紅茶・緑茶・お茶メーカーの市場シェア、市場規模や業界ランキングついて分析をしています。LIPTON Teas and Infusions(旧:エカテラ)、Twiningを有するABF、伊藤園、タタ・グローバル・べバレッジといった世界の主要な茶・ティー会社の概要や動向も掲載しています。
【市場シェア】
紅茶・緑茶・お茶メーカーの2025年度の売上高⇒参照したデータの詳細情報を分子に、後述する市場規模を分母にして、2025年の紅茶・緑茶業界の市場シェアを簡易に算出すると、1位はTwiningを有するABF(アソシエイティッド・ブリティッシュ・フード)、2位はLIPTON Teas and Infusions(旧:エカテラ)、3位は伊藤園、4位はタタ・グローバル・ベバレッジとなります。
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*2024年推計値
| 順位 | Company name(English) | 企業名(日本語) | 市場シェア |
| 1位 | ABF | アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ社 | 6.42% |
| 2位 | LIPTON Teas and Infusions(ekaterra)* | リプトンティーアンドインフュージョン(旧:エカテラ)* | 2.17% |
| 3位 | Ito-en | 伊藤園 | 1.76% |
| 4位 | Tata Global Beverages | タタ・グローバル・べバレッジ | 0.91% |
*2024年推計値
2025年の紅茶・緑茶業界における1位はアソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)です。
「Twining(トワイニング)」を軸に高付加価値戦略を展開しています。伝統的な紅茶に加え、プレミアムセグメントや健康志向の機能性ハーブティーのラインナップをさらに拡充し、欧米を中心としたウェルネス需要を取り込むことで、世界トップの座を強固にしています。
2位のLIPTON Teas and Infusions(旧:ekaterra)は、世界最大級のティーカンパニーとしてポートフォリオの刷新を進めています。「Lipton(リプトン)」や「Pukka Herbs(パッカ)」などの有力ブランドを擁し、2025年にかけてはサステナブルな茶葉調達(100%植物由来のティーバッグ導入など)と、新興国市場でのRTD(ボトル缶・ペットボトル飲料)展開を強化しています。
ユニリーバ紅茶事業エカテラの戦略レビューから売却までのケーススタディ
3位の伊藤園は、「お~いお茶」ブランドを中心にグローバル化を推進しています。欧州で義務化されたプラスチック製容器入り飲料の規制強化を前に、日本からの製品輸出が困難になることを見据え、世界の品質基準に合う飲料用原料を開発しました。この新原料を使用し、欧州のプラスチック製品規制に完全対応した「お~いお茶 緑茶」(330mlテザードキャップ付き紙パック)の現地展開を本格化させ、海外市場の開拓をさらに加速させています。
4位のタタ・グローバル・ベバレッジは、インド・英国を中心に堅調な業績を維持しています。主要ブランド「Tetley(テトリー)」などを通じて、消費者の健康志向に応えるビタミンやハーブを配合した機能性製品の強化が世界的に奏功しました。
業界全体の今後の課題
2025年以降も、世界的な健康志向(無糖・オーガニック)へのシフトに加え、欧州をはじめとする各国での環境規制(脱プラスチック・パッケージの資源循環)への迅速な対応が、各社のシェアを左右する重要な課題となっています。
【市場規模】
当データベースでは、2024年の紅茶業界の市場規模を863億ドルとしております。参照した各種調査データは次の通りとなります。
調査会社マキシマイズマーケットリサーチによると、2025年の同業界の市場規模は862.8億ドルと見込まれています。2032年にかけて年平均6.6%で成長し、規模は2032年には1349.6億ドルへと拡大することを見込んでいます。
調査会社グランドビューリサーチによると、2025年の同業界の市場規模は695億米ドルと評価され、2026年の740億米ドルから2033年には1,152億米ドルに成長すると予測されており、2026年から2033年までの年平均6.5%で成長します。
また、アジア太平洋地域は、2025年時点で世界市場の67.9%を占め、最大のシェアを占めているといわれています。
| 年 | 市場規模 | 成長率見込み |
| 2025年 | 863億ドル | – |
| 2032年 | 1350億ドル | 6.6% |

【M&Aの動向】
2021年 CVCキャピタルパートナーズがユニリーバの紅茶事業エカテラを買収(現:Lipton Teas and Infusions)
2024年 タタ・グローバル・べバレッジ社、Organic India Private Limited(有機F&Bインフュージョンおよびハーブサプリメントカテゴリーでのリーディング企業)を買収
【会社の概要】
Associated British Foods(ABF)/Twinings
アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ(ABF)は、英国に本拠を置く多国籍食品メーカーで、1935年にガーフィールド・ウェストン氏が設立した製パン会社を源流としています。現在は、食品成分、砂糖、酵素、製パン材料、農業関連事業、そしてファストファッションブランドのPrimarkなど、多岐にわたる事業を展開しています。
紅茶事業では、歴史あるブランドとして知られるTwiningsを世界展開しており、アールグレイをはじめとするクラシックティーに加えて、ハーブティーやウェルネスティーのラインを拡充しています。公式情報では、健康志向の高まりを背景に、植物由来素材やハーブを用いた商品開発を強化していることが示されています。
ABFは、サステナブル調達や環境配慮型の生産体制を重視しており、原料調達の透明性向上や製造工程の効率化を進めています。食品事業では買収や再編が続いていますが、紅茶事業についてはブランド価値の向上と高付加価値商品の開発に重点を置いており、伝統と品質を軸にしたブランド戦略を展開しています。さらに詳しく
Lipton Teas and Infusions(旧Ekaterra)
Lipton Teas and Infusionsは、ユニリーバが2021年に紅茶事業を分離し、CVCキャピタルパートナーズへ売却したことで誕生した紅茶専業企業です。
Lipton、PG Tips、Pukka、T2など、世界的に認知度の高い紅茶・ハーブティーブランドを多数擁しており、2023年以降は社名を「Lipton Teas and Infusions」に変更して事業を展開しています。
サステナビリティを軸としたブランド戦略を強化しており、茶葉の認証取得、フェアトレード、環境負荷低減の取り組みを積極的に進めています。特にアジア、アフリカ、中東など新興国市場での需要が拡大しており、ティーバッグ、インスタントティー、ハーブティー、プレミアムティーの販売が堅調です。
また、Pukkaなどウェルネス系ブランドの成長が著しく、健康志向の高まりを背景に、睡眠・免疫・リラックスなど機能性訴求のハーブティーが世界的に支持されています。Lipton Teas and Infusionsは、伝統的紅茶ブランドとウェルネスティーを組み合わせたポートフォリオを強みとし、紅茶専業企業としてグローバル市場での存在感を高めています。さらに詳しく
ユニリーバ(Unilever)
ユニリーバは、英国とオランダにルーツを持つ世界的な消費財メーカーで、食品、パーソナルケア、ホームケアなど幅広いブランドを展開しています。紅茶事業については、2021年11月にLipton、PG Tips、Pukkaなどを含む紅茶事業全体を分離し、プライベートエクイティのCVCキャピタルパートナーズへ売却しました。
飲料領域において現在は「紅茶」ではなく、植物由来飲料やウェルネス飲料を中心としたポートフォリオを展開しています。公式サイトでは、健康・栄養領域の強化が明確に示されており、ハーブや植物素材を用いた機能性飲料の開発が進んでいます。また、ペプシコとの共同事業(Joint Venture)により、RTD茶飲料(Lipton Ice Teaなど)は引き続きユニリーバブランドを含む形で世界展開されており、飲料カテゴリーの一部として茶系飲料との関わりを維持しています。
紅茶事業そのものからは撤退しつつも、ウェルネス飲料や共同事業によるRTD茶飲料を通じて、茶・植物飲料領域との接点を保ちながら事業を進化させています。さらに詳しく
伊藤園
伊藤園は、1966年に設立された日本を代表する茶葉・茶飲料メーカーで、「お〜いお茶」ブランドは国内で圧倒的なシェアを誇ります。緑茶だけでなく、むぎ茶、ウーロン茶、紅茶、野菜飲料、コーヒーなど幅広い飲料を展開し、タリーズコーヒーの運営も行っています。
国内市場の安定成長に加え、北米・アジア・欧州での海外展開が進んでいます。特に健康茶カテゴリーの需要増加を背景に、カフェインレス茶、抗酸化訴求商品、ミネラル補給飲料などの開発が強化されています。
ルイボス事業については、南アフリカの主要生産者であるRooibos Ltdをはじめとする複数の生産者組織と、原料調達の強化とサプライチェーンの安定化を目的とした長期的な戦略的パートナーシップを築いています。さらに詳しく
Tata Consumer Products(タタ飲料)
Tata Consumer Products は、インドのタタグループに属する飲料・食品企業で、Tata Tea、Tetley などの世界的ブランドを展開しています。タタグループはインド最大級のコングロマリットであり、鉄鋼、自動車、IT、ホテル、食品など多岐にわたる事業を展開しています。
インド国内市場と英国・中東市場を中心に、紅茶、ハーブティー、コーヒー、パッケージ食品を展開しています。公式情報では、ウェルネス領域の強化が明確に示されており、植物由来飲料や健康志向の製品ラインの拡大が進んでいます。
Tetley ブランドの刷新や、インド国内でのプレミアムティー・ハーブティーの需要増加を背景に、機能性訴求商品が堅調です。また、食品事業(スパイス、塩、パルスなど)との統合を進め、飲料と食品を組み合わせた総合消費財企業としての成長戦略を推進しています。さらに詳しく
ペプシコ(PepsiCo)
ペプシコは、米国に本拠を置く世界最大級の食品・飲料メーカーで、炭酸飲料、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、スナック菓子など幅広いブランドを展開しています。茶飲料事業は単独で運営しているわけではなく、ユニリーバとの共同事業(Joint Venture)として位置づけられています。
ユニリーバと共同でLipton(RTD:Ready-to-Drink)、Briskといった茶飲料ブランドを展開しており、これらはペプシコの公式サイトでも主要飲料ブランドとして紹介されています。また、Pure Leafはペプシコが主導するプレミアムアイスティーブランドで、無糖茶や高品質茶葉を使用した商品が北米市場で高い評価を得ています。これらのブランドは、ペットボトル茶カテゴリーにおいて世界的な存在感を持っています。
近年は健康志向の高まりを背景に、無糖茶・低糖アイスティーのライン拡充が進んでいます。さらに、ペプシコはサステナビリティ戦略の一環として、ペットボトルの軽量化やリサイクル素材の活用を強化しており、環境負荷低減を重視した製品開発が進められています。ペプシコの茶飲料事業は、ユニリーバとの協業を通じて、グローバルなRTD茶飲料市場で確固たる地位を維持しています。さらに詳しく
