エアバスの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

irbus(エアバス)は、仏アエロスパシアル(Aérospatiale)、独ダイムラー・クライスラー・アエロスペース(DCAS)、西コンストルクシオネス・アエロナウティカス(Construcciones Aeronáuticas SA)が母体となって設立された旧EADS (European Aeronautic Defence and Space)を源流とします。旧EADSが2013年にエアバス・グループへと社名変更して誕生しました。欧州最大級の防衛企業です。
航空機部門では、大型民間旅客機ではボーイングとほぼ市場を二分する大手です。小型航空機ではボンバルディアと提携し、100~150人乗りのCシリーズを展開しています。リージョナルジェットの分野でもA320で737のボーイングとのし烈な覇権争いをしています。
ヘリコプター事業はAirbus Helicopters(エアバス・ヘリコプターズ)で展開しています。仏アエロスパシアルと独メッサーシュミット(ダイムラークライスラー・エアロスペース)のヘリコプター部門が統合しユーロコプター・グループ(Eurocopter Group)が誕生しました。その後現社名へと名称を変更しております。

業績推移(年次)

2018年度
売上高は前年度比9.97%増の637億ユーロになりました。営業利益は43.26%増の63.5億ユーロになりました。営業利益率は9.97%になりました。エアバス、ディフェンスアンドスペースでは納入台数増加で増益となりましたが、ヘリコプター部門では減益し相殺されています。

2019年度
売上高は前年度比10.63%増の704.7億ユーロになりました。営業利益は31.05%減の43.8億ユーロになりました。営業利益率は6.21%になりました。エアバスの納入台数増加(863機)と為替価格が主要因です。

2020年度
売上高は前年度比29.18%減の499.1億ユーロになりました。営業利益は19.59%減の35.2億ユーロになりました。営業利益率は7.06%になりました。コロナウイルスによるエアバスの納入台数減少(566機)が主要因です。

2021年度
売上高は前年度比4.48%増の521.4億ユーロになりました。営業利益は115.19%増 の75.7億ユーロになりました。営業利益率は14.53%になりました。主要因はエアバスの納入台数増加ですが、為替価格の悪化で相殺されています。

2022年度
売上高は前年度比12.68%増の587.6億ユーロになりました。営業利益は9.92%増の83.3億ユーロになりました。営業利益率は14.18%になりました。全部門で納入台数増加、さらに有利な為替価格が主要因です。

エアバスの年次業績推移

エアバスの年次業績推移

業績推移(四半期)

2022年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比14.72%増 の120億ユーロになりました。営業利益は20.2億ユーロ、営業利益率は16.91%になりました。大幅なエアバスの納入台数増加と有利な為替価格が主要因です。

2022年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比9.64%減の128.1億ユーロになりました。営業利益は18億ユーロ、営業利益率は14.06%になりました。概ね安定しています。

2022年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比26.54%増の133億ユーロになりました。営業利益は16.1億ユーロ、営業利益率は12.14%になりました。

2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比21.48%増 の206.4億ユーロになりました。営業利益は28.8億ユーロ、営業利益率は13.98%になりました。全部門で納入台数増加、さらに有利な為替価格が主要因です。

2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比1.98%減の117.6億ユーロになりました。営業利益は10.7億ユーロ、営業利益率は9.12%になりました。エアバスとディフェンスアンドスペースの納入台数減少が主要因です。

エアバスの四半期業績推移

エアバスの四半期業績推移

希薄化後EPSの推移

希薄化後EPSは前年度比0.56%増の5.39ユーロになりました。

エアバスの希薄化後EPSの推移

エアバスの希薄化後EPSの推移

業績予想

2023年
今期の売上高は587億ユーロ、1株配当は1.8ユーロを見込んでいます。

売上構成

セグメントは、エアバス、エアバスヘリコプター、ヘアバスディフェンスアンドスペースに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

エアバスの事業構成(2021年度)

エアバスの事業構成(2022年度)

航空機事業
旅客機、貨物機の製造販売とそれに関連するサービスを提供している世界有数の航空機メーカーです。

ヘリコプター事業

民間および軍用ヘリコプター製造販売とそれに関連するサービスを提供しています。

宇宙防衛事業

軍用航空システム、宇宙システムなど最先端の製品、システムサービスを提供しています。

M&A情報

2016年 航空チャート、ナビゲーションデータなどを手掛けるNavtechを買収
2017年 防衛用エレクトロニクス事業をKKRへ売却
2017年 ボンバルディアの小型機事業で合弁会社 Airbus Canada Limited Partnershipを設立
2018年 Airbus Canada Limited Partnershipの過半数の株式を買収
2019年 Alestis AerospaceをAciturri Aeronáuticaへ売却
2019年 PFW AerospaceをHutchinson Holdingへ売却
2020年 Airbus Canada Limited Partnershipの株式の追加取得
2020年 Bombardier'sの株式29.64%獲得
2021年 フランス敷地50%を合弁会社へ売却
2022年 ZF Luftfahrttechnik社の株式を100%獲得

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