APモラー・マースクは、デンマークに本拠を置くコンテナ船運航に強みを持つ海運会社です。英P&Oネドロイドと南アのサフマリンがグループに属しています。2016年にドイツのコンテナ船大手Hamburg Süd Group(ハンブルグ スード)を買収しました。海運業界トップ3の2社(MSC、CMA CGM)と共同運航を模索しましたが、中国当局の承認を得られず、MSCとの2者間での提携に切り替えています。
業績推移(年次)
2021年度
売上高は前年度比55.48%増の61,787百万ドルになりました。営業利益は前年度比376.00%増の19,611百万ドルになりました。コンテナ料金の上昇を受け増収増益です。

業績推移(四半期)
2022年第3四半期(7-9月)
売上高は前年同期比37.05%増の22,767百万ドルになりました。営業利益は前年同期比61.75%増の9,477百万ドルになりました。営業利益率は41.63%になりました。

APモラーマースク業績コメントFY22Q3
2022年第2四半期(4-6月)
売上高は前年同期比52.14%増の21,650百万ドルになりました。営業利益は前年同期比120.08%増の8,988百万ドルになりました。営業利益率は41.52%になりました。コンテナ料金の高止まりが続きます。
2022年第1四半期(1-3月)
売上高は前年同期比55.09%増の18,506百万ドルになりました。営業利益は前年同期比134.84%増の6,634百万ドルになりました。営業利益率は35.85%になりました。ロシアのウクライナへの侵攻によって、供給側の混乱が継続し、引き続き強い需要とともに、コンテナ料金や航空輸送料金の高止の主因となっています。

APMマースクの業績コメント

APモラーマースク業績コメント
2021年第4四半期(10-12月)
売上高は前年同期比64.42%増の18,506百万ドルになりました。営業利益は前年同期比316.19%増の6,634百万ドルになりました。引き続き、物流への需要は強く、コンテナ料金も高止まりしています。

APモラー・マースクの四半期業績推移
EPS成長(年次)
業績の回復を反映して、2021年度の希薄化後EPSは増加しています。

EPS成長(四半期)
2022年第3四半期(7-9月)
希薄化後EPSは前年同期比69.69%増の487.00ドルになりました。

APモラー・マースクの希薄化後EPSの推移
売上構成
海運、ロジスティクス、ターミナルと造船が主要事業となっています。
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海運:
コンテナ輸送を行っています。
ロジスティクス:
通関サービス、サプライチェーンマネジメント、4PLサービス、コールドチェーンロジスティクス、混載、非混載、フルフィルメント倉庫、配送サービス、デポオペレーション、eコマースロジスティクス、航空フォワーディング、Less Than Container Loadサービス、トラック・鉄道輸送、貨物保険などを提供しています。
ターミナル・曳船:
APM ターミナルズ・ブランドもしくはジョイント・ベンチャー・パートナーと共同で世界42カ国に67のターミナルを保有・運営しています。
造船:
海上冷凍船、リーファー、波力発電や浮体式風力発電の建設を行っています。
M&A(合併買収)
- 1993年 デンマークのEACを買収
- 1997年 P&OとNedlloyd(ネドロイド)が経営統合
- 1999年 南アのSafmarineを買収
- 2005年 英P&Oネドロイドを買収
- 2014年 デジタル運航マネジメント会社のSealandを買収
- 2016年 ハンブルグスードを買収
- 2018年 IBMと共同で輸送書類をブロックチェーン上で管理できるトレードレンズ(TradeLens)を開発
- 2020年 デジタル貨物仲介サービスのLoadsmartへ出資
- 2022年 大型貨物輸送に強みを持つ米Pilot Freight Servicesを買収
- 2022年 貨物輸送大手のドイツのセネター・インターナショナル(Senator International)を買収
- 2022年 電動トラック開発会社のアインライド(Einride)と提携
- 2022年 オムニチャネルのフルフィルメントに強みを持つLF Logisticsを買収
株主構成
モラー家の資産管理会社のAPモラーホールディングスが筆頭株主になっています。
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