Arkema(アルケマ)の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Arkema(アルケマ)は、フランスに本社を置く化学会社です。1929年に設立され、現在は世界100カ国以上で事業を展開しています。主力製品は、高性能プラスチック、接着剤、コーティング剤、塗料、電子材料などで、これらの製品を自動車、航空宇宙、電気電子、建築、包装、医療、ヘルスケア、エネルギーなど、さまざまな分野に提供しています。持続可能な開発を重視し、環境に配慮した製品の開発と製造に取り組んでいます。

業績推移

2018年度
売上高は88.1億ユーロとなりました。営業利益は10.2億ユーロになりました。営業利益率は12%になりました。

2019年度
売上高は87.3億ユーロで、前年度と比較するとほぼ同じです。営業利益は9.2億ユーロになりました。営業利益率は11%で、前年度の12%とほぼ同じでした。

2020年度
売上高は78.8億ユーロで、前年度比9.7%減となりました。これはCovid-19の影響です。営業利益は6.1億ユーロになりました。営業利益率は8%で、前年度の11%を下回りました。これは販売量が減少したこと、市場における中間材の価格が下がったこと、為替がマイナス側に影響したことなどが原因です。

2021年度
売上高は95.1億ユーロで、前年度比20.7%増となりました。企業買収や為替変動等の要因等を取り除いた売上成長率は26%で、この成長はコロナ禍からの市場回復に起因します。営業利益は12億ユーロになりました。営業利益率は12%で、前年度の8%から上昇しました。これは市場の強い需要を受けたため、原材料の高騰を凌ぐ価格設定が可能だった為です。

2022年度
売上高は115.5億ユーロで、前年度比21%増となりました。企業買収や為替変動等の要因等を取り除いた売上成長率は14%で、この成長は原材料の高騰を受けた価格調整に起因します。営業利益は15.6億ユーロになりました。営業利益率は14%です。

アルケマの業績推移

Arkema(アルケマ)の業績推移

業績推移(四半期)

2022年第2四半期(4ー6月)
売上高は31.8億ユーロになりました。営業利益は5.7億ユーロ、営業利益率は18%になりました。

2022年第3四半期(7ー9月)
売上高は29.7億ユーロになりました。営業利益は3.5億ユーロ、営業利益率は12%になりました。

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は25億ユーロになりました。営業利益は1.4億ユーロ、営業利益率は6%になりました。

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は25.2億ユーロになりました。営業利益は2.3億ユーロ、営業利益率は9%になりました。

2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は24.4億ユーロになりました。営業利益は2.85億ユーロ、営業利益率は12%になりました。

アルケマ(Arkema)社の業績推移(四半期)

Arkema(アルケマ)社の業績推移(四半期)

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比25%減の12.75ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比13.3%増の3.40ユーロになりました。配当性向は27%になりました。

アルケマ(Arkema)社のEPS・配当額・配当性向の推移

Arkema(アルケマ)のEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想

2023年07月
今期の営業利益(EBITDA)は15億から16億ユーロを予定してます。

売上構成

セグメントは、接着剤事業、高機能材事業、コーティング事業、中間材事業に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

アルケマ(Arkema)社の2022年売上構成

Arkema(アルケマ)の2022年売上構成

接着剤事業
企業や顧客向けに接着剤や流体の漏れを防止するコーティング材を製造。
Bostik社が、Bostik、Sader、Quelyd、Evo-Stik、Mem、Fortaleza、XL Brandsといったブランドで接着剤やシール材を展開しています。
競合会社は シーカ、Soudal、ヘンケル、HB Fuller、Ardex,、Mapeiです。

高機能材事業
顧客のニーズに合った材料を航空宇宙業界や自動車業界等に向けて製造。ウォータースポーツ用具向け材料なども製造。
特殊長鎖ポリアミド(PA11, PA12, PA10)、フッ素樹脂(PVDF)、PEKKを製造しています。競合会社はエボニック、エムズ、宇部興産、ソルベイ、クレハです。

コーティング事業
プロテクションや装飾等、様々な目的のコーティング加工を実施。
アクリルモノマー、コーティング樹脂を製造しています。BASF、日本触媒、ダウ、オールネックス、コベストロなどと競合しています。

中間材事業
さまざまな産業で使用される中間体の製造と販売。
PMMA、フロロガス、アクリル製品。PMMAでは三菱ケミカル、ローム、住友化学と競合しています。フロロガスではChemours、Honeywell、Orbiaと競合しています。

M&A情報

中間体事業をノンコアとして位置づける一方で、コーティングや接着剤分野で積極的に買収を行っています。買収時の売上高倍率は概ね1~2倍のレンジです。

2016年 オランダの接着剤大手であるDen Braven Sealantsを買収
2019年 機能性ポリオレフィン事業を韓国のSKグループに売却
2019年 米国のコーティング剤メーカーのArrMaz Productsを買収
2021年 PMMA事業をTrinseoへ売却
2022年 Ashland社の高機能接着剤事業の買収を完了

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