三井物産の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

三井物産は、1876年に益田孝や三井家が創業した貿易会社を源流とする日本を代表する総合商社です。他商社に比べて資源やエネルギー分野に強いことに特徴があります。金属資源、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、エネルギー、生活産業、次世代・機能推進といった事業を展開しています。関連会社には、日鉄物産、本州化学工業、DM三井製糖ホールディングス、かどや製油、フィード・ワン、スターゼン、富士製薬工業、りらいあコミュニケーションズなどがあります。

業績推移(年次)

2018年度
収益は8,958,967百万円になりました。営業利益は24.28%増の272,176百万円になりました。営業利益率は3.04%になりました。エネルギー及び生活産業セグメントで増益、金属資源及び化学品セグメントで減益となりました。

2019年度
収益は前年度比5.30%減の8,484,130百万円になりました。営業利益は6.48%減の254,538百万円になりました。営業利益率は3.00%になりました。欧州や日本、中国の景気減速の影響を受け、成長が鈍化した結果、減収減益となりました。特に金属資源及び鉄鋼製品セグメントの減益が影響しています。

2020年度
収益は前年度比5.59%減の8,010,235百万円になりました。営業利益は19.45%減の205,042百万円になりました。営業利益率は2.56%になりました。コロナウイルスの流行による影響を受けつつも、ヘルスケア関連の持ち株売却による利益計上などがあり、大幅な業績悪化は免れました。

2021年度
収益は前年度比46.78%増の11,757,559百万円になりました。営業利益は165.83%増の545,060百万円になりました。営業利益率は4.64%になりました。資源やエネルギー価格が好調に推移した結果、過去最高益となりました。

2022年度
収益は前年度比21.68%増の140,306,402百万円になりました。営業利益は27.22%増の693,419百万円になりました。営業利益率は4.85%になりました。エネルギー・化学品・金属資源の各セグメントで収益が増加したことで、過去最高益を更新しました。

三井物産の年次業績推移
三井物産の年次業績推移

業績推移(四半期)

2022年6月期
収益は前年同期比39.97%増の3,720,531百万円になりました。営業利益は157,481百万円、営業利益率は4.23%になりました。原油や天然ガス価格が堅調に推移し、増収増益になりました。

2022年9月期
収益は前年同期比34.27%増の3,703,284百万円になりました。営業利益は148,411百万円、営業利益率は4.01%になりました。エネルギー・化学品・金属資源セグメントで増益となりました。

2022年12月期
収益は前年同期比13.85%増の3,612,700百万円になりました。営業利益は200,641百万円、営業利益率は5.55%になりました。エネルギー・機械インフラ・化学品セグメントで増益となりました。

2023年3月期
収益は前年同期比3.21%増の3,269,887百万円になりました。営業利益は186,919百万円、営業利益率は5.72%になりました。前期に引き続き好調な業績推移を見せ、配当の増額も実施されました。

2023年6月期
収益は前年同期比15.36%減の3,149,131百万円になりました。営業利益は116,496百万円、営業利益率は3.70%になりました。石炭や鉄鉱石などの資源高が落ち着いた影響で、三年ぶりに減益となりました。

三井物産の四半期業績推移

三井物産の四半期業績推移

EPS・1株配当・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比28.51%増の721.41円になりました。1株当たりの配当は前年度比33.33%増の140円になりました。配当性向は19.41%になりました。

三井物産のEPS・1株配当・配当性向の推移

三井物産のEPS・1株配当・配当性向の推移

業績予想

2023年3月期決算短信で、2024年3月期の連結業績予想を発表しています。売上総利益は11,700,000百万円、当期利益は880,000百万円を予想しています。

2023年6月期
売上総利益の業績予想に対する進捗率は26.7%です。2023年3月期に発表された業績予想は見直しが行われませんでした。

売上構成

三井物産は、総合商社として「トレーディング」ならびに「事業開発・経営」で成長するビジネスモデルを構築しています。総合商社の中でも資源系に強いという特徴があります。セグメントは、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進に分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

三井物産の当期利益内訳
三井物産の当期利益内訳

金属資源
鉄鉱石や銅、リチウムなどの金属資源の確保と供給のため、鉱山事業・精錬事業などに参画しています。主なプロジェクトとして豪州の鉄鉱石・炭鉱事業、チリの銅鉱山事業、フィリピンのニッケル製錬事業などがあります。

エネルギー
天然ガス・LNGや石油燃料などの事業投資・物流取引を行っています。電力や次世代エネルギーなどの持続可能な事業も推進しています。

機械・インフラ
発電事業、水・ガスの供給など生活に必須のインフラを提供しています。大型プラント、海洋エネルギー開発、船舶、航空、宇宙、鉄道、自動車、鉱山・建設・産業機械など幅広い分野で、販売、金融・リース、輸送・物流、事業投資などを行っています。主なプロジェクトとして、世界各国での電力発電事業案件、メキシコのLNGターミナル事業があります。米国におけるトヨタグループとのバリューチェーン展開や旅客輸送事業、機関車リース事業など幅広い事業・プロジェクトを手がけています。

化学品
基礎化学品、機能性素材、電子材料など幅広く事業を展開しています。プラスチックリサイクル事業や次世代エネルギー事業など、持続可能な社会を実現するための事業も推進しています。
塩田事業、植林事業、農薬製造販売事業などがあります。

鉄鋼製品
製鋼・鋼材販売ならびに加工・製造・メンテナンス・リサイクルなどを展開しています。電炉事業や鋼材加工事業などを世界中で展開しています。

生活産業
食料品やファッション、ヘルスケアなどの分野で商品の開発・投資を行っています。製糖事業、食品総合卸事業、外食・食品小売事業、病院経営・運営支援事業などを幅広く手掛けています。

次世代・機能推進
次世代を担うビジネス創造のため、技術革新を目指してICT、金融、不動産、物流など、多様な領域で事業を推進しています。ITサービスやサイバーセキュリティ、TVショッピングなどの事業の創出に取り組んでいます。

M&A情報

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