音楽配信サービス業界の世界市場シェアの分析

音楽配信サービス業界の世界シェアと市場規模について分析を行なっています。スポッティファイ、アップルミュージック、ディーザー、アマゾンミュージック、テンセントミュージック、ユーチューブミュージックといった音楽配信サービス会社の概要や動向も掲載しています。

世界市場シェア

音楽配信・ストリーミングサービスを提供する会社の2020年もしくは2021年の有料会員数を分子に、後述する市場規模を分母にして、2020年の音楽配信サービス業界の世界市場シェアを簡易に計算すると、1位はスポッティファイとなります。

音楽ストリーミング会社の世界市場シェアと業界ランキング(2020年)

  • 1位 スポッティファイ 31.8%
  • 2位 アップルミュージック 14.8%
  • 3位 テンセントミュージック 13.6%
  • 4位 ユーチューブミュージック 10.3%
  • 5位 アマゾンミュージック 9.4%
  • 6位 クラウドビレッジ(Net Ease) 5.0%
  • 7位 ディーザー 3.3%
  • 8位 パンドラ 1.3%

音楽ストリーミング会社の世界シェア(2020年)
音楽ストリーミング会社の世界シェア(2020年)

市場規模

調査会社のミディアリサーチによると、2021年3月末時点での音楽ストリーミングサービスの有料会員数は487百万人となります。(⇒参照したデータの詳細情報

音楽ストリーミングのビジネスモデル

音楽ストリーミングサービスとは、音楽ストリーミング会社の音楽配信プラットフォームを通じて、有料会員に対して、音楽レーベルや音楽出版社が管理する楽曲再生を提供するサービスです。通常、有料会員に対して月額定額サブスクリプションベースの課金を行います。

図解 音楽ストリーミングサービス
図解 音楽ストリーミングサービス

サブスクリプション課金のうち、音楽ストリーミングサービス会社の取り分は概ね以下の通りとなります。

音楽配信会費の分配イメージ
音楽配信会費の分配イメージ

関連業界音楽レーベル・音楽出版業界の世界市場シェアの分析

主なM&A

2019年 Sirius XMがパンドラを買収
2020年 MelodyVRがNapsterを買収

音楽配信サービス会社の概要

Spotify(スポッティファイ)

2006年にダニエル・エク氏が設立したスウェーデンに本拠を置く音楽配信サービス会社です。有料音楽配信に加え、広告付き無料音楽配信サービスやポッドキャスト配信サービスも展開しています。

Apple Music(アップルミュージック)

アップル社が提供する音楽配信サービスです。2015年にサービスを開始しました。元々アップルの音楽サービスはitunesでのダウンロードが主体で下が、定額ストリーミングサービスの隆盛もあり、定額音楽サービスも開始をしています。

アップルについて

Apple(アップル)は、故スティーブ・ジョブズ氏が設立した米国を代表するメーカーです。Mac、iPhone、iPad、アップルウォッチといった革新的なハードウェア、独自のCPU、iTunesやiOSといった洗練されたソフトウェアが高度に融合させる独創的なビジネスモデルが特徴です。アップルペイで金融決済も手掛けることでアップル経済圏を構築しつつあります。さらに詳しく

Deezer (ディーザー)

フランスに本拠を置く音楽配信サービスです。2007年にDaniel Marhely氏によって開発されました。欧州と南米を中心に展開をしています。

Napster(ナップスター)

元々はP2Pの音楽共有サービスでした。紆余曲折を経て現在は旧Rhapsodyがナップスターを展開していましたが、2020年にMelodyVRが買収をしました。

YouTube Music(ユーチューブミュージック)

2015年にサービスを開始しました。アルファベット(グーグル)はGoogle Musicでも音楽配信を展開していましたが、YouTubeブランドに統一しました。

アルファベットについて

アルファベット(グーグル)は、1998年にラリーペイジ氏とセルゲイブリン氏によって設立された検索・メディア大手です。世界中の情報を検索可能にする壮大なアジェンダを掲げ、良質なコンテンツが上位表示される精度の高い検索サービスで世界を席巻しました。上位表示に広告も織り交ぜる検索連動広告、UIに優れたGmail、動画共有のユーチューブ、スマホの基幹システムAndroidに加え、クラウドコンピューティングのGoogle Cloud Platform、SaaS型のGoogle Workspaceといったクラウドサービスも提供しています。個人情報保護や掲載するデータへの使用料支払いといった観点から逆風も吹いています。社名をグーグルからアルファベットに変更しました。さらに詳しく

Tencent Music Entertainment(テンセントミュージックエンターテイメント、騰訊音楽娯楽)

2016年に中国音楽集団を買収しサービスを開始しました。中国国内では高い市場シェアを保っています。

テンセントについて

テンセント(腾讯)は、馬化騰(マー・フアテン)氏によって1998年に設立された中国のインスタントメッセンジャー・オンラインSNSアプリ最大手です。ソーシャルゲームでも中国最大です。SNSアプリの総合化を進め、テンセントのアプリはアリババグループのアリペイと並び決済等でも活用されています。の買収や出資も積極的に行っており、2016年にスウェーデンのSupercellを買収、またアクティビジョン・ブリザードやユービーアイソフト、フォートナイトで有名なEpic Games、音楽レーベル大手のユニバーサルミュージック等へも出資を行っています。さらに詳しく

AmazonMusic(アマゾンミュージック)

2007年にサービスを開始しました。アマゾンの有料会員プログラムであるアマゾンプレミアムでも利用できる手軽さが受け、会員数を増加させました。楽曲数を拡充させたAmazonMusic Unimitedも展開しています。

アマゾンについて

アマゾンは1994年に設立されたeコマース運営会社です。書籍のオンライン販売が祖業です。在庫リスクをおい、書籍~家電まで幅広い商品を取り扱います。eコマース以外にも領域を拡大し、クラウドサービス、電子書籍端末、音楽・メディアの配信サービス等も展開しています。
クラウドサービスはAWSで展開しています。低コストのクラウドサービスであることから、AWSとITのアイディアさえあれば、いつでもだれでもどこでもほぼコストゼロでIT起業が可能な環境になったとも言われています。
音楽配信は2007年にサービスを開始しました。アマゾンの有料会員プログラムであるアマゾンプレミアムでも利用できる手軽さが受け、会員数を増加させました。楽曲数を拡充させてAmazonMusic Unimitedも展開しています。さらに詳しく

雲音楽(クラウドビレッジ)

2013年にサービスを開始した音楽配信サービスです。オンラインゲームを展開するNetEase(ネットイーズ、網易)が展開しています。2021年12月に香港証券取引所に上場をしました。

Pandora(パンドラ)

2000年に広告入りのインターネットラジオ会社として誕生しました。2019年にコンテンツ配信会社であるSirius XMが買収し、音楽配信事業を強化しています。

日本の主要な音楽配信サービス

Line Music、サイバーエージェントとAvexの合弁のAWA、NTTドコモのdヒッツ等が大手のサービスとなっています。

参照したデータの詳細情報について


このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。
会員の方はログイン下さい。
会員登録はこちらです。