PC・パソコン業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。レノボ、HP、デル、エイスース、アップルといった主要なPC・パソコンメーカーの概要や動向も掲載しています。
【パソコンについて】
パソコンの主要部品
パソコンメーカーの多くは、他社が製造するパソコン部品を購入して組み立てています。パソコン価格の大きな割合を占める部品には、CPU、HDD/SSD、メモリ、液晶モニターなどが挙げられます。各部品の市場シェアは以下のページでまとまっています。
【関連ページ】
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【パソコン業界の世界市場シェア】
パソコンメーカー各社の2022年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2022年のPC・パソコン業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はアップル、2位はデル、3位はレノボとなります。
PC・パソコンメーカーの市場シェアと業界ランキング(2022年)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | Apple Inc.(アップル) | 16.76% |
2位 | Dell Technologies Inc.(デル・テクノロジーズ) | 14.04% |
3位 | Lenovo Group(レノボ) | 11.91% |
4位 | Hewlett-Packard(HP、ヒューレット・パッカード) | 10.63% |
5位 | Quanta Computer, Inc.(広達電脳、クアンタ ・コンピュータ) | 9.87% |
6位 | Inventec Corporation(インペンテック株式会社) | 4.17% |
7位 | AsusTeK Computer Inc.(エイスース、華碩電脳股份有限公司) | 2.56% |
8位 | Acer Inc.(エイサー、宏碁股份有限公司) | 1.80% |
9位 | Microsoft Corporation(マイクロソフト) | 1.62% |
10位 | Dynabook Inc.(ダイナブック株式会社) | 0.30% |
金額ベースの市場シェアでは、2021年と変わらず2022年もアップルが1位となりました。2022年の2位と3位は2021年と入れ替わるかたちとなり、2位にデル、3位レノボとなりました。4位は2021年と変わらずHP、5位は台湾の広達電脳が新たにランクインとなりました。
5位の広達電脳はアップル、レノボ、デル、HPの4強と引けを取らず、市場シェアを占めています。
調査会社のガートナーによると、出荷ベースの2022年第4四半期市場シェアは以下の通りです。
順位 | 会社名 | 市場シェア |
1位 | Lenovo Group(レノボ) | 24% |
2位 | Hewlett-Packard(HP、ヒューレット・パッカード) | 20.2% |
3位 | Dell Technologies Inc.(デル・テクノロジーズ) | 16.7% |
4位 | Apple Inc.(アップル) | 10.7% |
5位 | AsusTeK Computer Inc.(エイスース、華碩電脳股份有限公司) | 7.5% |
6位 | Acer Inc.(エイサー、宏碁股份有限公司) | 5.5% |
※ガートナーの記事より必要情報を一部抜粋しております。
レノボは24%で1位を維持していますが、出荷台数は日本を除く全地域で減少したため、2021年の半分ほどのシェア率となりました。HPとデルも急減し、特にEMEA市場は政情不安、インフレ圧力、金利上昇が影響したと見られます。
【パソコン業界の世界市場規模】
当サイトデータベースでは、2022年のパソコン業界の市場規模を4,146億ドルとしております。参照した公表データは以下の通りです。
調査会社のリサーチアンドマーケッツによると、2022年の同市場規模は4,146億ドルとなります。2023年には4,490.2億ドルへ、年平均8.3%で成長します。2027年にかけて6,047.5億ドルに達し、年平均7.7%での成長を見込んでいます。
調査会社のプレシジョンレポートによると、2022年の同市場の収益は2,261.3億ドル、2028年には2527.4億ドルに達する見込みです。2022年〜2028年の年平均成長率は1.9%の予想です。
調査会社のスタティスタによると、2023年の同市場の収益は2205億ドルとなる見込みです。2023年〜2028年にかけて年平均成長率は2.3%、2028年には2471億ドルへに達すると推定しています。
調査会社ガートナーによると、2022年の出荷台数は2億8,620万台となり、2021年から16.2%減少となりました。⇒参照したデータの詳細情報
さらに詳しく業界を知るためのお薦め書籍
【M&Aの動向】
- 2015年 マイクロソフトはMobile Data Labsを買収
- 2015年 マイクロソフトはセキュア・アイランズを買収
- 2016年 HPはオープンテキストにカスタマー・エクスペリエンス・コンテンツ・マネジメントを売却
- 2016年 デルとEMCの合併が完了
- 2019年 マイクロソフトはjClarityの買収を発表
- 2019年 マイクロソフトがMovereを買収
- 2020年 東芝はダイナブックをシャープに売却し、シャープの完全子会社へ
- 2021年 HPはテラディチの買収を完了
- 2022年 マイクロソフトはMiburoを買収
- 2022年 マイクロソフトはMinitの買収を発表
- 2023年 デルはムーグソフトを買収
- 2023年 インテルはASUSへ® Next Unit of Computing (NUC) 製品ラインの引き渡しを完了
- 2023年 マイクロソフトはFungibleを買収
【会社の概要】
Apple Inc.(アップル)
Apple(アップル)は、故スティーブ・ジョブズ氏が設立した米国を代表するメーカーです。Mac、iPhone、iPad、アップルウォッチといった革新的なハードウェア、独自のCPU、iTunesやiOSといった洗練されたソフトウェアが高度に融合させる独創的なビジネスモデルが特徴です。アップルペイで金融決済も手掛けることでアップル経済圏を構築しつつあります。さらに詳しく
Dell Technologies Inc.(デル・テクノロジーズ)
マイケル・デル氏によって設立された米国に本拠をおくITソリューションプロバイダーです。BTO方式に基づく個人向けPCの直販モデルで世界を席巻しました。2013年に投資ファンドのシルバーレイクとMBOを実施しました。2015年にデータストレージや仮想化技術に強みを持つEMC等を買収し、サーバー等のハードウェアとソフトウェアの総合ITベンダーとして2018年に再上場を果たしました。さらに詳しく
さらに詳しく
Lenovo Group(レノボ)
レノボ(Lenovo)は、1984年に柳伝志(リュウ・チュアンジ)氏が設立した中国を代表するパソコンメーカーです。旧IBMのPC事業(thinkpad)を買収し、一躍有名になりました。日本でもNECや富士通のパソコン事業を買収しています。さらに詳しく
Hewlett-Packard(HP、ヒューレット・パッカード)
HP(ヒューレット・パッカード)は、1939年にウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードによって設立された、「元祖西海岸のスタートアップ」で、米国が誇るIT業界の巨人です。パソコン、プリンター、コピー機、ストレージの分野では世界最大級です。2015年に法人向けサーバー事業が中心の「Hewlett Packard Enterprise」と、PCやプリンティング事業が中心の「HP Inc.」へと分社化されました。さらに詳しく
Quanta Computer, Inc.(広達電脳、クアンタ・コンピュータ)
広達電脳は、台湾のパソコンメーカーで、パソコン受託生産でコンパル・エレクトロニクス(仁宝電脳)と共に、世界最大手の一角を占めている。
Inventec Corporation(インベンテック株式会社)
台湾のパソコン製造・販売メーカーです。主にアジア、欧州及び米州で製品を販売しています。
AsusTeK Computer Inc.(エイスース、エイスーステック・コンピューター・インク、華碩電脳股份有限公司)
台湾に本拠を置くPC・タブレットメーカーです。UltrabookやタブレットのNexus7のメーカーとしても有名です。
Acer Inc.(エイサー、宏碁股份有限公司)
台湾に本拠を置くPCメーカーです。OEMメーカーとして成長しています。米ゲートウェイやパッカードベル社を買収しPC業界の大手となりました。
Microsoft Corporation(マイクロソフト)
1975年にビル・ゲイツとポール・アレン氏によって設立されたソフトウェア会社です。オペレーションシステムのウィンドウズやドキュメントソフトのワード、計算ソフトをエクセルなどパソコンなどで必須のソフトを開発販売しています。ゲームの分野ではハードのゲーム機Xboxとネットワーク課金によって事業を成長させています。クラウドサーバーはAzureで展開しています。ソフトの販売から、クラウド型のサブスクリプションサービスへの移行も順調です。モバイル分野ではオペレーションシステムではグーグルのアンドロイドとアップルのiOSに差をつけられています。
Dynabook Inc.(Dynabook株式会社、ダイナブック)
東芝は35年にわたり手がけてきたノートパソコン事業から完全に撤退し、シャープに売却しました。現在のダイナブックは東京都江東区豊洲に本社を置き、パソコン及びシステムソリューション商品の開発、製造、販売を主な事業とする電機メーカーです。
Pegatron Corp(ペガトロン株式会社、和碩聯合科技股份有限公司)
台湾に本拠を置く、他ブランドのパソコンなど電子製品を製造する(OEM)企業のこと。またAppleのサプライヤーとしても知られており、iPhoneの組み立てを担当しています。
Micro-Star International Co., Ltd. (MSI、微星科技股份有限公司)
台湾のコンピュータやコンピュータ関連部品を製造する会社です。
【日本勢】
ソニーはバイオを投資ファンドへ売却し、NECと富士通はレノボにPC事業の過半数の持ち分を売却しています。パナソニックはレッツノートを単独で展開しています。
NECについて
NECは、1889年にウェスタン・エレクトリック(現ノキアネットワークス)と岩垂邦彦氏によって設立された電話交換機や通信機器の製造を祖業とするITサービス会社です。1932年に住友財閥との関係が深まり、現在も住友グループの中核の会社です。1980年代に半導体分野で世界のトッププレイヤーとなりました。その後、事業構造をハードからソフト・ITサービスへと変化させ、現在はハードとソフトを組み合わせたソリューションプロバイダーに強みを持ちます。さらに詳しく
富士通について
富士通は、古河電気工業とシーメンスの合弁会社として設立された現富士電機の電話部門が1935年に分社化されて設立されました。ICT関連のハードウェアからソフトウェアを手掛けていますが、近年はITソリューションサービスへ事業ポートフォリオをシフトしています。ハードウェアではPC&サーバ、メインフレーム・スーパーコンピューター「富岳」(2012年に稼働した「京」の後継機)、ATM、通信ネットワーク機器などを開発製造しています。グループ関連会社には、富士通フロンテック、新光電気工業、FDK、富士通ゼネラルなどが含まれます。さらに詳しく
パナソニックについて
パナソニックは、1917年に松下幸之助氏によって設立された日本を代表する電機メーカーです。松下電工や三洋電機と統合し、総合電機メーカーとして世界的なプレゼンスを有します。アプライアンス(家電、空調、AV機器、累計2000億個を売り上げた約90年の歴史を持つ電池等)、オートモーティブ(蓄電池、音響機器等)、インダストリアル(電池やモーター等)、ライフソリューション(照明や水まわり等)、コネクティッドソリューションズ(フライトエンターテイメント、航空機向け電子機器、監視カメラ等)といった事業部制に特徴がありましたが、2022年にパナソニックホールディングスを設立し、事業部はホールディング傘下の独立した子会社となりました。さらに詳しく
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