バス業界(バス製造会社)の世界市場シェアの分析

バス業界の世界シェア、業界ランキング、市場規模について分析をしています。世界大手のバスメーカーである、中国の2強(ユートン、キンロン)、欧州3強(トライトン、ボルボ、CNHインダストリアル)やインドのアショック・レイランドの動向も掲載しています。

バス業界の世界市場シェア(2020年)

バスメーカー各社の販売台数(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、市場規模を分母にして、2020年のバス業界の世界市場シェアを簡易に算出すると、1位は宇通客車(ユートン)の9.8%、2位は金龍客車(キンロン)の5.3%、3位はダイムラーの3.3%となります。

  • 1位 ユートン 9.8%
  • 2位 キンロン 5.3%
  • 3位 ダイムラー 3.3%
  • 4位 アショック・レイランド 3.0%
  • 5位 トレイトン 2.7%
  • 6位 ナビスター 1.8%
  • 7位 イベコ 1.6%
  • 8位 ボルボ 1.0%
  • 9位 日野自動車 0.5%

バスメーカーの2020年の販売台数の市場シェアでは、中国のユートンとなります。1993年にバス事業に参入して、15年程度で世界1位となっています。世界2位は、同じく中国のキンロンとなります。廈門市系の投資会社や台湾のメーカーが株主となっています。中国国内には、この他にも安徽安凱汽車股份有限公司(アンキ社)がバス大手と言われています。世界3位は、ドイツのダイムラーとなります。世界4位はインドのアショック・レイランドとなります。インド国内では、タタ自動車と市場を2分していると言われています。世界5位は、マンとスカニアを擁するフォルクスワーゲングループのトレイトン、世界6位はスクールバスに強いナビスター、世界7位はイタリアのCNHインダストリルの傘下イベコ、世界8位はスウェーデンのボルボ、9位は日野自動車となっています。

市場規模

各種調査会社の情報も参照にしながら、2020年のバス業界の生産台数の市場規模を600千台としております。参照した情報は以下の通りです。

調査会社のフリードニアによると、2021年の世界の年間バス需要は2020年より4.9%増加し、623千台となる見込みです。また、同社によると、2018年の世界の年間バス需要台数は約66万台と推計されています。調査会社のSCI Verkehrによれば世界のバス車両台数(2016年)は約1千万台と推計されています。またモードーインテリジェンスによると2025年の同業界の金額ベースの市場規模は549億ドルになると見込んでいます。調査会社のモードーインテリジェンスによれば、2019年のバスの市場規模は502億ドルです。⇒参照したデータの詳細情報

規模(台数)成長率見込み
2021年623千台4.9%
2020年600千台
バス業界の市場規模推移©ディールラボ

 EV(電気)バスの動向

今後の環境規制からリチウムイオン電池等を動力源にしたEVバスのニーズが高まっていくものと考えられています。中国のリチウムイオン電池メーカー大手であるBYD(比亜迪股份有限公司)はEVバスの分野では、同じく中国のユートンバスと競って、世界大手となっています。

日本でもBYDのバスを採用するバス会社が出てきていますが、ディーゼルエンジンのバスが1台2千万円程度に対して、EVバスはその3倍程度すると言われており、普及にあたっては低価格が重要な決めてとなるものと思われます。

さらに業界を知るためのお薦めの参考図書

The Complete Book of VW BUS
いすゞ自動車のすべて
バスを良く知る基礎知識

主要企業

Volvo Group(ボルボ・グループ)

Volvo(ボルボ)グループは、スウェーデンに本拠を置くトラック・建機メーカーです。1928年にトラックメーカーとして設立されて以降、現在もトラックの売上がグループ全体の約60%超を占めるなど、最大の事業部門となっています。2020 年の売上規模は3384億スウェーデンクローネ(円換算で約4兆3千億円)です。さらに詳しく

ボルボのバスブランド一覧

出所:同社アニュアルレポート

Traton(トレイトン)

Traton(トレイトン)は、フォルクスワーゲン(VW)傘下のトラック及びバスメーカーです。Volkswagen Truck&Bus(フォルクスワーゲントラック&バス)がトレイトンへ社名変更し、マントラック&バス、Scania(スカニア)がトレイトン傘下となりました。2018年に分社化上場しました。2020年に16.8%の株式を保有している米トラック大手のナビスター・インターナショナルの買収を発表しました。

MAN(マン)
1758 年に創業したルール地方の鉄工所にルーツがある、ドイツに本拠を置くエンジン・機械メーカーです。トラック・バス等の商用車、船舶・産業用エンジン等を手掛けています。MAN Diesel & Turbo(マンディーゼル&ターボ)は、MANグループの動力エンジニアリング部門です。1981 年には、船舶エンジンの老舗であるデンマークBurmeister & Wain(B&W)のディーゼルエンジン部門を買収し、船舶エンジンの分野では主要ライセンサーとして圧倒的な地位を占めています。メンテナンス等のサービスもグローバルで展開しています。トラックとバスは、MAN Truck & Bus(マン・トラック&バス)を通じて展開していましたが、マントラック&バスはトレイトン傘下となりました。

Scania(スカニア)
スウェーデンに本拠を置くトラック・バスメーカーです。元々はスウェーデンのサーブと親しかったのですが、フォルクスワーゲン(VW)傘下となりました。バスは、地盤の欧州のみならず、ラテンアメリカおよびアジアでも強みを有しております。

Iveco(イベコ)

イタリアに本拠を置く建機・農機・バス・特殊車両メーカーです。FIATグループの創業一族が株主であるCNH Industrial(CNHインダストリアル)社傘下にあります。バスは、IVECO BUS (イベコバス、以前は Irisbus(アイリスバス)ブランドであった) とフランスのHeuliez Bus(ユーリエ・バス)ブランドで展開しています。

CNHインダストリアル

CNHインダストリアルは、2013年のCNHグローバルとフィアット・インダストリアルとの経営統合の結果誕生しました。現在はニューヨーク証券取引所とミラノ証券取引所に株式を上場しています。従業員数は約6万人を超え、65ヶ所超の工場、50超のリサーチ拠点を有し、全世界180ヶ国で事業を展開しています。2020年の売上高は260億ドルです。フィアット創業家が大株主となっています。
さらに詳しく

Daimler(ダイムラー)

ドイツに本拠を置く大手自動車メーカーです。乗用車、トラック、バス、自動車リースが事業の柱となっています。乗用車ではメルセデスベンツで高級車セグメントにフォーカスした世界展開をしています。1998年にクライスラーと合併したが、2007年にクライスラーを売却しました。トラック分野では、三菱ふそうトラック・バスを傘下に保有しています。バス分野はメルセデスベンツとゼトラ(Setra )ブランドで展開しています。売上の約66%が欧州となっています。インドではバーラト・ベンツ (BharatBenz) ブランドを展開しています。2021年にメルセデスベンツとダイムラートラックの分社化が発表されました。自動車リースはAthlonで展開しています。さらに詳しく

宇通集団(Yutong Group、ユートングループ)

中国のバスメーカーです。鄭州市に本拠をおきます。1997年に上海証券取引所に上場しています。中国国内だけでなく、フランス、英国、オーストラリア、キューバ、ベネズエラ、ロシア、サウジアラビア等にもバスの輸出を行なっています。小型~大型バスまで全レンジのバスを生産しています。

金龍客車(King Long、キンロン)

中国のバスメーカーです。廈門金龍汽車集団(キンロン・グループ)傘下にあります。中国では、バスの分野におてユートンとキンロンが双璧です。中国では、安徽安凱汽車股份有限公司(Anhui Ankai Automobile Company)もバス生産の大手です。

Ashok Leyland(アショック・レイランド)

インドの商用車メーカーです。英国に在住する印僑であるヒンドゥージャ氏が指揮するヒンドゥージャ・グループ(Hinduja Group)傘下にあります。同グループ傘下には、インダスインド銀行(IndusInd Bank)、病院、ガソリンスタンド、ITベンダーのHGS等があります。競合にはタタモーターズがあります。

日本勢では、日野自動車が最大手、いすゞやトヨタがバス大手です。

参照したデータの詳細情報について


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