フォークリフト業界の世界市場シェアの分析

工場等で稼働する荷役運搬機械(フォークリフト)業界の世界市場(マーケット)シェア、ランキング、市場規模、再編について分析をしています。キオン、三菱ロジネクスト(旧ニチユ三菱)、豊田自動織機、ハイスターエール、ユングハインリッヒといったフォークリフト大手の概略や動向も掲載しています。

フォークリフト業界の世界市場シェア

フォークリフトメーカー各社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、後述する市場規模を分母に用いて、2020年のフォークリフト業界の世界市場シェアを計算すると、1位は日本の豊田自動織機、2位はドイツのキオン、3位はドイツのユングハインリッヒとなります。

  • 1位 豊田自動織機 19.7%
  • 2位 キオングループ 12.7%
  • 3位 ユングハインリッヒ 8.4%
  • 4位 クラウンエクイップメント 6.9%
  • 5位 三菱ロジネクスト 6.8%
  • 6位 ハイスターエール 5.2%
  • 7位 ヘリ 3.6%
  • 8位 ハンチャ 3.2%
  • 9位 斗山 1.4%
  • 10位 龍工フォークリフト 0.7%
  • 11位 マニトウ 0.5%
  • 12位 現代重工業 0.4%

フォークリフト会社の世界シェア(2020年)
フォークリフト会社の世界シェア(2020年)

2020年は日本の豊田自動織機が2位のキオンを引き離し2019年に続き1位をキープしています。豊田自動織機はオランダのファンダランデ(Vanderlande Industries B.V.)や米バスティアン(Bastian Solutions, Inc.)を買収して、フォークリフトとも相乗効果があるマテリアルハンドリング分野を強化しています。
2位のキオンは、中国のWeichai Power(潍柴濰柴動力股份有限公司)からの出資を受け入れつつ、米デマティック(Dematic)を買収し、マテリアルハンドリング分野の強化を図っています。
3位のドイツのユングハインリッヒもドイツのISI Automation(ISIオートメーション)や コロンビアのAgencia Alemana(アジェンシアアレマナ)を買収し、オートメーションソリューションの強化を目指しています。2019年のフォークリフト生産台数は112,900台です。
上位3社がマテリアルハンドリング事業を強化している点が印象的です。フォークリフト大手メーカーも規模を競う時代から、ロジスティックソリューション分野の強化を図っていると言えます。
4位には米国のクラウンエクイップメント、5位は三菱ロジネクストです。旧ニチユ三菱とユニキャリアが経営統合をして誕生したフォークリフトメーカーです。三菱重工業の傘下企業としてグローバル展開を志向しています。6位には同じく米国のハイスターエールとなっています。ハイスターエールの2019年のフォークリフト生産台数は100,300台です。
7位、8位は中国のフォークリフトメーカーであるヘリ(2019年の生産台数は153,108台)、ハンチャが入り、9位は建国のコングロマリットである斗山、10位は中国の龍工フォークリフトです。生産台数で考えると中国のヘリが世界最大手の一角と考えられます。なお、前年10位のコマツフォークリフトは、フォークリフトに関するセグメント情報が公開されておらず、ランキングへの掲載を保留しております。

1位 豊田自動織機
2位 キオン
3位 ユングハインリッヒ
4位 三菱ロジネクスト
5位 クラウンエクイップメント
6位 ハイスターエール
7位 ヘリ
8位 ハンチャ
9位 斗山
10位 コマツ
11位 現代重工業
12位 マニトウ
13位 龍工

フォークリフト業界の再編

今後の工場・倉庫内のオートメーション化をにらみフォークリフトとマテリアルハンドリング分野の融合が進むと予想されます。

主要なM&A

2006年 KKRとゴールドマンサックの投資ファンドがドイツの工業用ガス大手のリンデからキオンを買収
2011年 産業革新機構が日産自動車と日立建機からフォークリフト子会社を買収し、ユニキャリアを設立
2012年 Shandong Heavy Industry (山東重工業)傘下の中国のエンジンメーカーWeichai Power(潍柴濰柴動力股份有限公司がキオンの株式を取得
2012年 米国のNACCOがフォークリフト事業をHyster-Yaleとして分社化
2012年 豊田自動織機が米国のフォークリフト用アタッチメントの製造・販売の世界最大手のカスケード社を買収
2015年 ユニキャリアをニチユ三菱フォークリフトとその親会社の三菱重工が共同買収

フォークリフト業界の世界市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、フォークリフト業界の2020年の市場規模を540億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社ジーエムインサイツによると、2019年の同業界の世界の市場規模は約500億ドル超と推計されます。2020年から2026年にかけて年平均10.5%での成長を見込みます。一方調査会社のグランドビューリサーチによると、2019年と2020年の同市場規模は496億ドルと544億ドルです。2027年にかけて年平均12.1%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模前年成長率
2020540億ドル8%
2019500億ドル
フォークリフト業界の想定市場規模推移 ©ディールラボ

フォークリフトの主要パーツ

フォークリフトを構成する主要パーツは、フォーク、バックレスト、リフトチェーン、マスト、ヘッドガード、ティルトシリンダ、タイヤ、オイルエレメント、エアエレメント、フューエルエレメント、ブレーキシュー、ディスクパッド、ブレーキホイルシリンダー、キングピンキット、オイルシール、バッテリー、ワイヤー類です。

世界のフォークリフトの分類(Industrial Truck Association)

Class 1 (Electric Motor Rider Rruck – Counter balanced)
バッテリー式のカウンターバランス型フォークリフトです。主に屋外で使用。Class2や3よりも大型が多いです。
Class2(Electric Motor Narrow isle Trucks)
バッテリー式の倉庫内で利用されるフォークリフトです。立ち乗りの形状が多いです。
Class3(Electric Pedestrian Trucks)
バッテリー式の倉庫内で利用されるフォークリフトです。手押しする機器もあります。
Class4&5(Interal Combustion Truck, Cushin and Pneumatic Tires)
エンジン式のカウンターバランス型フォークリフトです。主に屋外で使用。タイヤがクッションタイヤ(ノーパンクタイヤ)のものと空気圧式タイヤのものに分かています。

世界の主要フォークリフトメーカー

Kion(キオン)

独大手フォークリフトメーカーです。2006年に独産業ガス大手のリンデ(Linde)グループよりKKRとゴールドマンサックスが買収後、2012年にフランクフルト証券取引所に上場しました。現在はShandong Heavy Industry (山東重工業)傘下の中国のエンジンメーカーWeichai Power(潍柴濰柴動力股份有限公司)が筆頭株主です。2016年にマテリアルハンドリング大手のDematicを買収しました。Linde Material Handling (リンデ・マテリアル・ハンドリング)、STILL(スティル)、Fenwick(フェンウィック)、OM STILL(オー・エム・スティル)、Baoli(バオリ)、Voltas(ヴォルタス、インドの大手地場フォークリフトメーカー)等のブランドで世界展開しています。

豊田自動織機(Toyota Industries)

トヨタ自動車工業の源流系企業です。独Kion(キオン)とともに業界首位を競っています。2012年米国のフォークリフト用アタッチメントの製造・販売の世界最大手のカスケード社を買収しました。2014年には台湾に本拠を置くフォークリフトメーカーのTailift(タイリフト、台湾)を買収しています。2017年にはマテハン業界大手のファンダランデを買収しました

Hyster-Yale (ハイスターエール、旧Naccoナコ)

米大手フォークリフトメーカーです。日本では住友重機械と提携し、住友ナコとして運営しています。ニューヨーク証券取引所に上場しています。2012年にNacco Materials Handling Group(ナコ・マテリアル・ハンドリング・グループ)よりスピンオフし、Hyster-Yale Materials Handling社として独立しました。Hyster(ハイスター)、Yale(エール)、UTILEV(ユーティレブ)のブランドで世界展開しています。

JUNGHEINRICH(ユングハインリッヒ)

独大手フォークリフトメーカー。ユングハインリッヒ家がオーナーです。フランクフルト証券取引所に議決権のない株式を上場しています。三菱ロジネクストと独占販売契約を締結しました。

Cargotec(カーゴテック)

2005年にクレーン大手のKone(コネ)社より分社化設立されたフィンランドの名門企業です。コンテナ部門(カルマー、Kalmar Industries AB)、貨物部門(Hiab and Moffett)、海上輸送部門(マックグレゴー、MacGREGOR)等を運営しています。

Crown Equipment(クラウン)

1945年創業の米国オハイオ州に本拠を置く非上場フォークリフトメーカーです。

Manitou(マニトウ)

仏大手フォークリフトメーカーです。トヨタ自動織機とフランス国内で提携しています。ユーロネクスト証券取引所に上場しています。

三菱ロジネクスト(旧ニチユ三菱)

エンジン式に強い三菱重工業のフォークリフト部門とバッテリー式に強いニチユが統合して誕生し、その後2015年にユニキャリアとの経営統合を発表し、三菱ロジネクスト社となりました。

ユニキャリア(Unicareer)

日産自動車のフォークリフト部門と日立建機のフォークリフト子会社TCMが統合して誕生しました。産業革新機構が筆頭株主。2014年に旧日産ディーゼル(現UDトラックス)よりディーゼルエンジン事業を買収しました。2015年にニチユ三菱フォークリフトとの経営統合を発表し、三菱ロジネクトとなりました。

コマツリフト(Komatsu Lift)

重機大手のコマツ傘下のフォークリフト子会社です。2018年にコマツ本体と合併しました。

Clark Material Handling Company(クラーク)

韓国の大手帽子メーカーであるヤンアンハット(Young An Hat)が2003年に買収したフォークリフトメーカーです。創業は米国です。年間のフォークリフト生産能力は1万台程度と推計されます。

ANHUI HELI(安徽合力、アンホイヘリ、安徽合力股份有限公司)

1958年創業のAnhui(安徽省)Hefei(合肥)に本拠を置く中国最大のフォークリフトメーカーです。上海証券取引所に上場しています。フォークリフトのブランドはHeli(ヘリ)です。

Godrej Material Handling(ゴドレジマテリアルハンドリング)

インド最大級のフォークリフトメーカーです。白物家電等を製造販売するインド中堅のゴドレジ財閥のグループ企業です。

Hangcha Group(ジャージアン・ハンチャ、浙江省ハンチャ、浙江杭叉)

Zhejiang(浙江省)杭州市に本拠を置く中国大手フォークリフトメーカーです。Hangchaブランドにてフォークリフトを販売しています。

Lonking (Shanghai) Forklift Co., Ltd. (ロンキン・フォークリフト、龍工、中国龙工控股有限公司)

大手建機メーカーLonking Holdings Limitedの子会社の中国中堅フォークリフトメーカーです。

Dalian Forklift Co.,Ltd. (大連フォークリフト、大连叉车有限责任公司)

大連市に本拠を置く政府系中国中堅フォークリフトメーカーです。

Sino-American Zhejiang Maximal Forklift Co., Ltd. (シノ・アメリカン・ジャージアン・マキシマル・フォークリフト、浙江美科斯叉车有限公司)

Zhejiang KNSN Pipe & Pile Co., Ltd傘下のフォークリフトメーカーです。中国のMilitary Transportation University(軍交通大学)と技術提携しています。

Zhejiang Goodsense Forklift Co.,Ltd.(浙江省グッドセンス・フォークリフト、浙江吉鑫祥叉车制造有限公司)

香港のJIXIANG GROUP(中國香港吉祥集團有限公司)により設立されました。

参照したデータの詳細情報について


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