日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の世界市場シェアと売上高ランキングの分析
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日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の世界市場シェアと売上高ランキングの分析

グローバルなトイレタリー市場について説明します。トイレタリー市場は、個人の衛生や美容に関連する製品群を指し、シャンプー、コンディショナー、石鹸、シェービング製品、デオドラント、スキンケア製品、オーラルケア製品などが含まれます。市場の成長要因として、新興市場(例:アジア太平洋地域、中南米、アフリカ)における中産階級の増加が挙げられます。また、この市場は競争が激しく、Procter & Gamble、Unilever、L’Oréal などの大手企業がリードしています。これらの企業は、新製品開発や持続可能な製品の導入、効果的なマーケティング戦略を活用して市場シェアを拡大しています。

【日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界とは】

日用品、スキンケア、トイレタリー、ホームケア業界では、環境問題(特にプラスチック廃棄物)への関心が高まる中、持続可能な包装材や環境に配慮した製品開発が進んでいます。また、オンラインショッピングの成長に伴い、デジタルマーケティングや直接消費者向け販売(D2C)の重要性が増しています。これにより、企業は消費者行動の変化に対応した柔軟な戦略を求められています。

日用品・トイレタリー領域のイメージ

日用品・トイレタリー業界は非常に広範な商品を含むことが特徴です。海外においても、パーソナルケア、ホームケア、ビューティーケアなど様々な表現がされています。
化粧品はコスメティックスとされ、日用品・トイレタリー業界とは異なる位置づけです。しかし、基礎化粧品はスキンケアの一部ともみなすことができ、日用品と化粧品の定義は各社別々です。
また、日本においては、入浴剤は医薬部外品とされる場合もあり、コンシューマーヘルスケアとも一部重複しています。
口腔衛生(オーラルケア)系の歯ブラシ、歯磨き粉なども、広義のパーソナルケアですが、製薬メーカー系が手掛けることもあり、通常は独立したカテゴリとなっています。
パーソナルケアも、ボディケア(石鹸、ボディーソープなど)、ヘアケア(シャンプーや整髪料など)、スキンケア(日焼け止めなど)、シェービング(シェービングクリームなど)、フェイスケア(洗顔料など)へと細分されます。
ホームケアには、洗濯用洗剤、室内消臭、トイレ用品などが含まれます。

日用品トイレタリーの定義


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【日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の世界市場シェア+ランキング】

日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の2023年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、また後述する業界の市場規模を分母にして、2023年の日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の市場シェアを簡易に試算しますと、1位はP&G、2位はユニリーバ、3位はキンバリー・クラークとなります。

日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の世界市場シェアと業界ランキング(2023年)

順位 Company name(English) 会社名 市場シェア
1位 P&G P&G 7.34%
2位 Unilever ユニリーバ 6.70%
3位 Kimberly-Clark Corporation キンバリー・クラーク 2.79%
4位 L’Oréal ロレアル 2.64%
5位 Colgate-Palmolive コルゲート・パルモリーブ 2.49%
6位 Beiersdorf バイヤスドルフ 1.35%
7位 Estée Lauder エスティ・ローダー 1.30%
8位 Reckitt Benckiser レキット・ベンキザー 1.21%
9位 HENKEL ヘンケル 1.18%
10位 Kao 花王 1.14%
11位 Church & Dwight Co., Inc. チャーチ&ドワイト 0.91%
12位 LG H&H LG生活健康 0.64%
13位 Lion ライオン 0.45%
14位 Edgewell エッジウェルパーソナルケア 0.37%
日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の世界市場シェアと業界ランキング(2023年)©2024 Deallab

日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の世界シェア(2023年)©2024 Deallab

1位はアメリカのP&G(1837年設立)、世界最大の日用品メーカーとして圧倒的な地位を保持しています。2位はイギリスとオランダに本社を持つ多国籍企業ユニリーバ。3位はアメリカのキンバリー・クラーク、主にパーソナルケア製品を提供しています。4位は化粧品業界をリードするロレアル。5位はコルゲート・パルモリーブがランクインしました。

【日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の世界市場規模】

当データベースでは、2023年の日用品・スキンケア・トイレタリー・ホームケア業界の市場規模を6090億ドルとしております。トイレタリー業界と日用品業界の合計を市場規模と算定しております。参照した各種調査データは次の通りとなります。

調査会社ザ・ビジネスリサーチカンパニーによると、2023年のトイレタリー業界の市場規模は3500億ドルです。2028年にかけて年平均12.2%で成長し、規模は6201億ドルへと拡大することを見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報

市場規模 成長率見込み
2023年 3500億ドル
2028年 6201億ドル 12.2%
トイレタリー業界の世界市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2024 Deallab

トイレタリー用品業界の市場規模の予想成長推移 ©2024 Deallab

調査会社フォーチュンビジネスインサイトによると、2023年の日用品業界の市場規模は2479.4億ドルです。2032年にかけて年平均4.4%で成長し、規模は3798億ドルへと拡大することを見込んでいます。

市場規模 成長率見込み
2023年 2590億ドル
2032年 3798億ドル 4.4%
日用品業界の世界市場シェアと業界ランキング(2023年) ©2024 Deallab

日用品業界の市場規模の予想成長推移  ©2024 Deallab

【M&Aの動向】

2017年 コルゲートはプロフェッショナル・スキンケア分野で急成長しているPCAスキンとEltaMDを買収
2020年 キンバリー・クラークは急成長するインドネシアのパーソナルケア市場のリーダーであるソフテックス・インドネシアの買収を完了
2020年 コルゲートはHello Products LLCを買収
2020年 P&Gは女性向けカミソリブランドのBillieを買収
2021年 P&Gはヘアケアブランド「ウェイ(OUAI)」を買収
2021年 P&GはD2Cスキンケアブランドのファーマシー ビューティ(FARMACY BEAUTY)を買収
2022年 キンバリー・クラークは再利用可能な生理・失禁用下着カテゴリーのリーダーであるThinx, Inc.の株式の過半数の取得を完了
2022年 ユニリーバはデジタル主導のスキンケア・ブランドであるポーラ・チョイスの買収を完了
2022年 P&Gはスーパーフードを配合した米スキンケアライン「トゥラ(Tula) 」を買収
2022年 グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケアはグローバルにてグラクソ・スミスクラインからの正式な分離が完了し、コンシューマーヘルスに完全に特化した独立企業Haleon(ヘイリオン)を設立
2022年 エスティ ローダー カンパニーズ(ELC)は、トム フォードを約28億ドル(約3900億円)
で買収することで合意し、2023年4月に買収を完了しました。
2023年 P&Gはテクスチャーヘアケアブランドであるミエル・オーガニクスを買収
2023年  ロレアルは、豪州の高級スキンケアブランドであるイソップを約25億米ドルで買収しまし
 た。
2023年 ロレアル社は、米国のスキンケアブランド、Skinbetter Scienceを買収し、同社の皮膚科学
 的専門知識を強化しました。
2024年 ELCは2017年にカナダのビューティーブランドDECIEMに出資を開始し、2021年には過半数の株式を取得しました。2024年5月31日、残りの株式を約8億6000万ドルで取得し、完全買収を完了しました。

【会社の概要】

The Procter & Gamble Company(P&G、プロクター&ギャンブル)

P&G(プロクター&ギャンブル)は、米国に本拠を置く世界最大級の日用品メーカーで、1837年にウィリアム・プロクター氏とジェームズ・ギャンブル氏によって設立されました。日用品業界屈指の商品開発力・マーケティング力を誇っています。取り扱っている分野は、トイレタリー、ファミリーケア、ファブリックケア、ホームケア、ヘアケア、スキンケア、オーラルケアといった広範囲の消費財で、いずれもブランド力のある商品を展開しているのが特徴です。さらに詳しく

Unilever plc(ユニリーバ)

Unilever(ユニリーバ)は、イギリスに本拠を置く世界を代表する消費財大手メーカーです。イギリスの石鹸会社のリーバ・ブラザーズとオランダのマーガリン会社のマーガリン・ユニが1930年に合併して誕生しました。紅茶、アイスクリーム、食品、化粧品やパーソナルケア分野において強力なブランドを保有しています。紅茶事業は2021年11月に売却を発表しました。さらに詳しく

Kimberly-Clark (キンバリー・クラーク)

キンバリー・クラークは、ティッシュや紙おむつなどのヘルス&ハイジーン製品を提供する企業です。世界的に有名なブランドを展開し、1872年にアメリカ・テキサス州で設立されました。

L’Oréal S.A.(ロレアル)

1909年に設立世界最大級の仏総合化粧品メーカーです。祖業の事業はヘアカラーです。日本のShu Uemuraを初めとして、高級ブランドが手掛ける化粧品や香水事業の買収を通じて成長をしています。仏小売り大手PPR(現ケリング)からイブ・サン・ローラン・ボーテ(YSLボーテ)、ランコム、ラルフローレン、アルマーニ等の香水事業を買収しています。他にブシュロン(Boucheron)、元ビートルズのポールマッカートニーの次女ステラ・マッカートニー(Stella Nina McCartney)等のブランドを有しています。さらに詳しく

COLGATE-PALMOLIVE COMPANY(コルゲート・パルモリーブ)

コルゲート・パルモリーブは、1806年に設立された米国に本拠を置くトイレタリー用品大手です。コルゲートブランドは歯磨き粉の代名詞となっています。オーラルケアの歯ブラシ、マウスウォッシュに加え、パーソナルケア、ホームケア、ペットニュートリションの分野でも強いです。パーソナルケアの分野では液体石鹸、石鹸、ボディウォッシュが、ホームケアの分野では柔軟剤、食器用洗剤は世界トップクラスです。ペットニュートリションはヒルズ(Hill’s)ブランドで展開し、主に動物病院で販売されています。さらに詳しく

The Estée Lauder Companies Inc.(エスティ・ローダー)

Estee Lauder(エスティローダー)は、1946年に設立された米国に本拠を置く世界的な化粧品会社です。スキンケア、メーキャップ、香水、ヘアケアの分野に強みを持ちます。特殊株式を保有し過半数の議決権をおさえるローダー家の影響力は絶大です。さらに詳しく

Henkel AG & Co. KGaA(ヘンケル)

ヘンケルは、1876年に設立されたドイツに本拠を置く化学・トイレタリーメーカーです。接着剤、粘着剤、スキンケア、トイレタリー、洗剤、石鹸等のボディケア、シャンプー等ヘアケアの事業を展開しています。世界初の合成洗剤のPersilを開発しました。接着剤はBonderite、Technomelt、Loctiteといったブランドで展開をしています。さらに詳しく

Beiersdorf AG(バイヤスドルフ)

バイヤスドルフは、1882年に設立されたドイツに本拠を置く化粧品・スキンケアメーカーです。日焼け止めのコパトーン、制汗剤のエイトフォー(8×4)、Nivea(ニベア)、Eucerin(ユーセリン)、Hansaplasなどのボディケア商品に強みを持ちます。Tesa(テサ)ブランドで産業用の粘着テープも電機・自動車やヘルスケア向けに展開しております。コーヒー大手のチボーも保有するMichael Herz氏の資産運営会社であるMaxingest傘下にあります。さらに詳しく

Kao Corporation (花王株式会社)

花王は、1940年に日本有機として設立された日本を代表する化粧品・日用品メーカーです。ビューティケア、ファブリック&ホームケア、ケミカルとヒューマンヘルスケアの4事業を柱に展開しています。アタック、ハイター、ビオレ、メリーズブランドなどのブランドを有しています。2005年にカネボウから化粧品事業を買収しています。さらに詳しく

Reckitt Benckiser(レキット・ベンキザー)

1999年に英レキット&コールマン社とオランダのベンキーザー社が経営統合して誕生した英国に本拠を置く日用品・トイレタリー用品大手です。レキット&コールマン社とベンキーザー社はともに1800年後半に創業された老舗メーカーです。石鹸のミューズ、食器洗い機専用洗剤のフィニッシュ等のブランドを有します。コンドームではDurexブランドで世界展開しています。2017年にベビーフード大手のミード・ジョンソンの買収をしました。さらに詳しく

Church & Dwight (チャーチ&ドワイト)

チャーチ&ドワイトは、パーソナルケア、家庭用および特殊製品を手掛ける企業で、1846年にアメリカ・ニュージャージー州で設立されました。多彩な製品を提供しています。

LG H&H Co., Ltd.(株式会社LG生活環境)

LG生活環境(LG H&H)は、1947に設立された化粧品、日用品と飲料メーカーです。2001年にLG化学から分社化上場しました。化粧品はThe History of Whoo、O Huiなどを手掛けています。日用品はオーラルケア、ボディケアやホームケアを手掛けています。米国事業強化の一環で、2019年にニューエイボン、2021年にボインカを買収しました。飲料はコカコーラのボトラー事業を運営しています。

Lion Corporation (ライオン株式会社)

1918年に小林富次郎氏が設立した小林商店が源流です。祖業は石鹸で、現在でも液体石鹸のキレイキレイをはじめとしてトイレタリーは同社の事業の柱となっております。オーラルケアもクリニカ、システマ、デンターといった有力ブランドで事業を展開しています。

Edgewell Personal Care (エッジウェルパーソナルケア)

エッジウェルは、シェービング、スキンケア、女性ケア、インファントケア製品を提供する企業で、2015年にアメリカ・ミズーリ州で設立されました。

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