マヒンドラの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

マヒンドラグループ(Mahindra)は、1945年に Kailash Chandra Mahindra(K.C.マヒンドラ)、J.C. Mahindra(J.C.マヒンドラ)とMalik Ghulam Mohammed(マリック・グラム・モハメッド)によって設立されたインドを代表する財閥です。当初はマヒンドラ&モハメッドとして創業しましたが、のちにマヒンドラ&マヒンドラへと社名変更しました。

事業の領域は多岐に亘り、航空宇宙産業、農業、自動車、防衛、エネルギー、農機、金融、物流、不動産、自動車、オートバイ等を行っています。グループ全体の売上高は約2兆円、世界で20万人以上の従業員を有しています。中核企業は、自動車と農機で、約7000-8000億円の売上規模となります。現在は、ハーバード・ビジネス・スクールを修了したJ.C.マヒンドラの孫にあたるアナンド・マヒンドラがCEOを務めています。

単位:百万ルピー 2016 2017 2018 2019 2020
売上高合計 747,618 820,689 907,704 1,030,152 937,645
営業利益 76,401 79,216 99,459 115,157 95,171
営業利益率 10.2 % 9.7 % 11.0 % 11.2 % 10.1 %
マヒンドラの業績推移©ディールラボ

売上構成

マヒンドラ2020年度売上構成

マヒンドラ2020年度売上構成©ディールラボ

同社の自動車部門ではインド国内で乗用車及び商用車を含め約5百万台の車を販売しています。販売台数ベースでみると、2020年の時点で、乗用車ではインド国内で3位、商用車ではインド国内で2位となっています。特に小型商用車やピックアップトラックの分野に強みがあります。韓国の自動車5位である双竜自動車へも出資を行っていましたが、2020年に双竜自動車は会社更生法を申請しました。
製造拠点としては、フランス、フィンランド、トルコ、スペイン、北米、日本、アフリカ、韓国、インド等グローバルで展開しています。2015年にプジョーシトロエングループから、二輪車のプジョー・モーターサイクルを買収、日本では三菱重工系の三菱農機(国内の農機市場ではクボタ、ヤンマー、井関農機に次ぐ4位の市場シェア)と資本提携を行っています。2016年には、フィンランドのコンバイン収穫機であるSampo Rosenlew(サンポローゼンルー)へ出資を行っています。
マヒンドラの事業展開

マヒンドラの事業展開
出所:同社

農機は約3百万台をマヒンドラとスワラージブランドで販売しています。農機の分野でも世界大手の1角です。

主要子会社群
自動車と農機以外の主要な子会社は以下の通りです。タタ・グループ等と同じく、上場子会社を多く有しています。

マヒンドラのその他事業一覧

マヒンドラのその他事業一覧
出所:同社

主要上場子会社としては、テック・マヒンドラ(Tech Mahindra)、Swaraj Engines(スワラージ・エンジンズ)、マヒンドラ・ホリデーズ&リゾーツ(Mahindra Holidays & Resorts India)、MMFSL、マヒンドラ・ライフスペース(Mahindra Lifespaces)、EPCインダストリエ(EPC Industrie)、マヒンドラ・ロジスティクス(Mahindra Logistics)等が挙げられます。

マヒンドラグループのストラクチャー
マヒンドラの創業一族は、マヒンドラグループの中核会社であり、自動車や農機の製造販売を行うマヒンドラ・マヒンドラの約25%の株式を保有しています。マヒンドラ・マヒンドラを通じて、主要上場子会社であるテック・マヒンドラの約26%、エンジンのスワラージの約33%、不動産のライフスペースの約51%、金融子会社の約48%、ホテル運営会社の約70%、運輸会社の約60%の株式を保有しています。連邦経営型の財閥と言えます。
テック・マヒンドラ(Tech Mahindra)は、IT開発会社です。2018年に楽天と通信ネットワークの分野で提携を行なっています。
Swaraj Engines(スワラージ・エンジンズ)は1989年に設立された農機向けのエンジン会社です。約100億円弱の売上を計上し、従業員数は約700名です。設立以来22馬力から54馬力超のエンジンを過去70万個以上販売しています。

マヒンドラのエンジン事業

マヒンドラのエンジン事業
出所:同社

マヒンドラ・ホリデーズ&リゾーツ(Mahindra Holidays & Resorts India)は、バケーションメンバーシップを通じて、会員向けに滞在型のホテルやコンドミニアムを提供しています。約23万人以上のリゾート会員がおり、インドを中心に世界50か所以上のリゾート施設を運営しています。
MMFSL(Mahindra & Mahindra Financial Services Limited、マヒンドラ&マヒンドラ ファイナンシャル・サービス)は、主に農機の購入者向けにファイナンスを提供しています。
マヒンドラ・ライフスペース(Mahindra Lifespaces)は、マヒンドラグループの不動産開発グループで、商業・住居用複合施設やビジネスセンターの開発を行っています。
マヒンドラ・ロジスティクス(Mahindra Logistics)は、マヒンドラグループの物流を担う子会社
Mahindra Ugine Steel (MUSCO、マヒンドラ・ユージン・スチール)は、特殊鋼製品の製造・販売及びスタンピング事業を行っています。三井物産と山陽特殊鋼が2012年に出資しました。

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