロシアのガズプロムと協業をし、ノルドストリーム2にも出資しています。2017年にドイツのDEAとの経営統合を発表しました。

M&A(合併買収)

製品や地域補完性などの観点から積極的にM&Aを推進しています。

2000年 医薬品部門をアボット・ラボラトリーズに売却
2000年 Wyethの農薬事業を買収
2004年 アヴェンティスの農薬事業を買収
2005年 メルクの電子部品事業を買収
2009年 Cibaを買収
2016年 アクゾノーベルに工業用塗料部門を売却
2016年 表面処理メーカーのシェメタル社を買収
2017年 石油・ガスの上流開発を担うWintershall(ウィンターシャル)をドイツDEAと統合
2018年 バイエルから除草剤のリバティリンクや野菜種子のNunhemを買収
2019年 スポーツ施設材料を手掛ける建設化学品事業MBCCをローンスターに売却
2019年 顔料事業をDICへ売却
2019年 ポリアミド事業をソルベイから買収
2021年 カオリン鉱物事業をKaMinへ売却

市場シェア

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