送配電機器業界の世界市場シェアの分析
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送配電機器業界の世界市場シェアの分析

送配電機器業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。日立、シーメンス、GE、東芝といった世界大手送配電メーカーの概要や動向も掲載しています。

【市場シェア】

送配電機器メーカー各社の2021年度の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2021年の送配電機器業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位は日立、2位はシーメンスエナジー、3位はシーメンスとなります。⇒参照したデータの詳細情報

送配電機器メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位日立13.2%
2位シーメンスエナジー9.1%
3位シーメンス6.8%
4位GE4.5%
5位東芝2.2%
6位上海電気2.0%
送配電機器メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2021年)
送配電機器業界の世界シェア(2021年)
送配電機器業界の世界シェア(2021年)

日立が直流送電事業をABBから買収し首位に立ちます。シーメンスは送電事業をシーメンスエナジーに分社化する一方で、中低電圧の配電機器はシーメンス本体で手掛けます。

【市場規模】

当データベースでは、調査会社等の公表データを参考にし、送配電機器業界の2021年の世界市場規模を710億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。

調査会社のグローバルマーケットインサイツによると、2021年の同業界の規模は710億ドルです。2030年にかけて年平均4.4%で成長し、同年には1060億ドルへと規模が拡大することを見込みます。

日立製作所によると、2020年のパワーグリッド業界の市場規模は1000億ドル以上です。⇒参照したデータの詳細情報

日立によるABBのパワーグリッド事業の買収、シーメンスによる発電・送電事業の分社化、GEとアルストムの送配電事業統合など、業界再編が続いています。


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【会社の概要】

日立

日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として、1910年に創業された日本を代表する重電メーカーです。IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフを主要領域とします。配電事業、自動車部品、エレベーター事業や鉄道事業は強化する一方で、日立化成、日立金属、日立キャピタル、日立建機等は外部へ売却をし、選択と集中を進めています。さらに詳しく

ABBについて

ABB(エービービー)は、スイスに本拠を置く重電・重工業大手です。ABBはAsea Brown Boveri(アセア・ブラウン・ボベリ)の略です。1988年にスウェーデンのアセアとスイスのブラウン・ボベリが経営統合して誕生しました。アセアとブラウン・ボベリは1890年代に創業された両国を代表する老舗重電メーカーです。発電・送変電機器と自動化機器やソフトウェア事業に強みを持ちます。原子力発電と火力発電における発電機器事業は、それぞれWestinghouse(ウェスティングハウス)とAlstom(アルストム)に売却し撤退しました。2018年にGEよりエレクトリフィケーション事業を行うGEインダストリアルソリューションを買収しました。2020年には電力システムやパワーグリッド事業を日立に売却し、事業ポートフォリオの入れ替えを行っています。さらに詳しく

シーメンスエナジー

シーメンスエナジー(Simens Energy)は、2020年にシーメンスからスピンオフ上場をした、電力機器メーカーです。火力発電等の発電所プラント向けガスタービン、蒸気タービン、Dresser-RandやADGT&Compを含むコンプレッサー、高電圧直流(HVDC)機器等を提供しているパワー&ガス事業と、洋上や陸上の風力発電所に風力タービンを含めた総合的なサービスを提供している風力発電&再生可能エネルギー事業を展開しています。さらに詳しく

シーメンスについて

シーメンス(Siemens AG)は、ドイツのミュンヘンに本拠を置く大手総合電機メーカーです。1847年に、ヴェルナー・フォン・ジーメンス (Werner von Siemens) によって設立されました。世界初の電車を製造したことでも有名です。事業範囲は電力、交通システム、家電、医療等と社会インフラ全般に及びます。事業のポートフォリオを組み替えながら、モノ作りのデジタル化や産業機器のIoT化を含むインダストリー4.0を提唱し、強力に推進しています。米国のライバルであったGEと同じように再編を通じて、その時々の社会ニーズに即した組織体を作り上げる柔軟性のある経営を行っています。鉄道車両はグループ内のモビリティ事業本部が担当しています。ICEで知られるドイツの高速鉄道も手掛けています。2017年には鉄道車両部門でアルストムと経営統合を発表しましたが、2019年に欧州委員会がアルストムとの経営統合を承認せず遂行されませんでした。鉄道信号にも強みを持ち、上位株主には、象徴としてのシーメンス家が引き続き残っています。さらに詳しく

GE

GE(ジェネラル・エレクトロニック)は、1878年にトーマス・エジソンによって設立されたエジソン電気照明会社を源流に持つ世界を代表する総合電機メーカーの老舗です。世界シェア1位か2位以外の事業からは撤退するというナンバーワン・ナンバーツー戦略を実施し、積極的な事業ポートフォリオの入れ替えを行うことでも有名です。インダストリアル・インターネットを成長戦略にしたジェフ・イメルト氏が退任した後、2017年に生え抜きのジョン・フラナリー氏が社長に就任したものの、2018年には外部のダナハーからラリー・カルプ氏が招聘され、新CEOとなるなど、経営陣の交代が続きます。2021年にGEをヘルスケア部門、電力・エネルギー部門、航空部門の3社へと分社化することを発表しました。さらに詳しく

Alstom(アルストム)について

アルストム(Alstom)は、フランスの鉄道車両や鉄道信号メーカーです。フランスの高速鉄道の代名詞であるTGVを手掛けた高い技術力を有します。2014年にGEの鉄道車両事業を買収しました。2017年に鉄道事業をドイツのシーメンスと経営統合する発表をしましたが、規制当局の承認が得られず断念しています。また、2020年にボンバルディアの鉄道車両・信号部門の買収を発表しました。
水力タービンと蒸気タービンの分野も展開していましたが、ガスタービンに強いGEとの提携で、タービン分野での強者連合を形成しました。2014年にGEと 送配電事業を含む電力事業において戦略的提携を行い、2018年にGEに電力事業を売却し、現在は鉄道事業に特化しています。鉄道信号にも強みを持ちます。続きを読む

東芝

東芝は、日本を代表する重電メーカーです。重電5社(日立、三菱電機、富士電機、明電舎)の一角です。芝浦製作所と東京電気が経営統合して、東京芝浦電気(現東芝)が1939年に誕生しました。経団連会長を輩出する等日本を代表するメーカーの1社でもあります。2016年のウェスティンハウスの減損問題発覚以降は、事業の再編を行い、ビジネスモデルを大きく転換しています。インフラサービス、インフラシステム、デバイスプロダクトが事業の柱となっています。さらに詳しく

Shanghai Electric(シャンハイエレクトリック、上海電気)

中国に本拠を置く重電メーカーです。発電や送電機器等の製造に強みを持ちます。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した売上高ランキング

参照した市場規模

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