空飛ぶクルマ・電気飛行機メーカーのカオスマップと資金調達額ランキング

空を使ってモノやヒトの近中距離の移動を実現する空飛ぶクルマ・電気飛行機のスタートアップ各社のカオスマップ、資金調達額ランキングについて分析をしています。主要な空飛ぶクルマ・電気飛行機メーカーであるJoby Aviation、Lilium、Beta、Volocopter、SkyDrive、Bye Aerospaceなどの概要についても掲載しております。

空飛ぶクルマ・電気飛行機のカオスマップ

空飛ぶクルマ・電気飛行機メーカーを直近の投資ラウンドでの資金調達額(縦軸)とシリーズラウンド(横軸)でマッピングした業界マップ(カオスマップ)を作成すると以下の通りとなります。円の大きさは資金調達累計額となります。またIPOをした会社の場合は、直近1年間の資本金及び資本準備金の増減と合計を直近の資金調達額と資金調達累計額とみなしております。

空飛ぶ飛行機・電気飛行機メーカーのカオスマップ(2021年)
空飛ぶ飛行機・電気飛行機メーカーのカオスマップ(2021年)
円の資金調達累計額の大きさを示す。金額は本記事の更新時時点の推計

資金調達ではシリーズB~Dラウンドの会社が多いことが特徴です。中国のEhang(イーハン、億航智能)は上場しています。マップ上の会社の累計調達額は、本ページの更新時点で約2092百万ドルとなっております。

空飛ぶクルマ・電気飛行機メーカーの資金調達累計額のシェアランキング

空飛ぶクルマ各社の累計調達額を分子に、上述した業界全体の資金調達額を分母にして、資金調達累計額の市場シェアを計算し、ランキング化すると、2021年の1位はJoby Aviation、2位はLilium、3位はBetaとなります。

空飛ぶクルマの資金調達累計額の市場シェア(2021年)

  • 1位 Joby Aviation 36.6%
  • 2位 Lilium 17.9%
  • 3位 Beta 17.6%
  • 4位 Volocopter 16.4%
  • 5位 Ehang 7.8%
  • 6位 SkyDrive 2.4%
  • 7位 Bye Aerospace 1.4%

空飛ぶクルマ・電気飛行機の累計資金調達額シェア

市場規模の推計

調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、2021年の空飛ぶクルマ業界の市場規模は55百万ドルです。2040年にかけて年平均58.1%で成長し、1兆5334億ドルへと市場が拡大すると推計されています。調査会社のマーケットリサーチフューチャーによると2035年の同業界の市場規模は315億ドルです。2035年にかけて年平均43.68%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報
調査会社によっても市場規模の推計が大きくことなります。一方で、空飛ぶクルマのスタートアップが、累計19億ドルの資金を調達していることを考えると、これから市場規模が急拡大することは高い確度で期待できそうです。

主要な空飛ぶクルマ・電気飛行機スタートアップ

社名: Joby Aviation(ジョビーアビエーション)
本社所在地: 米国
設立年: 2009年
創業者: Joeben Bevirt、Paul Sciarra
Joby Aviation(ジョビーアビエーション)は、4人乗りで150マイル以上の航続距離のある電気飛行機を開発しています。トヨタ自動車も出資しました。2020年に電気飛行機の開発会社であるUber Elevateを買収しました。

社名: Lilium
本社所在地: ドイツ
設立年: 2015年
創業者: Daniel Wiegand、Patrick Nathen、Sebastian Born、Matthias Meiner
LiliumはVTOL機能を備えた電動ジェット機の開発会社です。5人乗りのeVTOL(イーブイトール)を開発しています

社名: Sky Drive
本社所在地: 日本
設立年: 2018年
創業者: 福澤 知浩
トヨタ出身の福澤氏が設立した電気飛行機の開発会社です。

社名: Volocopter(ボロコプター)
本社所在地: ドイツ
設立年: 2011年
創業者: Stephan Wolf、Alexander Zosel
Volocopter(ボロコプター)は電動飛行機の開発会社です。近中距離の移動や空中タクシーなどの利用を想定しています。JALも出資をしています。

社名: Beta
本社所在地: 米国
設立年: 2017年
創業者: Kyle Clark
Betaは貨物や旅客輸送用のeVoltを開発しています。

社名: Bye Aerospace
本社所在地: 米国
設立年: 2007年
創業者: George E. Bye
Bye Aerospaceは8人乗りの電気飛行機を開発しています。

社名: Ehang
本社所在地: 中国
設立年: 2014年
創業者: George Yan、Yifang Xiong
Ehangは、商業用のドローン開発会社です。eVTOL分野も強化しております。

空飛ぶクルマの提携マップ

日本勢はトヨタがジョビーアビエーション、JALがボロコプター、住友商事がテキストロンと提携しております。

空飛ぶクルマの提携マップ
空飛ぶクルマの提携マップ

空飛ぶクルマ・電気飛行機分野に積極的に投資を行っているベンチャーキャピタルや事業会社

Uber、Toyota, AME Cloud Ventures、EDBI, JetBlue Technology Ventures、Tencent、Atomico、STRIVE、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、BlackRock、Avala Capital、DB Schenker、三井住友海上、Geely、Intel Education Accelerator、Fidelity Investmentsなど

空飛ぶクルマの作り方と影響を受ける業界

鳥は重く(大きく)なると飛べなくなる、すなわち、飛行機には全て「二乗三乗の法則」が適用されます。飛行機の揚力は面積の二乗で増加、重量は面積の三乗で増加してしまうのです。面積を2増やすと揚力は4増えますが、重さは8増えてしまい、飛べなくなります。海にはクジラなど超大型の海洋生物がいる一方で、空には超大型の鳥がいなことからも、大型化する難しさがわかります。飛行機の開発は、この単純な物理法則を、大出力の動力を開発することで克服してきた努力の積み重ねとも言えます。
ドローンは、EVバッテリーの進化と装備の簡素化で、圧倒的に重量を減らすことに成功しました。鳥でいうと小型の鳥でしょうか。空飛ぶクルマは、人を乗せるために十分なバッテリーを搭載するために重量は飛躍的に増加してしまいます。鳥でいうと、現存しない超大型の鳥(恐竜時代だとプテラノドンクラスでしょうか?実際に飛べたかは分かりませんが。)になります。ある意味ドローンで空中移動に必要なハードとソフトの組み合わせはできているため、空飛ぶクルマの実現には、バッテリーの容量や持続性といった性能向上、躯体や電子機器といった素材のさらなる軽量化の2点がもとめられ、技術への投資とともに市場としては拡大するでしょう。一方で、自動車や鉄道輸送などは、空飛ぶクルマが近中距離移動の代替手段となるため、潜在的な需要減になる可能性があります。

空飛ぶクルマの種類では、垂直に離着陸ができるeVTOL(イーブイトール)が今後の主流と目されています。

参照したデータの詳細情報について


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