美的集団は、1968年に何亮健(He Xiangjian)氏によって設立された中国に本拠を置く家電メーカーです。1993年に深セン証券取引所に上場しています。家庭用エアコンや洗濯機等に強みを持ち、2016年には東芝の家電部門とドイツの産業ロボット大手のKUKAを買収して事業規模を拡大しています。創業者の何享健が持株会社を通じて大株主となっています。
2019年度
売上高は前年度比6.71%増の279,381百万元になりました。営業利益は前年度比16.11%増の29,683百万元になりました。営業利益率は10.62%になりました。中国市場での白物家電シェアが伸び、特に住宅用HVACはオンライン市場で30%、オフライン市場でも29%弱のシェアを占めました。また、中国国内でのオンライン売上は前年比30%増となりました。
2020年度
売上高は前年度比2.27%増の285,710百万元になりました。営業利益は前年度比6.10%増の31,493百万元になりました。営業利益率は11.02%になりました。2020年には、8年かけて構築してきた産業用インターネットのプラットフォーム「M.IoT2.0」がローンチしました。このプラットフォームには1,450百万元が投資されており、デジタル並びにインテリジェントトランスフォーメーションを促進する足がかりとなります。
2021年度
売上高は前年度比20.18%増の343,361百万元になりました。営業利益は前年度比5.68%増の33,281百万元になりました。営業利益率は9.69%になりました。海外でのシェアを伸ばすため、米国、ブラジル、ドイツ、日本、ASEANに注力した結果、海外のeコマース市場売上は前年比65%増を達成しました。
2022年度
売上高は前年度比0.68%増の345,709百万元になりました。営業利益は前年度比4.45%増の34,763百万元になりました。営業利益率10.06%になりました。中国市場での商業用エアコンシェア首位維持、白物家電部門の主力ブランドである東芝とCOLMOが前年比50〜90%売上増、住宅用エアコン向けコンプレッサーの世界シェアの44%を占めるなど、全セグメントにおいて順調な成長が見られました。
2023年度
売上高は前年度比8.10%増の373,710百万元になりました。営業利益は15.98%増の40,317百万元になりました。営業利益率は10.79%になりました。海外経済の変動、通貨の動向などにより事業環境は依然として厳しい状況が続いてきた中、コア事業と製品に引き続き注力しました。事業の回復力と長期的で質の高い成長を示しました。
2023年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比6.26%増の96,636百万元になりました。営業利益は9,585百万元、営業利益率は9.92%になりました。
2023年第2四半期(4ー6月)
売上高は前年同期比9.10%増 の101,159百万元になりました。営業利益は12,500百万元、営業利益率は12.36%になりました。
2023年第3四半期(7ー9月)
売上高は前年同期比7.35%増の94,584百万元になりました。営業利益は11,695百万元、営業利益率は12.36%になりました。
2023年第4四半期(10ー12月)
売上高は前年同期比9.99%増の81,321百万元になりました。営業利益は6,538百万元、営業利益率は8.04%になりました。
2024年第1四半期(1ー3月)
売上高は前年同期比10.19%増の106,483百万元になりました。営業利益は10,653百万元、営業利益率は10.00%になりました。
希薄化後EPSは前年度比13.63%増の4.92円になりました。1株当たりの配当は前年度比20.00%増の3円になりました。配当性向は60.98%になりました。
2023年アニュアルレポートには業績予想に関する具体的な数字を伴った記載はありませんでした。
セグメントは、空調エアコン、白物家電、産業用ロボットに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
暖房・換気扇、エアコン
ヒートポンプ、VRF、チラーなど空調エアコン(HVAC)を製造・販売しています。
また、コンプレッサーのサプライヤーとしても実力を持ち、商業用・住宅用・車用のエアコンのコンプレッサーも製造・販売しています。
家電製品
冷蔵庫や洗濯機などの白物家電を主に製造・販売しています。2016年に東芝から白物家電事業を買収しましたが、東芝ブランドは継続しています。その他にComfee、Eureka、Colmo、Beverly、Vandelo、Little Swanなどのブランドが傘下にあります。
ロボットおよび自動化システム
産業用ロボットとソリューション、物流のオートメーション、伝送システム、医療や娯楽用ソリューション向け製品を製造・販売しています。主要ブランドとして、産業ロボットやシステムを幅広く手がけるKUKAと物流オートメーションを手がけるSwisslogがあります。
美的集団は欧州進出への足がかりとしてKUKAとCliverを買収しました。2023年にはスウェーデンの家電メーカーエレクトロラックスの買収を検討していましたが、取引条件の合意には至らず買収を断念しました。
2016年 ドイツのKUKA(クーカ)を買収
2016年 東芝の家電部門を買収
2016年 イタリアの業務用空調機のClivet社を買収
クーカ買収のケーススタディ