ジェイビルの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

ジェイビル(Jabil)は、James Golden氏とBill Morean氏によって1966年に設立された米国に本拠を置く電子機器受託製造(EMS)大手です。創業者のファーストネームが社名の由来です。デルやGM向けの生産受託で成長しました。家電や車向けの電子基盤の受託でも存在感を示します。主要顧客には、アマゾン、アップル、シスコ、ゴープロ、HP、インジェニコ、キーサイトテクノロジーズ、エリクソン、ネットアップ、ノキアネットワークが含まれ、アップルが最大顧客になっています。

業績推移(年次)


2019年度
売上高は25,282百万ドルで、前年度比14%増となりました。営業利益は701百万ドルになりました。営業利益率は3%になりました。エレクトロニクスセグメントの売上は、クラウド事業における新規顧客からの売上の増加などがあり、26%増加しました。マニュファクチャリングセグメントの売上は7%増加しました。

2020年度
売上高は27,266百万ドルで、前年度比8%増となりました。営業利益は500百万ドルになりました。営業利益率は2%になりました。エレクトロニクスセグメントの売上は8%増加しました。これは、クラウド事業内の既存顧客からの売上が10%増加したことが主な要因です。マニュファクチャリングセグメントの売上は、ヘルスケア事業における新規および既存の顧客からの売上が 11% 増加したため、8% 増加しました。

2021年度
売上高は29,285百万ドルで、前年度比7%増となりました。営業利益は1,055百万ドルになりました。営業利益率は4%になりました。マニュファクチャリングセグメントの売上は 17% 増加しました。これは、モビリティ内の既存顧客からの売上が増加したこと、コネクテッド デバイス事業における既存顧客からの売上が増加したこと、自動車および輸送事業における既存顧客からの売上が増加したこと、ヘルスケアおよびパッケージング事業における既存顧客からの売上が増加したことが要因です。エレクトロニクスセグメントの売上は1%減少しました。これは、受託モデルに移行したクラウド事業における既存顧客からの売上が減少した為です。

2022年度
売上高は33,478百万ドルで、前年度比14%増となりました。営業利益は1,393百万ドルになりました。営業利益率は4%になりました。エレクトロニクスセグメントの売上は 20% 増加しました。これは、5G・ワイヤレスおよびクラウド事業の既存顧客からの収益が増加したこと、デジタル印刷および小売事業における既存顧客からの売上が増加したこと、産業および資本機器事業における既存顧客からの売上が増加したこと、ネットワーキングおよびストレージ事業における既存顧客からの売上が増加したことが要因です。また、マニュファクチャリングセグメントにおいては、自動車および輸送事業の既存顧客からの売上が増加、ヘルスケアおよびパッケージング事業の既存顧客からの売上が増加、コネクテッドデバイス事業における既存顧客からの売上が増加しました。

2023年度
売上高は34,702百万ドルで、前年度比4%増となりました。営業利益は1,537百万ドルになりました。営業利益率は4%になりました。マニュファクチャリングセグメントの売上は 8% 増加しました。これは、既存顧客からの売上が増加したこと、ヘルスケアおよびパッケージング事業の既存顧客からの売上が増加したこと、モビリティ事業の既存顧客からの売上が 増加したことが要因です。 エレクトロニクスセグメントにおいては、産業用機器および準資本機器事業における既存顧客からの売上が 2% 増加し、5G・無線および無線機器事業における既存顧客からの売上が 2% 減少しました。

ジェイビルの業績推移

ジェイビルの業績推移

業績推移(四半期)


2023年第2四半期(12ー2月)
売上高は8,134百万ドルになりました。営業利益は359百万ドル、営業利益率は4%になりました。

2023年第3四半期(3ー5月)
売上高は8,475百万ドルになりました。営業利益は375百万ドル、営業利益率は4%になりました。

2023年第4四半期(6ー8月)
売上高は8,458百万ドルになりました。営業利益は441百万ドル、営業利益率は5%になりました。

2024年第1四半期(9ー11月)
売上高は8,387百万ドルになりました。営業利益は303百万ドル、営業利益率は4%になりました。

2024年第2四半期(12ー2月)
売上高は6,767百万ドルになりました。営業利益は1,131百万ドル、営業利益率は17%になりました。

ジェイビルの四半期業績推移

ジェイビルの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比13%減の6.02ドルになりました。1株当たりの配当は前年度と同額で0.32ドルになりました。配当性向は5%になりました。

ジェイビルのEPS・配当額・配当性向の推移

ジェイビルのEPS・配当額・配当性向の推移

業績予想

2024年3月
2024年度第2四半期の報告書にて、2024年度通期の売上は28,500百万ドル、EPSは8.40ドルを予定していると掲載されています。

事業構成

セグメントは、エレクトロニクス、マニュファクチャリングに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。

ジェイビルの売上構成(2023年度)

ジェイビルの売上構成(2023年度)

エレクトロニクス
IT、サプライチェーンの設計及びエンジニアリング、大規模な製造インフラ向けの市場で使用される電子部品を大量に生産します。主に5G、ワイヤレスとクラウド、デジタル印刷と小売、産業用および準資本設備、ネットワーキングとストレージ業界が主な顧客です。

マニュファクチャリング
材料科学、機械加工、ツーリング、および高度に設計されたプラスチックおよび金属部品の成形に重点を置いたエンジニアリング ソリューションの提供に重点を置いています。自動車および輸送、コネクテッド デバイス、ヘルスケアおよびパッケージング、モビリティ業界が主な顧客です。

M&A情報

製造受託分野の強化や新規分野への参入を目指したM&Aを行っています。

2006年 電子製品メーカーであるCeletronix Internationalを買収
2007年 射出成形、金属装飾、プラスチック装飾における先進的な革新的な製品設計と画期的な材料技術を提供し、最先端の機械設計と精密機械加工を提供するGreen Pointを買収
2013年 ヘルスケア、包装、家電業界の顧客向けの精密プラスチック製品の製造を専門とするNyproを買収
2015年 スマートテキスタイルとウェアラブルテクノロジーの開発と製造を専門とClothing+を買収
2016年 エネルギーコンサルティングやモニタリングサービスをシステム開発者や通信サイト オペレーターに提供するInalaを買収
2021年 リサイクル紙包装パッケージメーカーのEcologic Brandsを買収
2023年 プリント基板などの電子部品の再生、調整、テストなどを実施するRetronixを買収

EN