2008年にフランスガス公社のGDFとスエズが合併して誕生した大手電力・ガス会社です。フランス政府が大株主です。GDF Suez(GDFスエズ)からエンジーへと社名変更しています。発電以外にも石油やガス権益も保有していましたが売却を行いました。現在はガス供給とリニューアブル発電での事業強化を目指しています。水素発電所の展開も狙いグリーン水素へも積極投資を行っています。
売上構成
2020年度はクライアントソリューションズ事業と小売事業の割合が大きくなりました。
エンジーの2020年度の売上構成
リニューアブル:水力、太陽光、風力発電事業
ネットワークス:ガス配給事業
クライアントソリューションズ:地域冷熱供給事業、オンサイト発電、EVチャージ
火力発電:石炭とガス火力発電
小売:電力とガスの小売事業
原子力:原子力発電事業
エンジーの戦略
2020年7月31日にエンジーがストラテジックレビューを発表しました。
- リニューアブル発電所と電力・ガスのインフラストラクチャーへの投資を実行
- クライアントソリューション事業のストラテジックレビューの実施
- ノンコア事業と少数持分株式を含めたダイベストメントを推進
- 中長期的にリニューアブルの発電容量を3GWから4GWへと増加
- 分散化発電である地域冷暖房事業やオンサイト発電所を強化するものの、それ以外のクライアントソリューション事業はレビューの対象とする
- ノンコア事業と少数持分株式を含め総額80億ユーロ程度の資産売却を行う
- 少数持分株式には、スエズ持分(約30億ユーロ)、メンブレン型のLNGコンテナの製造をするGTTの持分等を含みます。
- ノンコア事業には、発電所などへのエンジニアリング(EPC)サービスを提供するEndelも含んでいます。
エンジーの注力する事業は以下の通りとなります。
発電事業
- IPP事業としては世界最大手一角
- 103GWの発電容量
- 23.7GWのリニューアブル発電
ガス事業
- ガス供給業者としては欧州最大手の一角
- 120億立方米のガス保管容量
- LNGの再ガス化で欧州大手
- 3万3千キロのガスパイプライン(導管)を運用
- 26万キロのガス供給導管を保有
エナジーサービス
- 20か国、350の地域で地域冷熱を供給
- 24百万人の顧客
2020年にエンジーの取締役会はスエズ持分(29.9%)へのベオリアからの買収提案を承認しました。業界大手同士の資本提携ということもあり、独占禁止法の観点からの審査プロセスで承認が得られるか、予断を許さない状況は続きます。
2016年 北米の天然ガス発電所等をDynegyとEnergyCapital Partnersへ33億ドルで売却
2017年 フランスのトタルにENGIEの上流および中流のLNG資産(液化施設やLNGタンカーも含む)を売却
2017年 ENGIEE&P Internationalをネプチューンエナジー(カーライル、CVCとCICの組成したファンド)へ売却
2020年 エンジーによるブラジルのガスパイプライン事業会社のTAGの10%持分取得
2020年 トルコのガス配給会社であるIzgazをPalmet Enerjiへ売却
2017年 フランスのトタルにENGIEの上流および中流のLNG資産(液化施設やLNGタンカーも含む)を売却
2017年 ENGIEE&P Internationalをネプチューンエナジー(カーライル、CVCとCICの組成したファンド)へ売却
2020年 エンジーによるブラジルのガスパイプライン事業会社のTAGの10%持分取得
2020年 トルコのガス配給会社であるIzgazをPalmet Enerjiへ売却