臨床検査業界の世界市場シェアの分析

臨床検査業界の世界市場シェア、市場規模、業界動向などの情報を分析しています。臨床検査会社の主要企業である、LabCorp(ラボコープ)、Sonic Healthcare (ソニックヘルスケア)、Quest Diagonistics(クエスト・ダイアグノスティクス)、Synlab(シンラボ)、みらかグループなどの動向も記載しています。

臨床検査業界の動向

臨床検査とは、医師が患者の状態を診察や治療の方針を定める前に行う検査です。検体検査と生理機能検査に大きく分かれており、前者は患者の血液や臓器などの一部を採取して行う検査、後者は心臓などの電気的な検査や画像による検査です。

臨床検査業界の世界シェア

「臨床検査会社の世界売上高ランキング(2020年版)」に記載されている各社の売上高を分子に、市場規模を分母にして市場シェアを簡易に計算すると、臨床検査の世界1位はクエスト・ダイアグノスティクス、2位はラボコープ、3位はソニック・ヘルスケアとなります。

2019年臨床検査会社世界シェアランキング

1位 Quest Diagonistics(クエスト・ダイアグノスティクス) 3.8%
2位 LabCorp(ラボコープ)    3.5%
3位 Sonic Healthcare (ソニック・ヘルスケア) 2.0%
4位 Synlab(シンラボ) 1.1%
5位 Unilabs(ユニラボズ) 0.6%
6位 みらかグループ 0.6%
7位 ビーエムエル 0.5%
8位 Cerba Healthcare 0.5 %
9位 LSIメディエンス 0.4%
10位 Myriad Genetics(ミリアド・ジェネティク) 0.4%
11位 Exact Sciences(エグザクト・サイエンズ) 0.4%
12位 Amedes(アメデス) 0.2%
13位 OPKO Health(オプコヘルス) 0.2%
14位 NeoGenomics Laboratories(ネオジェノミクス・ラボラトリーズ) 0.2%

最大手のクエスト・ダイアグノスティクスでも市場シェアは4%弱とフラグメンテッド(分散化された)市場です。また、多くの病院が臨床検査を内包しており、臨床検査会社が規模を拡大しにくい市場構造となっているのが特徴です。

市場シェア1位、2位は米国を中心にサービスを行なっており、2位のロボコープはCRO事業を強化するなど非臨床検査分野を強化しています。3位は豪州のソニックヘルスケアで、豪州以外の英語圏で事業を展開していることが特徴です。4位と5位は、欧州のシンラボとユニラボズで投資ファンド傘下で展開地域の拡大による成長を目指しています。6位、7位には日本の臨床検査大手であるみらかグループとビーエムエルが入っています。

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、臨床検査業界の2019年の世界市場規模を2000億ドルとして市場シェアを計算しております。参考したデータは以下の通りです。LabCorp社が公表したインベスター&アナリストデイ2018によれば2017年の臨床検査市場の規模は2000億ドルです。2019年1月の同社のヘルスケアコンファレンスの資料によれば2018年の受託検査市場は米国は約800億ドル、米国外は1000億ドルとなっています。⇒参照したデータの詳細情報

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臨床検査大手の動向

市場シェア1位は米クエスト・ダイアグノスティクスの3.8%

クエスト・ダイアグノスティは米国に本拠を置く世界最大級の臨床検査会社です。ラボコープと競っています。米国以外では、英国、メキシコ、ブラジルなどで事業を展開しています。創業は1967年。途中、ガラス製造大手のコーニング傘下となるも、1996年に分社化により独立を果たしました。ニューヨーク証券取引所に上場しています。

世界2位は米ラボコープの3.5%

ラボコープは米国に本拠を置く世界最大級の臨床検査会社です。生化学的検査、血液・一般学的検査、病理学的検査、遺伝子診断等を手掛けています。米国以外にも、中国、日本、英国、シンガポール等で事業を展開しています。2015年に医薬品開発業務受託機関(CRO)大手「コーヴァンス」、2019年に英CRO大手「エンヴィーゴ」の非臨床事業を買収しています。

3位は豪ソニック・ヘルスケアの2%

ソニック・ヘルスケアは豪州に本拠を置く臨床検査会社です。オーストラリア、英国、ニュージランド、米国、ドイツ、スイス、ベルギーなどの国で事業を展開しています。豪州では画像診断やプライマリーケアサービスも提供しています。

4位は独シンラボの1.1%

シンラボはドイツの本拠を置く臨床検査会社です。フランス、イタリア、スイス等の欧州域内に加え南米、中東、アフリカにも進出をしています。投資ファンドのCinvenが主導する形で、2015年にフランスのLabcoと経営統合を行いました。環境試験事業も展開しています。

ユニラボズ

ユニラボズはスイスに本拠を置く臨床検査会社です。1987年の創業。フランス、スウェーデン、ポルトガル、チェコなどの欧州諸国に加え、中東などでも事業を展開しています。画像診断も展開しています。投資ファンドのApaxパートナーズが保有しています。

みらかグループ

日本に本拠を置き、臨床検査、検査試薬を中心とした事業を展開しています。臨床検査は子会社のSRL(エスアールエル)を中心に展開。ビーエムエル(BML)、パナソニックヘルスケアホールディングス(PHCホールディングス)傘下のLSIメディエンスが日本の臨床検査のビッグ3です。

セルバ・ヘルスケア

フランスに本拠を置く臨床検査会社です。1967年に設立されました。2017年に投資ファンドのPartners Group等に買収されました。

業界動向のラップアップ

おさらい

  • 市場規模は2000億ドル程度です。
  • クエスト・ダイアグノスティクスラボコープ、ソニックヘルスケアなどが大手企業として有名です。
  • 上位3社の市場シェアは10%程度で、地域ごとに大手臨床会社が群雄割拠している状態です。
  • プライベートエクイティが、買収を通じて地域をまたいだ臨床検査会社プラットフォーム構築目指しています。
  • 臨床で得られたデータの活用の一貫で、Bioclinica社とERT社の経営統合のように、データ処理会社との統合による臨床テックの勃興も今後予想されます。

参照したデータの詳細情報について


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