アップルの市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

Apple(アップル)は、故スティーブ・ジョブズ氏が設立した米国を代表するメーカーです。Mac、iPhone、iPad、アップルウォッチといった革新的なハードウェア、独自のCPU、iTunesやiOSといった洗練されたソフトウェアが高度に融合させる独創的なビジネスモデルが特徴です。アップルペイで金融決済も手掛けることでアップル経済圏を構築しつつあります。

業績推移(年次)

2019年度
2019年の売上高は前年度比2.04%減の2,601.74億ドルになりました。営業利益は9.83%減の639.30億ドルになりました。営業利益率は24.57%になりました。

2020年度
2020年の売上高は前年度比5.51%増の2,745.15億ドルになりました。営業利益は3.69%増の662.88億ドルになりました。営業利益率は24.15%になりました。

2021年度
2021年の売上高は前年度比33.26%増の3,658.17億ドルになりました。営業利益は64.36%増の1,089.49億ドルになりました。営業利益率は29.78%になりました。

2022年度
2022年の売上高は前年度比7.79%増の3,943.28億ドルになりました。営業利益は9.63%増の1,194.37億ドルになりました。営業利益率は30.29%になりました。

2023年度
2023年の売上高は前年度比2.80%減の3,832.85億ドルになりました。営業利益は4.30%減の1,143.01億ドルになりました。営業利益率は29.82%になりました。

全体を通して、2017年を境にiPhoneの販売台数は減少傾向にあります。一つは個人のスマートフォンが一巡、買い替え期間が長期化したことです。製品自体のハイテク化により長く使えるようになっていることで台数が減少しています。また、iPhone全体の売上の23%は中国が占めていますが、米中対立を背景に先行き不透明な状況になっています。2023年には、政府職員のiPhone使用が禁じられたと報道があり、Appleの株価が下がる結果となりました。今後の米中対立がどのようになっていくかが影響を与えそうです。
一方で、売上を伸ばしているのは音楽や動画配信などのサービス部門です。売上高全体に占める割合は10年前の9.4%から22.2%になりました。サービス部門は顧客をアップルに囲い込むことに重要な役割を果たしており、他機種への乗り換えハードルを高くしているなど、ハードウェアと密接な関係を持っています。そのため、今後も期待ができる分野です。

アップルの業績推移
アップルの業績推移

業績推移(四半期)

売上高は前年同期比8.14%増の901.46億ドルになりました。営業利益は248億ドル、営業利益率は27.62%になりました。iPadやiPhoneの売上は予想を下回っていたものの、売上・利益は市場予想を上回りました。

2022年第4四半期(7-9月)
売上高は前年同期比8.14%増の901.46億ドルになりました。営業利益は248億ドル、営業利益率は27.62%になりました。iPadやiPhoneの売上は予想を下回っていたものの、売上・利益は市場予想を上回りました。

2023年第1四半期(10-12月)
売上高は前年同期比5.48%減の1,171.54億ドルになりました。営業利益は360億ドル、営業利益率は30.74%になりました。ドル高による海外売上高減、中国での新型コロナウイルス感染拡大による「iPhone」の供給減が影響しました。

2023年第2四半期(1-3月)
売上高は前年同期比2.51%減の948.36億ドルになりました。営業利益は283億ドル、営業利益率は29.86%になりました。iPhone、iPad、ウェアラブルなどの機器は売上を減らしているものの、サービス部門で16%の売上増となりました。

2023年第3四半期(4-6月)
売上高は前年同期比1.40%減の817.97億ドルになりました。営業利益は229億ドル、営業利益率は28.12%になりました。iPhoneやMac、iPadの売上減が影響しています。

2023年第4四半期(7-9月)
売上高は前年同期比0.72%減の894.98億ドルになりました。営業利益は269億ドル、営業利益率は30.13%になりました。売上減ではありますが、高価格帯モデルがiPhone増収に寄与し、iPhoneの売上は7-9月としては最高の売上を達成したとしています。

アップルの四半期業績推移

アップルの四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

希薄化後EPSは前年度比0.33%増の6.13ドルになりました。1株当たりの配当は前年度比4.44%増の0.94ドルになりました。配当性向は15.33%になりました。

業績予想


正式な業績予想は出されていないですが、経営陣は前年比とほぼ変わりないことを示唆しています。

売上構成

iPhoneが主力です。デジタルコンテンツの販売・サブスクリプションを含めたサービス分野が成長しています。

アップルの売上構成(2021年度)
アップルの売上構成(2022年度)

iPhone
スマートフォンの牽引役であるiPhoneの製造、販売を行なっています。

Mac
PCを主に製造・販売しています。

iPad
タブレットを主に製造・販売しています。

ウェラブル
アップルウォッチやメガネ等を製造しています。

サービス
AppleMusicやPodcastなど、ソフト部分の開発を行なっています。

直近のM&A(合併買収)

技術や機能の獲得を目指した小規模なM&Aを行っています。
近年は決済技術や音楽などのサービス関連や人工知能に関する買収が続いています。

2011年 イスラエルのアボビット・テクノロジーズの買収
2014年 音響機器のBeats Musicの買収
2017年 英ダイアログセミコンダクターの電源管理事業の買収
2017年 音楽配信サービスのシャザムエンタテイメントを買収
2018年 電子雑誌読み放題サービスのテクスチャーを買収
2019年 インテルのモデムチップ事業を買収
2020年  AIスタートアップのVoysisを買収
2020年  VRスタートアップのSpacesを買収
2020年  VRハードウェアのスタートアップであるNextVRを買収
2020年  イスラエルの写真AI企業Cameraiを買収
2020年 デバイス管理などを手がけるスタートアップのFleetsmithを買収
2021年  クラシック音楽ストリーミングサービスのPrimephonicを買収
2022年  人工知能を用いた作曲を手がける企業であるAI Musicを買収
2023年  英国のフィンテック企業であるCredit Kudos incを買収
2023年  産業用ARヘッドセットのMira Labsを買収

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