ウラン採掘・生産会社の世界市場シェアの分析

ウラン採掘・生産会社の世界市場シェアや世界の市場規模について分析をしています。カザトムプロム、カメコ、ロスアトム、BHPグループといったウラン採掘会社の概要や動向も掲載しています。

市場シェア

ウラン採掘・生産会社各社の生産量(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年のウラン生産量の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はカザトムプロム、2位はオラノ、3位はカメコとなります。

ウラン採掘・生産会社の世界市場シェアと業界ランキング(2020年)

順位会社名市場シェア
1位カザトムプロム22.43%
2位ARMZ(ロスアトム)15.93%
3位オラノ15.09%
4位BHPグループ6.92%
5位カメコ4.61%
6位エナジー・リソーシズ・オブ・オーストラリア3.14%
ウラン採掘・生産会社の世界市場シェアと業界ランキング(2020年)

ウランの生産量別の世界シェアでは、カザフスタンの国営ウラン採掘会社である、カザトムプロムが1位となっています。2位には、フランスのオレノ(旧アレバ)、3位にはカナダのカメコ、4位はBHPグループ、5位にはロシアのロスアトム傘下のARMZとなっています。

ウランの企業別生産量ランキング(2020年改訂版)
ウランの企業別生産量ランキング(2020年改訂版)

市場規模

当データベースでは、ウラン採掘・生産の2020年の世界市場規模を4万7千トンとしております。参考した調査会社等の公表データは以下の通りです。

業界団体の世界原子力委員会によると、ウランの全世界の2020年産出量は年間約4万7千トン程度です。前年比13%減となりました。カザフスタン、カナダ、オーストラリアが産出国としては上位に位置します。⇒参照したデータの詳細情報

ウランの生産量国別割合と生産量推移(2011~2020年)
ウランの生産量国別割合と生産量推移(2011~2020年)

生産量の2011年以降の推移をみると、おおむね5万トン~6万トンで推移しています。埋蔵量ベースですと、オーストラリア、カザフスタン、カナダ、ナミビアが上位に入っています。

ウランのバリューチェーン

ウランを原子力発電所の燃料にするためには、ウラン鉱石→ウラン精鉱→濃縮ウラン→燃料ウランといった工程が必要となります。このページでは、ウラン鉱石の採掘会社に焦点を当てています。

ウランの作り方
ウランの作り方

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイトと業界団体

世界の大手ウラン開発会社の動向

KazAtomProm(カザトムプロム)

カザフスタンに本拠を置く国有原子力公社です。カザフスタン国営ファンドのSAMRUK-KAZYNAが100%の株式を保有しています。

カズフスタン国内にあるBudenovskoye 2鉱山等でウランの開発・生産を行っています。東芝が買収したウェスティングハウスにも一部出資をしていました。

Cameco(カメコ)

カナダに本拠を置く世界大手ウラン鉱山会社です。CamecoとはCanadian Mining and Energy Corporationの略です。ウラン鉱を生産していたSaskatchewan Mining Development CorporationとEldorado Nuclear limited(エルドラド核燃料公社)の国営会社が1988年に合併して誕生しました。

カナダ、米国及びカザフスタンで5つのウラン鉱山を操業しています。カナダのMcArthur River/Key Lakeが超高品質かつ世界最大級のウランの埋蔵量を誇ります。ニューヨーク証券取引時に上場しています。

AtomRedMetZoloto(ARMZ、アルムズ)

ロシアの原子力事業のコングロマリットである国営原発企業のRosatom(ロスアトム)傘下で、ウラン鉱山のウラン探鉱、採掘、製錬を行っています。

ロシア国内のトランスバイカル地域(Priargunsky Industrial Mining and Chemical Union、PJSC)、ブリヤート共和国(JSC Khiagda)、クルガン地域(JSC Dalur)に加え、2013年にカナダに本拠を置くウラン鉱山大手のUranium One Inc及び2011年にMantra Resources Limitedを買収し、9ヶ国でウラン鉱山の開発を進めています。

Rosatom(ロスアトム)について

ロシアの国営原発会社です。ロシア原子力庁を母体として2007年に設立されました。原子力発電所の運営、ウランの濃縮や加工、原子力機器製造などを行う総合原子力会社です。海外展開に積極的で、原子力発電所の開発から運営、廃棄物の処理までを一貫して行う体制に強みがあります。傘下には、中間持株会社のAtomenergomash(アトムエネルゴプロム)、原子力発電所の運営会社であるRosenergoatom(ロスエネルゴアトム)、原子力発電機器メーカーであるАtomenergomash(アトムエネルゴマッシュ)、ウラン濃縮・転換のTvel(トベル)、ウラン探鉱・採掘のARMZ(アルムズ)、ウラン輸出のTenex(テネックス)、海外の原子力発電所建設のAtomstroyexport(アトムストロイエクスポルト)などを傘下に擁します。

Oreno(オラノ、旧Areva(アレバ))

フランスの本拠を置く国営の原子力会社です。原子力発電所建設部門(旧アレバNP)の不振により、事業再編。アレバNPはフランスの政府系電力会社であるEDF傘下となりました。

アレバNCを通じてウラン鉱山の世界大手であり、南アフリカのRyst Kuil Project、オーストラリアのKoongarra、カナダのKiggavik、Midwest、フランスのAREVA Mines、カズフスタンのTortkuduk、ニジェールのArlit、Somair等のウラン鉱山で開発・生産を行っています。

エナジー・リソーシズ・オブ・オーストラリア(ERA)

鉱業・資源グループ大手のリオティント傘下のウラン鉱山開発会社です。オーストラリアのRanger鉱山及びJabiluka鉱山でウランの開発・生産を行っています。

関西電力、九州電力、四国電力、伊藤忠商事による日豪ウラン資源開発がERAの権益の10%を保有しています。

BHPグループ

BHP(ビーエイチピー、BHP)は、世界最大の鉱業会社です。2001年に豪ブロークンヒル・プロプライエタリー・カンパニー(Broken Hill Proprietary Company Limited、BHP) と英ビリトン(Billiton plc) の統合により誕生しました。2018年にBHPビリトン(BHP Billiton)からBHPグループへと改称しています。合併後もロンドンとオーストラリアの2つの株式市場に上場するdual-listed companyとして存在しています。
銅、鉄、石炭、石油、ニッケル、ボーキサイト等の鉱石の生産に携わっています。豪州のOlympic Dam鉱山でウランの生産・開発を行っています。ダイヤモンドも手掛けていましたが、2012年にドミニオンダイヤモンドに事業を売却しました。銅鉱山では世界最大規模の生産量を誇るチリのEscondida(エスコンディーダ)を保有しています。ニッケルは、ウェスト・オーストラリア鉱床が、世界最大級の良質なニッケルブリケットやパウダーを生産しています。ウェスト・オーストラリア鉱床においては、Mount Keith(キース山)が、良質なニッケル鉱山です。

BHPビリトン キース山

BHPビリトン キース山
出所:同社

中国広核集団は、ナミビアにあるランガー・ハインリッヒ鉱山の権益25%やフッサブ鉱山のウラン開発プロジェクトに積極的に出資を行っています。

参照したデータの詳細情報について


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