電動工具業界の世界市場シェアの分析

電動工具業界の世界市場シェア、市場規模や業界再編の情報を掲載しています。スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、ボッシュ、マキタ、テクトロニック・インダストリーズといった世界の主要な電動工具メーカーの概略や動向を掲載しています。2017年に投資ファンドのKKRが、フランスのメタボ社を買収した日立工機(現工機ホールディングス)を買収し、また京セラもリョービの電動工具事業を買収し、業界再編が続いています。

市場シェア

電動工具メーカー会社の2021年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2021年の電動工具業界の市場シェアを簡易に試算しますと、世界1位は米国のスタンレー・ブラック・アンド・デッカー、2位はテクトロニック・インダストリーズ、3位はマキタとなります。⇒参照したデータの詳細情報

電動工具業界の市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位スタンレー・ブラック・アンド・デッカー19.1%
2位テクトロニック・インダストリーズ13.0%
3位マキタ9.6%
4位ボッシュ8.6%
5位ヒルティ4.1%
6位京セラ3.3%
7位スナップオン2.8%
8位工機ホールディングス2.6%
電動工具業界の市場シェアと業界ランキング(2021年) ©ディールラボ

電動工具業界の市場シェア(2021年)
電動工具業界の市場シェア(2021年)

世界1位は米国のスタンレー・ブラック・アンド・デッカーです。2017年にニューウェルツールズを買収してさらなる規模拡大を目指しています。

2位は香港テクトロニック・インダストリーズです。

3位は日本のマキタとなります。

4位はドイツのボッシュ、5位はスイスのヒルティです。

6位の京セラは、もともと切削部品に強く、電動工具事業も展開しています。

7位は米国のスナップオンです。

8位は工機ホールディングスが入っています。

スタンレーブラックデッカー社が独自に算定しているグローバルツールサービス市場の2021年同社シェア及び業界ランキングは以下の通りとなります。

電動工具の業界ランキング
電動工具の業界ランキング

市場規模

当サイトでは、下記の情報も参考にして、2021年の電動工具業界の市場規模を670億ドルとしています。

スタンレーブラックデッカーによれば、2022年3月時点で推計するグローバルツール&ストレージサービス市場の規模は670億ドルです。

調査会社のフォーチュン・ビジネス・インサイツによれば、2021年と2020年のパワーツール業界の市場規模は258億ドルと252億ドルとなります。2029年にかけて年率平均4%で成長し、同年には353億ドルへと拡大することを見込みます。

調査会社アライドマーケットリサーチによれば、2019年の同業界の市場規模は326億ドルです。2027年にかけて年平均4.8%の成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

電動工具の種類

電動工具は、主にねじを締める、穴をあける、切断する、削る(研磨する)時に使用します。穴をあける対象の素材によって、スクリュードライバー、電気ドリル、インパクトドライバー、振動ドリル、ルーター等が使われます。また材料を切断する際には電気鋸、ジグソー、スライドソーが使われます。削る際にはグラインダーやサンダー等が用いられます。

電動工具業界の再編

  • 1991年 マキタによる独ドルマ―(Dolmar)の買収
  • 1992年 ボッシュによる米国スキル(Skil)の買収
  • 1993年 ボッシュによる独ドレメル(Dremel)の買収
  • 2000年 リョービが北米地域の電動工具事業をTTIに売却
  • 2006年 マキタによる兼松日産農林からの釘打ち事業の買収
  • 2010年 Stanley Works(スタンレー・ワークス)とBlack & Decker(ブラック・アンド・デッカー)が経営統合
  • 2015年 日立工機によるフランスのメタボの買収
  • 2016年 シェブロンによるSkilのボッシュからの買収
  • 2017年 KKRによる日立工機の買収
  • 2017年 京セラによるくぎ打ち機大手の米SENCOホールディングスの買収
  • 2017年 スタンレー・ブラック・アンド・デッカーによるNewell Toolsの買収(18.6億ドル)
  • 2017年 京セラによるリョービの電動工具事業の買収

世界の主要な電動工具メーカーの一覧

Stanley Black & Decker(スタンレー・ブラック・アンド・デッカー)

Stanley Black & Decker(スタンレー・ブラック&デッカー)は米国を代表する世界最大級の電動工具メーカーです。2010年にStanley Works(スタンレー・ワークス)とBlack & Decker(ブラック・アンド・デッカー)が経営統合をして誕生しました。赤と黒でコーディネートされた電動ドリルは有名です。NYSEに上場しています。電動工具、インダストリアルファスニングの2つの事業部門から構成されます。なお、スタンレーワークスは、1843年に米国コネチカット州でフレデリック・スタンレーが設立した老舗です。さらに詳しく

Robert Bosch(ボッシュ)

1886年にロバート・ボッシュ氏によってシュトゥットガルトに設立された精密機械と電気技術作業場を起源とするドイツを代表する総合電機メーカーです。産業用機器や車載用機器が主力事業ですが、電動工具事業も伝統的に強みを持ちます。他に住宅向けの家電やエネルギー関連機器等を手掛けています。ボッシュ一族が支配する非上場会社です。独VW社と関係が深いとされます。さらに詳しく

マキタ

マキタは、1915年に牧田茂三郎氏によって設立された牧田電機製作所を源流とする電動工具メーカーです。穴あけ・締付け・切断・研磨に強く、Makitaブランドで国内シェアは圧倒的です。スタンレー・ブラック・アンド・デッカー、ボッシュと世界シェア首位を競っています。家庭・園芸用機器にも強みを持ちます。1991年に独ドルマ―(Dolmar)の買収を行っています。さらに詳しく

Techtronic Industries(テクトロニック・インダストリーズ、TTI)

TTI(Techtronic Industries、テクトロニック・インダストリーズ)は香港に本拠を置く1980年創業の電動工具、園芸用機器や掃除機等のブランド運営会社です。過去日本のリョービより北米の電動工具事業を買収して事業を拡大しています。掃除機はHoover、Oreck、VAX等のブランドを展開しています。香港証券取引所に上場しています。日本のリョービが大株主でもあります。

Snap-on(スナップオン)

米国に本拠を置く大手工具メーカーです。ソケットレンチを開発した会社としても有名です。1920年の創業以来車向けを含めた各種工具を開発・販売しています。

Hilti(ヒルティ)

リヒテンシュタインに本拠を置く大手工具メーカーです。欧州においては高級路線の電動工具メーカーとして圧倒的存在感を示します。締め具も強いです。

工機ホールディングス

日本を代表する電動工具メーカーです。2015年にフランスの大手電動工具メーカーのMetabo(メタボ)社を買収しています。元々は日立グループに属していましたが、2017年に米国の投資ファンドのKKRが日立工機を買収し、独立を果たしました。

参考:日立について

日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として、1910年に創業された日本を代表する重電メーカーです。IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフを主要領域とします。配電事業、自動車部品、エレベーター事業や鉄道事業は強化する一方で、日立化成、日立金属、日立キャピタル、日立建機等は外部へ売却をし、選択と集中を進めています。さらに詳しく

リョービ

ダイカスト、電動工具、ドアクローザ、オフセット印刷機等に強みを持つメーカーです。電動工具事業では、2000年にTTIに北米事業を売却、2017年に京セラに国内・アジア事業を売却しました。木材切断やドライバー等の工具に強みを持ちます。

京セラ

京セラは、稲盛和夫氏によって1959年に設立された日本を代表するセラミックメーカーです。セラミックにおける焼結技術を活用するべく、工具の分野では、2011年にデンマークの超硬工具メーカーのユニメルコ、2016年に米超硬工具メーカーのSGSツールカンパニーを買収しています。電動工具でも2017年に住宅向けくぎ打ち機大手の米SENCOホールディングスを買収して事業を拡大しています。複写機分野も手がけ三田工業を買収しドキュメントソリューションを強化しています。太陽光のモジュールも展開しています。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


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