BASFは、1865年に設立された世界最大級の独化学メーカーです。バイエル、ヘキスト(現サノフィ・アヴェンティス)と並ぶドイツ三大化学メーカーの一角となっています。BASFとはバーデン・アニリン・ウント・ソーダ(Badische Anilin- und Soda-Fabrik)の略です。BASFの読み方はバスフでなく、ビーエーエスエフです。アンモニアの量産を可能にしたハーバー・ボッシュ法を発明したことでも有名です。化学業界の売上高ランキングでは、世界1位の座が定番の総合化学の雄と言えます。現在は、石油化学品、高性能製品、機能性材料、農薬事業を展開しています。
2018年度
売上高は60,220百万ユーロで、前年度比2%減となりました。営業利益は5,974百万ユーロになりました。営業利益率は10%になりました。
2019年度
売上高は59,316百万ユーロで、前年度比2%減となりました。表面処理技術セグメントと農業事業セグメントで、それぞれ約2,000百万ユーロの増収となりましたが、化学事業セグメント、材料事業セグメント、工業ソリューションセグメントで減収となりました。営業利益は4,201百万ユーロになりました。営業利益率は7%になりました。
2020年度
売上高は59,149百万ユーロで、前年度とほぼ同額となりました。営業利益は191百万ユーロの赤字になりました。
2021年度
売上高は78,598百万ユーロで、前年度比33%増となりました。化学事業セグメントでの売上が前年度比で68%増加し、さらに表面処理技術セグメントの売上が前年度比で36%増加し、これらが全体の売上の増加に貢献しました。営業利益は7,677百万ユーロになりました。営業利益率は10%になりました。
2022年度
売上高は87,327百万ユーロで、前年度比11%増となりました。表面処理技術セグメントでの売上は減少しましたが、その他全てのセグメントで1,000百万から3,000百万ユーロの増収となりました。また、全売上高の内、39%はヨーロッパでの売上、247%は北アメリカでの売上、25%はアジア地域での売上となりました。営業利益は6,548百万ユーロになりました。営業利益率は7%になりました。全開発費用の41%を農業セグメントに投下しました。
2022年第3四半期(07ー09月)
売上高は21,946百万ユーロになりました。営業利益は1,294百万ユーロ、営業利益率は6%になりました。
2022年第4四半期(10ー12月)
売上高は19,323百万ユーロになりました。営業利益は119百万ユーロ、営業利益率は1%になりました。
2023年第1四半期(01ー03月)
売上高は19,991百万ユーロになりました。営業利益は1,867百万ユーロ、営業利益率は9%になりました。
2023年第2四半期(04ー06月)
売上高は17,305百万ユーロになりました。営業利益は974百万ユーロ、営業利益率は6%になりました。
2023年第3四半期(07ー09月)
売上高は15,735百万ユーロになりました。営業利益は394百万ユーロ、営業利益率は3%になりました。
希薄化後EPSは前年度比112%減の-o,70ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度と同額の3.4ユーロになりました。配当性向は-486%になりました。
2023年10月
2023年度第三四半期の報告書で、2023通期売上は73,000百万から76,000百万ユーロ、EBITは4,000百万から4,400百万ユーロ、ROCEは6.5%から7.1%を予定していると掲載されています。
セグメント別売上構成
表面処理技術
表面化学ソリューションを提供する触媒部門とコーティング部門で構成されています。 自動車や化学部門などの業界にサービスを提供しています。このセグメントの技術が適用される分野は、自動車のOEM事業、補修用コーティング、表面処理、触媒、電池材料、貴金属および卑金属のサービスです。
栄養食品及び家庭用品
ケアケミカル部門とニュートリション&ヘルス部門で構成され、医薬品、化粧品、洗剤、クリーナー業界だけでなく、食品および飼料の生産者からの高まるニーズに応えています。 技術的応用、作物保護、栄養学だけでなく、急速に変化する消費財に対するますます高度化する要求にも対応するソリューションを提供しています。
農業
種子および種子処理製品のほか、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、生物学的ソリューションを提供しています。デジタル農業ソリューションも手掛け、農家の収量向上を支援します。
工業
ディスパージョン&レジン部門とパフォーマンスケミカル部門で構成されています。 ポリマーディスパージョン、樹脂、添加剤、電子材料、酸化防止剤など、産業用途向けの原料や添加剤を開発・販売しています。 これらの材料が応用される分野は、自動車、プラスチック、塗料、コーティング、エレクトロニクス、エネルギー資源などの産業です。
材料
機能性材料部門とモノマー部門で構成されます。 このセグメントで取り扱っている材料は、イソシアネート、ポリアミド、無機基礎製品などの新しい用途やシステム向けの先端材料とその前駆体、さらにはプラスチックやプラスチック加工産業向けの特殊製品です。
化学
石油化学部門と中間体部門で構成されています。BASF内の他の事業セグメントに基礎化学品と中間体を供給して同社の主要なバリューチェーンを構成し、内部資源を活用した売上高の増加(オーガニック成長)に貢献しています。
製品や地域補完性などの観点から積極的にM&Aを推進しています。
2000年 医薬品部門をアボット・ラボラトリーズに売却
2000年 Wyethの農薬事業を買収
2004年 アヴェンティスの農薬事業を買収
2005年 メルクの電子部品事業を買収
2009年 Cibaを買収
2016年 アクゾノーベルに工業用塗料部門を売却
2016年 表面処理メーカーのシェメタル社を買収
2017年 石油・ガスの上流開発を担うWintershall(ウィンターシャル)をドイツDEAと統合
2017年 Solvayのポリアミド事業の買収を決定
2017年 Bayerの種子事業及び除草剤事業の買収を決定
2017年 フィラメントを製造する Innofil3D の買収を決定
2017年 防水加工処理技術を提供するTHERMOTEKの買収を決定
2017年 LCD/OLEDディスプレイ用ライトを製造するRolic AGの買収を決定
2018年 Nunhems®ブランドで事業を展開するバイエルの世界的な野菜種子事業の買収を完了。
2018年 Bayerからのいくつかの事業と資産の買収を完了。
これによりBASFは、作物保護、バイオテクノロジー、デジタル農業活動の技術を取得することとなり、種子、非選択的除草剤、殺線虫剤種子処理への参入を示すものとなりました。
2018年 3Dプリンティング関連企業である、Advanc3D Materials GmbH と Setup Performance SAS の全株式を取得
2019年 スポーツ施設材料を手掛ける建設化学品事業MBCCをローンスターに売却
2019年 顔料事業をDICへ売却
2019年 3Dプリントサービスを提供する Sculpteo の買収を決定。
2019年 天然フレーバーおよびフレグランス(F&F)を提供しているIsobionicsの買収を決定。
2019年 ポリアミド事業をソルベイから買収
2021年 カオリン鉱物事業をKaMinへ売却
2021年 風力発電を製造する Hollandse Kust Zuid の株式を49.5%取得完了。