機内食業界の世界シェア、業界ランキング、市場規模の情報を分析しています。LSG、ゲートグループ、Newrest(ニューレスト)、SATS(サッツ)、Dnata(ディナータ)等の機内食提供会社大手の動向も掲載しています。
市場シェア
「最新業界別売上高ランキング」に記載の機内食メーカー会社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして2019年の市場シェアを簡易に試算しますと、世界1位はゲートグループの24%、2位はLSGの20%、3位はSATSの10%となります。
- 1位 ゲートグループ 24%
- 2位 LSG 20%
- 3位 SATS 10%
- 4位 ニューレスト 8%
- 5位 ディナータ 5%
- 6位 DO & CO 4%
世界1位のゲートグループは、元々はスイス航空の機内食メーカーでしたが、買収を通じて規模を拡大させています。テマセク含む投資ファンド傘下に入り、今後さらなるグローバル展開が想定されます。世界2位はルフトハンザ傘下のLSGとなります。3位はシンガポール航空の機内食メーカーから展開しているSATSです。シンガポール航空の大株主でもあるテマセクがゲートグループを共同保有していることから、将来的な再編の可能性が伺えます。4位はアフリカに強い基盤を有するニューレスト、5位はエミレーツ航空傘下のディナータとなります。
市場規模
調査会社のグランドビューリサーチによれば、2018年の機内食業界の市場規模は167億ドルです。2019年〜2025年にかけて5.7%成長すると推計しています。調査会社のアライドマーケットリサーチによれば、2018年の同業界の規模は181億ドルです。2019年〜2026年にかけて3.66%の成長を見込んでいます。当サイトでは、市場シェア算定に当たり、市場規模を181億ドルとしております。
機内食業界の動向
LSG
ルフトハンザ航空傘下の機内食・ケータリング会社です。LSGスカイシェフで展開しています。ルフトハンザ航空以外にもアメリカン航空、スイス航空、ユナイテッド航空、エアーバルチックに機内食を提供しています。フランクフルトのJALの空港ラウンジでの食事提供も行なっています。
Gate Group(ゲートグループ)
スイスに本拠を置く機内食・ケータリング提供会社です。Gate Gourmet(ゲートグルメ)で展開しています。元々はスイス航空の機内食提供会社です。エールフランスの機内食メーカーのServairやブリティッシュエアウェイ等の機内食事業を買収し拡大しています。2016年に中国のHNA Group(海航集団)が買収しました。2019年に投資ファンドであるRRJキャピタルとシンガポールのテマセク傘下となっています。
Newrest(ニューレスト)
フランスに本拠を置く機内食メーカーです。経営陣が株式を保有している非公開会社です。ナイジェリア、ギニア、モロッコ、ウガンダなどのアフリカにも強みがあります。
SATS(新翔集团、サッツ)
シンガポールに本拠を置く機内食・グランドハンドリング会社です。元々はシンガポール航空の子会社でしたが、2009年に分社化しました。現在はシンガポール証券取引所に上場しています。売上構成では中国、インド、東南アジアでほぼ90%以上を占めています。
Dnata(Dubai National Air Transport Association、 ディナータ)
ドバイに本拠を置く機内食やグランドハンドリング提供会社です。エミレーツ航空傘下にあります。
DO & CO
1981年に設立されたオーストリアに本拠を置く機内食会社です。機内食以外にもホテルレストランの運用代行、イベント向けのケータリング事業などを運営しています。 実業家のアッティラ・ドッグーダン氏(Attila Doğudan)の基金が大株主となっています。
ANAケータリングサービス
日本のANAの子会社です。ANAグループ以外にもエバー航空、 アシアナ航空、ベトナム航空などに機内食を提供しています。
Journey Group(ジャーニーグループ)
英国に本拠をおく機内食会社です。ユナイテッド航空とアメリカ航空向けに提供をしています。2016年にHaywood Capitalが買収をしました。
Goddard Catering Group (ゴッダードケータリンググループ)
北米に本拠をおく機内食会社です。中南米へのアクセスに強みを持ちます。ホテルのレストラン運営、イベント向けケータリングも手掛けています。
業界関連図書
- 世界の機内食 (イカロス・ムック) [ムック]
- エアラインサービス完全活用読本 (イカロス・ムック) [ムック]
- 旅客機と空港のすべて (JTBの交通ムック) [ムック]