コーニングの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Corning(コーニング)は、米国に本拠を置く液晶用ガラス、光ファイバー大手です。1851年にエイモリー・ホートン氏によってユニオングラスカンパニーとして創業されました。液晶用ガラス分野ではサムスンとの合弁会社(サムスン・コーニング・プレシジョン・マテリアルズ)を展開しています。
ガラス事業(パソコンや液晶テレビ向けに液晶用ガラス基板)、光ファイバーや光ケーブル等の通信事業、自動車や半導体向けの光学製品、ダウケミカルとの接着剤分野での合弁事業、創薬向けのマイクロプレートや細胞培養基質等のライフサイエンス分野で事業を展開しています。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は前年度比24.59%増の14,082百万ドルになりました。営業利益は前年度比109.73%増の2,112百万ドルになりました。主力の光通信ケーブルとディスプレイガラスへの需要増と値上げが奏功し、増収増益になりました。

コーニングの業績推移
コーニングの業績推移

業績推移(四半期)

2022年7-9月
売上高は前年同期比-3.51%の3,488百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-47.10%の292百万ドルになりました。営業利益率は8.37%になりました。

2022年4-6月
売上高は前年同期比3.26%増の3,615百万ドルになりました。営業利益は前年同期比-14.78%の490百万ドルになりました。営業利益率は13.55%になりました。光通信と、ヘムロックおよび新興成長事業の太陽電池の売上に牽引され増収となりましたが、 ディスプレイ・テクノロジー事業は減速し、減益となりました。

2022年1-3月
売上高は前年同期比11.85%増の3,680百万ドルになりました。営業利益は前年同期比22.06%増の581百万ドルになりました。

コーニングの四半期業績推移

コーニングの四半期業績推移

EPS成長

希薄化後EPSは前年比34.74%増の1.28ドルになりました。

コーニングの希薄化後EPSの推移
コーニングの希薄化後EPSの推移

売上構成

主力事業は、ディスプレイテクノロジーズ、光通信、特殊素材、環境テクノロジー、ライフサイエンスです。

セグメント別売上構成(2021年度)
セグメント別売上構成(2021年度)

ディスプレイテクノロジーズ(Display Technologies Segment)
同社が認識している主要競合会社はAGC(旭硝子)、日本電気硝子株式会社です。

光通信(Optical Communications Segment)
同分野における主要競合会社はCommScope(コムスコープ)やPrysmian Group(プリズミアングループ)です。

特殊素材(Specialty Materials Segment)
ガラス、ガラスセラミックス、水晶などの素材製品、精密測定機器やソフトウエアを製造しています。ゴリラガラスとして知られる高耐久性ガラスも含まれます。主要競合会社にはSchott,、AGC、日本電気硝子及びHeraeusです。

環境テクノロジー(Environmental Technologies Segment)
排ガス制御用セラミック基材とフィルター製品を製造しています。主要競合会社は日本ガイシ(NGK Insulators)及びイビデン(Ibiden)です。

ライフサイエンス事業
プラスチック容器、液体処理用プラスチック、特殊表面処理、細胞培養液、血清などの消耗品や、一般的な実験器具・装置を開発成功しています。創薬研究開発、化合物スクリーニング、毒性試験、高度な細胞培養研究、ゲノム応用、臨床試験などの用途で使用されています。主な競合会社は、Thermo Fisher Scientific, Inc、Greiner AG、Eppendorf AG、Sarstedt AGおよびDanaher Corporationなどが挙げられます。

ガラス事業においては、液晶ガラス分野で世界シェア首位級です。特にコーニング・ゴリラのブランドは耐久性の高い液晶ガラスとして定評があります。サムスンとの合弁会社は子会社化しております。光ファイバー業界では、光ファイバー自体を開発した歴史もあり、世界シェアでは上位に位置します。

主なM&A

株主構成

バンガード、サムスン電子、ウェリントンマネジメントが大株主です。創業家のホートン一族の比率は低下しております。

株主構成(直前期末時点)
株主構成(直前期末時点) 出所:マーケットスクリーナー

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