旅客機・航空機・リージョナルジェットメーカーの世界市場シェアの分析

旅客機、航空機やリージョナルジェットメーカーの世界市場シェアや市場規模について分析をしています。ボーイング、エアバス、ボンバルディア、エンブラエル、COMAC、三菱リージョナルジェット 、テキストロンといった世界大手の旅客機メーカーの概要や動向も掲載しています。

航空機メーカーの世界市場シェア

航空機メーカー各社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、後述する市場規模を分母にして、旅客機・航空機・飛行機・リージョナルジェット業界の2020年の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位はエアバス、2位はボーイング、3位はジェネラルダイナミクスとなります。

航空機メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2020年度)

  • 1位 エアバス 41.45%
  • 2位 ボーイング 16.36%
  • 3位 ジェネラルダイナミクス 8.18%
  • 4位 ボンバルディア 6.57%
  • 5位 西安飛機工業公司 5.06%
  • 6位 テキストロン 4.04%
  • 7位 ダッソーファルコン 2.67%
  • 8位 エンブラエル 2.22%
  • 9位 ATR 1.82%
  • 10位 スホーイ 1.06%
  • 11位 中国商用飛機 0.41%
  • 12位 パイパー・エアクラフト 0.23%

航空機メーカーの世界市場シェア(2020年)
航空機メーカーの世界市場シェア(2020年)

世界1位は欧州のエアバス、世界2位は米国のボーイングです。中大型機は両社でほぼ市場を2分しております。2020年は新型コロナウィルスの影響もあり、ボーイングの売上高が大幅に落ち込みました。
3位はリージョナルジェットとして有名なガルフストリーム・エアロスペース(Gulfstream Aerospace)を擁するジェネラルダイナミックスです。4位は経営再建途上のボンバルディアです。鉄道事業を売却し、ビジネスジェット事業に経営資源を集中させます。5位は中国に西安飛行機です。中国政府系でヘリコプターに強いAVIC傘下でターボプロップなどを手がけます。6位はビジネスジェットで強みを持つテキストロンです。セスナやピーチクラフトといったブランドで世界展開をしています。
8位には、元ブラジル国営航空機メーカーであるエンブラエルとなっています。ボーイングとの提携会社など戦略を再構築中です。

市場規模と今後の成長領域

当サイトでは、2020年の商用航空機業界の市場規模を990億ドルとしております。参照にした統計データなどは次の通りです。調査会社のリポートリンカーによると2020年度の同業界の市場規模は990億ドルです。2025年にかけて年平均8.89%での成長を見込みます。一方、調査会社のリサーチアンドマーケッツによれば、2020年の同市場規模は2078億ドルです。2021年にかけて11.5%で成長し、同年には2317億ドルになると予測しています。⇒参照したデータの詳細情報

なお、航空機産業は、機体、装備品、エンジン分野に分けられ、部品数が自動車産業よりも圧倒的に大きい点が特徴です。
今後の成長領域としては、空飛ぶクルマ業界をあげることができます。中・長距離の移動については従来型の航空機の優位性は変わらないものの、短距離の移動についてはeVTOLといった電気飛行機の出現が予想されます。
空飛ぶクルマ・電気飛行機メーカーのカオスマップと資金調達額ランキング

航空機自体も環境対応からエンジン燃料がジェットから水素やバイオ系の燃料へと変化していく可能性があります。

業界のM&Aと再編

1991年 BAEが民間機撤退
1995年 ロッキードがマーチン・マリエッタと合併しロッキードマーチンへ
1997年 ボーイング マクドネルダグラスと合併
2001年 エアバス誕生
2002年 フェアチャイルドドルニエ破綻
2013年 セスナ機製造の米テクストロン、ビーチクラフトを買収
2017年 エアバスによるボンバルディアから小型旅客機「Cシリーズ」の買収
2018年 ボーイングがエンブラエルの商用小型機事業の買収で合意(2020年に合意解消)
2019年 三菱重工がカナダのボンバルディアからリージョナルジェット機「CRJ」の事業を買収

飛行機・航空機の種類や素材

航空機を分類する上では、簡便に席数で分類すると分かり易いです。100 席以上は中大型ジェット旅客機、30~100 席はリージョナルジェット機・小型旅客機、19 席以下はビジネスジェット機となります。推進動力の違いでプロペラをつけたターボプロップ機(主に68席以下)もあります。
座席数の違いによって当然一機当たりの値段も異なり、ビジネスジェットで数億円、最新の大型ジェット機で数百億円位になります。航空機の素材では、燃費性能の向上のために、機体の軽量化が必要となっています。ジェラルミン等のアルミニウム合金や炭素繊維を樹脂で固めた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)へのニーズが高まっています。

旅客機・航空機・リージョナルジェット会社の概要と動向

Boeing(ボーイング)

ボーイングは米国を代表する防衛関連企業です。民間旅客機でも有名ですが、軍用戦闘機、ミサイル、宇宙船等の製造も手掛けています。民間航空機部門は737、767、777、787型機を含む商業用ジェット機、軍用機部門は「A160ハミングバード」や「AH-64アパッチ」などがあります。ボーイングの事業は大きく防衛・宇宙業界向けの機器販売、民間向けの航空機販売、リース・金融事業、航空機に関連するサービス事業の4つに分類されます。さらに詳しく

Airbus(エアバス)

Airbus(エアバス)は、仏アエロスパシアル(Aérospatiale)、独ダイムラー・クライスラー・アエロスペース(DCAS)、西コンストルクシオネス・アエロナウティカス(Construcciones Aeronáuticas SA)が母体となって設立された旧EADS (European Aeronautic Defence and Space)を源流とします。旧EADSが2013年にエアバス・グループへと社名変更して誕生しました。欧州最大級の防衛企業です。航空機部門では、大型民間旅客機ではボーイングとほぼ市場を二分する大手です。小型航空機機ではボンバルディアと提携し、100~150人乗りのCシリーズを展開しています。リージョナルジェットの分野でもA320で737のボーイングとのし烈な覇権争いをしています。ヘリコプター事業はAirbus Helicopters(エアバス・ヘリコプターズ)で展開しています。仏アエロスパシアルと独メッサーシュミット(ダイムラークライスラー・エアロスペース)のヘリコプター部門が統合しユーロコプター・グループ(Eurocopter Group)が誕生しました。その後現社名へと名称を変更しております。

Bombardier(ボンバルディア)

カナダのケベック州に本拠を置く航空機・鉄道車両の大手メーカーです。2001年にAdtranz(アドトランツ、ドイツ)を買収して鉄道車両事業へ参入しました。鉄道車両製造はBombardier Rail Transportationが行っています。地下鉄・都市鉄道に強みを持ちます。2020年にアルストムへ鉄道事業を売却しました。航空機事業については、機体はCRJで識別されています。2017年にエアバスが、ボンバルディアのA220などを手掛ける小型機部門に出資をしました。2020年に小型機事業の持分をエアバスに売却をしました。

Embraer(エンブラエル)

元ブラジル国営メーカーです。現在は世界第4位の航空会社としてNYSE証券取引所に上場しています。機体はERJで識別されます。2018年にボーイングが、エンブラエルのリージョナルジェット部門の買収を発表しましたが、2020年に合意が解消されました。ビジネスジェット分野では、エンブラエル、ボンバルディア、テキストロン(セスナ)が3強です。

ATR(Avions de Transport Régional)

1981年に設立された仏伊合弁のターボプロップ機メーカーです。仏はAirbusグループ(エアバス、旧EADS)、伊はレオナルド(Leonardo、旧フィンメカニカ(Finmeccanica))が50%ずつ出資しています。70席のATR 72と50席のATR 42を製造しています。1700機以上のターボプロップを設立以来販売しています。

Commercial Aircraft Corporation of China, Ltd (COMAC、中国商用飛機有限責任公司)

中国のState-owned Assets Supervision and Administration Commission of the State Council (SASAC、国有資産監督管理委員会)傘下の国有航空機メーカーです。国産商用機の開発に意欲を見せます。リージョナルジェット以外にも中・大型機の製造も担っています。リージョナルジェットの機体はARJで識別されます。ボーイング737やエアバスA320の対抗機である小型機のC919(座席数は160席程度)やARJ21の飛行に成功しています。

三菱リージョナルジェット

三菱重工業がリージョナルジェットの分野へ参入しました。機体はMRJとして識別されています。開発が計画通りに行われず、納入の期日を延長しています。2019年に三菱重工がカナダのボンバルディアからリージョナルジェット機「CRJ」の事業を買収しました。

三菱重工について

1884年に創業された日本を代表する重工業グループです。三菱グループの中核企業の1社と言われています。戦前は軍産複合体として成長し、戦時中は戦艦武蔵やゼロ戦を手掛け、当時から技術力では世界最高水準を維持しています。戦後は民間向けの重工分野を強化し、発電所システム、航空機エンジン、航空機、船舶、ターボチャージャ、フォークリフト、機械システム、エンジニアリング、防衛関連機器の製造販売を行っています。さらに詳しく

Sukhoi(スホーイ)

傘下にミグ(MiG)戦闘機メーカーも保有するロシア国営JSC United Aircraft Corporation(UAC、ユナイテッドエアクラフトコーポレーション)の航空機部門です。軍用機、旅客機、リージョナルジェット機等を生産しています。民間旅客機の生産会社にはイタリアの防衛大手Finnmecanica(フィンメカニカ)が25%+1株を出資しています。リージョナルジェットはSJ(Super Jet)として識別されます。スホーイは1930年に設立された戦闘機メーカーです。

Xian Aircraft(西安飛機工業公司)

中国のAVIC(Aviation Industry Corporation of China)傘下の国営企業です。ヘリコプターの製造に強みをもっています。胴体、電装品、アビオニクス装置等の航空機部品をCOMACに提供しています。

Textron Aviation(テキストロン)

Textron Aviation(テキストロン)は、1923年にスペシャル・ヤーン・カンパニーとして設立された米国に本拠を置く航空機メーカーです。ヘリコプター、ビジネスジェット、ゴルフカートや芝刈り機等を手掛けています。ビジネスジェットの分野ではビーチクラフトやセスナを相次ぎ買収し規模を拡大しました。
ヘリコプター事業では、エアバス・ヘリコプターズ、シコルスキー・エアクラフト、アグスタウェストランド等と並ぶ大手ヘリコプターメーカーのベル・ヘリコプター(Bell Helicopter )を展開しており、ヘリコプター業界の世界シェアでは上位に位置します。
ビジネスジェットの分野では、競合のガルフストリーム・エアロスペースやダッソーファルコンと並ぶ大手です。ゴルフカートでは、E-Z-GOブランドを展開し、インガソール・ランドやヤマハ発動機と並ぶゴルフカート御三家の一角です。ヤコブセン(Jacobsen)ブランドで芝刈り機を展開しています。そのほか、在庫金融や自動車部品等も手掛けています。さらに詳しく

ガルフストリーム・エアロスペース(Gulfstream Aerospace)

米国に本拠を置くビジネスジェットメーカーです。現在は防衛大手のジェネラル・ダイナミクス傘下になります。

Dassault Falcon Jet(ダッソーファルコン)

フランスに本拠を置く防衛航空大手のダッソーグループ傘下のビジネスジェット会社です。ビジネスジェットはFalconブランドです。売上の比率では民生用より防衛用途のジェット機の生産が大きくなっています。

パイパー・エアクラフト

米国を代表するビジネスジェットメーカーです。現在はブルネイ政府傘下です。

ホンダジェット

日本のホンダが手がけるビジネスジェットです。主翼上面へのジェットエンジン配置で差別化を図っています。航続距離は約2600kmなので、東京と沖縄間の移動が可能になります。機体価格は約6〜7億円、操縦には自家用操縦士の資格が必要となります。

参照したデータの詳細情報について


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