Unilever(ユニリーバ)は、イギリスに本拠を置く世界を代表する消費財大手メーカーです。イギリスの石鹸会社のリーバ・ブラザーズとオランダのマーガリン会社のマーガリン・ユニが1930年に合併して誕生しました。紅茶、アイスクリーム、食品、化粧品やパーソナルケア分野において強力なブランドを保有しています。紅茶事業は2022年に売却を発表しました。
2019年度
売上高は51,980百万ユーロで、前年度比2%増となりました。営業利益は8,708百万ユーロになりました。営業利益率は17%になりました。売上自律成長率は3%でした。その内訳は、販売量の増加によるものが1%、販売価格の上昇によるものが2%でした。ホームケアの好調な業績に牽引されました。
2020年度
売上高は50,724百万ユーロで、前年度比2%減となりました。営業利益は8,303百万ユーロになりました。営業利益率は16%になりました。売上自律成長率は2%でした。その内訳は、販売量の増加によるものが2%、販売価格の上昇によるものは僅かでした。売上自律成長の原動力となったのは、手指衛生製品、家庭用衛生製品、洗濯用品、家庭用食品および飲料です。食品ソリューションおよび外食用アイスクリームの売上は、チャネル閉鎖の影響を受けて販売量が減少しました。
2021年度
売上高は52,444百万ユーロで、前年度比3%増となりました。営業利益は8,702百万ユーロになりました。営業利益率は17%になりました。売上自律成長率は5%でした。その内訳は、販売量の増加によるものがで2%、販売価格の上昇によるものが3%でした。食品セグメントは、2020年度のパンデミックによる制限から部分的に回復し、食品ソリューション部門と外食アイスクリーム部門は売上自律成長6%増加を記録しました。
2022年度
売上高は60,073百万ユーロで、前年度比15%増となりました。営業利益は10,755百万ユーロになりました。営業利益率は18%になりました。売上自律成長率は市場全体で大幅なインフレが見られる中、販売価格が上昇方向に牽引され、9.0%に上昇しました。販売価格上昇は販売量に若干のマイナスの影響を与え、2%減少しました。第四四半期には価格設定調整が功を奏し、販売数量は横ばいながら販売価格は5%上昇しました。
2023年度
売上高は59,604百万ユーロで、前年度比1%減となりました。営業利益は9,758百万ユーロになりました。営業利益率は16%になりました。売上自律成長は7%でした。これは販売価格上昇によるもので、販売量自体はわずかに減少しました。ビューティーケアセグメントとパーソナルケアセグメントは年間を通じて販売数量が大幅に増加し、ホームケアセグメントは下半期に販売数量がプラスに転じました。
2021年下半期(7ー12月)
売上高は26,653百万ユーロになりました。営業利益は4,276百万ユーロ、営業利益率は16%になりました。第三四半期における前年同期比で売上自律成長率は3%でしたが、これは販売価格上昇によるものでした。下半期全体としては、前年同期比で売上は15%増加しました。
2022年上半期(1ー6月)
売上高は29,623百万ユーロになりました。営業利益は4,500百万ユーロ、営業利益率は15%になりました。前年同期比で売上自律成長率は8%でしたが、これは販売価格上昇によるもので、販売量自体は2%減少しました。販売価格は過去 2 四半期にわたって連続的に上昇し 11.2% に達しました。この結果販売量にマイナスの影響があり、特にホームケア部門でより顕著に現れました。
2022年下半期(7ー12月)
売上高は30,450百万ユーロになりました。営業利益は6,255百万ユーロ、営業利益率は21%になりました。第三四半期における前年同期比の販売量は、価格設定の上昇が影響して若干のマイナスでした。下半期全体としては、前年同期比で売上は3%増加しました。
2023年上半期(1ー6月)
売上高は30,428百万ユーロになりました。営業利益は5,516百万ユーロ、営業利益率は18%になりました。前年同期比で売上自律成長率は9%でしたが、これは販売価格上昇によるもので、販売量自体は横ばいでした。販売量は、ビューティー&ウェルビーイングとパーソナルケアの業績が上昇し、他の販売量の減少を相殺しました。
2023年下半期(7ー12月)
売上高は29,176百万ユーロになりました。営業利益は4,242百万ユーロ、営業利益率は15%になりました。第三四半期における前年同期比の販売量は、ビューティー & ウェルビーイング、パーソナルケア、ホームケアでプラスでしたが、栄養食品とアイスクリームでは販売量がマイナスのままでした。下半期全体としては、前年同期比で売上は4%減少しました。
希薄化後EPSは前年度比14%減の2.56ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比6%増の1.73ユーロになりました。配当性向は68%になりました。
2024年4月
2024年度第一四半期のレポートにて、2024年度通期の売上は、販売量の増加により3%から5%増加する予定だと掲載されています。
セグメントは、ビューティーケア、パーソナルケア、ホームケア、食品、アイスクリームに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
ビューティーケア
主にヘアケア (シャンプー、コンディショナー、スタイリング剤)、スキンケア (顔、手、体の保湿剤) 、化粧品を販売しています。Axe、LUX、Dove、モッズ・ヘア、レセナ、ヴァセリン、クレンザーのジフ、ドメスト等のブランドを擁し、業界の世界シェアはP&Gと首位の座を争っています。化粧品・香水業界でもロレアルやコティ等と世界上位を争っています。
パーソナルケア
主にスキンクレンジング、デオドラント、オーラルケア (歯磨き粉、歯ブラシ、マウスウォッシュ) 製品を販売しています。
ホームケア
主にファブリックケア (洗濯用粉末洗剤、液体洗剤、リンスコンディショナー) と幅広い洗浄製品を販売しています。
食品
主に、スープ、ブイヨン、調味料、ドレッシング (マヨネーズ、ケチャップ)、お茶製品を販売しています。クノールやマーマイトといったブランドで世界展開しています。スープと調味料の分野では世界大手です。調味料は、Knorr(調味料、ソース)、Hellmann(マヨネーズ、マスタード、サラダドレッシング、ソース)ブランドで展開しています。
アイスクリーム
ウォールズ・アイスクリーム、マグナム(Magnum)、ポプシクル、ベン&ジェリーズ(Ben & Jerry's)、Breyers、Cornetto、Carte d'3等のブランドを世界展開しています。アイスクリームの分野では世界シェア首位級です。
2000年 食品及び調味料を製造するベストフーズを242億ドルで買収
2000年 アイスクリームやフローズンデザートを提供するベン&ジェリーズを買収
2010年 イタリアの冷凍食品をBirds Eye Igloへ売却
2011年 米国の調味料メーカーのAlberto-Culverの買収
2011年 ロシアの化粧品会社のOJSC Concern Kalinaを買収
2013年 米国のドレッシング事業をPinnacle Foodsへ売却
2014年 パスタソースのRagu(ラグー)及びBertolli(ベルトーリ)をミツカンへ売却
2016年 員制髭剃りのダラー・シェイブ・クラブを買収
2017年 ェイシャルマスクやクリームを手掛ける韓国Carver Koreaを買収
2018年 ーズスプレッド事業を68億ユーロでKKRに売却
2019年 キンケアブランドであるTatchaを買収
2019年 ランスのスキンケアブランドであるGaranciaを買収
2020年 ンドの上場子会社Hindustan Unilever Limitedが健康関連製品を提供するGlaxoSmithKline Consumer Healthcareと経営統合
2021年 康とフィットネスをサポートする製品を提供するOnnitを買収
2021年 ジタル技術を利用したスキンケアブランドのPaula’s Choiceを買収
2022年 茶事業の一部(ekaterra)をCVCキャピタルパートナーズへ45億ユーロで売却
2022年 アケア商品を提供するNutrafolを買収
2023年 ローズンヨーグルトブランドのYassoを買収
2024年 アケアブランドのK18を買収