建設機械業界の世界市場シェアの分析

建設機械業界の世界市場シェア(世界シェア)と市場規模について分析しています。キャタピラー、 コマツ、三一重工、テレックス、日立建機、ボルボ、徐工集団など世界大手建機・重機メーカー動向も掲載しています。

建設機械(建機)の世界市場シェア

建設機械(建機)メーカーの2019/2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、同業界の世界市場規模を分母にして、建設機械業界の市場シェアを簡易に算定すると、2020年の世界1位はキャタピラーの27.8%、2位はコマツの13.3%、3位は三一重工の7.6%となります。

建機メーカーの2020年度売上高世界市場シェア

  • 1位 キャタピラー 27.8%
  • 2位 コマツ 12.4%
  • 3位 三一重工 10.0%
  • 4位 徐工集団 7.4%
  • 5位 ボルボ 6.5%
  • 6位 中連重科 6.5%
  • 7位 ディア 5.9%
  • 8位 日立建機 5.1%
  • 9位 斗山インフラコア 4.7%
  • 10位 コネクレーンズ 2.6%
  • 11位 テレックス 2.1%
  • 12位 リープヘル 2.0%
  • 13位 タダノ 1.2%
  • 14位 マニトワック 0.9%
  • 15位 CNHインダストリアル 0.6%

建機業界世界シェア(2021年版)
建機業界世界シェア(2021年版)

1位 キャタピラー 25%
2位 コマツ   11%
3位 ディア   5%
4位 日立建機 4%
5位 ボルボ 4%
6位 リープヘル 4%
7位 三一重工 4%
8位 斗山インフラコア 3%
9位 テレックス 2%
10位 徐工集団 2%
11位 中連重科 2%
12位 CNHインダストリアル 1%

キャタピラー(CAT)とコマツの2強体制に変化はありません。両社ともに、世界中の建設機械の位置情報、稼働時間、燃料消費、不具合情報などの電子データをリアルタイムに収集(キャタピラーはProduct Link、コマツはコムトラック)できることや建機のプラットフォームを立ち上げ、コネクティビティを強めたことが強みです。3位には、Sanyブランドで、中国最大手の三一重工が、ボルボ、日立建機、農機大手のディアを抜いて中国勢として初めてトップ3にランクインです。スウェーデンの建機・トラックのジャイアントであるボルボ、日立建機はおなじみの建機準大手2社ですが、日立建機は徐工集団、斗山インフラコアや中連重科に抜かれました。斗山インフラコアは韓国の斗山グループの建機メーカーです。ディアは2017年に道路建設に強いヴィルトゲンを買収したことで、売上が拡大しています。12位のタダノは買収した欧州のクレーン会社の再建中です。

市場規模

建設機械業界の2020年の世界市場規模を1500億ドルとして市場シェアを計算しております。参考したデータは以下の通りです。

調査会社リポートリンカーによると、2020年の同業界の市場規模は1296億ドルとなります。2020年から2027年にかけて年平均3.3%での成長を見込みます。調査会社のアライドマーケットリサーチによると2019年の同業界の規模は1845億ドルです。2020年から2027年にかけて4.3%での成長を見込みます。調査会社フリードニアによれば、同業界の2019年の規模は、2180億ドル(約23兆円)と予測されています。地域別の内訳は、中国と米国市場が最大で概ねそれぞれ30%程度の規模、次に欧州、インド、日本となります。種類別では油圧ショベルの割合が最も大きくなります。調査会社のグランビューリサーチによれば、同業界の2019年の市場規模は1247億ドルです。⇒参照したデータの詳細情報

建機市場規模(億ドル)予想成長率
2020年1500CAGR3-4%
2019年2180CAGR4%
推計した建機の世界市場規模の推移©ディールラボ

建機業界の主要M&A

売上高企業価値倍率で見ると平均は1.5倍程度と計算されます。

発表年買収者売手対象会社買収価格通貨売上高倍率(倍)
2007ビュサイラスDBT
2008中連重科CIFA
2011キャタピラービュサイラス88億ドル3.2
2012三一重工プツマイスター6億ユーロ0.9
2013フィアット・インダストリアCNHグローバル1.6
2016コネクレーンズテレックステレックス
MH事業
11億ユーロ0.8
2016コマツジョイグローバル37億ドル1.2
2016日立建機ブラッドケン8.5億豪ドル1.1
2017ジョンディアヴィルトゲン家ヴィルトゲン46億ユーロ1.8
2019タダノテレックスデマーグ2.1億ユーロ0.4
売上高倍率は企業価値/直近対象会社売上高で計算(⇒参照したデータの詳細情報)©ディールラボ

建機の種類

建設機械とは、建設現場において土砂の掘削、運搬などを行う機械であり、油圧ショベル、ブルドーザ、ダンプカーなどの種類があります。

世界の主要建機・クレーンメーカー一覧

Caterpillar(キャタピラー)

米国に本社を置く世界最大の建機メーカーです。CATの愛称と建機における黄色の配色が特徴です。リアルタイムのデータ収集はProduct Linkで展開しています。

コマツ

日本を代表する建機メーカーです。Caterpillarとグローバルで真っ向勝負をしています。建機の稼働時間等を遠隔モニターできるシステム等で世界市場を開拓しました。2016年鉱山機器大手の米国ジョイグローバルを買収しました。コマツの強い鉱山の露天掘りとジョイの強い坑内掘りの相乗効果を狙っています。

コマツによるジョイグローバル買収のハイライト

2016年7月にコマツが米鉱山機械大手のジョイグローバル買収を発表
買収総額は約29億米ドル。ジョイ・グローバ ルの終値に対して約20%程度のプレミアム。 売上高倍率で約1.2倍程度
鉱山機械の売上は、世界最大手のキャタピラー社(2010年に鉱山機械のビュサイラスを買収)と匹敵
期待されるシナジー

  • コマツの強みである露天掘り(オープンピット)とジョイの強みである坑内掘りの組み合わせによる鉱山機械の一環供給体制
  • コマツの運搬トラックとジョイの掘削ショベル・ホ イールローダーとの親和性
  • ジョイの鉱山機械の無人運転化の促進

Terex Corporation(テレックス)

旧GM(ジェネラル・モーターズ)の建機部門です。買収を通じて成長しました。NYSEに上場しています。2016年にフィンランドのKonecranes(コネクレーンズ)にマテリアルハンドリング事業を売却しました。2019年にドイツのデマーグをタダノに売却しました。

Konecranes(コネクレーンズ)

Konecranes(コネクレーンズ)は、フィンランドに本拠を置く港湾用搬送機メーカーです。エレベーター大手のコネから1994年に分社化独立しました。同じく2005年に分社化された荷役機器大手のCargotec(カーゴテック)とは同根です。2016年に米国の建機大手であるテレックスよりマテリアルハンドリング事業を買収しました。

日立建機

日本を代表する大手建機メーカーです。日立製作所の上場関連会社でもあります。2016年に豪州の鉱山機器向け消耗品に強みを持つブラッドケンを買収しました。

日立製作所について

日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として、1910年に創業された日本を代表する重電メーカーです。IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフを主要領域とします。配電事業、自動車部品、エレベーター事業や鉄道事業は強化する一方で、日立化成、日立金属、日立キャピタル、日立建機等は外部へ売却をする選択と集中を進めています。さらに詳しく

日立ABB
2020年から事業を開始した日立とABBのパワーグリッド機器の合弁会社です。日立がABBから当該事業の持分80%を買収することで誕生しました。直流送電 (HVDC)技術、変圧器や特別高圧製品等に強みを持ちます。

鉄道事業
日立の鉄道システム事業部が鉄道事業を手掛けています。従来は国内向けの車両生産がメインでしたが、近年海外売上の拡大を模索しています。2015年にAnsaldo Brenda(アンサルドブレーダ、現Hitachi Rail S.p.A.) とアンサルドSTS(現Hitachi Rail STS S.p.A.)の買収を発表し、欧州・米州・アジアで鉄道車両と信号のターンキーソリューションプロバイダーとして中国北車+南車陣営、欧米ビッグ3への追い上げを図っています。

日立建機
日本を代表する大手建機メーカーです。日立製作所の上場関連会社でもあります。2016年に豪州の鉱山機器向け消耗品に強みを持つブラッドケンを買収しました。

エレベーター事業
日立の子会社である1956年に設立された日立ビルシステムが昇降機の製造・販売・保守を担っています。同社は、空調やビルのセキュリティ管理も行っています。2018年に台湾のエレベーター大手である永大機電工業を買収しました。

Volvo Group(ボルボ・グループ)

Volvo(ボルボ)グループは、スウェーデンに本拠を置くトラック・建機メーカーです。1928年にトラックメーカーとして設立されて以降、現在もトラックの売上がグループ全体の約60%超を占めるなど、最大の事業部門となっています。2020 年の売上規模は3384億スウェーデンクローネ(円換算で約4兆3千億円)です。さらに詳しく

CNH Industrial(CNHインダストリアル)

CNHインダストリアルは、2013年のCNHグローバルとフィアット・インダストリアルとの経営統合の結果誕生しました。現在はニューヨーク証券取引所とミラノ証券取引所に株式を上場しています。従業員数は約6万人を超え、65ヶ所超の工場、50超のリサーチ拠点を有し、全世界180ヶ国で事業を展開しています。2020年の売上高は260億ドルです。フィアット創業家が大株主となっています。
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Deere(ディア)


Deere and Company(ディア・アンド・カンパニー)は、1837年に創業された米国を代表する世界最大級の農機具メーカーです。グリーンのボディにイエローのホイールのトラクターとジョンディア (John Deere) の愛称で親しまれている老舗です。ちなみに、現在では超高級車で知られているランボルギーニ社も、祖業はトラクターであり、現在でも販売をしています。トラクターの他に、コンバイン、プランター、ベーダ―、フォークリフト、スキッダー、バックホーローダー、ブルドーザー、トランスミッション等も手掛けています。
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Liebherr(リープヘル)

独大手建機メーカーです。未上場で同族経営が特徴です。スイスの持ち株会社がグループを統括しています。クレーン分野では世界最大級です。

Zoomlion(中連重科)

中国の建機大手です。コンクリート用機械に強みを持ちます。2008年にイタリアのCIFA(シーバ)社を買収し、世界展開を加速しています。

Sany(三一重工)

中国長沙に本拠を置く大手の建機会社です。中国国内ではコマツやキャタピラーと競っています。同社のコンクリートポンプ車が福島の原子炉建屋内の使用済み燃料貯蔵プールや原子炉に放水する際に使用されました。ドイツのコンクリートポンプ大手のプツマイスター(Putzmeister Holding GmbH)を買収しました。

XCMG(徐工集団)

中国政府系の大手建機メーカーです。クレーンに強みを持ちます。

タダノ

日本を代表するクレーンメーカーです。オールテレーンクレーンやラフテレーンクレーン等の建設用クレーンに強みを持ちます。大型クレーンの強化のために、米建機大手テレックスから、欧州に強い「Demag(デマーグ)」ブランドのクレーン事業を2019年に買収しました。2020年にドイツのデマーグとファウンが法的整理の手続きを申請しました。

Manitowoc(マニトワック)

1902年に設立された米国に本拠を置くクレーン大手です。Grove、Manitowoc、National Crane、Potain、Shuttleliftのブランド名でクローラクレーン及びブームトラックを製造販売しています。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

参照したデータの詳細情報について


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