鉄道信号業界の世界市場シェアの分析

鉄道信号業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。中国鉄路通信信号、シーメンス、タレス、日立、ボンバルディア、アルストム等の大手鉄道信号会社の動向も掲載しています。

鉄道信号の世界市場シェア(2020年)

鉄道信号メーカー各社の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、市場規模を分母にして、2020年の鉄道信号業界の市場シェアを簡易に算出すると、1位は中国鉄路通信信号の15.3%、2位はシーメンスの11.3%、3位は日立の5.2%となります。

  • 1位 中国鉄路通信信号 15.3%
  • 2位 シーメンス 11.3%
  • 3位 日立 5.2%
  • 4位 タレス 4.7%
  • 5位 アルストム 4.4%
  • 6位 ボンバルディア 2.5%

鉄道信号の分野でも中国政府系メーカーの大きさが目立ちます。シーメンス、アルストム、ボンバルディアと鉄道大手が信号分野でも上位に位置します。日立がフランスのタレスを抜き3位と2019年のランキングより上がりました。但し、アルストムによるボンバルディアの鉄道事業の買収が完了するとシーメンスに次ぐ第3位となります。

2021年に日立がタレスの鉄道信号事業の買収を発表しました。両社合算ではシーメンスに迫る3位となります。

1位 CRSC(中国鉄路通信信号)
2位 シーメンス
3位 タレス
4位 アルストム
5位 日立
6位 ボンバルディア

市場規模

当サイトでは、鉄道信号を含む鉄道マネジメントシステム業界の市場規模として、408億ドルを採用しています。参考にした情報は以下の通りです。調査会社のマーケットアンドマーケッツによれば2020年の同市場規模は408億ドルです。2025年にかけて8.7%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

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主要な鉄道信号会社の一覧

CRSC(中国鉄路通信信号)

中国の鉄道通信・信号機大手で、同国内の高速鉄道への通信・信号システムでは高いシェアを誇ります。外資系会社が中国の鉄道市場へ参入することは規制があり難しいことや旺盛な国内需要を背景に世界最大の信号会社となっています。

シーメンス

シーメンス(Siemens AG)は、ドイツのミュンヘンに本拠を置く大手総合電機メーカーです。1847年に、ヴェルナー・フォン・ジーメンス (Werner von Siemens) によって設立されました。世界初の電車を製造したことでも有名です。事業範囲は電力、交通システム、家電、医療等と社会インフラ全般に及びます。事業のポートフォリオを組み替えながら、モノ作りのデジタル化や産業機器のIoT化を含むインダストリー4.0を提唱し、強力に推進しています。米国のライバルであったGEと同じように再編を通じて、その時々の社会ニーズに即した組織体を作り上げる柔軟性のある経営を行っています。鉄道車両はグループ内のモビリティ事業本部が担当しています。ICEで知られるドイツの高速鉄道も手掛けています。2017年には鉄道車両部門でアルストムと経営統合を発表しましたが、2019年に欧州委員会がアルストムとの経営統合を承認せず遂行されませんでした。鉄道信号にも強みを持ち、上位株主には、象徴としてのシーメンス家が引き続き残っています。さらに詳しく

Thales(タレス)

タレス(Thales )は、フランスに本拠を置く防衛・重電メーカーです。前身はThomson-CSF社で、現在は航空関連の電子サービス(Flight avionics)、衛星、鉄道信号、マイクロ波、防衛セキュリティ、本人認証サービス等の分野を手掛けています。航空機部品は、ハネウェルやコリンズエアロスペースが競合会社です。エアバス、ATR、ベル、ボーイング、ボンバルディア、ダッソーアビエーション、エンブラエル、ガルフストリーム、レオナルド等へ販売をしています。機内エンターテイメント事業にも強く、グローバルイーグルエンターテイメント、ゴーゴー、パナソニック アビオニクスやゾディアック インフライト イノベーションズ(サフラングループ)と競合しています。マイクロ波およびイメージングサブシステムでは、Varian Medical Systems、CPIやL3Harrisと競合しています。2021年に日立に鉄道信号事業を売却しました。さらに詳しく

Alstom(アルストム)

アルストム(Alstom)は、フランスの鉄道車両や鉄道信号メーカーです。フランスの高速鉄道の代名詞であるTGVを手掛けた高い技術力を有します。GEがアルストムの送発電事業を買収し、アルストムがGEの鉄道車両事業を買収しました。鉄道信号にも強みを持ちます。2017年に鉄道事業をドイツのシーメンスと経営統合する発表をしましたが、2019年に規制当局の承認が得られず断念しています。また、2020年にボンバルディアの鉄道車両・信号部門の買収を発表しました。続きを読む

Hitachi Rail STS(日立レールSTS)

立製作所が2015年に買収したイタリアのアンサルドSTSを源流としており、日立レールSTSへ社名変更をしています。2021年にタレスの信号事業を買収しました。

日立について

日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として、1910年に創業された日本を代表する重電メーカーです。IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフを主要領域とします。配電事業、自動車部品、エレベーター事業や鉄道事業は強化する一方で、日立化成、日立金属、日立キャピタル、日立建機等は外部へ売却をする選択と集中を進めています。さらに詳しく

日立ABB
2020年から事業を開始した日立とABBのパワーグリッド機器の合弁会社です。日立がABBから当該事業の持分80%を買収することで誕生しました。直流送電 (HVDC)技術、変圧器や特別高圧製品等に強みを持ちます。

鉄道事業
日立の鉄道システム事業部が鉄道事業を手掛けています。従来は国内向けの車両生産がメインでしたが、近年海外売上の拡大を模索しています。2015年にAnsaldo Brenda(アンサルドブレーダ、現Hitachi Rail S.p.A.) とアンサルドSTS(現Hitachi Rail STS S.p.A.)の買収を発表し、欧州・米州・アジアで鉄道車両と信号のターンキーソリューションプロバイダーとして中国北車+南車陣営、欧米ビッグ3への追い上げを図っています。

日立建機
日本を代表する大手建機メーカーです。日立製作所の上場関連会社でもあります。2016年に豪州の鉱山機器向け消耗品に強みを持つブラッドケンを買収しました。

エレベーター事業
日立の子会社である1956年に設立された日立ビルシステムが昇降機の製造・販売・保守を担っています。同社は、空調やビルのセキュリティ管理も行っています。2018年に台湾のエレベーター大手である永大機電工業を買収しました。

Bombardier(ボンバルディア)

カナダのケベック州に本拠を置く航空機・鉄道車両の大手メーカーです。2001年にAdtranz(アドトランツ、ドイツ)を買収して鉄道車両事業へ参入しました。鉄道車両製造はBombardier Rail Transportationが行っています。地下鉄・都市鉄道に強みを持ちます。2020年にアルストムへ鉄道事業を売却しました。航空機事業については、機体はCRJで識別されています。2017年にエアバスが、ボンバルディアのA220などを手掛ける小型機部門に出資をしました。2020年に小型機事業の持分をエアバスに売却をしました。

参照したデータの詳細情報について


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