紅茶・緑茶業界の世界市場シェアの分析

紅茶・緑茶・お茶業界の世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしています。リプトンを擁するユニリーバ、頂新、統一、加多宝(JBD)、トワイニング、テトリー(Tata)、伊藤園等の世界の主要な茶・ティー会社の一覧も掲載しています。

市場シェア

2020年の紅茶業界のシェアは

  • 1位 ABF(アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ)    8.0%
  • 2位 Unilever(ユニリーバ)    6.2%
  • 3位 Tata Global Beverages(タタ・グローバル・ベバレッジ)    1.3%

となっています。

紅茶大手と言われているTaetea Group(ティーティーグループ)、Tieguanyin Group(渓鉄観音)、The Republic of Tea(ザ・リパブリック・オブ・ティー)、Yorkshire Tea(ヨークシャー・ティー)、Dilmah(ティルマ)、Bamatea(バマティー)、Chinatea(チャイナティー)、Barry’s Tea(バリーズティー)については財務情報が非開示のためランキングから除外しています。

また、伊藤園、ネスレ(ネスティ)やキリン等のRTD茶系飲料を販売しているメーカーについても、紅茶(茶葉)販売がメインでないという観点から、シェアの計算に含んでいません。

市場シェアを計算するにあたり、売上高は2019年の売上高(下記各会社の概要に記載しているのでご参照ください)と2019年市場規模である551億ドルを用いています。

ユニリーバが戦略レビューの中でリプトンの売却を検討しており、今後業界構造が大きく変化する可能性があります。

市場規模

当サイトでは、各調査会社等の公表データを参考にし、紅茶業界の2019年の世界市場規模を551億ドルとして市場シェアを計算しております。参照にしたデータは以下の通りです。調査会社のアライドマーケットリサーチによれば、紅茶(茶葉販売)の市場規模は2019年は551億ドルです。2027年むけて年平均6.6%の成長が見込まれます。⇒参照したデータの詳細情報

茶は、ツバキ科の常緑樹であるお茶の木の芽、葉、茎から作られます。緑茶と紅茶は、お茶の葉からの処理の違いにあり、前者は摘んだ生葉を熱処理して、葉の醗酵を止めて作ることから不発酵茶、後者は生葉をしおらせてから発酵させるため発酵茶と呼ばれています。ウーロン茶は、その中間の部分発酵茶と呼ばれています。

紅茶の有名な産地には、ダージリン(北インド)、セイロン紅茶(ディンブラ、ウバ、キャンディの地域がある。スリランカ)、アッサム(北インド)、ニルギリ(南インド)、キーマン(中国)、ジャワ、スマトラ、ケニア等があげられます。

更に業界に詳しくなるための関連図書
ユニリーバの再生(1965-2005年)
基礎から学ぶ 紅茶のすべて

世界の主要な紅茶・緑茶飲料メーカーの一覧

Unilever(ユニリーバ)

Unilever(ユニリーバ)はイギリスとオランダに本拠を置く世界を代表する消費財大手メーカーです。イギリスの石鹸会社のリーバ・ブラザーズとオランダのマーガリン会社のマーガリン・ユニが1930年に合併して誕生しました。紅茶、アイスクリーム、食品、化粧品やパーソナルケア分野において強力なブランドを保有しています。

Ting Hsin (頂新)

台湾発祥の魏和徳氏率いる総合食品会社です。即席めん中国首位の康師傅(ティンイー)をはじめ、飲料、パン、菓子を中国本土で展開。伊藤忠、アサヒビール、サンヨー食品とも提携しています。

JDB

中国のお茶系ドリンクメーカーです。加多宝(王老吉)ブランドで中華圏においては圧倒的な存在感を示しています。

統一企業

台湾を代表する食品・流通系コングロマリット企業です。日系企業とも親密です。茶裏王ブランドで茶系飲料を展開しています。

コカコーラ

世界を代表する飲料メーカーです。烏龍茶等茶系飲料にも強みを持ちます。米国ではネスレと合弁でネスティーを展開しています。

1999年 キャドバリー社から南アフリカのソーダ事業を買収
2001年 米国の飲料メーカーのOdwalla社を買収
2005年 豪州のスープ・パッケージ食品大手のSPC Ardmona社を買収
2005年 トルコの飲料大手のEfes Sinai Tatrim社を買収
2006年 メキシコの飲料メーカーJugos del Valle社を買収
2007年 米飲料大手のFUZE Beverages社を買収
2007年 米国の機能性飲料メーカーのEnergy Brands社を買収
2011年 メキシコの飲料事業をGrupo Tampico社より買収
2011年 サウジアラビアの飲料・お菓子会社のAujan Industries社を買収
2015年 中国の機能性飲料会社のXiamen Culiangwang Beverage(カリアンワン)社を買収
2018年 英ウィットブレッドからカフェチェーンのコスタを買収 

伊藤園

日本を代表するお茶飲料メーカーです。おーいお茶ブランドは圧倒的な存在感を示します。

Associated British Foods(アソシエイティッド・ブリティッシュ・フード)

アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズは、英国に本拠を置く食品成分・食品メーカーです。ベーキングパウダー、イースト菌やラクトース等の食品添加物に強みを持ちます。紅茶は英国王室御用達のトワイニングス(Twinings)ブランドを世界展開。トワイニングといえば、アール グレイ(EARL GREY、ベルガモットの香りが吹き付けられたさわやかな紅茶)が有名です。2019年のグローサリー事業の売上高は35億ポンドです。ファストファッションはPrimarkブランド展開しています。砂糖はAB SugarにてBritish Sugarブランドで展開しています。酵素は、AB Enzymes(ABエンザイムズ)で展開しています。ベーキング、非デンプン多糖、洗剤、プロテアーゼ、フィードといった酵素を製造・販売しています。

1998年 米国の食品成分SPI Holdingsを買収

2002年 ノバルティスから食品・飲料事業を買収

2004年 豪州のBurns, Philips & Companyからイースト・ベーカリー大手のYeast and Bakery Ingredients Groupを買収

2005年 英国の小売りチェーンのLittlewoodsを買収

2006年 南アフリカの製糖メーカーのIllvo Sugarを買収(2016年完全買収)

2007年 英国のインド料理向け食品成分専業のPatak's Foodsを買収

2007年 中国の甜菜(ビートシュガー)大手のBo Tianを買収

2007年 オランダのイースト菌大手のGB Ingredientsを買収

2008年 スペインのパスタ大手のEbroグループから製糖メーカーのAzucarera Ebroを買収

2014年 英国のシリアル大手Dorset Cerealsを買収

 

Tata Global Beverage(タタ飲料)

インドのタタグループの飲料会社です。

タタは、1868年にペルシャ系ゾロアスター(拝火、インドではパルシーとも言われる)教徒であるジャムシェトジー・タタ氏がムンバイで設立した木綿貿易会社が発祥です。インド西部のムンバイに本拠を置きます。インド三大財閥の一角です。規模ではインド最大級で、塩からソフトまでと言われ、鉄鋼、自動車、ホテル、紅茶、ITサービス、時計、宝飾品、電力、通信、化学、食品、小売などに至る多岐分野で事業を展開する財閥です。海外100ヶ国で事業を展開し、約70万人の従業員と1000億ドル超の売上を計上しています。日本に企業では、三菱商事、新日鐵住金、日立製作所、スズキ、NTTグループ等と提携をしています。リライアンス、アーディティヤ・ビルラー・グループを擁するビルラグループを含めインド3大財閥と評されます。初代ジャムセトジー・タタ、二代目ドラブジ・タタ、三代目ノウロジ・サクラトヴァラ、四代目JRD・タタに続き、現在は五代目となるラタン・タタ氏がグループの総帥です。

タタ事業概略

タタ事業概略
出所:同社AR

タタ・サンズとタタ・インダストリアルズが、各グループ会社の最大株主として、強い影響力を有しています。タタ・サンズは、タタ一族の慈善財団が66%、シャポルジ・バロンジ・グループが18%の議決権を保有しています。2012年にパロンジ家出身のサイラス・ミストリー氏がラタン・タタ氏を引き継ぎ、グループの総帥となりましたが、経営方針の違いから解任され、2016年にラタン・タタ氏が復活しました。現在は、ファミリー出身でないナタラジャン・チャンドラセカラン氏が率いています。

タタグループ 持ち分比率

タタグループ 持ち分比率
出所:同社

事業構成は大きくIT、鉄鋼、自動車・トラック、化学、飲料に分かれています。

IT:

タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)が中核です。全世界で包括的な IT の受託サービスを提供しています。TCSはタタ・グループの中で最大である39万人超の従業員を有しています。利益貢献もグループ中最大である。米国でのIT技術者の就労ビザ問題を抱えています。

鉄鋼:

タタ製鉄が中核です。インド内では最大です。日本製鉄と提携しています。2007年に120億ドル(約1兆1千億円)で英蘭コーラスCorus(コーラス、GBR/NLD)を買収しました。2016年に英国の航空、自動車、原油・ガス向けの特殊鋼事業を英鉄鋼商社リバティハウスに売却しております。2017年9月に欧州事業の独鉄鋼大手ティッセン・クルップとの統合を発表しましたが、英国の欧州連合(EU)離脱決定のあおりで売却が頓挫しました。ティッセンとの提携に活路を見いだすという機転に、同氏の経営手腕に対する評価は一気に高まりました。高止まりしている固定費用の削減が課題となっています。

自動車:

タタ自動車が中核です。売上高は約5兆円弱規模です。売上高がグループ最大です。商用車、乗用車、高級車、スポーツ・ユーティリティ(SUV)、バス、軍用車両を展開しています。2017年は、インド国内の約5000のディーラーを通じて、約1200万台超の販売しています。商用車では50以上、乗用車では11のモデルを販売しています。販売台数ベースの売上構成比は、乗用車26%、SUV36%、小型商用車は約286万台の23%、中大型商用車は約170万台の14%となっています。売上比率では、インド国内のタタ自動車が約1兆円、ジャガー・ランドローバーといった高級・SUVが約4兆円と好調です。一方、乗用車は超低価格車「ナノ」が低迷し、インド国内向け苦戦。独フォルクスワーゲン(VW)との戦略提携もとん挫してしまいました。タタ自動車(乗用車と商用車)部門のEBITDAマージンは約6%に対して、ジャガー・ローバー部門は約13%です。タタ自動車の規模及びマージンの改善が今後の課題と言えます。

タタ自動車の販売台数

タタ自動車の販売台数
出所:同社

商用車部門は韓国の大宇の商用車部門を買収(現タタ大宇)しました。商用車のインド国内の商用車の年間販売台数である880万台における市場シェアは約45%超を有しており、インド最大の商用車メーカーです。ウルトラ1518、シグナ3718、エース・ゴールド等が主要ブランドに強みがあります。乗用車の国内市場シェアは約6%程度です。

タタ商用車の実績

タタ商用車の実績
出所:同社AR

エース、マジック、シグナ

タタ商用車

タタ商用車
同社AR

商用車・トラックの内訳をみると、中・大型トラックがインド国内の市場シェアの55%を占めていることがわかります。

タタの商用車地域別売上高

タタの商用車地域別売上高
出所:同社AR

イギリス、韓国、タイ、南アフリカ、インドネシア、豪州、スロバキアで製造工場を保有しています。約5万台を輸出しており、商用車の輸出先としては、ネパール、バングラデシュ、スリランカ、南アフリカ、インドネシアで約80%を占めます。タタ大宇は約9000台を韓国で生産し、韓国内の市場シェアは約22%程度です。アルジェリアやベトナム向けの輸出が多いです。乗用車部門は高級セダンを展開するジャガーとレンジ・ローバーを展開しています。バス部門は、スペインのイスパノ・カロセーラを買収(現タタ・イスパノ)しました。売上高は近年堅調に推移しています。

タタ自動車売上推移

タタ自動車売上推移
出所:同社

化学:

タタ化学が主軸です。ソーダ灰業界では世界大手クラスです。製塩も行っています。

飲料:

タタ・グローバル・ビバレッジが主軸です。紅茶及びコーヒーに強みを持ちます。紅茶はTata Tea、テトリー(Tetley)ブランドを展開しています。2019年の紅茶事業の売上高は520億インドルピーで、1ルピー=0.013ドルの為替レートで米ドル換算売上高は7億ドルです。

ホテル事業:インディアン・ホテルズ(IHCL)が中核です。タージブランドのホテルを展開するもの、現状は事業の再構築に取り組んでいます。宝石事業、エアコン事業は、タイタン、ボルタスが展開しています。電力事業、時計・宝石事業、エアコン・空調ではインド国内では市場シェアトップです。その他、タタ電力が電力事業、タタ・コミュニケーションズがデータセンター・通信事業、タージホテルズでホテル事業、ボルタスがエアコン販売を展開しています。

タタの事業の業界ランキング

タタの事業の業界ランキング
同社AR

タタ財閥―躍進インドを牽引する巨大企業グループ
富を創り、富を生かす―インド・タタ財閥の発展
インド財閥経営史研究
インド財閥のすべて (平凡社新書)

Orimi Trade(オリミー・トレード)

ロシアに本拠を置く紅茶メーカーです。Greenfield、TESS等のブランドを展開しています。

TEEKANNE(ティーカネン)

1882年に設立されたドイツに本拠を置く紅茶メーカーの老舗です。ハーブティー、フルーツティーやルイボスティーに強みを持ちます。

Ahmad Tea(アーマッドティー)

英国に本拠を置く紅茶メーカーです。アールグレイティーの著名ブランドを有します。