バイク・オートバイ・二輪車メーカーの世界市場シェアや市場規模を分析しています。ホンダ、ヤマハ、ヒーロー、バジャージ、ハーレー・ダビッドソン、BMW、TVSモーターといった世界大手の二輪車メーカーの概要や動向も掲載しています。
市場シェア(金額ベース)
オートバイ会社の2021年度売上高を分子に、また後述する市場規模を分母にして、2021年のバイク業界の世界市場シェアを計算すると、世界1位はホンダ、2位はヤマハ、3位はヒーロー・モトコープとなります。⇒参照したデータの詳細情報
2021年のオートバイ・バイク業界の世界シェア(金額ベース)
順位 | 会社名 | 市場シェア |
---|---|---|
1位 | 本田技研工業 | 13.03% |
2位 | ヤマハ | 7.41% |
3位 | ヒーロー・モトコープ | 3.85% |
4位 | ハーレー・ダビッドソン | 3.77% |
5位 | バジャージ | 2.89% |
6位 | BMW | 2.60% |
7位 | 川崎重工業 | 1.97% |
8位 | KTM | 1.89% |
9位 | スズキ | 1.85% |
10位 | TVSモーター | 1.74% |
11位 | ピアッジオ | 1.30% |
12位 | ロンシン・モーター | 1.01% |
13位 | ドゥカティ | 0.83% |
14位 | リーファン | 0.36% |
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2021年もホンダが圧倒的な強さを見せて、1位の座を堅守しています。
2位はヤマハと日本勢で1位と2位を独占です。
3位と4位にはついにインド勢のヒーロー・モトコープとバジャージです。数量だけでなく、金額ベースでも根強い人気を誇る米国のハーレー・ダビッドソンを抜きました。
6位にはモトラッドで展開するBMWです。1900年前半にオートバイ・バイクが世界に誕生したのち、当初は欧州メーカー同士の競争が主流でしたが、戦後は欧米バイクメーカーの牙城を日本オートバイメーカーが崩していきました。現在は、台頭するインドのオートバイメーカーと日本勢との競争に軸が移っています。
中国のメーカーのロンシン・モーターやリーファンも地力をつけています。
市場シェア(数量ベース)
2020年度のオートバイメーカー各社の販売台数(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、市場規模を分母にして、トップ6位を分析すると、上位6社中3社がインド勢となります。
2020年のオートバイ・バイク業界の数量ベースの世界シェア
- 1位 ホンダ 18.2%
- 2位 ヒーロー・モトコープ 10.3%
- 3位 バジャージ 7.0%
- 4位 ヤマハ 6.7%
- 5位 TVSモーター 5.8%
- 6位 スズキ 2.7%
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バイク・オートバイ業界の市場規模
当サイトでは、バイク・オートバイ業界の2021年の世界市場規模を1193億ドルとしております。参照にしたデータは以下の通りです。
調査会社のフォーチュンビジネスインサイツによると、2021年の同業界の市場規模は1193億ドルです。2022年には1274億ドルへ規模が拡大し、2029年にかけて年平均8.4%で成長することが見込まれます。2029年の市場規模は2235億ドルを予測します。世界の人口は増加しており、バイクへの需要も増加することが、成長の主因となります。エンジン車から電動バイクへのシフトも予想されます。
調査会社のビジネスリサーチカンパニーによると、2020年の同業界の市場規模は743.5億ドルです。2015年からの年平均成長率は3.63%です。2025年にかけて8.09%での成長を見込みます。
調査会社のモーターサイクルデータによると、2020年のバイク業界の販売台数は56.5百万台です。2019年から9百万台減少(マイナス14%)でした。稼働数ベースでは約3億台程度と推計されています。⇒参照したデータの詳細情報
年 | オートバイ市場規模 | 成長率 |
---|---|---|
2021年 | 1193億ドル | 8.4% |
2020年 | 743.5億ドル | 8.09% |
バイクの分類
バイクの分類では、エンジンの排気量が125cc未満を小型二輪車と呼び、125cc以上を中・大型二輪車と呼びます。販売台数のうち95%以上は小型二輪車が占めています。
主な再編
オートバイメーカーのM&Aは余り盛んではありません。買収の売上高マルチプルは概ね1~2倍程度となっています。
2011年 ヒーローがホンダより合弁会社の持分を買収
2012年 アウディがドゥカティを投資ファンドから買収
2021年 ハーレー・ダビッドソンがEVバイクをライブワイヤーとして分社化上場を発表
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日本のオートバイの歴史―二輪車メーカー興亡の記録
二輪車産業グローバル化の軌跡―ホンダのケースを中心にして
アジアの二輪車産業―地場企業の勃興と産業発展ダイナミズム
図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み
自動車業界の世界市場シェアと販売台数ランキングの分析
電動バイク・スクーター・キックボードのカオスマップ
日本オートバイ4強
ホンダ
1948年に本田宗一郎氏によって設立された日本の誇る自動車・オートバイメーカーです。乗用車では世界大手、オートバイでは世界最大手です。船外機、芝刈り機などのガーデニング機器、高級エアクラフト機であるホンダジェット、販売金融、人型のロボット開発(ASIMO)といった事業も手掛けています。さらに詳しく
ヤマハ
1955年に設立された日本を代表する輸送機メーカーです。楽器を手掛けるヤマハとは源流が同じ兄弟会社です。バイク、プレジャーボート、オフロード車、スノービークル、電動アシスト自転車、ゴルフカートなど幅広い輸送機を手掛けていることが特徴です。さらに詳しく
スズキ
スズキは、1909年に鈴木式織機として設立された自動車、二輪車および船外機メーカーです、特に、軽自動車、小型車やオートバイに強みを有しております。海外ではインドの4輪市場では圧倒的な存在感を示しています。さらに詳しく
川崎重工業
1896年に松方正義の支援によって川崎正蔵氏によって設立された川崎築地造船所を源流とする日本を代表する宇宙防衛・重電大手メーカーです。戦前の神戸川崎財閥には、川崎造船(川崎重工)の他に、川崎汽船、川崎製鉄(JFE)が属していました。技術者の育成には定評があります。現在は、防衛、航空エンジン、鉄道車両、プラント、油圧機器、溶接やシリコンウエハの搬送等の産業用ロボット、造船、中大型バイク、オフロード四輪車、パーソナルウォータークラフト(ジェットスキーの商標で展開しています)、汎用エンジンを開発製造しています。さらに詳しく
インドオートバイ3強
Hero MotoCorp(ヒーロー・モトコープ)
1984年に設立されたインド最大手の二輪車メーカーです。ホンダからの技術供与を受け成長しましたが、ホンダとの合弁会社を2010年に解消しました。
Bajaj Auto(バジャージ)
バジャージ財閥の中核です。日本の川崎重工業からの技術供与を受け成長しました。
TVS motor
1982年にスンダラム・アイアンガー氏によって設立されたインド大手のオートバイメーカーです。スズキからの技術供与で成長しました。BMWとも親密です。
中国大手オートバイメーカー
大長江集団豪爵精密機械有限公司(Grand River Haojue)
中国のオートバーメーカーです。スズキのオートバイのOEM生産を行っています。
重慶隆鑫机車(Loncin Holding)
重慶に本拠を置くオートバイメーカーです。BMWのオートバイのOEM生産やLoncinブランドのバイクの生産を行っています。オートバイ・エンジンや農機、造園機器も手掛けています。
力帆集団(リーファン、Lifan)
重慶に本拠を置く自動車・オートバイメーカーです。Lifanブランドにて展開しています。
欧米系オートバイメーカー
Piaggio(ピアッジオ)
イタリアに本拠を置くオートバイメーカーです。「ベスパ」シリーズは有名です。地域別売上高を見ますと、2019年度の売上高の約5割は欧米ですが、約3割をインドで売り上げております。
Harley-Davidson(ハーレー・ダビッドソン)
米国に本拠を置く大型バイクメーカーです。ハーレーの愛称で呼ばれています。2021年12月に電動バイク部門を分割し、ライブワイヤー(LiveWire)としてSPAC上場させると発表しました。
BMW Motorrad(ビーエムダブリュー・モトラッド)
1916年に航空機エンジンメーカーとして設立されたBMWは、現在はドイツの高級自動車メーカーです。BMW、MINI、ロールスロイス、オートバイのBMWのモトラッドブランドで世界展開しています。ロールスロイスは1998年、MINIは1994年にBMWの傘下に入りました。モトラッドは1923年から展開している大型バイクメーカーです。自動車リースも手掛け、Alphabet(アルファベット)で展開しています。電気自動車(EV)でも上位に位置します。さらに詳しく
Ducati(ドゥカティ)
イタリアに本拠を置く高級バイクメーカーです。Audi(アウディ)が買収し現在はフォルクス・ワーゲングループに属しています。
KTM
オーストリアに本拠を置くバイクメーカーです。オフロードバイクに強みを持ちます。
参照したデータの詳細情報について