EC業界の世界市場シェアの分析

企業が消費者に製品・サービスを販売するBtoC取引を行うEC企業の市場シェアと市場規模について分析を行っています。
Amazon、PDD、アリババ・グループ、JD.com、ウォルマート、SHEIN、クーパン、楽天グループといった大手EC企業の概要も掲載しています。

当データベースでは、EC市場の中でも特に成長が著しい「BtoC(物販・小売)」の市場規模を採用し、主要企業の市場シェアを分析しています。なお、Shopify等、物販やモール運営を行わない「ITシステム提供企業」は、他モールとのデータの重複を防ぐため、除外しています。

【EC業界とは】

EC(イーコマース)は、インターネット上で商品やサービスを売買・取引するビジネスモデルです。グローバルで毎年拡大を続けており、今後も堅実な成長が見込まれる巨大業界です。

EC市場は、取引を行う「販売者」と「消費者」の組み合わせによって、主に次の3つのタイプに分類されます。

  • BtoB(Business to Business)
    企業間で完結する製品やサービスの取引(卸売・調達など)
  • BtoC(Business to Consumer)
    企業が一般消費者に向けに製品やサービスを提供する取引
  • CtoC(Customer to Customer)
    ネットオークションやフリマアプリなど、個人間で完結する取引

今回のランキング対象となっているBtoC EC市場の内部では、サプライチェーンの構造(誰が作り、誰が売るか)の違いによって、さらに次の3つの枠組みへと進化・二極化が進んでいます。

① 従来のBtoC小売・モール型:
他社から商品を仕入れて自社サイトで直接販売する、または巨大な「オンラインの売り場」を他社に提供するビジネスモデルです。
配送の速さ・品揃えの豊富さ(圧倒的な利便性)が競争の源泉です。

② D2C(Direct to Consumer)型:
メーカーやブランド企画会社が、中間の問屋や他社のECモールを挟まずに、自社の公式ECサイトを通じて直接消費者に販売するモデルです。
ブランドの世界観や、ファンとの深い繋がり(ロイヤルティ)を最重視します。

③ M2C(Manufacturer to Consumer)型:
D2Cのさらに究極形であり、「製品を実際に作っている海外の製造工場」が、中間の商社やブランド企画会社すら抜き去り、直接消費者に製品を送り届けるモデルです。
ブランド力ではなく、流通コストと中間マージンを限界まで削った「圧倒的な低価格」が最大の武器です。

【市場シェア】

EC業界の2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2025年のEC業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアマゾン、2位はJDドットコム、3位はウォルマートとなります。

EC業界の市場シェア(2025年) ©2026 Deallab

順位 Company name
(English)
企業名(日本語) 市場シェア
1位 Amazon.com Inc. アマゾン 9.18%
2位 JD.com Inc. JDドットコム 2.17%
3位 Walmart, Inc. ウォルマート 1.92%
4位 Alibaba Group Holding Limited アリババグループ 1.92%
5位 PDD Holdings(Temu, Pinduoduo) PDD(Temu, 拼多多) 0.79%
6位 SHEIN シーイン 0.54%
7位 Coupang. Inc. クーパン 0.44%
8位 Best Buy ベストバイ 0.17%
9位 Rakuten Inc. 楽天グループ株式会社 0.11%
ECの世界市場シェアと業界ランキング(2025年) ©2026 Deallab

BtoCのスコープから見えてくる特徴として、まず「直販型」の商品を自社で仕入れて消費者に直接届ける企業(Amazon・JD.com・Coupang・Walmart等)は、「配送の速さ・商品の信頼性」を自らコントロールできるため、ユーザーの固定客(ロイヤルティ)化に成功しています。

これに対し、工場直販(M2C)型(Temu、SHEIN等)は、中間の問屋や小売店をすべて抜き、中国の製造工場から消費者の自宅へ直接国際郵便で送り届ける「格安モデル」で世界のECの勢力図を塗り替えました。これにより、低価格帯の衣料品や日用品のシェアが急激に中国系プラットフォームへシフトしています。

2025年のEC業界において存在感を放つ主要企業の事業特性は以下の通りです。

  • Amazon(アマゾン / アメリカ) 圧倒的な世界首位に君臨するグローバルECの巨象です。自社で商品を仕入れて届ける「直販型」と巨大なマーケットプレイスを併せ持ち、卓越した物流網による「配送の速さ」と「商品の信頼性」で強固な顧客基盤を築いています。
  • 阿里巴巴集団(アリババ・グループ / 中国) 中国を代表する巨大EC企業であり、クロスボーダーECである「アリエクスプレス」などを通じてグローバルに展開しています。中国の強力な製造・サプライチェーンを背景に、世界のマーケットプレイス市場を牽引しています。
  • JD.com(京東商城 / 中国) 中国を代表する「直販型」モデルの巨大EC企業です。自社管理の高度な物流・配送インフラを武器に、偽造品の排除など「商品の信頼性」を徹底することで、ユーザーからの高い支持と固定客化を実現しています。
  • PDDホールディングス(Temu運営 / 中国) 工場直販(M2C)型モデルを代表する「Temu」を展開する企業です。中間流通を一切排除し、中国の製造工場から消費者に直接低価格商品を届ける「格安モデル」で、世界のEC勢力図を急速に塗り替えています。
  • SHEIN(シーイン / 中国発グローバル) M2C型の超高速サプライチェーン(リアルタイム需要予測と小ロット生産)を武器に、圧倒的な低価格で世界中の若年層の心を掴み、低価格帯の衣料品市場で急成長を遂げているグローバルECプラットフォームです。
  • Coupang(クーパン / 韓国) 韓国市場を中心に圧倒的なシェアを誇る、直販型モデルを主体とした大手EC企業です。「ロケット配送」に代表される驚異的なスピードの自社物流網を武器に、ユーザーの強固なロイヤルティ化に成功しています。
  • Walmart(ウォルマート / アメリカ) 世界最大のリアル小売企業でありながら、実店舗とオンラインを融合したマルチチャネル戦略を強力に推進し、EC市場でも上位に位置するプレイヤーです。実店舗網を活かした強力な集客力と配送拠点としての活用が強みです。

【市場規模】

当データベースでは、2025年のEC業界の市場規模を7兆8,100億ドルとしております。

参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社プレスデンスリサーチによると、2025年の同業界の市場規模は7兆8,100億ドルです。2035年にかけて年平均18.64%で成長し、規模は43兆1,300億ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 成長率見込み
2025 7兆8,100億ドル
2026 9兆3,000億ドル
2035 43兆1,300億ドル 18.64%

EC業界の市場規模の成長予想 ©2026 Deallab

【M&Aの動向】

2014年 アップルが米オーディオ機器大手ビーツ・エレクトロニクスを30億ドルで買収
2015年 アリババが中国大手動画配信サイトYouku Tudou Inc.を37億ドルで買収
2017年 アマゾンがスーパーマーケット大手ホールフーズを137億ドルで買収
2018年 ウォルマートがインド大手ECサイトフリップカートを160億ドルで買収
2020年 イーベイが自社のクラシファイド部門をノルウェーのアビデンタに92億ドルで売却
2021年 アマゾンが米映像制作大手MGMを84.5億ドルで買収
2021年 Booking HoldingsがGetaroom買収で契約を締結
2021年 ベスト・バイがカレント・ヘルスを買収し、家庭を健康の中心に
2022年 JDドットコムが中国運輸大手デボス・ロジスティクスを14.1億ドルで買収
2022年 ショッピファイが米物流大手Deliverrを21億ドルで買収
2022年 アマゾンが米医療サービス大手ワン・メディカルを39億ドルで買収
2022年 アマゾンが米ロボットメーカーiRobotを17億ドルで買収”
2022年 Shopify、Deliverrの買収を完了、複数のチャネルにわたる小売業者向けの迅速かつ容易なフルフィルメントを拡大
2023年 AirbnbがGamePlanner.AIを買収
2024年 クーパン、ファーフェッチの買収を完了
2025年 eBay、Caramelの買収を完了、シームレスなオンライン車両取引体験へのアクセスを拡大

特に業界最大手アマゾンは、創業以来100以上の企業買収を実施し、規模を拡大しています。また、ウォルマートによるフリップカートの大型買収のように、小売業やその他サービス業がEC事業を強化するため企業買収を行う例も見られます。

【会社の概要】

アマゾン(Amazon.com Inc.)

1994年に設立されたグローバルECの圧倒的首位企業です。書籍のオンライン販売を祖業としてスタートしましたが、現在では家電から日用品まで幅広い商品を取り扱っています。

自社で商品を仕入れてスピーディーに届ける「直販型」と巨大なマーケットプレイスを強みとして持っており、卓越した物流ネットワークによる「配送の速さ」と「商品の信頼性」で世界中に強固な顧客(ロイヤル)基盤を築いています。また、eコマース以外にもクラウドサービス(AWS)やデジタル広告、有料会員サービス(Amazon Prime)など、多角的なビジネスエコシステムを展開しています。さらに詳しく

JDドットコム(JD.com Inc.、京東商城)

JDドットコム(京東商城)は、中国を代表する最大手の直販型EC企業です。中国国内での事業を中心に、ウェブサイトや公式アプリを通じて家電から衣料品、書籍まで幅広い製品を直販しています。

最大の特徴は、中国全域をカバーする自社管理の高度な物流ネットワーク(JDロジスティクス)であり、偽造品の排除など徹底した「商品の信頼性」と迅速な配送体制を武器に、ユーザーから高い支持と強固な固定客化を実現しています。さらに詳しく

ウォルマート(Walmart, Inc.)

ウォルマートは、世界最大の売上を誇る米国の巨大小売り企業です。実店舗であるディスカウントストアやスーパーセンターの経営を主軸に持ちながら、近年はオンラインと実店舗を融合したマルチチャネル(オムニチャネル)戦略を強力に推進し、EC分野でも世界トップクラスの急成長を遂げています。

強力なリアル店舗網を自社ECの配送拠点や受け取りカウンターとして巧みに活用し、利便性を高めている点が大きな強みです。さらに詳しく

アリババグループ(Alibaba Group Holding Limited)

アリババ(阿里巴巴)は、ジャック・マー氏によって設立された中国の巨大eコマース企業です。C2Cの「淘宝網(タオバオ)」やB2Cの「Tモール(天猫)」などの国内マーケットプレイスを運営するほか、クロスボーダーECである「アリエクスプレス」などを通じてグローバル展開を加速しています。

中国の強力な製造・サプライチェーンを背景に世界のマーケットプレイス市場を牽引しているほか、クラウドサービス(アリババ・クラウド)やデジタルメディア事業など多角的なポートフォリオを展開しています。さらに詳しく

PDDホールディングス(Temu、拼多多)

PDDホールディングスは、中国国内で急成長した「拼多多(Pinduoduo)」に加え、世界各国で爆発的な拡大を見せる越境ECプラットフォーム「Temu」を運営する企業です。

中間流通業者や小売店を一切介さず、中国の製造工場から消費者の自宅へ直接国際郵便で送り届ける「工場直販(M2C)型」の格安モデルを武器に、世界のEC勢力図を急速に塗り替え、低価格帯の日用品やアパレル市場で圧倒的なシェアを築いています。さらに詳しく

シーイン(SHEIN)

SHEINは、中国発のグローバルアパレルECプラットフォームです。リアルタイムのトレンド分析と独自のデータ駆動型アルゴリズム、小ロット生産を組み合わせたM2C型の「超高速サプライチェーン」を最大の武器としています。中間マージンをカットした圧倒的な低価格と豊富なトレンドアイテムにより、世界中の若年層の心を掴み、低価格帯のファッション市場でグローバルな地位を確立しています。さらに詳しく

クーパン(Coupang, Inc.)

クーパンは韓国市場を中心に圧倒的なシェアを誇る大手EC企業です。ソフトバンクグループから出資を受けていたことでも有名です。2010年の設立と比較的新しい企業ながら、2021年にはニューヨーク市場への大規模上場を果たしました。

自社構築した革新的な物流網を武器に、注文した商品を翌朝早くに受け取れる「ロケット配送」などの圧倒的なスピードサービスを提供し、韓国の消費者から絶大な支持を得て強固なユーザーロイヤルティ化に成功しています。さらに詳しく

ベストバイ(Best Buy)

ベストバイは、米国の家電量販チェーン最大手です。電子機器や家電製品を実店舗とウェブサイトの双方で販売しています。「オンラインで購入して、最寄りの店舗で受け取る(BOPIS)」などの利便性の高いサービスをいち早く展開し、実店舗網をデジタル戦略の拠点として最大限に活用することで、オンライン売上を力強く伸ばしている点が特徴です。さらに詳しく

楽天グループ株式会社

楽天グループは、日本国内を中心にインターネットサービスを展開する大手企業です。

ECモール「楽天市場」のほか、トラベル、フィンテック(楽天カードや銀行・証券)、モバイル通信など70以上の多様なサービスを提供しています。これらすべてのサービスを「楽天会員」IDで有機的に結びつけ、強力な囲い込みを行う独自の「楽天経済圏(エコシステム)」を形成し、国内市場において圧倒的なプレゼンスを誇っています。さらに詳しく

オットーグループ(Otto Group)

ドイツ・ハンブルグを本拠地とする、世界有数の通信販売・ECグループです。元々はカタログ通販や電話通販を中心に発展してきましたが、現在はデジタル化を急進させ、ドイツ国内のEC市場においてはアマゾンに次ぐ圧倒的な売上を誇る主要プレイヤーとなっています。

自社ECサイト「OTTO」などを通じて、衣料品やインテリア用品、ライフスタイル関連グッズを中心に幅広く取り扱い、ヨーロッパ市場において安定した顧客基盤と高いブランド認知度を維持しています。さらに詳しく

イーベイ(eBay Inc.)

米国を代表する老舗のグローバルEC・オークションプラットフォーム企業です。米国をはじめ世界各国でECモールを展開しています。特に「越境EC」のパイオニアとして知られており、世界中のセラー(販売者)とバイヤーをつなぐマーケットプレイスを提供しています。

海外への販路拡大や新規顧客の獲得を目指す多くの日本企業や中小事業者にも活用されており、国境を越えたオープンなC2C・B2C取引のインフラとしての強みを持っています。さらに詳しく

エイソス(ASOS plc)

イギリスを本拠地とする、グローバルなファッション・ビューティー関連のEC大手企業です。「ASOS Design」をはじめとする自社プライベートブランドや多様なセレクトブランドを、ヨーロッパを中心に世界各国に向けてオンラインで展開しています。

トレンドを素早くキャッチするアパレル特化型の自社ECモデルと、若い世代のコミュニティを意識したデジタルマーケティングを強みに、グローバルなファッション通販市場で独自の地位を築いています。さらに詳しく

ショッピファイ(Shopify Inc.)

カナダを本拠地とする、世界最大級のマルチチャネルコマースプラットフォーム企業です。

自ら物販やモール運営を行うのではなく、月額サブスクリプションをベースに、個人から大企業までが本格的な独自のECショップを開設・運用できる「ITシステム(インフラ)」を提供している点が最大の特徴です。世界175か国以上で数百万規模のビジネスの成長をシステム面から強力にサポートしており、世界のECエコシステムにおいて不可欠な基盤としての地位を確立しています。さらに詳しく

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

シェアをする

  • facebook
  • hatebu
  • linkedin
  • line
EN