コマツの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

1921年に銅山経営の竹内鉱業の機械製造部門から独立して誕生した日本を代表する建機メーカーです。「ダントツ」経営で、Caterpillar(キャタピラー)とグローバルで真っ向勝負をしています。建機の稼働時間等を遠隔モニターできるシステム(KOMTRAX)で世界市場を開拓しました。2017年鉱山機器大手の米国ジョイグローバルの買収手続きが完了しました。コマツの強い鉱山の露天掘りとジョイの強い坑内掘りの相乗効果を狙っています。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は2,725,243百万円で、前年度比9%増となりました。営業利益は397,806百万円になりました。営業利益率は15%になりました。

2019年度
売上高は2,444,870百万円で、前年度比10%減となりました。アジアをはじめとする需要減少に加え、第四四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響により需要がさらに減少し、前年度の売上を下回る結果となりました。営業利益は250,707百万円になりました。営業利益率は10%になりました。

2020年度
売上高は2,189,512百万円で、前年度比10%減となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、第三四半期以降は一般建機を中心に需要の回復が見られたものの、通期では第二四半期までの需要減少の影響が大きく、売上減となりました。営業利益は167,328百万円になりました。営業利益率は8%になりました。

2021年度
売上高は2,802,323百万円で、前年度比28%増となりました。営業利益は317,015百万円になりました。営業利益率は11%になりました。中国を除く全ての地域で売上が増加しました。特に、米州地域で約254,000百万円、アジア・オセアニア地域で約190,000百万円増加しました。資材価格や物流コスト上昇の影響はあるものの、販売価格の改善や円安の影響により営業利益率が増加しました。

2022年度
売上高は3,543,475百万円で、前年度比26%増となりました。営業利益は490,685百万円になりました。営業利益率は14%になりました。ロシア周辺地域においてはウクライナ情勢の影響で約64,000百万円の売上が減少し、さらに中国においては経済活動の停滞により約17,000百万円減少しましたが、米州にて重機レンタル、インフラ向け機械が好調に推移し、約423,000百万円の売上増加。中国を除くアジア・オセアニア地域では、インドネシアにおける鉱山向け機械が順調であったことに加え、東南アジア全体で一般建機の需要が堅調であったことから219,000百万円売上が増加しました。その他世界の各地域でも売上が増加し、全体では前年度比26%増の売上となりました。資材価格や物流コスト上昇の影響はあるものの、販売価格の改善や円安の影響により営業利益率が増加しました。

コマツの業績推移

コマツの業績推移

業績推移(四半期)

2022年第2四半期(04ー06月)
売上高は854,927百万円になりました。営業利益は118,072百万円、営業利益率は14%になりました。

2022年第3四半期(07ー09月)
売上高は920,497百万円になりました。営業利益は134,965百万円、営業利益率は15%になりました。

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は100,4243百万円になりました。営業利益は144,086百万円、営業利益率は14%になりました。

2023年第1四半期(01ー03月)
売上高は899,551百万円になりました。営業利益は147,021百万円、営業利益率は16%になりました。

2023年第2四半期(04ー06月)
売上高は923,443百万円になりました。営業利益は149,955百万円、営業利益率は16%になりました。

コマツの四半期業績推移

コマツの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比45%増の345.18円になりました。1株当たりの配当は前年度比45%増の139円になりました。配当性向は40%になりました。

コマツのEPS・1株配当・配当性向の推移

コマツのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2023年10月
今期の売上高は3,660,000百万円、営業利益は548,000百万円、税引前当期純利益は509,000百万円を予定しています。

売上構成

セグメントは、建設機械・車両、リテールファイナンス、産業機械他に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

コマツの売上構成(2022年度)

コマツの売上構成(2022年度)

建設・鉱山機械
以下の建設機械及び車両を製造しています。また、物流関連(運輸、倉庫、梱包)や無人ダンプトラック運行システムなどのソリューションビジネスもこのセグメントに含まれます。
 ・掘削機械:油圧ショベルなど
 ・積込機械:ホイールローダーなど
 ・整地機械:ブルドーザーなど
 ・運搬機械:ダンプトラックなど
 ・その他:林業機械、地下建設機械、地下鉱山機械など

リテールファイナンス
建設・鉱山機械のリースや割賦サービスを提供。

産業機械他
機械プレスなどの鍛圧機械、レーザー加工機などの板金機械、マシニングセンターなどの工作機械、装甲車などの防衛関連機械などを製造しています。

M&A情報

2017年 豪州の100%子会社を通じて、鉱山機械向けソリューションプロバイダーであるMineWare Pty Ltd (オーストラリア)を買収
2017年 完全子会社であるコマツアメリカ株式会社(米国)を通じて、露天掘りおよび坑内掘り向け鉱山機械の製造・販売・サービスを行うJoy Global Inc.(米国)の買収手続きが完了
2018年 米国の100%子会社を通じて、Prenbec Equipment Inc.(カナダ)およびそのグループ会社が保有する林業機械用アタッチメント事業を買収する契約を締結
2018年 スウェーデンの100%子会社であるコマツフォレストABを通じて、林業機械シミュレータの開発・製造・販売会社のOryx Simulations Verklighetsmodeller i Sverige AB(スウェーデン)を買収
2019年 完全子会社であるコマツアメリカ株式会社を通じて、TimberPro, Inc.(米国)の買収を決定
2019年 豪州の100%子会社を通じて、鉱山顧客向けのオペレータートレーニング会社であるImmersive Technologies Pty Ltd. (オーストラリア)の買収を決定
2022年 豪州の100%子会社を通じて、坑内掘り鉱山向けの通信デバイスと坑内測位による最適化プラットフォームのプロバイダーであるMine Site Technologies Pty Ltd(オーストラリア)の買収を決定
2022年 スウェーデンの100%子会社であるコマツフォレストを通じて、植林用アタッチメントの開発・製造・販売会社であるBracke Forest AB (スウェーデン )の買収を決定
2022年 100%子会社であるコマツマイニング株式会社を通じて、坑内掘り鉱山機械メーカーであるGHH Group GmbH(ドイツ)の買収を決定

コマツによるジョイグローバル買収

  1. コマツの強みである露天掘り(オープンピット)とジョイの強みである坑内掘りの組み合わせによる鉱山機械の一環供給体制
  2. コマツの運搬トラックとジョイの掘削ショベル・ホ イールローダーとの親和性
  3. ジョイの鉱山機械の無人運転化促進
 

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