Seiko(セイコー)の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

時計業界を牽引する企業で、精密機器や電子部品、ITソリューション分野でも事業を展開しています。1881年に服部時計店として時計の小売りと修理を始め、1892年に掛け時計の製造をする精工舎を設立しました。1924年、初の腕時計「セイコー」を発売し、その名を冠する企業として成長。1969年には世界初のクオーツ腕時計「アストロン」を開発し、時計業界に革新をもたらしました。1980年代以降、時計にとどまらず電子部品や精密機器など多角化を推進しています。

業績推移(年次)

2019年度
売上高は前年度比3%減の239,150百万円になりました。営業利益は前年度比35%減の6,134百万円になりました。営業利益率は3%となりました。米中貿易摩擦等による電子デバイス市況の低迷と新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、 売上減となりました。国内売上高は1.8%減、海外売上高は5.3%減となり、海外売上高割合は42.5%でした。 利益面では、売上高減少による影響のほか、投資の強化に伴い広告宣伝販促費が前年度から約11%増加したこと などにより、営業利益は減少しました。

2020年度
売上高は前年度比15%減の202,671百万円になりました。営業利益は前年度比64%減の2,194百万円になりました。営業利益率は1%となりました。ウオッチ事業においては新高級ムーブメントならびに新素材を使用した新製品の発売、海外事業の拡大を加速するための組織再編、ブランディング投資の推進を実施したほか、システムソリューション事業ではさらなる多角化に向けて、2020年4月1日付で株式会社コスモを子会社化いたしました。また、外部環境の変化に伴い、グループ全体でビジネスのデジタル化や多様な働き方の実現等にも取り組みました。第1四半期の終わりから業績は回復に向かいましたが、度重なる経済活動の制限等によっ て売上減となりました。

2021年度
売上高は前年度比17%増の237,382百万円になりました。営業利益は前年度比300%増の8,770百万円になりました。営業利益率は4%となりました。ウオッチ事業では「グランドセイコー(GS)」や「セイコー プロスペックス」を 中心としたグローバルブランド(GB)拡大の取組みを進め、特に海外市場で売上高が大きく伸長しました。電子デ バイス事業では医療分野などの好調な需要を確実に捉え、システムソリューション事業でも多角化やストックビジ ネス拡大への取組みが奏功し、両事業とも前年度および新型コロナウイルス拡大前の前々年度を上回る売上を計上しました。

2022年度
売上高は前年度比10%増の260,504百万円になりました。営業利益は前年度比28%増の11,233百万円になりました。営業利益率は4%となりました。当期を初年度とする5か年計画である第8次中期経営計画「SEIKO Milestone 145 = SMILE145」をスタートさせ、新たに定めた3つの戦略ドメインである「エモーショナルバリューソリューション事 業(EVS事業)」、「デバイスソリューション事業(DS事業)」、「システムソリューション事業(SS事業)」を中 心に事業展開を進めました。 EVS事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が個人消費の改善を背景に大きく回復し、ウオッチ事業の 海外市場向けも多くの国や地域で売上高を伸ばすことができました。DS事業は、前半は引き続き好調な需要を確実 に捉えることで売上高を伸ばしましたが、第3四半期から大きく市況が悪化したことにともない、民生品向けデバ イス等を中心に売上高が急減速いたしました。SS事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが奏功して、前年度を上回る売上高となりました。

2023年度
売上高は前年度比6%増の276,807百万円になりました。営業利益は前年度比31%増の14,737百万円になりました。営業利益率は5%となりました。エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業がイ ンバウンド需要を背景に大きく売上を伸ばし、海外市場向けのウオッチ事業も欧州、アジア地域で伸長して、売上 高は前年度を上回りました。デバイスソリューション事業は、中国経済停滞の長期化やデバイス領域全般における 在庫調整など事業環境が低迷する中で、売上高は前年度を大きく下回ったものの、一部製品で需要回復の兆しが見えます。システムソリューション事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き続き奏功して、前年度を 上回る売上高となりました。

シチズンの業績推移

シチズンの業績推移

業績推移(四半期)


2023年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比1%増の68,346百万円になりました。営業利益は5,337百万円、営業利益率は8%となりました。エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が、 個人消費の回復やインバウンド需要を背景に大きく売上高を伸ばし、海外市場向けのウオッチ事業も欧州、アジア 地域で伸長して、売上高は前年同期を上回りました。デバイスソリューション事業は、中国経済停滞の長期化や電 子デバイス市場での在庫調整等、昨年度第3四半期から悪化した事業環境の回復が見込めない中、売上高は前年 同期を大きく下回りました。システムソリューション事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き続き 奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。

2023年第3四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比10%増の74,377百万円になりました。営業利益は5,983百万円、営業利益率は8%となりました。エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が、 個人消費の回復やインバウンド需要を背景に大きく売上高を伸ばし、海外市場向けのウオッチ事業も欧州、アジア 地域で伸長して、売上高は前年同期を上回りました。デバイスソリューション事業は、中国経済停滞の長期化や電 子デバイス市場での在庫調整等、事業環境が低迷するなかで売上高は前年同期を大きく下回ったものの、一部製品 で需要回復の兆しが見えます。システムソリューション事業は、多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き 続き奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。

2023年第4四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比13%増の71,135百万円になりました。営業利益は594百万円、営業利益率は1%となりました。

2024年第1四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比18%増の74,040百万円になりました。営業利益は5,104百万円、営業利益率は7%となりました。エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が、 インバウンド需要もあり大きく売上高を伸ばし、海外市場向けのウオッチ事業も、欧州地域を中心に売上高は前年 同期を上回りました。デバイスソリューション事業は、前年度第4四半期ごろから一部の製品で調整局面から回復 しつつあり、売上高は前年同期を上回りました。システムソリューション事業は、多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き続き奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。

2024年第2四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比13%増の76,961百万円になりました。営業利益は8,247百万円、営業利益率は11%となりました。エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が、 堅調な個人消費やインバウンド需要を背景に大きく売上高を伸ばし、海外市場向けのウオッチ事業もセイコーのグ ローバルブランドを中心に伸長して、売上高は前年同期を上回りました。デバイスソリューション事業は、前年度 第4四半期ごろから一部の製品で調整局面から回復しつつあり、売上高は前年同期を上回りました。システムソリューション事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き続き奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。

シチズンの四半期業績推移

シチズンの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移


希薄化後EPSは前年度比101%増の244.33円になりました。1株当たりの配当は前年度比7%増の80円になりました。配当性向は33%になりました。

シチズンのEPS・1株配当・配当性向の推移

シチズンのEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2024年11月
2024年度第二四半期の決算短信において、2024年度通期の売上は306,000百万円、営業利益は18,000百万円を予定していると掲載されています。

売上構成


セグメントは、エモーショナルバリューソリューション、デバイスソリューション、システムソリューションに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

シチズンの売上構成(2023年度)

シチズンの売上構成(2023年度)


エモーショナルバリューソリューション
国内では主にセイコーウオッチ㈱がウオッチの卸売等を、㈱クロノスが時計小売を、盛岡セイコー工業㈱がウオッチ製造を、セイコータイムラボ㈱がウオッチの修理・アフターサービスを、セイコータイムクリエーション㈱ がクロックの商品開発、製造・販売及び修理・アフターサービス、並びに設備時計、スポーツ計時機器等の販売 を、㈱和光が高級宝飾・服飾・雑貨品等の小売を行っております。 海外ではGrand Seiko Corporation of America、Seiko Watch of America LLC、SEIKO Watch Europe S.A.S.等が ウオッチの卸売を、SEIKO Manufacturing (H.K.) Ltd.、SEIKO Manufacturing (Singapore) Pte. Ltd.等がウオッ チ製造を、SEIKO CLOCK (Hong Kong) Ltd.等がクロックなどの製造・販売を行っております。

デバイスソリューション
国内では主にセイコーインスツル㈱が電子デバイス等の製造・販売を行っております。海外では Seiko Instruments Trading (H.K.) Ltd.等が電子デバイス等の販売を、Seiko Instruments (Thailand) Ltd.等が電子デ バイス等の製造・販売を行っております。

システムソリューション
セイコーソリューションズ㈱等がシステム関連(IT性能管理含む)、IoT関連、決済関連ビジネスに係る製品の開発及び販売、並びに販売した製品の保守サービス及びソフトウエアの受注制作サービスの提供をしております。

M&A情報


セイコーのコーポレートサイトにおいて、過去10年間におけるM&A情報は掲載されていません。

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