エアバスの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析


Airbus(エアバス)は、仏アエロスパシアル、独ダイムラー・クライスラー・アエロスペース、西CASAが統合して設立された旧EADSを源流とし、2014年のグループ再編を経て現社名となりました。現在は民間航空機、ヘリコプター、防衛・宇宙の3事業を柱とする欧州最大の航空宇宙・防衛企業です。

航空機部門では、大型民間旅客機においてボーイングと世界市場を二分する存在です。単通路型機ではA320neoファミリーがボーイング737とのし烈な覇権争いを展開する一方、ボンバルディアから買収したCシリーズを「A220」としてブランド統合し、100〜150人乗り市場でも強固なラインナップを構築しています。

ヘリコプター事業は「Airbus Helicopters」が担っています。仏アエロスパシアルと独メッサーシュミットのヘリコプター部門が統合したユーロコプター・グループを前身とし、現在は世界最大のメーカーとして民間・軍用問わず幅広い機体ラインナップを展開しています。また、防衛・宇宙部門においても軍用輸送機や衛星、安全保障ソリューションを供給する欧州の中核的企業として機能しています。

業績推移(年次)
2021年度
売上高は前年度比4.48%増の521.4億ユーロになりました。営業利益は185.17%増 の48.7億ユーロ、営業利益率は9.33%になりました。
主な要因は、エアバスの納入台数増加ですが、為替価格の悪化で一部が相殺されています。

2022年度
売上高は前年度比12.68%増の587.6億ユーロになりました。営業利益は15.66%増の56.3億ユーロ、営業利益率は9.58%になりました。
主な要因は、全部門における納入台数増加、さらに有利な為替価格です。

2023年度
売上高は前年度比11.37%増の654.5億ユーロになりました。営業利益は前年度比3.75%増の58.4億ユーロ、営業利益率は8.92%になりました。
世界的な旅客輸送量の回復に伴い民間機の需要は堅調でしたが、サプライチェーンの混乱や防衛宇宙部門のコスト超過等が利益を圧迫しました。

2024年度
売上高は前年度比5.78%増の 692.3億ユーロになりました。営業利益は前年度比8.29%減の53.5億ユーロ、営業利益率は7.73%となりました。
商業用航空機の納入が前年比で4%増加し売上を牽引しましたが、一方、将来の生産体制拡大に向けた先行投資が利益の一部を相殺しました。

2025年度
売上高は前年度比6.05%増の 734.2億ユーロになりました。営業利益は前年度比33.13%増の71.3億ユーロ、営業利益率は9.71%となりました。
旺盛な旅行需要を背景に年間793機の商業機を納入しました。
前年に業績が低迷していた「防衛・宇宙部門(Defence and Space)」の再建・構造改革が大きく進んだことで、グループ全体の利益率が大幅に改善しました。

エアバスグループの業績推移

エアバスグループの業績推移

業績推移(四半期)
2025年第1四半期(2025年1〜3月)
売上高は135.4億ユーロとなりました。営業利益は6.2億ユーロ、営業利益率は4.61%となりました。
商用航空機の納入台数は136機と前年同期を下回りましたが、為替環境の追い風を受け、連結売上高は前年同期比で6%の増収となりました。プログラムの進捗とサービス事業の成長が収益を支えました。

2025年第2四半期(2025年4〜6月)
売上高は160.7億ユーロとなりました。営業利益は15.8億ユーロ、営業利益率は9.83%となりました。
航空機の増産に向けたサプライチェーンの制約が続きましたが、民間航空機事業の納入が維持され、着実な売上高を確保しました。

2025年第3四半期(2025年7〜9月)
売上高は178.3億ユーロとなりました。営業利益は19.4億ユーロ、営業利益率は10.89%となりました。
売上高は前年同期比で13%の増加となりました。防衛・宇宙部門の収益性が改善したことが全体の営業利益を大きく押し上げる要因となりました。

2025年第4四半期(2025年10〜12月)
売上高は259.8億ユーロとなりました。営業利益は29.8億ユーロ、営業利益率は11.48%となりました。
通年を通じて民間航空機の強い需要と防衛・宇宙部門の変革計画が功を奏しました。第4四半期は厳格なコスト管理とサービス事業の強さが奏功し、非常に高い利益率を確保しました。

2026年第1四半期(2026年1〜3月)
売上高は126.5億ユーロとなりました。営業利益は3.0億ユーロ、営業利益率は2.37%となりました。
民間航空機の納入台数が114機へと減少した影響を受け、売上高は前年同期比で7%の減収となりました。防衛・宇宙部門は健闘したものの、航空機部門の生産調整が利益率を圧迫する結果となりました。
同社特有の期末(第4四半期)偏重の納入サイクルにより、第1四半期は売上高が年間ボトムとなり、固定費の吸収負担が増す傾向が見られます。

エアバスグループの四半期業績推移

エアバスグループの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移
基本的1株当たり当期利益は前年度比23.32%増の6.61ユーロになりました。1株当たりの配当は6.67%増の3.20ユーロになりました。配当性向は48.41%になりました。

エアバスグループのEPS・1株配当・配当性向の推移

エアバスグループのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想
継続的なサプライチェーンのストレス、地政学的な混乱、そして崩壊の危機に瀕している主要な欧州防衛プログラムといった状況下で、2026年通期の目標として、民間航空機納入数約870件、調整後EBIT約75億ユーロ、顧客融資前のフリーキャッシュフロー約45億ユーロを掲げています。

売上構成
セグメントは、航空機、ヘリコプター、宇宙防衛の3つの事業に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

エアバスグループのセグメント別売上構成(2025年度)

エアバスのセグメント別売上構成(2025年度)
※各セグメント間における内部取引消去前の数値を基に算出

航空機事業
旅客機、貨物機の製造販売とそれに関連するサービスを提供している世界有数の航空機メーカーです。

ヘリコプター事業
民間および軍用ヘリコプター製造販売とそれに関連するサービスを提供しています。

宇宙防衛事業
軍用航空システム、宇宙システムなど最先端の製品、システムサービスを提供しています。

M&A情報


2011年 衛星通信大手 Vizada を買収(Airbus史上最大規模)
2011年 航空機部品・サービス会社 Satair を買収
2011年 Metron Aviation を買収
2013年 Airbus Military と Cassidian の統合(EADS再編)
2016年 Navtechを買収し、Navblueを設立
2018年 防衛電子機器メーカー Hensoldt を売却
2018年 Bombardier から A220 プログラム(C Series)を取得
2025年 地球観測データプラットフォームUP42 を売却
2025年 Metron Aviation を売却

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