レストラン運営受託業界の世界市場シェアの分析
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レストラン運営受託業界の世界市場シェアの分析

レストラン運営受託業界の世界市場シェアと市場規模について分析をしています。コンパス、アラマーク、アウトグリルなどの主要企業の概要も記載しています。

レストラン運営受託業会とは

レストラン運営受託業界とは、各種施設での飲食店運営を受託するサービスです。飲食店スタッフやレストラン設備なども含めたサービスを提供します。次に挙げる施設・組織では、レストラン運営を受託するのが一般的です。

  • 空港、駅、高速道路、ホテルなどのレストラン
  • オフィスビルのレストランやカフェ
  • 大学や専門学校などのレストランやカフェ、学生食堂
  • 病院や福祉施設内の職員・外来向けレストラン

海外ではケータリングサービスと言われており、中にはイベント時などに利用される一時的なレストランやフードサービスを指すこともあります。本データベースでは、臨時のケータリングサービスを除いた、契約ベースでのレストラン運営受託企業を中心に市場シェアを分析しています。本分析の中には上で挙げた空港やホテルなどのホスピタリティ業界を始め、オフィスや教育機関、病院などのヘルスケア施設でのレストラン運営受託を含みます。

施設の保有者にとってのメリットは、施設の運営管理に専念できることになり、またレストランの事業収支にレストラン運営受託会社から賃料を受け取ることができます。施設保有者側から見たレストラン運営とレストラン運営委託の比較は以下のようになります。

業務内容 レストラン運営の場合 レストラン運営委託の場合
スタッフ手配 自社で手配 委託会社が手配
メニュー開発 自社が開発 委託会社が開発
食材仕入れ 自社で調達 委託会社がスケールメリットを生かして調達
レストラン収入 損益を自社 なし
施設賃料 なし 委託会社から受取
レストラン運営とレストラン運営委託の比較 ©2024 Deallab

レストラン運営受託業会の世界市場シェア】

レストラン運営受託会社各社の2023年度の売上高参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年のレストラン運営受託会社の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はコンパス、2位はアラマーク、3位はアラマークとなります。

レストラン運営受託業界の世界シェア(2023年)
*アウトグリルは2022年度のデータを使用

首位はイギリスのコンパスです。世界50ヵ国以上で事業を展開しており、日本ではコンパスグループジャパンが運営しています。2位は米国のアラマークで、北米を中心にフードサービスを手がけています。

3位以降はイタリアのアウトグリル、フランスのエリオール、英国のSSPグループと欧州勢がランキングを占めています。なお、アウトグリルは2023年にスイスの免税大手Dufryに買収され、ブランド名がAvoltaに変わる予定です。

この他のレストラン運営受託会社として、英国のBM(Barlett Mitchell)やDine Contract Cateringなどがあります。

このうちエリオール、アウトグリル、SSPグループは空港や駅などでの事業に強みを持っており、北米の空港では下表のように3社の陣取り合戦となっています。

米国空港運営レストラン受託状況 出所:アウトグリル2016年AR

【レストラン運営受託業界の世界市場規模】

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、レストラン運営受託業界の2023年の世界市場規模を2576億ドルとして市場シェアを計算しております。参照した各種統計データは以下の通りです。

調査会社のアイマークによると、2023年の契約ベースのレストラン運営受託業界市場規模は2576億ドルです。2032年にかけて年平均4.5%での成長を見込み、同年には3857億ドルに達すると予測しています。

調査会社のリサーチアンドマーケッツによると、2022年の同市場規模は2451億ドルで、2028年にかけて年平均5.1%での成長を見込み、同年には3303億ドルに達すると予測しています。

調査会社のアリードマーケットリサーチによると、2022年の同市場規模は2888億ドルです。2032年にかけて年平均5.3%での成長を見込み、同年には4977億ドルに達すると予測しています。

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参照したデータの詳細情報

【Ⅿ&Aの動向】

コンパスが2024年に発表したCH&COの買収予定額は約6億ドルで、同社の欧州内での買収では最大規模を誇ります。

エリオールがレストラン運営受託企業を買収による市場シェア拡大を狙う一方で、SSPは飲食店を買収しサービスの幅を広げていくことに注力しています。

免税店を運営するデュフリー(Dufry)がアウトグリルを買収し、今後は「Avolta」というブランド名で包括的な旅行サービスを展開していくと発表しています。

2024年 コンパスが同業のCH&COを約6億ドルで買収予定と発表

2023年 エリオールが仏ライバル社のDerichebourgを買収

2023年 スイスの免税店運営大手Dufryがアウトグリルを買収

2023年 SSPがスイスのフランチャイズ飲食店PRETを買収

2023年 SSPがカナダのフランチャイズ飲食店ECGを買収

【会社の概要】

英国に本拠を置くレストラン運営受託会社です。世界50ヵ国以上でサービスを提供しており、企業向けや学校向けのレストラン運営を中心に運営しています。1990〜2000年代に米国などで大型買収をおこない、世界最大手に躍り出ました。主力事業はフードサービスですが、クリーニングやハウスキーピングの受託も手がけています。

米国に本拠を置くレストラン運営受託会社です。北米を中心に、英国やドイツ、スペインなど欧州でも事業を展開しています。教育機関やヘルスケア施設でのレストラン・フードサービス運営に力を入れています。過去にユニフォーム事業も手がけていましたが、現在ではVestisという会社に分社化されています。

同社はイタリアに本拠を置くレストラン運営受託会社です。 高速道路、鉄道、空港などの旅客対象としたレストランの運営を受託しています。北米とアジアでは主に空港施設を利用している一方で、欧州では高速道路のレストラン運営がメインとなっています。

スイスに本拠を置く免税店大手です。2004年に投資ファンドが創業家より買収し、現在はスイス証券取引所に上場しています。2014年にスイスの同業のニュアンス・グループ、2015年にWorld Duty Freeの買収を行いました。2017年に中国のHNA(海航集団)が筆頭株主となりました。その後HNAは経営再建のため持分を売却し、カタール投資庁やアリババグループが大株主となっています。

フランスに本拠を置くレストラン運営受託会社です。イギリスとフランスを中心に事業を展開しています。投資ファンドのCharterhouse Capital Partnersが2006年に買収した後、2014年にパリユーロネクストに上場しました。FC契約したブランドとしては、マクドナルド、ウェンディーズ、スターバックス、バーガーキング等があります。空港運営会社大手であるVinci、ParisAeroport、Aena等と提携しています。

英国に拠点を置くレストラン運営受託会社です。欧州、北米、アジア、中東等約30ヶ国で約2500のレストランを運営しています。スターバックス、味千ラーメン、M&S等をはじめとしてFC契約したレストランのブランドは450にのぼり、1日あたり約100万人の顧客が利用しています。ロンドン証券取引所に上場しています。空港でのレストラン受託の割合が約6割、駅のレストラン受託の割合が約3割となっています。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータの詳細情報について

参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

参照した売上高ランキング

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