日本ペイントの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

日本ペイントは、1898年に茂木家によって設立された日本の大手塗料会社です。建設用塗料や自動車向けに強みを持ちます。売上高の約6割はアジアとなっています。シンガポールに本拠を置く塗料大手のWuthelam(ウットラム)と資本提携しました。2019年に豪州のデュラックスグループを買収しています。2020年にウットラムが日本ペイントの買収を発表しました。買収のストラクチャーはやや複雑で、日本ペイントが、ウットラムグループからアジアの合弁会社とウットラムのインドネシア子会社を買収する一方で、買収資金調達のためにウットラムに対して増資を行うことで、ウットラムが日本ペイントの株式の約6割を保有する形となります。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は前年度比29.22%増の998,276百万円になりました。営業利益は0.02%増の87,615百万円になりました。営業利益率は8.78%になりました。インドネシア事業の子会社化に加え、主力事業である中国の汎用塗料が好調に推移し、増収増益になりました。

2020年度
前年度比増収増益となりました。中国、トルコやインドネシアでの事業が強含んでいます。

日本ペイントの業績推移

日本ペイントの業績推移

業績推移(四半期)

2022年(4ー6月)
売上高は前年同期比30.04%増の336,953百万円になりました。営業利益は-14.25%の20,804百万円になりました。営業利益率は6.17%になりました。

日本ペイントの四半期業績推移

日本ペイントの四半期業績推移

事業構成

一般用塗料、自動車用塗料、塗料周辺事業、工業用塗料やファインケミカルが事業の柱となります。

日本ペイントHDの売上構成

日本ペイントHDの売上構成

一般用塗料
建築・重防食、コンクリート剥落防止システム、家庭用塗料などの製造販売を行っています。

自動車用塗料
ボディ用塗料、樹脂部品用塗料、塗装下地皮膜などの製造販売を行っています。

塗料周辺事業
接着剤等の塗料関連製品の製造販売を行っています。

工業用塗料
溶剤塗料、水性塗料、粉体塗料、電着塗料などが含まれます。

その他の塗料
低燃費型船底防汚や防食塗装といった船舶用塗料などが含まれます。

ファインケミカル
鉄鋼やアルミ向けの機能性コーティング、アクリル樹脂粒子、UV硬化型ハードコートなどが含まれます。

M&A(合併買収)の動向

汎用及び工業用塗料と地域フットプリントの拡大を狙ったM&Aを行っています。EPSへの貢献、ROIC>WACC、レバレッジ余力などといった財務規律を利かせた買収に特徴があります。

2017年 米国Dunn-Edwardsの買収
2019年 豪州Duluxグループの買収
2019年 トルコのBetek Boyaの買収
2020年 ウットラムのインドネシア・アジア合弁事業を買収
2020年 ウットラムに第三者割当増資を行い同社が日本ペイントHDの50%超を保有
2021年 中東欧に強い欧州塗料メーカーのDP JUBを買収
2021年 欧州塗料メーカーのCromologyを買収
2021年 マレーシアのVital Technicalを買収

株主構成

ゴー・ハップジン氏率いるウットラムグループが実質支配しています。

市場シェア

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