1865年に設立された世界最大級の独化学メーカーです。バイエル、ヘキスト(現サノフィ・アヴェンティス)と並ぶドイツ三大化学メーカーの一角となっています。BASFとはバーデン・アニリン・ウント・ソーダ(Badische Anilin- und Soda-Fabrik)の略です。BASFの読み方はバスフでなく、ビーエーエスエフです。アンモニアの量産を可能にしたハーバー・ボッシュ法を発明したことでも有名です。化学業界の売上高ランキングでは、世界1位の座が定番の総合化学の雄と言えます。現在は、石油化学品、高性能製品、機能性材料、農薬関連、石油・ガスの輸送で事業を展開しています。
売上構成(2019年度)

BASFの2019年度の売上高
©ディールラボ
売上高と営業利益率の推移

BASFの売上高と営業利益率推移
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事業構成
化学事業においては、基礎化学品を中心に洗剤、プラスチック、繊維等の原材料を提供しています。化学業界における世界市場シェアは最上位に位置しています。2000年に英蘭ロイヤルダッチシェアのポリオレフィンポリマー事業と事業統合して、バセル社(ライオンデルバセルの前身)が誕生しています。塩化ビニル業界の世界シェアではイノビンが上位に位置します。ニュートリションでは、ビタミンや食品添加物等を取り扱っています。素材分野では、触媒、バッテリー材料、自動車用塗料、ポリウレタンシステム、エンジニアリングプラスチック等の製品を提供しています。塗料や高吸水性樹脂の世界市場シェアでは、上位に位置しています。サーフェステクノロジーでは、2016年にコイルや壁紙向けの工業用塗料事業をアクゾノーベルに売却し、自動車用や装飾用塗料に注力する方針です。農業ソリューションでは、農薬分野で上位に位置しています。石油やガスの権益開発では、子会社のWintershall(ウィンターシャル)を通じて行っています。ドイツ国内では最大級の石油・ガス開発会社です。ロシアのガズプロムと協業をしています。2017年にドイツのDEAとの経営統合を発表しました。
事業再編・買収
2000年 医薬品部門をアボット・ラボラトリーズに売却
2000年 Wyethの農薬事業を買収
2004年 アヴェンティスの農薬事業を買収
2005年 メルクの電子部品事業を買収
2009年 Cibaを買収
2016年 アクゾノーベルに工業用塗料部門を売却
2016年 表面処理メーカーのシェメタル社を買収
2017年 石油・ガスの上流開発を担うWintershall(ウィンターシャル)をドイツDEAと統合
2018年 バイエルから除草剤のリバティリンクや野菜種子のNunhemを買収
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