旅客機・航空機・リージョナルジェット業界の世界市場シェアの分析

旅客機・航空機・飛行機・リージョナルジェットメーカーの世界市場シェア、市場規模、最新動向について分析をしています。ボーイング、エアバス、ボンバルディア、エンブラエル、COMAC、三菱リージョナルジェット 、セスナ等世界大手の旅客機メーカー動向も掲載しています。

市場シェア

「航空機メーカーの世界売上高ランキングの分析(2020年版)」に記載されている各社の売上高を分子に、市場規模を分母にして、2019年の旅客機・航空機・飛行機・リージョナルジェット業界の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位 Airbus(エアバス) 24.5%、2位 Boeing(ボーイング)20.8%、3位 General Dynamics(ジェネラルダイナミクス)4.0%となります。

1位 Airbus(エアバス) 24.5%
2位 Boeing(ボーイング)20.8%
3位 General Dynamics(ジェネラルダイナミクス)4.0%
4位 Bombardier(ボンバルディア)3.1%
5位 Textron Aviation(テキストロン) 2.1%
6位 Embraer(エンブラエル) 1.4%
7位 Dassault Falcon Jet(ダッソーファルコン)0.9%
8位 ATR(Avions de Transport Régional)0.8%
9位 Sukhoi(スホーイ) 0.4%
10位 パイパー・エアクラフト 0.1%
11位 Xian Aircraft(西安飛機工業公司) 0.0%

世界1位は欧州のエアバス、世界2位は米国のボーイングです。中大型機は両社でほぼ市場を2分しております。
3位はリージョナルジェットに強みを持つガルフストリーム・エアロスペース(Gulfstream Aerospace)を擁するジェネラルダイナミックスです。4位はビジネスジェットで強みを持つテキストロンです。セスナやピーチクラフトといったブランドで世界展開をしています。
6位には、元ブラジル国営のエンブラエルとなっています。

市場規模

調査会社のリサーチアンドマーケッツによれば、2019年の商用航空機の市場規模は2436億ドルで、今後年平均5%で成長し、2023年には2690億ドルになると推測されます。

なお、航空機産業は、機体、装備品、エンジン分野に分けられ、部品数が自動車産業よりも圧倒的に大きい点が特徴です。

再編

1991年 BAEが民間機撤退
1995年 ロッキードがマーチン・マリエッタと合併しロッキードマーチンへ
1997年 ボーイング マクドネルダグラスと合併
2001年 エアバス誕生
2002年 フェアチャイルドドルニエ破綻
2013年 セスナ機製造の米テクストロン、ビーチクラフトを買収
2017年 エアバスによるボンバルディアから小型旅客機「Cシリーズ」の買収
2018年 ボーイングがエンブラエルの商用小型機事業の買収で合意(2020年に合意解消)
2019年 三菱重工がカナダのボンバルディアからリージョナルジェット機「CRJ」の事業を買収

飛行機・航空機の種類や素材

航空機を分類する上では、簡便に席数での分類すると分かり易いです。100 席以上は中大型ジェット旅客機、30~100 席はリージョナルジェット機・小型旅客機、19 席以下はビジネスジェット機となります。推進動力の違いでプロペラをつけたターボプロップ機(主に68席以下)もあります。
座席数の違いによって当然一機当たりの値段も異なり、ビジネスジェットで数億円、最新の大型ジェット機で数百億円位になります。航空機の素材では、燃費性能の向上のために、機体の軽量化が必要となっています。ジェラルミン等のアルミニウム合金や炭素繊維を樹脂で固めた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)へのニーズが高まっています。

中大型ジェット機メーカー

Boeing(ボーイング)

ボーイングは米国を代表する防衛関連企業です。民間旅客機でも有名ですが、軍用戦闘機、ミサイル、宇宙船等の製造も手掛けています。民間航空機部門は737、767、777、787型機を含む商業用ジェット機、軍用機部門は「A160ハミングバード」や「AH-64アパッチ」などがあります。
ボーイングの事業は大きく防衛・宇宙業界向けの機器販売、民間向けの航空機販売、リース・金融事業、航空機に関連するサービス事業の4つに分類されます。

防衛・宇宙業界では、米国のロッキード・マーティン、英国のBAEシステムズ、フランスのThales(タレス)といった軍事・防衛大手企業と並ぶ大手です。
民間向けの航空機では、中大型機の分野では、欧州のエアバスとほぼ市場を二分する最大手です。三菱重工、川崎重工、スバル(旧富士重工)のスリーへビーズが機体の主要な構造物の提供を行っています。今後の需要の拡大が予想される100席未満のリージョナルジェット機分野では、自社で手掛けておらず、また競合大手のボンバルディアがエアバスと資本提携したことを受け、エンブラエルの小型旅客機部門を買収で合意しましたが、2020年に合意を解消しました。
ヘリコプターの分野でもボーイング・ロータークラフト・システムズ(Boeing Rotorcraft Systems)を展開していますが、規模では、Airbus Helicopters(エアバス・ヘリコプターズ)やシコルスキー・エアクラフト(Sikorsky Aircraft)の後塵を拝しています。
航空機リースでは、子会社にボーイング・キャピタルを有して、同分野の世界シェアでも上位クラスです。一方、航空機リース業界では、GEの子会社であるGECAS(ジーキャス)と旧ILFCを買収したAerCap(エアキャップ)が2強として君臨しています。
航空機向けのサービスでは、2017年7月にボーイング・グローバル・サービシーズを立ち上げ、部品、修理、保守、人材養成(パイロット等)に注力をしています。部品関連では、アビオニクス、座席シート、エンジン、アクチュエーター等の内製化を図っています。こうした航空機の巨人ボーイングの動きに対抗して、航空機エンジンの大手のユナイテッド・テクノロジーズ(現レイセオンテクノロジーズ)は、電子機器に強いロックウェルコリンズの買収したとされます。
一方で、航空機サービス全体におけるボーイングの世界シェアは7%程度とされ、拡大余地は大きいと考えられます。

ボーイングVSエアバス 旅客機開発競争: 100年で旅客機はなぜこんなに進化したのか
ボーイング787はいかにつくられたか
なぜボーイングは、生き残ったのか
図解・ボーイング787 vs. エアバスA380―新世代旅客機を徹底比較

Airbus(エアバス)

Airbus(エアバス)は、仏アエロスパシアル(Aérospatiale)、独ダイムラー・クライスラー・アエロスペース(DCAS)、西コンストルクシオネス・アエロナウティカス(Construcciones Aeronáuticas SA)が母体となって設立された旧EADS (European Aeronautic Defence and Space)を源流とします。旧EADSが2013年にエアバス・グループへと社名変更して誕生しました。欧州最大級の防衛企業です。航空機部門では、大型民間旅客機ではボーイングとほぼ市場を二分する大手です。小型航空機機ではボンバルディアと提携し、100~150人乗りのCシリーズを展開しています。リージョナルジェットの分野でもA320で737のボーイングとのし烈な覇権争いをしています。ヘリコプター事業はAirbus Helicopters(エアバス・ヘリコプターズ)で展開しています。仏アエロスパシアルと独メッサーシュミット(ダイムラークライスラー・エアロスペース)のヘリコプター部門が統合しユーロコプター・グループ(Eurocopter Group)が誕生しました。その後現社名へと名称を変更しております。