ウォルトディズニーの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ウォルトディズニーは1923年に設立された米国を代表するメディアエンターテイメント会社です。ミッキーマウスやディズニーランドで有名です。ディズニー映画は圧倒的な人気を保ち、映画配給の分野でも大手です。4大テレビ放送局のABCもグループ会社です。映画制作会社の分野では、2006年にPixar、2009年にMarvel Entertainment、2011年にLucasfilmをM&Aで買収しています。2017年にFox Entertainment(フォックス・エンターテイメント)を含む21世紀フォックス社の買収をしました。2019年にHuluの完全子会社化を発表し、ケーブルテレビ向けとインターネット向けのコンテンツ動画配信を強化しています。

業績推移(年次)


2019年度
売上高は69,607百万ドルで、前年度比17%増となりました。営業利益は10,897百万ドルになりました。営業利益率は16%になりました。

2020年度
売上高は65,388百万ドルで、前年度比6%減となりました。営業利益は2,442百万ドルの赤字になりました。売上高の減少は、テーマパーク、リゾート、クルーズ会社の興行売上の減少、劇場配給と舞台の売上の減少、広告売上の減少、映画の売上の減少によるものですが、Huluなどのサブスクリプション売上の増加によって部分的に相殺されました。

2021年度
売上高は67,418百万ドルで、前年度比4%増となりました。営業利益は2,561百万ドルになりました。営業利益率は4%になりました。売上高の増加はDTC サブスクリプション売上の増加と広告売上の増加によるものです。

2022年度
売上高は82,722百万ドルで、前年度比23%増となりました。営業利益は5,285百万ドルになりました。営業利益率は6%になりました。売上高の増加は、テーマパークおよびリゾートの売上増加とDTC サブスクリプション売上増加によるものです。売上原価は増加しました。これは、プログラミングおよび制作コストの増加、テーマパークやリゾートでの生産量の増加、消費者直販における技術サポート費用の増加によるものです。

 
2023年度
売上高は88,898百万ドルで、前年度比7%増となりました。営業利益は4,769百万ドルになりました。営業利益率は5%になりました。売上高の増加は、テーマパークとリゾートの成長、サブスクリプション売上の増加、映画配給売上の増加によるものです。テーマパークとリゾートの成長は、売上とゲストの支出の増加によるものでした。サブスクリプション売上高の増加は、購読者数の増加と料金の上昇によるものです。売上原価は増加しました。これは、番組制作費や制作費の増加、インフレ、テーマパークやリゾートでの量の増加、そして程度は低いものの、エンターテイメントにおけるテクノロジーや流通コストの増加が原因です。

ディズニーの業績推移
ディズニーの業績推移

業績推移(四半期)

2024年第1四半期(10ー12月)
売上高は23,549百万ドルになりました。営業利益は2,871百万ドル、営業利益率は12%になりました。

ディズニーの四半期業績推移

ディズニーの四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比26%減の1.29ドルになりました。配当はありませんでした。

ディズニーのEPS・1株配当・配当性向の推移

ディズニーのEPS・1株配当・配当性向の推移

売上構成

セグメントは有料テレビ、動画配信、広告、入園料、ホテル、園内小売及び園内飲食、ライセンス料、家庭向け小売りに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ディズニーの売上構成(2021年度)
ディズニーの売上構成(2023年度)

事業セグメント分析

エンターテインメント事業

スポーツ以外の映画やテレビ番組製作からの収入がこのセグメントに含まれます。

スポーツ事業

スポーツチャンネルやビデオストリーミングなどの収入がこのセグメントに含まれます。

テーマパーク事業

ディズニーランドの入園料やその周辺で運営するリゾート施設からの収入がこのセグメントに含まれます。

メディア事業

CATV有料会員、広告、コンテンツ販売が含まれます。主な収入は、民放放送大手であるABCでの広告やケーブルテレビの有料番組であるディズニー、ESPN、Freeform、FX、ナショナルジオグラフィック等からの課金となります。

テーマパーク事業

世界のディズニーランドやディズニーシーで発生する入園料、園内の飲食、ディズニーキャラクターグッズの販売、テーマパークのフランチャイズが主な収入となります。

映画事業

ウォルトディズニーピクチャーズ、21世紀フォックススタジオ、Marvel、Lucasfilm、Pixarといったスタジオで制作した映画を配給する事業となります。

動画配信事業

Disney+、Disney+Hotstar、ESPN+やHuluといったプラットフォームを通じて動画配信を行う事業となります。

直近のM&A(合併買収)

コンテンツの拡充とコンテンツ配信プラットフォーム獲得を目指したM&Aを行っています。

2009年
スパイダーマン、アイアンマン、X-メン、キャプテン・アメリカなどで有名なメディア・エンターテイメント企業 Marval Entertainment の買収を発表

2017年
ストリーミングビデオを提供する BAMTech の買収を発表

2019年
ストリーミングメディアサービスを提供する Hulu の運営権を取得

2019年
映画やテレビの制作スタジオ、ケーブルや放送のテレビネットワーク、スポーツ チャンネルなどを運営するメディアおよびエンターテイメント会社 Twenty-First Century Fox を買収

2019年
メジャー リーグ ベースボール (MLB)、全米バスケットボール協会 (NBA)、およびナショナル ホッケー リーグ (NHL) など焦点を当てたスポーツチャンネル Regional Sports Networks を Sinclair に売却

2020年
ゲーム制作会社 FoxNext Games Los Angeles を Scopely に売却

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