オートリース・自動車リース業界の世界市場シェアの分析

オートリース・自動車リース業界の世界シェア、市場規模や再編の情報を分析しています。リースプラン、エレメントフリート、ホールマン、オリックス、ALDオートモーティブ、アーバル、VWリーシング等の世界大手自動車リース会社の動向も掲載しています。

市場シェア

オートリース会社各社の車両管理台数の情報を分子に、後述する市場規模を分母に用いて、2021年のオートリース会社の世界市場シェアを簡易に計算すると、1位はリースプラン、2位はALDオートモーティブ、3位はホールマンとなります。⇒参照したデータの詳細情報

オートリース・自動車リース業界の世界市場シェア(2021年)

順位会社名市場シェア
1位リースプラン9.8%
2位ALDオートモーティブ9.4%
3位ホールマン9.2%
4位VWリーシング8.5%
5位アーバル8.0%
6位オリックス7.7%
7位エレメントフリート5.4%
8位住友三井オートサービス5.4%
9位アルファベット3.9%
10位日本カーソリューションズ3.8%
11位アスロン・カーリース2.2%
オートリース・自動車リース業界の世界市場シェア(2021年)©ディールラボ
オートリース・自動車リース業界の世界市場シェア(2021年)
オートリース・自動車リース業界の世界市場シェア(2021年)

1位のリースプランは昨年に続き1位を維持しています。2022年に業界2位のALDオートモーティブとの経営統合を発表しました。

2位は、フランスのソシエテジェネラル傘下のALDオートモーティブです。2017年に株式公開し、順調に保有台数を伸ばしています。

3位は米国の同族会社であるホールマン(Holman)です。上場会社に比べて、短期的な業績に左右されない戦略が奏功しています。

4位はVW傘下のVWリーシングです。VMはトラック部門を分社化させましたが、自動車関連の金融リース事業は中核事業としています。

5位と7位はフランスのアーバルと米国のエレメントとなっています。両社は提携関係にあり、また欧州と米州という地理的補完関係にもあり、仮に合併すると断トツの1位となります。

6位は日本のオリックスとなっています。

8位には日本の住友三井オートリース、9位はBMW傘下のアルファベットとなっています。

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データを参考にし、自動車リース業界の2021年の世界市場規模を台数ベースで1839万台として市場シェアを計算しております。今後のMaaSの進展により、自動車においても所有から利用の流れが一層加速する可能性があり、年平均成長率が18%前後と成長が見込まれる業種と言えます。参考にしたデータは以下の通りです。

調査会社のリサーチアンドマーケッツよれば2021年~2025年に自動車リースの数は、2021年から2369万台増加(2021年の自動車リースの台数は逆算すると約1839万台)、年率換算で平均18%成長すると予想しています。⇒参照したデータの詳細情報

オートリース・自動車リースとは?
自動車リースは、リース会社が自動車メーカーから自動車を購入して、自動車の利用者にリース会社が自動車を貸し出す(リースする)仕組みです。自動車の利用者は、自動車購入代金の負担をせずに、リース会社への月々の支払のみで自動車を利用することができます。リース会社は、リース期間の終了後に自動車の利用者からリース車両の返却を受けることができます。

自動車リース会社の再編

自動車リース業界では規模の拡大を追求する再編が起こっています。

2010年 仏アーバルによるコメルツ銀行のオートリース事業の買収
2012年 アルファベットによるINGのオートリース事業の買収
2012年 リースプランによるBBVAのオートリース事業の買収
2014年 エレメントによるPHHの買収
2015年 アーバルとエレメントによるGEのオートリース事業の買収
2016年 ALDオートモーティブによるParcoursグループの買収
2016年 ダイムラーによるAthlonの買収
2017年 ALDオートモーティブの株式公開
2020年 ハーツがドンレンをAtheneに売却
2022年 ALDオートモーティブがLeasePlanを買収

さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍

Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命
図解でわかるリースの実務
ユーザーのための自動車リースがわかる本

自動車リース業界の動向

ALD Automotive(ALDオートモーティブ)

フランスの大手金融機関ソシエテジェネラル傘下の自動車リース大手です。2022年1月に同業のリースプランの買収を発表しました。

LeasePlan(リースプラン)

1963年に創業されたオランダに本拠を置く自動車リース世界大手です。オランダの銀行大手のABNアムロやVW傘下を経て、現在は複数の年金・投資ファンドによるコンソーシアムが保有しています。世界30か国超で事業を展開しています。2022年1月にALDオートモーティブが買収を発表しました。

Element Fleet(エレメント・フリート)

2016年にエレメント・フィナンシャルより分社化して誕生した米国に本拠を置く自動車リース会社です。2015年にGEキャピタル・フリートサービスを買収しています。北米・カナダを中心に全世界に展開しています。

Holman(ホールマン、旧ARI Lease)

1948年にHolman Automotive Groupによって設立された米国に本拠を置く自動車リース大手です。現在もファミリーが所有している非公開会社です。Holmanグループは、トラックへの附属品の製造と設置を行うAuto Truck Group、自動車ディーラーのHolman Automotive等を展開しています。

Orix

日本を代表する自動車リース大手です。保険、銀行、電力、不動産等の分野を拡大しています。

Arval(アーバル)

1989年に設立されたフランスの大手金融機関BNPパリバ傘下の自動車リース会社です。大企業、中小企業等への法人総合的な自動車リースサービスを提供しています。フランス、イタリア、イギリス、スペイン等の地域に強みを持ちます。

VW

1937年に設立されたドイツを代表する自動車メーカーです。第二次世界大戦後にビートルで成長を遂げ、ゴルフシリーズの成功で世界大手となりました。高級自動車である、Bentley、ランボルギーニ、ポルシェ、ブガッティやAudi(アウディ)を傘下に擁しています。2015年の排ガス不正ソフトウェア問題が課題となりましたが、現在ではEV化へ舵を切っています。トラック・バス事業は2018年にTraton(トレイトン)として分社化しました。フォルクスワーゲングループブランドの新車・中古車を調達できることが強みを活かした自動車リース事業も展開しています。さらに詳しく

Alphabet(アルファベット)

BMW傘下の自動車リース大手です。BMWグループのブランドの車をリースできる点が強みです。

BMWについて

1916年に航空機エンジンメーカーとして設立されたBMWは、現在はドイツの高級自動車メーカーです。BMW、MINI、ロールスロイス、オートバイのBMWのモトラッドブランドで世界展開しています。ロールスロイスは1998年、MINIは1994年にBMWの傘下に入りました。モトラッドは1923年から展開している大型バイクメーカーです。自動車リースも手掛け、Alphabet(アルファベット)で展開しています。電気自動車(EV)でも上位に位置します。さらに詳しく

Donlen(ドンレン)

レンタカー大手であるHertzの子会社でしたが、ハーツの経営破たん後、投資ファンドのアポロ系保険会社であるAtheneが買収しました。2019年度の売上高は672百万ドル。主に米国の大手法人に対して商用車のリースを行っています。2019年は約21万台の車両を保有・リースしています。

ドンレンの売上高
ドンレン売上高 出所:ハーツ

Wheels(ウィールズ)

1939年にZollie Frank氏によって設立された北米に本拠を置くフリートマネジメント会社です。フランスのALDと提携をしています。北米で約3000台の車両を管理しています。Frank家が支配する同族会社です。

参照したデータの詳細情報について


参照したデータは以下の通りです。リンク切れなどありましたら、お問い合わせのページからご連絡頂けますと大変有難く存じます。

自動車リースの保有台数ランキング(2020年)

市場規模の情報

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