ブレーキ(自動車用)業界の世界市場シェアの分析

ブレーキ(自動車用)業界の世界市場シェアや市場規模の情報について分析をしています。コンチネンタル、ZF、アドヴィックス、クノールブレムゼといった主要ブレーキ会社概要も掲載しております。

ブレーキ(自動車用)業界の世界市場シェア(2019年)

売上高世界ランキング」のページに記載の自動車用ブレーキメーカー各社の売上高を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2019年の自動車用ブレーキ業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はコンチネンタル、2位はZF、3位はアドヴィックスとなります。

  • 1位     コンチネンタル    29.1%
  • 2位     ZF    19.6%
  • 3位     アドヴィックス    15.5%
  • 4位     クノールブレムゼ    10.3%
  • 5位     ワブコ    9.7%
  • 6位     曙ブレーキ    5.1%
  • (参考)ZF+ワブコ    29.3%

市場規模

当サイトでは、調査会社等の公表データや個別企業のブレーキ関連事業の売上高を参考にし、自動車用ブレーキメーカー業界の2019年の世界市場規模を350億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社のアライドマーケットリサーチによると、同業界の2018年の市場規模は220億ドルです。2026年にかけて年平均7.5%での成長を見込みます。調査会社のマーケッツアンドマーケッツによると、同業界の2016年の市場規模は228億ドルです。2021年には319億ドルへと拡することを見込みます。

世界の主要な自動車用ブレーキメーカー

Continental(コンチネンタル)

Continental(コンチネンタル)は、1871年に創業されたドイツのハノーヴァーに本拠を置くタイヤ・ブレーキ等の自動車部品メーカーです。シーメンスやモトローラより自動車制御関連の事業も積極的に買収しています。2008年にドイツのベアリング大手のシェフラ―を傘下にもつシェフラー家が支配株主となりました。大きくタイヤ事業と自動車部品事業に分かれます。タイヤ事業の世界シェアではミシュラン、ブリジストン、グッドイヤーのトップ3に次ぐ規模を誇っています。自動車部品メーカーにおける規模でも、ボッシュやデンソー等に匹敵する世界最大級の自動車部品メーカーです。自動車部品の中でも、ブレーキ、パワートレイン、シャーシ、インパネ、カーオーディオ、ディスプレイといった分野の世界シェアでは上位に位置しています。

シェフラ―家とシェフラ―/コンチネンタルの関係

シェフラ―グループの組織図

シェフラ―グループの組織図

主要M&A
1998年 ITTのブレーキ及びシャーシ事業の買収
2001年 ダイムラークライスラーの電装品事業を手掛けるTemicの買収
2004年 ドイツのゴム・プラスチックメーカーのフェニックスの買収
2006年 モトローラの自動車制御関連の事業の買収
2007年 シーメンスのVDO事業の買収
2008年 シェフラーによるコンチネンタルへの買収提案

ZF(ZFフリードリヒスハーフェン)

ZF(ZFフリードリヒスハーフェン)は、1915年にフリードリッヒスハーフェン伯爵よって設立された飛行船用のトランスミッションを製造会社(ツァーンラート・ファブリーク、Zahnradfabrik=歯車工場)を起源とするドイツに本拠を置く自動車部品メーカーです。ツァーンラート・ファブリークの頭文字であるZFが現在の社名となっています。飛行船で有名なZeppelin財団(ツェッペリン財団)が支配株主の非公開会社でもあります。トランスミッション、シートベルトといった予防安全技術、サスペンションやシャシー等のパワートレイン関連分野に強みを持ちます。2014年に米国の自動車部品メーカー大手でパワートレインやブレーキに強いTRWを買収しました。2019年に米国のワブコホールディングスを買収し、ブレーキなどの衝突安全技術分野の強化も果たしました。

2014年ドイツの大手自動車部品メーカーのZFフリードリヒスハーフェン社が米国の大手自動車部品会社TRW社を買収
TRW社は自動車のエアバッグ等のセーフティ分野に強みを持つ独立系自動車部品会社
ZF社はシャシーや変速機が主力製品
買収金額は約117億ドル。終値に対して1.7%のプレミアム
ZFは本件買収によって、北米地域における事業強化と、特にセーフティ分野の補完をすることができた
TRW社を買収することで、規模では自動車部品業界のトップ3に入る
TRW社の直近の業績は堅調。2013年の売上、営業利益はそれぞれ174億ドル、12億ドルであった

アドヴィックス

アイシン精機およびデンソー、住友電工、トヨタ自動車のブレーキ部門が統合され2001年に誕生した会社です。ABS、ディスクブレーキ、ドラムブレーキといったブレーキ全般を手掛けています。

曙ブレーキ

1929年創業のブレーキ専業大手です。国内及び北米向けのブレーキ事業に強みがあります。FCA(旧クライスラー)向けの販売の落ち込みをあり、2019年に事業再生ADRを申請しました。

Knorr-Bremse(クノールブレムゼ)

ドイツに本拠を置くブレーキ大手メーカーです。主に鉄道向けと商用車向けのブレーキを手掛けています。

Mando Corporation(マンド)

韓国を代表する自動車部品メーカーです。韓国のコングロマリット企業のHalla Group傘下にあります。現代自動車創業者の弟が設立した会社が発祥です。

BOSCH(ボッシュ)

1886年にロバート・ボッシュ氏によってシュトゥットガルトに設立された精密機械と電気技術作業場を起源とするドイツを代表する総合電機メーカーです。産業用機器や車載用機器が主力事業ですが、電動工具事業も伝統的に強みを持ちます。他に住宅向けの家電やエネルギー関連機器等を手掛けています。ボッシュ一族が支配する非上場会社です。独VW社と関係が深いとされます。

ボッシュの事業構成は大きく自動車事業、消費財事業、産業機器事業、ソフトウェア事業に分けることができます。

自動車事業
エンジン(ガソリン・ディーゼル)、シャシー、ブレーキ、パワーステアリング等のトランスミッション、車載ディスプレイ、センサー・電子機器、メーター等計測器、カーナビ・カーオーディオ機器等を幅広く展開しています。ドイツ自動車メーカーと親密です。自動車部品業界では世界シェアも上位に位置します。
消費財事業
家電事業では、もともとはシーメンスとの合弁会社であった子会社のBSHを通じて大型家電から小型家電までを手掛けています。家電業界でも世界シェア上位に位置し、個別では食洗機、掃除機に強みを持ちます。
電動工具業界ではスタンレー・ブラック・アンド・デッカーと並ぶ強豪の一角です。
産業機器事業
空気圧機器業界では世界シェア上位に位置します。
株主構成
ボッシュは持株比率と議決権が異なる株主構造となっており、所有と経営が分離されています。ボッシュ家が設立した公益財団であるRobert Bosch Stiftung GmbH(ロバート・ボッシュ財団)が持株比率では92%を保有していますが、議決権は保有していません。議決権は、ロバート・ボッシュ工業信託合資会社とボッシュ家が株式を保有しています。
ボッシュの事業再編・買収
1992年 電気丸鋸大手のイタリアのSkil(スキル)を買収
1993年 ロータリーツール大手のDremel買収
2007年 イタリアの電動工具アクセサリ大手のFreud 社を買収
2008年 ソフトウェア会社のInnovationsを買収
2010年 製薬大手のエーザイより検査機メーカーのエーザイマシナリーを買収
2012年 車両診断機大手のSPX Service Solutionsを買収
2014年 ステアリングシステム(電動式と油圧式)大手のZF Lenksystemeを買収
2015年 米SEEOを買収
2015年 シーメンスより家電の合弁会社のBSH株式取得
2016年 ITK Engineeringを買収
2016年 シェブロンへのSkilの売却

その他の有力ブレーキメーカー

米国のWabco Holdings(ワブコ・ ホールディングス)(2019年にZFに買収されました)、イタリアのBrembo(ブレンボ)は有力ブレーキメーカーとなっています。