電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)業界の世界市場シェアの分析

電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)メーカーの世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしています。BYD、テスラ、北京汽車、ゾタイといった電気自動車の大手プレイヤーの動向も掲載しています。

電気自動車メーカーの世界市場シェア(2020年)

電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)各社の販売台数(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、市場規模を分母にして、2020年の電気自動車メーカーの世界市場シェアを簡易に試算しますと、1位はテスラ、2位はVW、3位はBMWとなります。

電気自動車メーカーの世界市場シェアと業界ランキング(2020年)

  • 1位 テスラ 16.65%
  • 2位 VW 7.07%
  • 3位 BMW 6.42%
  • 4位 BYD 6.32%
  • 5位 上汽通用五菱汽車 5.69%
  • 6位 ダイムラー 5.33%
  • 7位 ルノー 3.86%

電気自動車のメーカー別市場シェア(2020年)
電気自動車のメーカー別市場シェア(2020年)

EVやPHVのメーカー別世界市場シェアは、日本車が上位に入る内燃エンジンが主体の伝統的な自動車業界のランキング(【参照】自動車業界の世界市場シェアと販売台数ランキングの分析)とは、様変わりしています。世界1位は、米国のイーロン・マスク氏率いるテスラです。テスラは、高級セダンのモデルS、SUVのモデルX、そして大衆車向けのモデル3のラインナップを揃え、本格的な世界展開に着手しています。世界2位は、ドイツのフォルクスワーゲンとなっています。ディーゼル車の問題を受けて、EVシフトを図っています。世界3位は、ドイツのBMWとなっています。BMWのi3が売れ筋のEVとなっています。世界4位は中国のBYDです。ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが投資したことでも有名です。中国国内市場の展開に強みがあります。今後、海外展開ができるかが課題です。
世界5位は、中国の上汽通用五菱汽車(SGMW)です。ゼネラルモーターズ (GM) 、上海汽車 (SAIC) 、広西汽車集団の合弁会社です。規模拡大を狙います。

市場規模

当メディアでは、2020年の電気自動車の市場規模(販売数量ベース)を300万台としております。参照した統計データは次の通りです。
国際エネルギー機関によると2020年の電気自動車の販売台数は約300万台です。三菱自動車グループによると同年の販売台数は3,124,793台となっています。⇒参照したデータの詳細情報

電気自動車の販売台数の推移(2017年~2020年)

  • 2020年 3,000,000台 (前年比43%の増加)
  • 2019年 2,100,000台 (前年比31%の増加)
  • 2018年 1,600,000台 (前年比60%の増加)
  • 2017年 1,000,000台

出所:国際エネルギー機関などの情報をもとにディールラボが作成

世界的な流れとして、EV以外の車種への規制が強まりつつあり、電気自動車市場は急拡大しています。電気自動車や燃料自動車のスタートアップも市場に参入し、多額の資金調達を行い、既存の自動車OEMに真っ向から挑戦をしています。
【参照】水素燃料自動車と電気自動車スタートアップの業界マップと資金調達額ランキング

脱ガソリン車の未来年表

各国の規制導入をうけ、自動車メーカーが新車販売のEV化加速しています。

  • 2025年
    ジャガーが全販売自動車をEVへ

    ノルウェーは全社ZEV(ゼロエミッションビークル)を義務付け
    メルセデスが新車販売の半分をEVかプラグインハイブリッド車(PHV)へ

  • 2030年
    ボルボとダイムラーが全販売自動車をEVへ。フォードも欧州向け車種はEVへ。

    オランダ、イスラエル、英国、スウェーデン、東京都等でガソリン車禁止、EV義務化

    ダイムラーは2030年までに400億ユーロをEVに投資すると発表

    日産も2030年代に全販売自動車をEVへ。VWは2030年までに欧州の新車販売の7割をEVへ。トヨタは2030年に電動車(EV、HV、PHV、FCV)販売を800万台へ。

  • 2035年
    GMがガソリン車全廃

    カリフォルニア州、英国、日本でガソリン車禁止、もしくはZEVへ
    欧州委員会が、2035年にエンジン搭載車の販売を事実上禁止する規制案を発表

  • 2040年
    ホンダが全販売自動車をFCVかEVへ

    カナダ、スペイン、フランスでガソリン車禁止、もしくはZEVへ

  • 2050年
    VWがカーボンニュートラル達成

    EU、日本、韓国でカーボンニュートラル

出所:ICCT、各自動車メーカーの公表資料

電気自動車(EV)の主要部品

電気自動車の構造

通常の自動車の部品が3万以上あるのに対して、電気自動車は1万5千~2万ほどしかないと言われています。電気自動車での重要なパーツには、電気を蓄える装置であるバッテリー、機電一体電動パワートレインである電気を使用して車輪を回転させる装置であるモーターや電気を変換するインバーターとコンバーター等のコントローラー(制御装置)となります。一方で、ガソリン車で重要であった燃料噴射装置、エアクリーナー、オイルフィルター等のエンジン部品、スターターモーター、オルタネーター等の電装部品、フロントアクスル、リアアクスル、プロペラシャフト等の駆動系部品、トランスミッション、クラッチ等は必要がなくなると言われています。
自動車のボディも、ガソリン車に比べ、エンジン等の部分での高温耐性が必要なくなってきます。よって、ハイテン、アルミ等に加え、樹脂、チタン、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、マグネシウム等の新素材を使うことで、軽量化が見込まれます。
重量比較でみると、鉄に比べて、同等の性能を持つ、アルミニウムは40%軽く、マグネシウムはアルミニウムに比べて更に15%軽く、CFRP 積層板はアルミニウムに比べ20%軽く、一方向CFRPはアルミニウムに比べ60%軽くなっています。(鉄との比較では、鉄の約25%の重量)

産業廃棄物を出さない電気自動車

オランダのアイントホーフェン工科大学で、土に埋めるとほとんどの部品が分解される電気自動車が開発されました。プラスチックは、さとうきびのポリ乳酸と麻の繊維から作られた生物解性プラスチックです。強度や安全性を保ちつつ、軽自動車の半分の重さの350kgと軽量化にも成功しています。
「生分解とは酵素を触媒とした分解で、自然環境中では微生物を介在して行われます。つまり、酵素の働きと微生物の働きがともに作用することによって、もとの化合物がほかの物質に変化します。生分解性プラスチックはこうした生分解が可能とされるもので、一般的に「使用するときには従来のプラスチック同様の性状と機能を維持しつつ、使用後は自然界の微生物などの働きによって生分解され、最終的には水と二酸化炭素に変換されるプラスチック」と定義づけられています。」出典:環境展望台

生物解性プラスチックには、微生物系、天然物系、化学合成系に分類され、包装等の分野での活用が期待されます。

セルロースナノファイバー(CNF)
セルロースナノファイバーは、木の繊維を細かくしたものです。非常に微細な繊維で、細さは髪の毛の1万分の1以下と言われています。
「セルロースナノファイバーは木材から得られる木材繊維(パルプ)を1ミクロンの数百分の一以下のナノオーダーにまで高度にナノ化(微細化)した世界最先端のバイオマス素材です。セルロースナノファイバーは植物繊維由来であることから、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることが特徴で、弾性率は高強度繊維で知られるアラミド繊維並みに高く、温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好、酸素などのガスバリア性が高いなど、優れた特性を発現します。(引用:日本製紙ホームページ)」

重さは、鉄の5分の1程度で、強度は5倍以上となる。バンパーやボンネット等の外装での活用が期待されています。

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍

世界の主要な電気自動車メーカーの一覧

BYD(比亜迪)

BYD(比亜迪)は、王伝福(Wang Chuanfu)氏によって1995年に設立された中国の電気自動車・車載電池メーカーです。スマホや産業機器向けのリチウムイオン電池の製造に加え、車載向けの電池と電気自動車製造の一貫生産体制が強みです。電気自動車は、SUVのTang、PHVのQin、セダン型のEVであるe6、e5等のブランドを展開しています。王氏は電池王とも称されています。電気自動車を含む新エネ車(EV自動車)でも世界最大規模を誇ります。ウォーレンバフェット率いるバークシャー・ハサウェイ傘下のMidAmerican Energyが大株主となっています。2020年には刀片電池と言われる長距離走行が可能な車載電池を開発しました。さらに詳しく

Tesla(テスラモーターズ)

イーロン・マスク氏が率いる電気自動車大手メーカーです。リチウムイオンバッテリーは日本のパナソニックと合弁工場を運営していました。工場は、かつてのトヨタとGMの合弁工場であったNUMMIで行っています。時価総額でトヨタを抜くなど、電気自動車の市場拡大に伴い、今後の成長が期待されています。

上汽通用五菱汽車(SGMW、ウーリン)

ゼネラルモーターズ (GM) 、上海汽車 (SAIC) 、広西汽車集団の合弁会社です。低価格の電気自動車である宏光ミニ EV(Wuling Hongguang Mini EV)がヒットしています。

シャンハイ・オート(上海汽車、SAIC、Shanghai Automotive Industry Corporation)とは
中国の国有自動車メーカーです。名前の通り上海に本拠を置きます。1958年セダン「鳳凰」を販売しました。主にVWとGMとのジョイントベンチャーを通じて技術を蓄積しています。JVを通じての売上を除いても、国内最大の販売台数を誇ります。Wuling、Baojun、Roewe等のブランドで展開しています。

BAIC(北京汽車)

中国国営の自動車メーカーです。E-Series、EU260等のブランドで電気自動車を展開しています。ガソリンエンジン車の分野ではGMと合弁工場を運営し、中国ビッグ5に次ぐ準大手クラスです。

衆泰汽車(Zotye、ゾタイ)

2005年に設立された中国の中堅自動車メーカーです。Cloud EVやE200等の電気自動車を展開しています。大手自動車メーカーのデザインに酷似する車を販売することでも有名です。

ジーリー(Geely、吉利汽車)

李書福(リー・スーフー)氏率いる中国の民間自動車メーカー大手です。元々は冷蔵庫メーカーとして創業し、2010年にスウェーデンの商用車メーカーのボルボを買収しました。2017年には、マレーシアの国有メーカーであるプロトンの株式49%を取得しています。2018年にはダイムラーの筆頭株主となりました。

BMW

1916年に航空機エンジンメーカーとして設立されたBMWは、現在はドイツの高級自動車メーカーです。BMW、MINI、ロールスロイス、オートバイのBMWのモトラッドブランドで世界展開しています。ロールスロイスは1998年、MINIは1994年にBMWの傘下に入りました。モトラッドは1923年から展開している大型バイクメーカーです。自動車リースも手掛け、Alphabet(アルファベット)で展開しています。電気自動車(EV)でも上位に位置します。さらに詳しく

中国の電気自動車メーカー
電気自動車のトップ20位には、この他に、奇瑞汽車(チェリー、Chery)、知豆(Zhidou)、江淮汽車(JAC)、江鈴汽車(JMC)がランクインしています。

参照したデータの詳細情報について


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