機内食業界の世界市場シェアの分析
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機内食業界の世界市場シェアの分析

機内食業界の世界シェア、業界ランキング、市場規模の情報を分析しています。LSG、ゲートグループ、Newrest(ニューレスト)、SATS(サッツ)、Dnata(ディナータ)といった機内食提供会社大手の概要や動向も掲載しています。

【機内食業界の動向】

航空会社間の競争の激化により、航空業界全体でケータリングが広く普及していることは、機内食業界の市場を成長させる要因となっています。また機内食体験の向上に対するニーズも市場の成長に貢献しています。さらに市場の拡大は消費者の購買力の上昇や航空旅行者数の着実な増加、航空会社やケータリングサービスによるプレミアムプランの導入によっても牽引されています。

【市場シェア】

機内食製造企業の2022年度の売上高ならびに収益を分子に、また後述する機内食業界の市場規模を分母にして、2022年の機内食業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はゲートグループ、2位はLSG、3位はDO&COとなります。

機内食業界の世界市場シェア(2022)

順位 企業名(日本語) 市場シェア
1 ゲートグループ 32.39%
2 LSG 9.22%
3 DO&CO 8.86%
4 ニューレスト 7.12%
5 SATS 2.86%
6 ディナータ 0.23%

世界1位のゲートグループは、元々はスイス航空の機内食メーカーでしたが、買収を通じて規模を拡大させています。テマセクなどが組成した投資ファンドの傘下に入り、今後さらなるグローバル展開が予想されています。

世界2位はルフトハンザ傘下のLSGとなります。

3位にはDO&COが続きます。

4位はアフリカに強い基盤を有するニューレストです。

5位はシンガポール航空の機内食メーカーから展開しているSATSです。シンガポール航空の大株主でもあるテマセクがゲートグループを共同保有していることから、将来的な再編の可能性が伺えます。

(※ニューレストは2022年の売上数字が抽出できなかったため、2021年の数字を使用しております)

【市場規模】

当サイトでは、2022年の機内食業界の市場規模を128億ドルとしています。参考にしたデータは次の通りです。

調査会社のアイマークによると、2022年の同業界の市場規模は128億ドルです。2023年から2028年の間に年平均3.96%で成長し、2028年には161憶ドルへと規模が拡大すると見込まれています。

調査会社モードルインテリジェンスによると、2023年の同業界の市場規模は157億ドルと見込んでいます。2028年にかけて年平均8.57%で成長し、2028年には238億ドルへと規模が拡大すると見込まれています。

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【M&Aの動向】

・2011年 LSGはアメリカの食品会社Norris Food Groupを3000万ドルで買収

・2014年 Dnata はオーストラリアの小売業者のStella Travel Services Group Pty を買収

・2015年 ゲートグループはドイツの消費者サービス会社Inflight Service Group を1 .35億 ドルで買収

・2015年 ゲートグループはスウェーデンの小売業者Inflight Serviceを1.27億ドルで買収

・2016年 ゲートグループはエールフランスの機内食メーカーのServairを2.48億ドル買収

・2023年 SATSはフランスの旅客機のサービスプロバイダーWorldwide Flight Services を15 億ドルで買収

機内食業界の動向

LSG

ルフトハンザ航空傘下の機内食・ケータリング会社です。LSGスカイシェフで展開しています。ルフトハンザ航空以外にもアメリカン航空、スイス航空、ユナイテッド航空、エアーバルチックに機内食を提供しています。フランクフルトのJALの空港ラウンジでの食事提供も行なっています。

ルフトハンザ航空

ルフトハンザ航空は、1926年に設立されたドイツ最大の航空会社です。大戦を経て東西ドイツへ分割された時期もありますが、東西ドイツ統一時に東ドイツの事業を引き継ぎました。1994の民営化後は、スイス航空やオーストリア航空を買収して規模を拡大させています。さらに詳しく

Gate Group(ゲートグループ)

スイスに本拠を置く機内食・ケータリング提供会社です。Gate Gourmet(ゲートグルメ)で展開しています。元々はスイス航空の機内食提供会社です。エールフランスの機内食メーカーのServairやブリティッシュエアウェイ等の機内食事業を買収し拡大しています。2016年に中国のHNA Group(海航集団)が買収しました。2019年に投資ファンドであるRRJキャピタルとシンガポールのテマセク傘下となっています。

Newrest(ニューレスト)

フランスに本拠を置く機内食メーカーです。経営陣が株式を保有している非公開会社です。ナイジェリア、ギニア、モロッコ、ウガンダなどのアフリカにも強みがあります。

SATS(新翔集团、サッツ)

シンガポールに本拠を置く機内食・グランドハンドリング会社です。元々はシンガポール航空の子会社でしたが、2009年に分社化しました。現在はシンガポール証券取引所に上場しています。売上構成では中国、インド、東南アジアでほぼ90%以上を占めています。

Dnata(Dubai National Air Transport Association、ディナータ)

ドバイに本拠を置く機内食やグランドハンドリング提供会社です。エミレーツ航空傘下にあります。

DO & CO

1981年に設立されたオーストリアに本拠を置く機内食会社です。機内食以外にもホテルレストランの運用代行、イベント向けのケータリング事業などを運営しています。 実業家のアッティラ・ドッグーダン氏(Attila Doğudan)の基金が大株主となっています。

ANAケータリングサービス

日本のANAの子会社です。ANAグループ以外にもエバー航空、 アシアナ航空、ベトナム航空などに機内食を提供しています。

Journey Group(ジャーニーグループ)

英国に本拠をおく機内食会社です。ユナイテッド航空とアメリカ航空向けに提供をしています。2016年にHaywood Capitalが買収をしました。

Goddard Catering Group (ゴッダードケータリンググループ)

北米に本拠をおく機内食会社です。中南米へのアクセスに強みを持ちます。ホテルのレストラン運営、イベント向けケータリングも手掛けています。

Cathay Pacific Catering Services(キャセイパシフィックケータリングサービシーズ)

キャセイパシフィック航空傘下の機内食会社です。

参照したデータの詳細情報について


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