原子力発電機器業界の世界市場シェアの分析

原子力発電機器業界の世界市場シェアや市場規模の情報について分析をしています。フラマトム(旧アレバNP)、GE、日立、ウェスティングハウス等の世界大手原子力発電メーカーの動向も掲載しています。

原子力発電機器業界の世界市場シェア

最新業界別売上高世界ランキング第6巻」に記載の原子炉メーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2019年の原子力発電機器業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はロスアトム、2位は三菱重工、3位はフラマトムとなります。

  • 1位 ロスアトム 16.1%
  • 2位 三菱重工 4.9%
  • 3位 フラマトム 3.7%
  • 4位 ウェスティンハウス 2.4%
  • 5位 日立 1.6%
  • 6位 GE 1.0%
原子力発電機器メーカーの世界シェア(2019年)
原子力発電機器メーカーの世界シェア(2019年)

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、原子力発電機器業界の2019年の世界市場規模を1000億ドルとして市場シェアを計算しております。参考したデータは以下の通りです。調査会社のアイビスワールドによれば、2020年の原子力発電業界の市場規模は311億ドルです。調査会社のBCCリサーチによると同業界の2018年の市場規模は1298億ドルです。2023年まで3.8%での成長を見込みます。また調査会社のアライドマーケットリサーチによれば、2017年の原子力発電機器の市場規模は364億ドルです。2025年にかけて年平均3.7%での成長を見込みます。

原子力発電所の種類
原子力発電所は原子力の核反応によって発電用タービンを回転させ電気を取り出す発電所の総称です。原子力発電所には、PWR(加圧水型軽水炉)、BWR(沸騰水型軽水炉)、LWGR(軽水冷却黒鉛減速炉)、PHWR(加圧水型重水炉)、GCR(ガス冷却炉)、FBR (高速増殖炉)等の種類があります。

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世界の主要な原子力発電所機器メーカーの動向

フラマトム(Framatome)

orano(オラノ、旧アレバ)に源流を持つフランス電力公社(EDF)傘下の原子力発電所メーカーです。2001年に前進のフラマトムが、シーメンスの原子力部門を買収し、ウラン濃縮大手の仏政府傘下のコジェマ(COGEMA)と共同持ち株会社のアレバが設立されました。アレバ傘下のアレバNPが原子力発電所プラント機器の設計、製造、建設を行っていましたが、フィンランドの原子力発電事業等で多額の損失を計上しました。2017年にフランス電力公社(EDF)に売却され、新生フラマトム(Framatome)となりました。コジェマに源流を持つウラン資源の開発から核燃料の再処理を行っている旧アレバNCはオラノへと社名を変更しました。日本の三菱重工は、120万kW級の加圧水型軽水炉(PWR)「ATMEA1」(アトメア1)を旧アレバNPと共同開発した経緯もあり、新生フラマトムへ出資(19.5%)を実行しました。2020年時点での株主構成は、EDF (75.5%)、三菱重工19.5%、Assystem( アシステム)(5%)となっています。

三菱重工の原子力発電機器事業

原子力分野では仏フラマトム(旧アレバNP)と提携を行い、加圧水型原子炉(PWR)に強みを持ちます。

三菱重工について

1884年に創業された日本を代表する重工業グループです。三菱グループの中核企業の1社と言われています。戦前は軍産複合体として成長し、戦時中は戦艦武蔵やゼロ戦を手掛け、当時から技術力では世界最高水準を維持しています。戦後は民間向けの重工分野を強化し、発電所システム、航空機エンジン、航空機、船舶、ターボチャージャ、フォークリフト、機械システム、エンジニアリング、防衛関連機器の製造販売を行っています。さらに詳しく

Westinghouse(ウェスティングハウス)

沸騰水型原子炉 (BWR)に強みを持つ東芝は、2006年に英国核燃料社より加圧水型原子炉(PWR)に強みを持つウェスティングハウス社を約6000億円で買収しました。原子力発電事業の世界的な展開を目指し、2015年には、原発建設を行うCB&Iストーン・アンド・ウェブスターを買収しました。しかし、電力会社への債務保証等による損失が重なり、2017年にウェスティングハウスはチャプター11を申請するに至りました。2018年に中国やインド向けの原子炉受注案件や安定した利益が魅力の保守・修理のアフターサービスに価値を見出したブルックフィールド・ビジネス・パートナーズへ46億ドルで売却しました。

日立GEニュークリア・エナジー

日米を代表する重電メーカーの日立とGEの原子力発電の共同会社です。沸騰水型原子炉 (BWR)での世界展開を目指しています。

GEについて

GE(ジェネラル・エレクトロニック)は、1878年にトーマス・エジソンによって設立されたエジソン電気照明会社を源流に持つ世界を代表する総合電機メーカーの老舗です。世界シェア1位か2位以外の事業からは撤退するというナンバーワン・ナンバーツー戦略を実施し、積極的な事業ポートフォリオの入れ替えを行うことでも有名です。インダストリアル・インターネットを成長戦略にしたジェフ・イメルト氏が退任した後、2017年に生え抜きのジョン・フラナリー氏が社長に就任したものの、2018年には外部のダナハーからラリー・カルプ氏が招聘され、新CEOとなるなど、経営陣の交代が続きます。さらに詳しく

 

日立について

日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として、1910年に創業された日本を代表する重電メーカーです。IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフを主要領域とします。配電事業、自動車部品、エレベーター事業や鉄道事業は強化する一方で、日立化成、日立金属、日立キャピタル、日立建機等は外部へ売却をする選択と集中を進めています。さらに詳しく

日立ABB
2020年から事業を開始した日立とABBのパワーグリッド機器の合弁会社です。日立がABBから当該事業の持分80%を買収することで誕生しました。直流送電 (HVDC)技術、変圧器や特別高圧製品等に強みを持ちます。

鉄道事業
日立の鉄道システム事業部が鉄道事業を手掛けています。従来は国内向けの車両生産がメインでしたが、近年海外売上の拡大を模索しています。2015年にAnsaldo Brenda(アンサルドブレーダ、現Hitachi Rail S.p.A.) とアンサルドSTS(現Hitachi Rail STS S.p.A.)の買収を発表し、欧州・米州・アジアで鉄道車両と信号のターンキーソリューションプロバイダーとして中国北車+南車陣営、欧米ビッグ3への追い上げを図っています。

日立建機
日本を代表する大手建機メーカーです。日立製作所の上場関連会社でもあります。2016年に豪州の鉱山機器向け消耗品に強みを持つブラッドケンを買収しました。

エレベーター事業
日立の子会社である1956年に設立された日立ビルシステムが昇降機の製造・販売・保守を担っています。同社は、空調やビルのセキュリティ管理も行っています。2018年に台湾のエレベーター大手である永大機電工業を買収しました。

Rosatom(ロスアトム)

ロシアの国営原発会社です。ロシア原子力庁を母体として設立されました。