建設機械業界

建設機械業界の世界市場シェア(世界シェア)と市場規模について分析しています。キャタピラー、 コマツ、テレックス、日立建機、ボルボ、CNH等世界大手建機・重機メーカー動向も掲載しています。

世界市場シェア

「建設機械メーカーの世界売上高ランキングのトップ12の分析」に記載されている2018年度の建設機械(建機)メーカーの売上高分子に、市場規模を分母にして、建設機械業界の市場シェアを簡易に算定すると、2018年の世界1位はキャタピラーの25%、2位はコマツの11%、3位はディアの5%となります。

2018年建設機械の市場シェアランキング

キャタピラー 25%

コマツ   11%

ディア   5%

日立建機 4%

ボルボ 4%

リープヘル 4%

三一重工 4%

斗山インフラコア 3%

テレックス 2%

徐工集団 2%

中連重科 2%

CNHインダストリアル 1%

建機のみの売上高ランキングで、世界市場シェアを計算してみると、改めてキャタピラー(CAT)とコマツの強さが浮き彫りにされます。両社ともに、世界中の建設機械の位置情報、稼働時間、燃料消費、不具合情報などの電子データを、リアルタイムに、キャタピラーはProduct Link、コマツはコムトラックで収集できること、プラットフォームを立ち上げたことが強みです。

3位には、ボルボと日立建機を抜いて、農機大手のディアが浮上しました。2017年に道路建設に強いヴィルトゲンを買収したことで、売上が拡大しています。

スウェーデンの建機・トラックのジャイアントであるボルボ、日立建機、リープヘルはおなじみの建機三銃士です。トップ2強を追い上げています。三一重工は、Sanyブランドで、中国最大手の座を手に入れました。今後中国の国内市場の成長率が減速していくなかで、如何に成長シナリオを描いていくかが、注視されます。8位となった斗山インフラコアは韓国の斗山グループの建機メーカーです。

市場規模

調査会社Freedoniaのによれば、建設機械の2019年の世界市場規模は、2180億ドル(約23兆円)と予測されています。

World demand for construction machinery is forecast to advance 3.9 percent per year through 2019 to $218 billion.

地域別の内訳は、中国と米国市場が最大で概ねそれぞれ30%程度の規模、次に欧州、インド、日本となります。種類別では油圧ショベルの割合が最も大きくなります。

再編の歴史

2007年 ビュサイラスによる独DBT Groupの買収

2008年 Zoomlion(中連重科)によるイタリアのCIFA(シーバ)社の買収

2011年 キャタピラーによる鉱山機械大手ビュサイラスの買収

2012年 サニーによる独コンクリートポンプ車メーカーのプツマイスターの買収

2013年 フィアット・インダストリアルとCNHグローバルが経営統合しCNHインダストリアル誕生

2015年 テレックスとフィンランドのコネクレーンが経営統合

2016年 コマツによる鉱山用機械大手の米ジョイ・グローバルの買収

2016年 日立建機による豪ブラッドケンの買収

2017年 ディアによるドイツ道路建設機械メーカーのヴィルトゲン・グループの買収

建機の種類

建設機械とは、建設現場において土砂の掘削、運搬などを行う機械であり、油圧ショベル、ブルドーザ、ダンプカーなどの種類があります

世界の主要建機・クレーンメーカー一覧

Caterpillar(キャタピラー、米)

米国に本社を置く世界最大の建機メーカーです。CATの愛称と建機における黄色の配色が特徴です。

コマツ

日本を代表する建機メーカーです。Caterpillarとグローバルで真っ向勝負をしています。建機の稼働時間等を遠隔モニターできるシステム等で世界市場を開拓しました。2016年鉱山機器大手の米国ジョイ・グローバルを買収しました。コマツの強い鉱山の露天掘りとジョイの強い坑内掘りの相乗効果を狙っています。

コマツによるジョイグローバル買収のハイライト

  • 2016年7月にコマツが米鉱山機械大手のジョイ・グローバル買収を発表
  • 買収総額は約29億米ドル。ジョイ・グローバ ルの終値に対して約20%程度のプレミアム。 売上高倍率で約1.2倍程度
  • 買収によりコマツは次ページのシナジーを期待
  • コマツの強みである露天掘り(オープンピット)と ジョイの強みである坑内掘りの組み合わせによる 鉱山機械の一環供給体制
    • コマツの運搬トラックとジョイの掘削ショベル・ホ イールローダーとの親和性
    • ジョイの鉱山機械の無人運転化の促進
  • 鉱山機械の売上は、世界最大手のキャタピラー社(2010年に鉱山機械のビュサイラスを 買収)と匹敵

Terex Corporation(テレックス、米)

旧GM(ジェネラル・モーターズ)の建機部門です。買収を通じて成長しました。NYSEに上場しています。2015年にフィンランドのコネクレーンとの経営統合を発表しました。

日立建機(Hitachi Construction Machinery)

日本を代表する大手建機メーカーです。日立製作所の上場関連会社でもあります。2016年に豪州の鉱山機器向け消耗品に強みを持つブラッドケンを買収しました。

Volvo Group(ボルボ・グループ、スウェーデン)

スウェーデンに本社を置く大手商用車・建機メーカーです。乗用車メーカーのボルボは現在は中国の浙江吉利控股集団(Zheijiang Geely Group Holding)傘下にあります。

CNH Industrial(CNHインダストリアル)

CNHインダストリアルは、2013年のCNHグローバルとフィアット・インダストリアルとの経営統合の結果誕生しました。現在はニューヨーク証券取引所とミラノ証券取引所に株式を上場しています。従業員数は約6万人を超え、65ヶ所超の工場、50超のリサーチ拠点を有し、全世界180ヶ国で事業を展開しています。2017年の売上高は262億ドル、営業利益率は約5.8%です。フィアット創業家が大株主となっています。
事業領域としては、CASEブランドで展開する建設機械、New Holland(ニューホランド)及びCASEブランドで展開する農業機械、商用車・トラックのIveco(イベコ)、旧ルノーの流れを汲むHeuliez Bus(ユーリエ・バス)、IVECO BUS (イベコバス、以前は Irisbus(アイリスバス)ブランド)、1864年から続く老舗消防車メーカーであるMagirus(マギルス)、エンジン・車軸・変速機等を製造するFPT Industrial(フィアット・パワートレイン・インダストリアル)となっています。
なお、CNHグローバルは、1999年にNew Holland(ニュー・ホランド)とCase Corporation(ケース・コーポレーション)が経営統合し誕生しています。

Deere(ディア、米)

米に本拠を置く農業機器・建機メーカーです。John Deereブランドが有名です。2017年に道路建設や道路補修大手である Wirtgen Group(ヴィルトゲン・グループ)を買収し、建設機械事業を強化しています。

Liebherr(リープヘル、独)

独大手建機メーカーです。未上場で同族経営が特徴です。スイスの持ち株会社がグループを統括しています。クレーン分野では世界最大級です。

Zoomlion(中連重科)

中国の建機大手です。コンクリート用機械に強みを持ちます。2008年にイタリアのCIFA(シーバ)社の買収し世界展開を加速しています。

Sany(三一重工)

中国長沙に本拠を置く大手の建機会社です。中国国内ではコマツやキャタピラーと競っています。同社のコンクリートポンプ車が福島の原子炉建屋内の使用済み燃料貯蔵プールや原子炉に放水する際に使用されました。ドイツのコンクリートポンプ大手のプツマイスター(Putzmeister Holding GmbH)を買収しました。

Konecranes(コネクレーンズ)

フィンランドを代表するクレーンメーカーです。2015年に米国のテレックスとの経営統合を発表しました。

XCMG(徐工集団)

中国政府系の大手建機メーカーです。クレーンに強みを持ちます。

タダノ

日本を代表するクレーンメーカーです。建設用クレーンに強みを持ちます。大型クレーンの強化のために、米建機大手テレックスから、「デマーグ」ブランドのクレーン事業を2019年に買収しました。

Manitowoc(マニトワック)

米国に本拠を置くクレーン大手です。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

建機業界の参考図書

このページを作成にあたり以下の書籍を参考にさせて頂きました。

建設機械業界を5分でマスターするための一問一答問題集 [Kindle版]

日本型トランスナショナル企業を実現したコマツ ―前門のキャタピラー、後門の三一重工の構図への対応戦略― グローバル経営シリーズ [Kindle版]

建設車両の仕組みと構造 [単行本]建設機械のすべて―油圧ショベル、クローラクレーン、ブルドーザ、ホイー (モーターファン別冊) [ムック]

アフターマーケット戦略―コモディティ化を防ぐコマツのソリューション・ビジネス [単行本]

ザ・建機! 最新重機の世界 ~コマツ編

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