紙幣印刷業界の世界市場シェアの分析

紙幣印刷業界の市場シェアや市場規模について分析をしています。デラルー、オベルチュール・フィドシェール、ギーゼッケ&デブリエント、クレイン、オレル・フュズリといった紙幣印刷会社の概要や動向も掲載しています。

世界市場シェア

紙幣印刷会社各社の2020年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報、一部推定を含む)を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2020年の紙幣印刷業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はギーゼッケ アンド デブリエント、2位はオベルチュール・フィドシェール、3位はクレイン・カレンシーとなります。

紙幣印刷会社の市場シェアと業界世界ランキング(2020年)

順位紙幣印刷会社名市場シェア
1位ギーゼッケ アンド デブリエント24.0%
2位オベルチュール・フィドシェール21.1%
3位クレイン・カレンシー9.0%
4位デラルー8.1%
5位オレル・フュズリ4.8%
紙幣印刷会社の市場シェアと業界世界ランキング(2020年)

紙幣印刷会社の世界シェア(2020年)
紙幣印刷会社の世界シェア(2020年)

紙幣印刷の分野での世界シェア1位は、ドイツのギーゼッケ&デブリエントです。ユーロ紙幣の印刷で強みを持ちます。2位は、フランスのオベルチュール・フィドシェール、3位は、米国の自動販売機大手であるクレイン子会社である、クレイン・カレンシー、4位はイギリスのデ・ラ・ルーとなります。同社は、150種類以上の紙幣の印刷を行っています。5位は、スイスのオレル・フュズリとなります。

紙幣印刷と市場規模

日本の場合は、紙幣は独立行政法人である国立印刷局が印刷をしていますが、英国、ユーロ圏、新興国等では紙幣印刷は外部の印刷会社へ委託されています。ホログラムや特殊インキ等で偽造防止技術を高める一方で、新興国等では印刷コストをできるだけ下げるニーズがあります。日本の場合では、1万円札の印刷コスト等かかる費用は約22円と言われております。

紙幣印刷の業界構造

デラル―によれば、紙幣の発行枚数は、2017年は1710億枚となっております。年3~5%の成長が今後4年間で予想されています。発行枚数のうち約11%が民間の印刷会社にアウトソースされています。残りの約8割は政府が印刷を担っております。
また調査会社のスミザーズによれば、2018年の銀行紙幣業界の市場規模は97億ドルです。アフリカでの堅調な伸びにより、2019年以降年平均2.3%で成長をし、2023年には111億ドルとなると見込まれます。
調査会社のグランドビューリサーチによると、2020年の銀行紙幣も含むセキュリティ印刷業界の市場規模は29億ドルです。2028年にかけて年平均3.9%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

なお、当データベースでは、2020年の紙幣印刷の市場規模を50億ドルとしております。

紙幣印刷会社の動向

デラルー(De La Rue)

イギリスに本拠を置く紙幣印刷会社の世界大手。150種類以上の紙幣を印刷する実績を持ちます。イギリス紙幣をはじめとして、イラク中央銀行、グアテマラ銀行、ケニア中央銀行、スリランカ中央銀行、フィジー準備銀行、マケドニア共和国国立銀行、マン島政府等向けに紙幣を印刷しています。紙幣印刷以外にも、下図の通り、紙幣用の紙の製造、パスポート等の公的な書類、偽造防止用透かし、ホログラム、本人認証、製品認証、紙幣分別器(紙幣カウンター)等を手掛けています。

売上構成は紙幣印刷が最大です。

デラル―の売上構成(2020年度)
デラル―の売上構成(2020年度)

デ・ラ・ルーの製造拠点は、英国と欧州を中心にケニヤやスリランカにも拠点を有しています。

デラル―の地域別売上高
デラル―の地域別売上高
出所:同社AR

ギーゼッケ アンド デブリエント(Giesecke&Devrient)

ドイツに本拠を置く紙幣印刷大手です。ユーロ紙幣の印刷を手掛けています。紙幣印刷以外にも、通信、電子決済、乗車券、健康保険証、ID、ロイヤルティ、 マルチメディアなどのアプリケーションやインターネットセキュリティ(PKI)に向けたスマートカード、システム、ソリューションを供給しています。同族会社であり、Von Mitschke-Collande家が株式を保有しています。約32カ国で1万人超の従業員を擁しています。

オベルチュール・フィドシェール(Oberthur Fiduciaire)

フランスに本拠を置く紙幣印刷大手です。Savareファミリーが所有しています。2008年にネットワーク接続、認証、決済を保護する組み込みデジタルセキュリティを展開するオベルチュール・テクノロジーズを分社化しました。同社は、投資ファンドの傘下となり、2017年にはフランスの防衛大手サフラン(Safran)が展開するセキュリティ事業Safran Identity and Security(Morpho、モルフォ)と経営統合を行い、IDEMIA(アイデミア)が誕生しております。

サフランについて

Safran S.A (サフラン)はフランスに本拠を置く防衛・通信大手企業です。傘下のSnecma(スネクマ)にて民間及び軍用の航空機エンジンの製造を行っています。ナローボディー機ではGEと手を組んでいます。2018年に機内エンターテイメント、シート、機内食機器に強いゾディアックを買収しました。

Crane Currency(クレイン・カレンシー)

米国に本拠を置く紙幣印刷会社です。主に米ドルの印刷を手掛けています。親会社は米国の工業部品メーカーであるクレインです。同社の事業は4部門で構成。航空宇宙・電子機器部門は、航空宇宙と電子機器の2グループから成り、航空機着陸システムや燃料流量計などを製造しています。機能素材部門は、ファイバーグラス強化プラスチックパネルを製造しています。商品化システム部門は、自動販売機や両替機などを販売し、流体処理部門は、水処理システムなどの設計、製造、販売に従事しています。(出所:ヤフーファイナンス)

オレル・フュズリ(Orell Füssli )

スイスに本拠を置く紙幣印刷会社です。スイスフランの印刷を行っています。スイス証券取引所に上場しています。

参照したデータの詳細情報について


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