アクリル樹脂原料メチルメタクリレート業界の世界市場シェアの分析

アクリル樹脂原料(メチルメタクリレート(MMA))業界の世界市場シェアと市場規模の分析をしています。三菱ケミカル、ローム、ダウ、住友化学、LG化学といったアクリル樹脂原料大手メーカーの概要や動向も掲載しています。またMMAを原料とするポリメチルメタクリレート(PMMA、MMAポリマー)についても、大手メーカーの概要を掲載しています。

アクリル樹脂原料の世界市場シェア(2019年)

住友化学のデータ(⇒参照したデータの詳細情報)をもとに、アクリル樹脂原料(MMA)メーカーの生産能力を分子に、また世界全体の生産能力を分母にして2019年のアクリル樹脂原料の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は三菱ケミカル、2位はローム、3位はダウとなります。

アクリル樹脂原料(MMA)の生産能力ベースの市場シェアと業界ランキング(2019年)

  • 1位 三菱ケミカルホールディングス 36.2%
  • 2位 ローム 11.9%
  • 3位 ダウ 9.8%
  • 4位 住友化学 8.3%
  • 5位 LG化学 5.4%

アクリル樹脂原料の世界シェア(2019年)
アクリル樹脂原料の世界シェア(2019年)

2018年と比較すると、三菱ケミカルのシェアが若干低下しました。5位にLG化学が入り、中国CNPC(中国石油天然気集団公司)傘下の吉林化学を生産能力で上回りました。アドベントインターナショナル傘下にあるロームの行方によっては、順位が大幅に変更される可能性があります。

(参考)アクリル樹脂原料(MMA)の生産量ベースの市場シェアと業界ランキング(2018年)

  • 1位     三菱ケミカル    37%
  • 2位     ローム    12%
  • 3位     ダウ    10%
  • 4位     住友化学    9%
  • 5位     吉林化学    4%

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、アクリル樹脂原料業界の2019年の世界市場規模を4830千トンとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。住友化学によると、MMAモノマーの2019年と2018年の世界の生産能力は、4830千トン、4618千トンです。調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、2019年の同業界の規模は126億ドルです。2027年にかけて235億ドルへの市場規模の拡大を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

アクリル樹脂原料とは?

アクリル樹脂原料はMMA(メチルメタクリレート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート、Polymethylmethacrylate、MMAポリマー)といわれ、透明度及び耐熱性を備えて、プラスチックの女王と言われているアクリルの原料となります。また塗料やコーティング剤の原料にもなります。アクリルは大型水槽等で使われています。

特性比重
アクリル成型加工や研磨が容易1.2
ガラス裁断加工が容易2.5
PPMAとガラスの比較 出所:住友化学の資料をもとに作成

さらに詳しく業界を理解するためのお薦め書籍

アクリル樹脂原料メーカーの動向

三菱ケミカルホールディングス

三菱ケミカルホールディングスは、日本の最大手の化学メーカーです。三菱レイヨンや大陽日酸を買収し、機能性化学分野の強化を図っています。アクリル樹脂の分野では、ダウケミカルやエボニックといった、大手化学メーカーを抑え、世界最大級の規模となっています。また、炭素繊維分野では、傘下の三菱レイヨンがパイロフィルの商標で炭素繊維を世界展開し、自動車会社とも開発を加速させています。電池材料では、正極材からは撤退し、電解液と負極材を強化しています。水処理膜事業では、MBR膜に強く、ステラポアーブランドで展開をしています。さらに詳しく

Dow(ダウ)

1897年にHerbert Henry Dow氏によって設立された米国に本拠を置く世界最大級の総合化学メーカーです。祖業は漂白剤と臭化カリウムです。その後、ユニオンカーバイド(Union Carbide)やローム・アンド・ハースの買収を通じて事業を成長しました。2015年に米同業のデュポンと経営統合しましたが、2019年に素材事業を担う新生ダウ、特殊産業材のデュポン、農薬のコルテバアグリサイエンスへと分社化されました。シリコーンはダウシリコーンが展開しています。アクリル樹脂原料・メチルメタクリレートにも強みを持ちます。さらに詳しく

Röhm(ローム)

ドイツを代表する機能性化学メーカーであるEvonik(エボニク)からアクリル樹脂原料事業を投資ファンドであるアドベントインターナショナルが買収をし、2019年にロームが誕生しました。なお、エボニクの源流はローム・アンド・ハースにあります。

住友化学

住友化学は、1913年に別子銅山の煙害解消のために銅鉱石中の硫黄を取り出して肥料を製造する住友肥料製造所として設立されました。石油化学、機能材料、情報電子化学、農薬、医薬品が主軸です。サウジ・アラムコと組んで世界最大級の石油コンビナート(ラービグプロジェクト)を運営しています。機能性化学の分野では、偏光板で日東電工と並び、世界大手の1角となっています。また、メチオニンにも強みがあります。農薬の分野では、バイエル、BASF、コルテバ、シンジェンタのビッグ4に次ぐ準大手のポジションです。アクリル樹脂原料(MMA)は三菱ケミカルと双璧です。持分法子会社の住友精化で高吸水性樹脂事業を行っています。さらに詳しく

CNPC(中国石油天然気集団公司)

中国を代表する石油・ガス会社です。石油化学分野も展開しています。アクリル樹脂原料は子会社の吉林化学(Jilin Chemical)が担当しております。

LG

LGグループは1952年にク・インフェ氏によって設立された韓国を代表する財閥グループです。1958年にLuckyとGoldStarが経営統合をして設立されました。電機事業、化学事業、通信事業が3本柱です。子会社は、家電メーカーのLGエレクトロニクス、電子部品の製造を手掛けるLGイノテック、液晶ディスプレイを手掛けるLGディスプレイ、総合化学メーカーのLG化学など多岐にわたります。さらに詳しく

Arkema(アルケマ)

フランスを代表する機能性化学メーカーです。石油メジャーのTotalから2004年に分社化して誕生しました。接着剤、パフォーマンスマテリアル、コーティング事業が3分柱です。2021年にPMMA事業を合成ゴム大手メーカーであるTrinseoへ売却しました。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


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