農業・畜産業・漁業・林業の分野でM&A対象となる会社の分析

M&Aや業界再編が予想される農業、畜産業、漁業や林業関連の会社概要を掲載しています。特に種子、農薬、肥料、飼料分野での売却の可能性があります。

なお、本記事の作成日以降にM&Aによって下記会社が買収されている可能性もありますことを予めご了承下さい。

種子業界で今後M&Aの可能性がある会社

今後も世界の人口と共に穀物や野菜の消費量も増え続けます。栽培が可能な土地は限られていることから、種子分野では、土地当りに収穫量を増やすために、殺虫剤耐性、耐虫性の強化や環境適応能力を高めた種子開発のための技術革新が続き、今後も成長が見込まれます。

当サイトでは、2021年の種子業界の市場規模を630億ドルとしております。参照にした統計データなどは以下の通りです。
調査会社のマーケッツアンドマーケッツによると2021年の同業界の市場規模は630億ドルを見込んでいます。2026年にかけて年平均6.6%での成長を見込みます。2020年の同市場規模は680億ドルです。2026年にかけて7%での成長を見込みます。調査会社のリサーチアンドマーケッツによると2019年の同市場規模は554億ドルです。参照したデータの詳細情報

投資ファンドも、積極的に投資を行っており、M&Aによる売却の可能性があります。

社名:Koppert Cress(コッパート・クレス)
本社所在地:オランダ
買収を発表した年:2022年1月
今後売却検討する可能性のある株主:Rabo Investments
コッパート・クレスは、1987年に創業したクレスなどの発芽野菜(スプラウト・マイクロリーフ)栽培会社です。自社で種苗会社を保有しております。ラボバンク系投資会社が2022年にマイノリティ出資を行いました。

社名:DUMMEN
本社所在地:オランダ
設立年:2015年
株主:BCパートナーズ
DUMMEN ORANGE(デュメン オレンジ)は、オランダに本拠を置く切花、鉢花、花壇用植物、球根、多肉多汁植物、多年生植物、宿根性植物の育種を行う種苗会社です。2017年に台湾のラン繁殖会社 Sogoを買収しています。鑑賞植物セクターでの更なる成長を狙っております。BCパートナーズが2015年にH2 Equity Partners (HSエクイティ・パートナー)とデュメン家から、約500百万ユーロで買収しています。

社名:SNFL
本社所在地:スペイン
設立年:2019年
株主:Paine Schwartz Partners
SNFLはブドウの品種を開発する会社です。Paine Schwartz Partnersが買収をしました。

社名:Planasa
本社所在地:スペイン
設立年:2017年
株主:シンベン
Planasa(プラナサ)は、ラズベリーやブルーベリー、アスパラガスやアボカド、チコリといった農作物の品種改良や新種開発、種苗生産を手がけるスペインの企業です。1973年に創業し、現在は欧米やアジアなど11ヶ国で事業を展開しています。シンベンが2017年に買収をしました。 買収時点の想定企業価値は 523 億ドルです。

社名:Agro Care
本社所在地:オランダ
設立年:2020年
株主:NPMキャピタル
Agro Care(アグロケア)はトマトの種子育種から生産まで手がけるトマト生産会社です。NPMキャピタルが買収しました。

農薬業界で今後M&Aの可能性がある会社

農薬業界は、モンサントを買収したバイエルやシンジェンタといった業界のガリバーが存在する寡占的な市場構造です。人口増加にあわせて食糧増産のニーズは高く、農薬業界もそうした背景に安定期な成長を見込みます。農薬業界についてさらに詳しく

農薬業界のM&Aの目安として、買収時点の企業価値に対する売上高のマルチプルを見てみると、1~5倍を「ばらつき」が大きくなっています。バイエルとモンサントの案件の倍率が4.7倍と最大です。買収の規模では、ケムチャイナとシンジェンタ、バイエルとモンサント、そしてコルテバのスピンオフが大きくなっています。

農薬業界の企業価値売上高マルチプル

農薬業界の企業価値売上高マルチプル、丸の大きさは企業価値を示す

今後も更なる技術革新が予想される化学品を使用しないバイオ農薬など多くの会社が参入しており、投資ファンドも積極的に買収を行っています。今後M&Aの可能性がある農薬関連会社は以下の通りとなります。

社名:Bayer Environmental Science Professional
本社所在地:米国
買収を発表した年:2022年3月
今後売却検討する可能性のある株主:Cinven
放牧地、林業、芝生、観葉植物向けにネズミ、害虫、侵入性雑草などを防ぐための製品を開発販売しています。2022年3月にCinvenがバイエルから買収をしました。

社名: Sterilex
本社所在地: 米国
買収年: 2021年
株主: Paine Schwartz
Sterilexは、食品や医薬品に付着する耐性微生物の殺菌・除去を目的とした殺菌剤や殺菌製品を開発製造しています。Paine Schwartzが出資しました。

社名:Biolchim
本社所在地:イタリア
買収年:2017年
株主:Chequers Capita
Biolchimは肥料の一種であるバイオスティミュラントを製造する会社です。Chequers Capitalが買収をしました。

社名:Rovensa
本社所在地:スペイン
買収年:2020年
株主:ブリッジポイント
Rovensaはジェネリック農薬とバイオスティミュラントといったバイオニュートリションに強みがあります。2020年に買収しました。

社名:AgBiTech
本社所在地:オーストラリア
買収年:2015年
株主:Paine Schwartz Partners
AgBiTechは化学的な農薬に代替するバイオ農薬を開発する会社です。Paine Schwartz Partnersが買収をしました。

社名:ESIM
本社所在地:オーストリア
株主:アーディアン
ESIM Chemicals(イーエスアイエムケミカルズ)は、リンツ(オーストリア)に本社を置く農薬成分メーカーです。アーディアンが買収しました。

社名:VIAKEM
本社所在地:メキシコ
買収年:2016年
株主:アドベントインターナショナル
VIAKEM(ヴィアケム)は、メキシコを拠点とする、農薬、香料、医薬品、洗剤向けのファインケミカルメーカーです。が2016 年に買収しました。

社名:Verdesian
本社所在地:米国
買収年:2021年
株主:AEAインベスターズ
Verdesian Life Sciences(ベルデシアンライフサイエンス)は、バイオ由来の植物向け肥料強化補助剤を開発しています。2021年にAEAインベスターズが買収しました。

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