三菱ケミカルホールディングスは、日本の最大手の化学メーカーです。三菱レイヨンや大陽日酸を買収し、機能性化学分野の強化を図っています。アクリル樹脂の分野では、ダウケミカルやエボニックといった、大手化学メーカーを抑え、世界最大級の規模となっています。また、炭素繊維分野では、傘下の三菱レイヨンがパイロフィルの商標で炭素繊維を世界展開し、自動車会社とも開発を加速させています。電池材料では、正極材からは撤退し、電解液と負極材を強化しています。水処理膜事業では、MBR膜に強く、ステラポアーブランドで展開をしています。
2020年の事業戦略において、今後の戦略領域として、積層セラミックコンデンサ向けの高機能フィルム、生分解性ポリマー、食品包装フィルム(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)、養殖向け酸素ガス、食品成分、インプラント材料、エンプラ、炭素繊維複合材料、産業ガス、アクリル樹脂、医療用医薬品、Muse細胞等の再生医療があげられています。
2021年度
売上高は前年度比22.08%増の3,976,948百万円になりました。営業利益は538.06%増の303,194百万円になりました。営業利益率は7.62%になりました。ポリマーズ&コンパウンズサブセグメントにおける自動車向け等の販売数量が増加したことなど、需要の回復が鮮明となり、原材料費の増加をこなしました。その結果前年度比増収増益になりました。
2020年度
売上高は、前年度に比べ3,230億円減(マイナス9.0%)の3兆2,575億円となりました。営業利益は非経常項目においてヘルスケア分野に関連する減損損失等を計上したことにより前年度に比べ968億円減(マイナス67.1%)の475億円となりました。
2022年度第2四半期(7-9月)
売上高は前年同期比21.58%増の1,163,274百万円になりました。営業利益は-23.85%の50,348百万円になりました。営業利益率は4.33%になりました。原材料費の高騰を販売価格に転嫁する一方で、ディスプレイ需要減やMMAの市況軟化やインフレに伴う費用増もあり、前年同期比増収減益になりました。
2022年度第1四半期(4-6月)
売上高は前年同期比19.20%増の1,106,534百万円になりました。営業利益は-21.85%の68,004百万円になりました。営業利益率は6.15%になりました。
2021年度第4四半期(1-3月)
売上高は前年同期比19.35%増の1,076,654百万円になりました。営業利益は81.57%増の84,957百万円になりました。営業利益率は7.89%になりました。
2021年度第3四半期(10-12月)
増収増益となりました。樹脂などの自動車用部材や電子部品向けフィルムが好調でした。
今期の売上高は4,725,000百万円、営業利益は242,000百万円、営業利益率は6.24%、1株配当は30円を見込みます。
2022年度第2四半期(7-9月)
売上高の業績予想に対するの進捗率は51.17%です。営業利益の業績予想に対する進捗率は42.73%です。営業利益率は予想より-1.03%上回っています。
希薄化後EPSは124.68円になりました。1株当たりの配当は前年度比25.00%増の30.00円になりました。配当性向は24.06%になりました。
機能商品、ケミカルズ、産業ガス、ヘルスケアが主力セグメントです。
機能商品
ポリマーズ&コンパウンズ:パフォーマンスポリマーズ、サステイナブルポリマーズ、アセチルポリマーズ、コーティング材、添加剤・ファイン
フィルムズ&モールディングマテリアルズ:パッケージング、工業フィルム、ポリエステルフィルム、炭素繊維、アドバンスドマテリアルズ、アルミナ繊維
アドバンストソリューションズ:アクア・インフラ、ライフソリューション、半導体、エレクトロニクス、電池材料
ケミカルズ
MMA、石化(石化基盤、ポリオレフィン、基礎化学品)、炭素
ヘルスケア
医薬品、ライフサイエンス
その他
エンジニアリング、運送及び倉庫業
2014年 大陽日酸(日本酸素ホールディングス)を子会社化
2016年 北米のエンジニアリングプラスチック加工会社であるPiper Plasticsを買収
2017年 イタリアの炭素繊維複合材料メーカーであるCPCを買収
2018年 Praxair社の欧州事業を49億ユーロで買収
2018年 半導体製造装置洗浄会社であるドイツのCleanpart Groupを買収
2019年 独リンデの北米HyCO事業の一部を買収
2020年 Siケミカル・金属化合物メーカーGelestを買収
2021年 結晶質アルミナ繊維事業をApollo Global Managementへ売却