コマツの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析


1921年に銅山経営の竹内鉱業の機械製造部門から独立して誕生した日本を代表する建機メーカーです。「ダントツ」経営で、Caterpillar(キャタピラー)とグローバルで真っ向勝負をしています。建機の稼働時間等を遠隔モニターできるシステム(KOMTRAX)で世界市場を開拓しました。2017年鉱山機器大手の米国ジョイグローバルの買収手続きが完了しました。コマツの強い鉱山の露天掘りとジョイの強い坑内掘りの相乗効果を狙っています。

業績推移(年次)
2021年度(2022年3月期)
売上高は2兆8,023億円で、前年度比28%増となりました。営業利益は3,170億円になりました。営業利益率は11%になりました。
中国を除く全ての地域で売上が増加しました。特に、米州地域で約2,540億円、アジア・オセアニア地域で約1,900億円増加しました。
資材価格や物流コスト上昇の影響はあるものの、販売価格の改善や円安の影響により営業利益率が増加しました。

2022年度(2023年3月期)
売上高は3兆5,434億円で、前年度比26.4%増となりました。営業利益は4,906億円、売上高営業利益率は13.8%となりました。
ロシア周辺地域ではウクライナ情勢の影響により約640億円、中国では経済活動の停滞により約170億円の売上減少がありました。一方、米州では重機レンタルやインフラ向け機械が好調で約4,230億円増加し、中国を除くアジア・オセアニア地域ではインドネシアの鉱山向け機械や東南アジアの一般建機需要の堅調さから約2,190億円増加しました。
その他地域でも売上が増加し、全体として前年度比26%超の増収となりました。資材価格や物流コスト上昇の影響は継続したものの、販売価格の改善と円安の効果により営業利益率はさらに上昇しました。

2023年度(2024年3月期)
売上高は3兆8,651億円で、前年度比9.1%増となりました。営業利益は6072億円、売上高営業利益率は15.7%と、2ポイント強の大幅な改善となりました。
北米・アジアを中心に鉱山機械の需要が堅調に推移し、部品・サービス売上の増加も収益に寄与しました。
外部環境の変動に対応するため、クロスソーシングやマルチソーシングの強化などサプライチェーンの強靭化を進め、新車需要を着実に取り込みました。
産業機械では大型プレスの一部が減少したものの、半導体需要を背景にエキシマレーザー関連が好調で、売上は前期を上回りました。
販売価格改善と円安効果が続き、営業利益は前年比23%超の増益となりました。

2024年度(2025年3月期)
売上高は4兆1,044億円で、前年度比6.2%増となりました。営業利益は6,571億円、営業利益率は16.0%と、過去数年で最高水準まで上昇しました。
建設機械・車両部門の売上高は3兆7,982億円(前年比+5.1%)、セグメント利益は5,989億円(同+4.3%)となりました。物量減やコスト増のマイナス影響があったものの、円安と販売価格の改善がそれを上回り、増収増益を確保しています。
リテールファイナンス部門は金利上昇や円安、金融債権の増加などを背景に増収増益、産業機械他部門も自動車産業向け大型プレス・工作機械の販売増や、半導体産業向けエキシマレーザーのメンテナンス売上回復により増収増益となりました。
地域別では、アジア・オセアニアが実質増、北米・中南米・アフリカは減少しました。価格と為替で吸収し、利益率は過去数年で最高水準の16%に到達した。

2025年度(現2026年3期)
売上高は4兆1,327億円で、前期比0.7%増となりました。営業利益は5,673億円、営業利益率は13.7%となりました。
建設機械・車両部門は販売価格改善に努めたものの、販売量減少+コスト増により減益となった一方、リテールファイナンス部門や、大型プレス・エキシマレーザーのメンテ増で産業機械部門は増益となりました。
金利上昇や需要減速の影響を織り込みつつも、価格政策やコストコントロールにより一定の収益水準を維持する計画であり、2021年度以降続いてきた「価格改善と円安による利益率押し上げ」フェーズから、「需要調整局面での収益防衛」フェーズへの移行がうかがえる内容です。

コマツの業績推移

コマツの業績推移

業績推移(四半期)
2024年第4四半期(2025年1〜3月)
売上高は前年同期比 7.2%増の1兆1,471億円 になりました。
営業利益は1,911億円、営業利益率は16.66% になりました。
販売価格の改善と円安効果が寄与し、利益率は16%台後半と高水準を維持しました。

2025年第1四半期(2025年4〜6月)
売上高は前年同期比 5.24%減の9,095億円 になりました。
営業利益は1,404億円、営業利益率は15.44% になりました。
販売量は減少したものの、価格改善が利益率を下支えし、収益性は依然として高い水準を維持しました。

2025年第2四半期(2025年7〜9月)
売上高は前年同期比2.6%減の 9,821億円 になりました。
営業利益は1,367億円、営業利益率は13.92% になりました。
円安効果は続いたものの、販売量減少とコスト増が利益率を押し下げました。

2025年第3四半期(2025年10〜12月)
売上高は前年同期比3.51%増の1兆239億円 になりました。
営業利益は1,420億円、営業利益率は13.86% になりました。
固定費増と販売減が重荷となり、営業利益率は引き続き横這いでした。

2025年第4四半期(2026年1〜3月)
売上高は前年同期比6.11%増の1兆2,173億円になりました。
営業利益は1,483億円、営業利益率は12.18% になりました。
販売量の減少とコスト増が続き、価格改善では吸収しきれず利益率は12%台に低下しまし

コマツの四半期業績推移

コマツの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移
希薄化後EPSは前年度比12.57%減の413.90円になりました。1株当たりの配当は前年同の190円になりました。配当性向は45.90%になりました。

コマツのEPS・1株配当・配当性向の推移

コマツのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想
2027年3月期通期の業績は減収減益見通しです。
今期の売上高は 4兆1,180億円、営業利益は 5,080億円、営業利益率は 12.3%を見込みます。1株当たりの配当金は、190円となり、前期(2025年3月期)実績と同額の見込みです。

⑥売上構成
セグメントは、建設機械・車両、リテールファイナンス、産業機械他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

コマツのセグメント別売上構成(2025年度)

コマツのセグメント別売上構成(2025年度)

■建設・鉱山機械(Construction, Mining & Utility Equipment)

建設・鉱山機械セグメントでは、以下の建設機械および車両を製造しています。
また、建設現場・鉱山向けのデジタルソリューションや物流関連サービスも含まれます。

主な製品カテゴリ

・掘削機械:油圧ショベルなど
・積込機械:ホイールローダーなど
・整地機械:ブルドーザーなど
・運搬機械:ダンプトラックなど
・その他:林業機械、地下建設機械、地下鉱山機械など

含まれるソリューション

・運輸・倉庫・梱包などの物流関連サービス
・無人ダンプトラック運行システム(AHS)
・ICT建機・スマートコンストラクションなどのデジタルサービス

■リテールファイナンス(Retail Finance)
建設・鉱山機械の購入を支援する リース・割賦・金融サービス を提供するセグメントです。

主なサービス

・建設機械・鉱山機械のリース
・割賦販売(分割払い)金融債権管理・ファイナンスサービス

■産業機械他(Industrial Machinery & Others)
産業機械他セグメントでは、以下の産業向け機械・防衛関連機械を製造しています。

主な製品カテゴリ
・鍛圧機械:大型プレスなど
・板金機械:レーザー加工機など
・工作機械:マシニングセンターなど
・防衛関連機械:装甲車など

M&A情報


2017年 豪州の100%子会社を通じて、鉱山機械向けソリューションプロバイダーであるMineWare Pty Ltd (オーストラリア)を買収
2017年 完全子会社であるコマツアメリカ株式会社(米国)を通じて、露天掘りおよび坑内掘り向け鉱山機械の製造・販売・サービスを行うJoy Global Inc.(米国)の買収手続きが完了
2018年 米国の100%子会社を通じて、Prenbec Equipment Inc.(カナダ)およびそのグループ会社が保有する林業機械用アタッチメント事業を買収する契約を締結
2018年 スウェーデンの100%子会社であるコマツフォレストABを通じて、林業機械シミュレータの開発・製造・販売会社のOryx Simulations Verklighetsmodeller i Sverige AB(スウェーデン)を買収
2019年 完全子会社であるコマツアメリカ株式会社を通じて、TimberPro, Inc.(米国)の買収を決定
2019年 豪州の100%子会社を通じて、鉱山顧客向けのオペレータートレーニング会社であるImmersive Technologies Pty Ltd. (オーストラリア)の買収を決定
2022年 豪州の100%子会社を通じて、坑内掘り鉱山向けの通信デバイスと坑内測位による最適化プラットフォームのプロバイダーであるMine Site Technologies Pty Ltd(オーストラリア)の買収を決定
2022年 スウェーデンの100%子会社であるコマツフォレストを通じて、植林用アタッチメントの開発・製造・販売会社であるBracke Forest AB (スウェーデン )の買収を決定
2022年 100%子会社であるコマツマイニング株式会社を通じて、坑内掘り鉱山機械メーカーであるGHH Group GmbH(ドイツ)の買収を決定
2023年  American Battery Solutions(ABS、米国)を買収
2024年 Octodots Analytics(チリ)を買収

コマツによるジョイグローバル買収

2016年7月にコマツが米鉱山機械大手のジョイグローバル買収を発表
買収総額は約29億米ドル。ジョイ・グローバルの終値に対して約20%程度のプレミアム。 売上高倍率で約1.2倍程度
鉱山機械の売上は、世界最大手のキャタピラー社(2010年に鉱山機械のビュサイラスを買収)に匹敵

期待されるシナジー
コマツの強みである露天掘り(オープンピット)とジョイの強みである坑内掘りの組み合わせによる鉱山機械の一環供給体制
コマツの運搬トラックとジョイの掘削ショベル・ホ イールローダーとの親和性
ジョイの鉱山機械の無人運転化促進

 

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