映画制作業界の世界市場シェアの分析

映画制作業界の世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしています。ワーナー、フォックス、ソニー・ピクチャーズ、ユニバーサル・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ等世界の主要な映画会社の動向も掲載しています。

映画業界の世界市場シェア

映画会社各社の2021年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2021年の映画制作・配給業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はワーナー・ブラザース・ディスカバリー、2位はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、3位はユニバーサル・ピクチャーズとなります。

2021年映画制作会社の世界シェア

順位会社名市場シェア
1位ワーナー・ブラザース・ディスカバリー5.74%
2位ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント4.58%
3位ユニバーサル・ピクチャーズ4.00%
4位ウォルト・ディズニー3.11%
5位パラマウント・ピクチャーズ1.32%
2021年映画制作会社の世界シェア
©ディールラボ

映画業界の市場シェア(2021年)
映画業界の市場シェア(2021年)

各社ともに大手通信・メディアや電機会社のグループ会社となっていることも業界の特徴です。2022年はAT&T傘下であったワーナーメディアがディスカバリーと経営統合しました。映画という枠を超えたメディア企業同士の再編は今後も続くと思われます。

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、映画業界の2021年の市場規模を2350億ドルとしております。参考したデータは以下の通りです。

調査会社のリサーチアンドマーケッツによると、2020年の同業界の市場規模は2349億ドルです。2015年以降、年平均2.4%で成長し、2025年には3182億ドルへ拡大することが見込まれます。
調査会社のアイビスワールドによれば、2019年の同業界の市場規模は1028億ドルです。業界団体であるモーションピクチャーアソシエーションの発表では、2019年の同業界の規模は1010億ドルです⇒参照したデータの詳細情報

市場規模成長率見込み
2020年2349億ドル2.4%
2019年1010~1028憶ドルn/a
映画業界の市場規模推移
@ディールラボ

業界のM&A

映画制作会社を大手通信・メディア会社が買収する流れが続き、5大映画制作会社で独立系はなくなりました。映画の制作費が大きくなったことが背景にあります。M&Aにおける企業価値に対する売上高の倍率は1~4倍前後となっています。

  • 2013年 コムキャストによるNBCユニバーサルメディア買収
  • 2014年 AT&TによるディレクTV買収
  • 2016年 AT&Tによるタイムワーナー買収
  • 2017年 ウォルトディズニーによる21世紀フォックス買収
  • 2019年 CBSとバイアコムの経営統合
  • 2021年 TPGによるディレクTVの株式30%の取得
  • 2022年 ワーナーメディアとディスカバリーが経営しWarner Bros. Discoveryが誕生

映画業界のM&A倍率(売上高マルチプル)
映画業界のM&A倍率(売上高マルチプル)⇒参照したデータの詳細情報

世界の主要な映画会社の動向

Warner Bros. (ワーナー・ブラザース)

米国に本拠を置く世界大手のテレビ・映画・ゲーム製作・配給会社です。米のメディアコングロマリットであるCNNグループのタイム・ワーナー社の傘下でしたが、2016年にAT&Tがタイムワーナー社を買収しました。2017年に出版大手のタイムを同業のメレディスが買収しております。

AT&Tについて

AT&Tは米国最大級の通信メディア会社です。電話を開発したグラハム・ベルによって設立された世界初の電話会社の流れをくみます。長距離と地域電話会社(ベビーベル)への分割後、ベビーベルの1社のSBCコミュニケーションがAT&Tを買収し、AT&Tへと改めて社名を変更しました。携帯、固定電話、ブロードバンドといった通信事業を展開しています。ルーセントテクノロジーやリバティメディア等はもともとAT&Tより派生した会社群です。2014年に衛星通信テレビDirecTVを、2016年にタイムワーナーを買収しメディア事業を強化していますが、5Gの免許料や設備投資が重く、2020年にDirecTVを売却し、2021年にワーナーメディアをディスカバリーと経営統合するとの発表をしました。さらに詳しく

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(Sony Pictures)

ソニーの子会社の映画製作・配給会社です。ソニーが1989年にコカコーラ社よりコロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメントを買収して誕生しました。

ソニーについて

ソニーは、日本を代表する総合電機メーカーです。ソフトウェアとハードウェアが融合したエコシステム構築を目指しています。ゲーム機器、音楽、金融、映画、音響やテレビ等のエレクトロニクス、イメージセンサーで事業を展開しています。
イメージセンサー分野では、
ルネサンスの山形工場を買収する等圧倒的な強みを持ちます。2015年には東芝の大分工場の一部を買収しました。競合他社を引き離すために、2019年以降3年間で約6000億円の設備投資を実施し、現状強みを発揮するスマホ更なる需要(複眼化)に対応しつつ、今後の主戦場になると考えられる車載や産業機器向けの分野を伸ばす予定です。日米欧の3極での拠点構築に積極的です。
テレビでは、ブラウン管の時代からテレビ事業の競争力を保っております。液晶パネルの製造はしておらず、EMSの台湾ホンハイ(Hon Hai Precision)へのOEM比率を高めています。
ゲーム機では、プレイステーション・シリーズを展開し、ハードと課金の両面で成長しております。
ビデオカメラでは、ハンディカムで一世風靡しました。スマホでのビデオ利用に押され同市場も縮小しているなか、デジタルカメラはミノルタの一眼レフを買収しています。ミラーレスやプロ向けの機種に注力をしています。さらに詳しく

Fox Entertainment(フォックス・エンターテイメント)

Rupert Murdoch氏率いるメディアコングロマリットである21st Century Fox社傘下の映画製作・配給会社です。21st Century Fox社は2013年のNews Corpから会社分割を経て誕生しました。FOXコーポレーションはアメリカの4大テレビ局の1社です。2017年にウォルト・ディズニーが21世紀フォックス社を買収しました。

Walt Disney( ウォルト・ディズニー)について

ディズニーは1923年に設立された米国を代表するメディアエンターテイメント会社です。ミッキーマウスやディズニーランドで有名です。ディズニー映画は圧倒的な人気を保ち、映画配給の分野でも大手です。4大テレビ放送局のABCもグループ会社です。映画制作会社の分野では、2006年にPixar、2009年にMarvel Entertainment、2011年にLucasfilmをM&Aで買収しています。2017年にFox Entertainment(フォックス・エンターテイメント)を含む21世紀フォックス社の買収をしました。2019年にHuluの完全子会社化を発表し、ケーブルテレビ向けとインターネット向けのコンテンツ動画配信を強化しています。さらに詳しく

フォックスコーポレーションについて

フォックスコーポレーションは、2013年にニューズコーポレーションから分社化した21世紀FOXが前身です。2017年にウォルト・ディズニーが21世紀フォックスの映画事業を買収し、現在はテレビやケーブルテレビ向けへのコンテンツ制作・配信事業を行っています。

Universal Pictures(ユニバーサル・ピクチャーズ)

米国に本拠を置く映画大手です。ケーブル会社大手のコムキャスト傘下にあります。グループ会社には、GE傘下にあった米4大テレビ局のNBCユニバーサル等があります。

コムキャストについて

Comcast(コムキャスト)は、1963年に設立された米国を代表するケーブルテレビ会社です。2002年にAT&Tからケーブル事業、2009年にGEからNBCユニバーサル、2018年には欧州のSkyを買収して、通信・メディア大手企業となりました。さらに詳しく

Paramount Pictures(パラマウント・ピクチャーズ)

2013年にViacom(バイアコム)とCBSが経営統合して誕生した米国のメディア大手バイアコムCBS傘下の映画制作・配給会社です。兄弟会社に米4大テレビ局のCBSやMTV等があります。Sumner Redstone氏率いるNational AmusementsがバイアコムやCBSの実質オーナーとなっております。

バイアコムについて

Viacom(バイアコム)は米国の大手通信メディア企業です。CBS Filmsが分社化して誕生しました。1986年にサムナー・レッドストーン氏が経営権を握ったあとは、買収を通じて成長をしました。1994年にパラマウント・ピクチャーズ、1999年に源流であるCBSを買収し、会社分割を経て現在は、テレビ局、ケーブルテレビ、映画事業を展開しています。さらに詳しく

MGM(Metro-Goldwyn-Mayer、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)

ジェームズ・ボンド、ホビッド、羊たちの沈黙、Rocky/Creedなどを手掛けてきた米国に本拠を置く名門フィルム会社です。映画制作、テレビ番組制作、オンライン配信が事業の3本柱となっています。2010年の経営破たん以降債権者が同社を管理し、現在はAnchorage Capitalが主要株主となっています。

参照したデータの詳細情報について


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