三菱重工の市場シェア・業績推移・売上構成・株価の分析

三菱重工業は、1884年に創業された日本を代表する重工業グループです。三菱グループの中核企業の1社と言われています。戦前は軍産複合体として成長し、戦時中は戦艦武蔵やゼロ戦を手掛け、当時から技術力では世界最高水準を維持しています。戦後は民間向けの重工分野を強化し、発電所システム、航空機エンジン、航空機、船舶、ターボチャージャ、フォークリフト、機械システム、エンジニアリング、防衛関連機器の製造販売を行っています。

業績推移(年次)

2021年度
売上高は前年度比4.33%増の3,860,283百万円になりました。営業利益は196.30%増の160,240百万円になりました。営業利益率は4.15%になりました。需要の回復が追い風となりエナジー、プラント・インフラ、物流・冷熱・ドライブシステム、航空・防衛・宇宙の全セグメントで増収となり、物流費や原材料の高騰を上回る増益となりました。

2020年度
スチームパワー、GTCC、商船、エンジニアリング、製鉄機械といった分野で売上高が減少し、売上収益は、前連結会計年度を3,414億29百万円(△8.4%)下回る3兆6,999億46百万円となりました。一方営業利益は、航空・防衛・宇宙セグメントが増加したことにより、前年度から836億19百万円改善して540億81百万円となりました。収益力の改善が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題とされています。

三菱重工業の業績推移

三菱重工業の業績推移

業績推移(四半期)

2022年度第2四半期(7~9月)
売上高は前年同期比23.63%増の1,003,934百万円になりました。営業利益は741.49%増の39,912百万円になりました。営業利益率は3.98%になりました。全セグメントで重要が堅調に推移し、円安にも支えられ、前年同期比増収増益になりました。

2022年度第1四半期(4~6月)
売上高は前年同期比2.30%増の871,332百万円になりました。営業利益は-30.45%の14,931百万円になりました。営業利益率は1.71%になりました。受注高の伸びは大きく増収となる一方で、欧州拠点のリストラに伴う費用を計上したために、増収減益となりました。

2021年度第4四半期(1~3月)
売上高は前年同期比10.79%増の1,214,908百万円になりました。営業利益は161.58%増の79,415百万円になりました。営業利益率は6.54%になりました。

三菱重工業の四半期業績推移

三菱重工業の四半期業績推移

EPS・配当額・配当性向の推移

2021年度
希薄化後EPSは前年度比179.77%増の338.05円になりました。1株当たりの配当は前年度比33.33%増の100.00円になりました。配当性向は29.58%になりました。

三菱重工業のEPS・1株配当・配当性向の推移

三菱重工業のEPS・1株配当・配当性向の推移

売上構成

三菱重工のセグメント毎の売上高は次のようになります。タービンなどを製造するエナジー部門が最も大きな売上高を計上しています。

三菱重工の売上構成(2021年)

三菱重工の売上構成(2021年)

セグメントを製品別に細分化すると、次のような売上構成になります。ガスタービン(GTCC)や防衛宇宙、スチームタービン事業の売上構成が大きくなっています。

三菱重工業の製品別売上構成(2021年度)

三菱重工業の製品別売上構成(2021年度)

エナジー
火力発電システム(GTCC、スチームパワー)、原子力発電システム(軽水炉、原子燃料サイクル・新分野)、風力発電システム、航空機用エンジン、コンプレッサ、環境プラント、舶用機械等の設計、製造、販売を行っています。

プラント・インフラ
製鉄機械、船舶、エンジニアリング、環境設備、機械システム、工作機械等の設計、製造、販売を行っています。

物流・冷熱・ドライブシステム
物流機器、ターボチャージャ、エンジン、冷熱製品、カーエアコン等の設計、製造、販売を行っています。

航空・防衛・宇宙
民間航空機、防衛航空機、飛しょう体、艦艇、特殊車両、特殊機械(魚雷)、宇宙機器等の設計、製造、販売を行っています。

主なM&A(合併・買収)

2021年 日本電産へ工作機械事業の事業譲渡
2021年 洋上風力発電設備専業の合弁会社の株式全てをVestas 社へ譲渡
2020年 三井E&Sホールディングスから艦艇事業の譲渡受け
2017年 仏アレバの燃料サイクル事業への出資
2015年 ニチユ三菱フォークリフトがユニキャリアを買収

市場シェア

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