クボタは、日本の最大手農機メーカーです。源流は、1890年に久保田権四郎氏によって設立された鋳物メーカーである大出鋳造所まで辿ることできます。コレラ対策のために、水道管の国産化を実現し飛躍しました。 ノルウェーの農機メーカーのKverneland(クバンランド)、北米の種まき・草刈り機大手のグレートプレーンズマニュファクチュアリング社、インドのエスコーツ社を買収し、世界展開を強化しています。日本出自の農機メーカーということで、稲作用の農機に強みを持ちます。農機以外にも、エンジン、建設機械、祖業の各種パイプ(ダクタイル鉄管、合成管、ポンプ、バルブ等)、スパイラル鋼管などを製造販売しています。
創業者の言葉
「技術的に優れているだけでなく、社会の皆さまに役立つことをする」
業績推移(年次)
2021年度
売上高は2兆1,968億円で、前年度比18.54%増となりました。営業利益は2,446億円、営業利益率は11.13%になりました。
国内売上高は水・環境部門やその他部門が減少しましたが、機械部門が農業機械等を中心に増加したため、前年度比1.3%増となりました。海外売上高は水・環境部門が減少しましたが、農業機械や建設機械が大きく伸長したため、前年度比26.7%増となりました。当年度の海外売上高比率は前年度比4.7ポイント上昇して72.6%となりました。営業利益は原材料価格や物流費の高騰等の減益要因はありましたが、国内外での大幅な増収や為替の改善等により、前年度比40.5%増となりました。
2022年度
売上高は2兆6,770億円で、前年度比21.86%増となりました。営業利益は2,144億円、営業利益率は8.01%になりました。
国内売上高は水・環境は増収となりましたが、機械が農業機械等を中心に減収となったほか、その他も減収となったため、前年度比減収となりました。海外売上高は機械、水・環境ともに増収となりました。当年度の海外売上高比率は前年度比4.9ポイント上昇して77.5%となりました。営業利益は値上げ効果や為替の改善等の増益要因がありましたが、原材料価格の上昇や物流費の増加等の減益要因により、前年度比より落ち込みました。
2023年度
売上高は3兆207億円で、前年度比12.84%増となりました。営業利益は3,288億円、営業利益率は10.88%になりました。
国内外ともに売上高は機械部門、水・環境部門で増収となりました。当年度の海外売上高比率は前年度比1.2ポイント上昇して78.7%となりました。営業利益はインセンティブコストの増加や原材料価格の上昇等の減益要因はありましたが、製品値上げ効果や為替の改善等の増益要因により、前年度を上回る結果となりました。
2024年度
売上高は3兆163億円で、前年度比0.15%減となりました。営業利益は3,156億円、営業利益率は10.46%になりました。
売上高は、国内が全部門の減収により減少した一方、海外は機械および水・環境部門が増収となり、全体としては微減となりました。海外売上高比率は79.0%へ上昇しています。営業利益は、値上げや為替の影響があったものの、欧米の機械部門における減販損やインセンティブ増が響き、前年度より減益となりました。
2025年度
売上高は3兆189億円で、前年度比0.09%増となりました。営業利益は2,655億円、営業利益率は8.79%になりました。
国内売上は機械・水環境部門の好調により増加したものの、海外売上は機械部門の減収により減少しました。営業利益は米国関税や減販損により前年より落ち込みましたが、コスト削減努力により一定の吸収が図られる結果となりました。

クボタの業績推移
業績推移(四半期)
2024年第4四半期(2024年10〜12月)
売上高は前年同期比 3.16%減の7,384億円 になりました。
営業利益は402億円、営業利益率は5.44% になりました。
欧米市場での金利高止まりによる販売店の在庫調整が本格化し、機械部門の出荷が大きく減少しました。営業利益は、値上げ効果や為替変動によるプラス要因はあったものの、在庫圧縮に向けた販売促進インセンティブの積み増しや、欧米市場を中心とした大幅な減販損、さらに年末の経費集中が重なったことで利益面が強く圧迫され、利益率が5.44%に低下する厳しい期末となりました。
2025年第1四半期(2025年1〜3月)
売上高は前年同期比 8.08%減の7,126億円 になりました。
営業利益は616億円、営業利益率は8.64% になりました。
国内は機械部門、水・環境部門が好調で増収、一方で海外では機械部門が減収の結果となりました。
営業利益は、主に機械部門での北米を中心とした減販損や、為替差損の増加などにより前年に比べて落ち込みました。
2025年第2四半期(2025年4〜6月)
売上高は前年同期比7.72%減の 7,423億円 になりました。
営業利益は814億円、営業利益率は10.97% になりました。
第1四半期に引き続き、国内は機械部門、水・環境部門が好調で増収、一方で海外では機械部門が減収の結果となりました。
営業利益は、主に機械部門での北米を中心とした減販損や、為替差損の増加などにより前年に比べて落ち込みました。
2025年第3四半期(2025年7〜9月)
売上高は前年同期比7.32%増の7,494億円 になりました。
営業利益は717億円、営業利益率は9.57% になりました。
2025年度前半と同様、国内売上高は機械部門、水・環境部門が好調で増収、一方で海外では機械部門が減収の結果となりました。
米国関税の影響によるコスト増加は機械部門でのインセンティブの削減と追加値上げで対応しましたが、主に機械部門での減販損や販売構成の悪化により、営業利益は前年同期より落ち込みました。
2025年第4四半期(2025年10〜12月)
売上高は前年同期比10.32%増の8,146億円になりました。
営業利益は508億円、営業利益率は6.24% になりました。
国内は機械部門、水・環境部門の増収が続き底堅く推移したほか、海外でも期末の出荷調整が和らぎ売上高は前年を大きく上回りました。営業利益は、通期で重荷となった米国関税の影響に伴うコスト増加や、機械部門での減販損・販売構成の悪化が期末の経費集中とともに利益を圧迫し、前年同期比でも減益となり利益率は4.63%に低下しました。

クボタの四半期業績推移
EPS・配当額・配当性向の推移
基本的1株当たり当期利益は前年度比17.29%減の163.44円になりました。1株当たりの配当は前年同の50円になりました。配当性向は30.59%になりました。

クボタのEPS・1株配当・配当性向の推移
業績予想
2026年12月期通期の業績は増収増益見通しです。今期の売上高は 3兆1,500億円、営業利益は 3,000億円、営業利益率は 9.5%を見込みます。1株当たりの配当金は、52円となり、前期(2025年12月期)実績から2円増配の見込みです。
売上構成
セグメントは、農業機械および産業機械(「農業機械・エンジン」、「建設機械」)、「水・環境」、「その他」に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

クボタのセグメント別売上構成(2025年度)
■農業機械・エンジン
農業機械・エンジンセグメントでは、世界の食料生産を支える農業機械および各種産業用エンジンを製造しています。また、IoTやロボット技術を活用した営農支援デジタルソリューションやスマート農業サービスも含まれます。
主な製品カテゴリ
・トラクタ:乗用トラクタ、畑作用・稲作向け各種トラクタ
・収穫機械:コンバイン、バインダーなど
・移植機械:田植機、野菜移植機など
・産業用エンジン:建機・農機などに搭載される小型ディーゼルエンジンなど
・その他:管理機、芝刈り機、インプルメント(作業機)など
含まれるソリューション
・精密農業システムKSAS(クボタスマートアグリシステム)による営農支援
・自動運転農機「アグリロボ」シリーズなどの遠隔監視・スマート農業ソリューション
・製品のメンテナンス・アフターサービス支援活動
■建設機械
建設機械セグメントでは、都市開発やインフラ整備、造園などで活躍する小型の建設機械を製造しています。また、稼働状況を可視化する遠隔管理システムやメンテナンス等のサポートサービスも含みます。
主な製品カテゴリ
・ミニバックホー:コンパクトサイズの小型油圧ショベル
・ホイールローダー:土砂や資材の積込用小型ショベル
・コンパクトトラックローダー:クローラ型の小型積込機械
・スキッドステアローダー:小回りの利くタイヤ型の小型積込機械
・その他:各種アタッチメント、消耗部品など
含まれるソリューション
・クボタトラッキングシステムなどの建機稼働管理ソリューション
・遠隔稼働状況モニタリングおよびデジタル診断サービス
・建機レンタル業者・ディーラー向けの運用サポート
■水・環境
水・環境セグメントでは、水道・下水道や産業プラント、リサイクル向けの各種インフラ製品を製造しています。また、水環境を維持するための総合プラントエンジニアリングや遠隔監視・維持管理サービスも含みます。
主な製品カテゴリ
・パイプシステム:ダクタイル鉄管、プラスチック管(合成管・塩ビ管)など
・産業機材:プラント用反応管、スパイラル鋼管、大型空調機器など
・水処理機器:液中膜ソリューション、浄化槽、各種ポンプ
・その他:破砕機、廃棄物リサイクルプラント設備など
含まれるソリューション
・水・環境インフラ遠隔監視システム(KSIS)による維持管理サービス
・上下水処理プラントや排水処理施設の設計・施工(エンジニアリング)
・地方自治体・公共向けの大規模O&M(運営・維持管理)およびPPP(官民連携)事業展開
2016年
米国子会社であるクボタU.S.A.,Inc.並びに米国の農用作業機器メーカーであるGreat Plains Manufacturing, Inc.は、クボタU.S.A., Inc.がGreat Plains Manufacturing, Inc.社の全株式を買収することに合意
2021年
KUBOTA CANADA LTD.(カナダ)を通じて、農業機械・建設機械向けの自動走行制御に関する機器・ソフトの開発・製造・販売をするAgJunction Inc.(カナダ)のグループ会社化に向けた手続きが完了
2021年
子会社であるKverneland AS(ノルウェー)は、集草インプルメント「マージャー」の開発・製造・販売する ROC S.r.l(イタリア)の株式の80%を取得し、子会社化することを決定
2021年
欧州機械事業統括子会社のクボタホールディングスヨーロッパB.V(オランダ)は、トラクタ用作業機器を製造・販売するPulverizadores Fede, S.L.(スペイン)の株式を100%取得し、完全子会社化することを決定
2022年
インドのトラクタメーカー Escorts Limited に対して株式公開買付けを実施し決済手続きが完了
2022年
欧州機械統括子会社のクボタホールディングスヨーロッパB.V.を通じて、工場の製造工程で原材料の定流量供給に使用される「重量式フィーダ」の世界的メーカーBrabender Technologie GmbH &Co. KG(ドイツ)の全株式を取得し子会社化を決定
2023年
子会社であるKverneland AS(ノルウェー)は子会社を通じて、農作業機器(インプルメント)を製造するB.C. TECHNIQUE AGRO-ORGANIQUE SAS(フランス)の株式を100%取得し、完全子会社とすることを決定
2024年
北米機械事業統括会社であるKubota North America Corporation(米国)は、画像解析技術とAIを用いたアグリテックスタートアップであるBloomfield Robotics, Inc.(米国)の株式を取得し、子会社化することを決定
2025年
子会社であるクボタ環境エンジニアリング株式会社(日本)は、3DやxR技術、AIを活用したシステム開発を行う株式会社マイスター(日本)の全株式を取得し、完全子会社化することを決定