自動車業界の世界市場シェアの分析
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自動車業界の世界市場シェアの分析

自動車業界の販売台数ランキング、世界市場シェアと市場規模の情報について分析をしています。自動車メーカー世界大手のトヨタ、ルノー・日産・三菱自動車、ステランティス、GM、VW、BMW、現代、フィアット等の世界大手の自動車メーカーの概要や動向も掲載しています。

自動車メーカーの販売数ランキング(連結ベース)

自動車メーカー各社の2022年度の販売台数(連結ベース)ランキングは、1位がトヨタ、2位がフォルクワーゲン、3位がゼネラルモーターズとなります。

自動車メーカーの販売数ランキング(連結ベース、2022年度)

順位 会社名 販売台数(千台)
1位 トヨタ 8,822
2位 フォルクスワーゲン 8,481
3位 ゼネラルモーターズ 5,939
4位 ステランティス 5,782
5位 SAICモーター 5,303
6位 フォードモーター 4,231
7位 ヒュンダイモーター 3,958
8位 スズキ 3,000
9位 日産自動車 2,451
10位 BMW 2,400
11位 本田技研工業 2,382
12位 ルノー 2,051
13位 メルセデスベンツグループ 2,041
自動車メーカーの販売数ランキング(連結ベース、2022年度)
©ディールラボ

自動車メーカーの販売台数ランキング(2022年)

なお、自動車メーカー各社の開示資料の販売台数には、「グループ会社ベース」の販売台数と「連結ベース」の販売台数があります。前者は、連結対象でない会社(例えば、持分法適用の会社)も含めた販売台数で、後者は連結対象となる子会社のみを含めた販売台数となります。本ページでは、「連結ベース」の販売台数のランキングを記載しております。

【自動車メーカーの世界市場シェア(販売台数ベース)】

自動車メーカー各社の2022年度の販売台数(連結ベース)を分子に、ランキング13社の販売台数合計を分母にして自動車業界の2022年の販売台数ベースの市場シェアを簡易に試算しますと、1位はトヨタの10.81%、2位はフォルクワーゲンの10.39%、3位はゼネラルモーターズの7.28%となります。

2022年の自動車メーカーの世界シェア(販売台数ベース)

順位 会社名 市場シェア
1位 トヨタ 10.81%
2位 フォルクスワーゲン 10.39%
3位 ゼネラルモーターズ 7.28%
4位 ステランティス 7.08%
5位 SAICモーター 6.50%
6位 フォードモーター 5.18%
7位 ヒュンダイモーター 4.85%
8位 スズキ 3.68%
9位 日産自動車 3.00%
10位 BMW 2.94%
11位 本田技研工業 2.92%
12位 ルノー 2.51%
13位 メルセデスベンツグループ 2.50%
2022年の自動車メーカーの世界シェア(販売台数ベース)
©ディールラボ

自動車メーカーの市場シェア(販売台数ベース、2022年)

1位は2021年に2位だったトヨタが、2021年に1位だったフォルクスワーゲンが2位となりました。3位はゼネラルモーターズが2022年も死守いたしました。新しくランクインしたのは、5位のSAICモーターで、フォルクスワーゲンやゼネラルモーターズとの合弁会社を設立するなど、海外企業との合弁に注力しています。

【自動車メーカーの世界市場シェア(売上高ベース)

自動車メーカー各社の2022年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、また後述する市場規模を分母にして、自動車業界の2022年の売上高ベースの市場シェアを簡易に試算しますと、1位はトヨタ、2位はフォルクワーゲン、3位はステランティスとなります。

2022年度の自動車メーカーの世界シェア(売上高ベース)

順位 順位 順位
1位 トヨタ 10.96%
2位 フォルクワーゲン 8.90%
3位 ステランティス 6.88%
4位 メルセデスベンツグループ 5.75%
5位 フォードモーター 5.36%
6位 ゼネラルモーターズ 4.88%
7位 BMW 4.73%
8位 日産自動車 4.10%
9位 ヒュンダイモーター 4.05%
10位 本田技研工業 3.18%
11位 上海汽車工業集団 SAICモーター 2.28%
12位 ルノー 1.78%
13位 BYD 1.76%
14位 テスラ 1.68%
15位 スズキ 1.23%
2022年度の自動車メーカーの世界シェア(売上高ベース)
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自動車メーカーの世界市場シェア(売上高ベース、2022年)

2022年の売上高ベースの自動車メーカーの世界シェアランキングは、販売台数ベースのものとTOP2は同じとなりました。しかし、販売台数が4位のステランティスが売上高では3位にランクインしているのは興味深い結果となりました。また、販売台数は13位のメルセデスベンツが売上ベースでは4位にランクインし、2021年と変わらずメルセデスベンツの販売単価の高さが伺えます。14位の中国のEVメーカーBYDはメルセデスベンツと提携し、1ヵ月で2台目のプレミアムSUVを発表しております。

自動車メーカーの世界市場シェア(時価総額ベース)/ランキング

自動車業界の時価総額トップ10

自動車業界時価総額シェア(2022/11/13時点)

自動車会社の時価総額上位10社の合計は1.3兆ドルです。時価総額首位のテスラは、上位10社の時価総額シェアで46.4%を占めます。

自動車メーカーの市場シェア時価総額トップ10(2023年11月13日時点)

自動車メーカーの時価総額ランキング(2023年11月13日時点)

【自動車メーカーの生産台数推移/車種別販売台数】

当サイトでは、自動車業界の2022年の市場規模(生産台数ベースと金額ベース)を8,501.7万台と2.95兆ドルとしております。参照にした統計や調査データは以下の通りです。

業界団体である国際自動車工業会よると、2022年の世界全体の四輪車生産台数は、前年より6.0%増加して8,501.7万台となりました。

自動車生産台数の推移(2011-2022)

生産台数内訳

2017年から2022年の生産台数推移は以下の通りとなります。2019年から生産台数は下降しており2020年はコロナの影響もありさらに下回っておりましたが、2022年から増加する結果となっております。

自動車メーカーの2022年生産台数(車種別)

調査会社スタティスタによると、自動車製造業界(完成車)の2022年の市場規模は2.95兆ドルです。

調査会社のアイビーアイエスによれば、自動車産業の2022年の市場規模は2.5兆ドルとなります。

調査会社のマーケット・リサーチ・フューチャーによると、2022年は3.6兆ドルとなります。2023年〜2030年にかけて年平均6.9%での成長を見込んでいます。⇒参照したデータの詳細情報

【M&Aの動向】

2010年代までは販売台数の規模を追う経営統合がメインでした。内燃エンジンの見直しやCASEといったモビリティ全体での変革が迫られる中で更なる再編が見込まれます。

  • 1969年 フィアットによるランチアの買収
  • 1974年 プジョーによるシトロエンの吸収合併
  • 1986年 フィアットによるアルファロメオの買収
  • 1991年 VWがチェコのシュコダを買収
  • 1993年 フィアットによるマセラティの買収
  • 1996年 VWがスペインのセアトを買収
  • 1998年 トヨタとダイハツ工業との資本提携
  • 1998年 ダイムラーベンツによるクライスラーの買収。ダイムラー・クライスラーの設立
  • 1999年 日産とルノーが資本提携
  • 2000年 ルノーによる韓国の三星自動車の買収
  • 2001年 トヨタと日野自動車との資本提携
  • 2003年 三菱自動車から三菱ふそうトラック・バスが分社化
  • 2005年 ダイムラー・クライスラーが三菱ふどうトラック・バスを連結子会社化
  • 2006年 ボルボによる日産ディーゼルの買収
  • 2007年 ダイムラークライスラーによるクライスラーのサーベラスへの売却
  • 2012年 VWによるポルシェの完全子会社化
  • 2014年 フィアットによるクライスラーの完全子会社化。フィアット・クライスラーの設立
  • 2016年 日産による三菱自動車の持分法
  • 2017年 トヨタによるマツダへの出資
  • 2017年 プジョーシトロエンによるオペルの買収
  • 2021年 PSAとFCAが経営統合しストランティスが誕生
  • 2021年 ダイムラートラックが分社化上場
  • 2022年 ダイムラーがメルセデスベンツへと社名変更
  • 2022年 ポルシェが分社化上場
  • 2023年  トヨタがウーブンを完全子会社へ
  • 2023年  ゼネラルモーターズがバッテリー・ソフトウェアのALGOLiONを買収
  • 2023年  ホンダが八千代工業をインドの自動車部品大手サンバルダナ・マザーソン・グループに売却
  • 2023年  仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合が設立した合弁企業RNバンクをロシアの自動車メーカー、アフトワズへ売却


さらに業界に詳しくなるためのお薦め書籍と関連サイト

世界自動運転プロジェクト総覧
豊田章男
CASE革命 2030年の自動車産業
自動車部品業界の世界市場シェアの分析
電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)業界の世界市場シェアの分析
水素燃料自動車と電気自動車スタートアップの業界マップと資金調達額ランキング

【会社の概要】

TOYOTA(トヨタ自動車)

トヨタ自動車は、1937年に豊田喜一郎氏などによって設立された日本を代表する自動車メーカーです。かつては世界首位を米GMと競い、現在はVW(フォルクスワーゲン)やルノー・日産・三菱自動車連合と首位を競っています。2016年にダイハツ工業を完全子会社化し小型車の開発を強化しています。商用車では日野トラックとの連携を深めています。CASEや燃料電池といった今後の自動車業界の技術革新に備え、マツダやスズキとも業務提携を行い、緩やかな連合体制を構築しています。トヨタ車体の親会社でSUBARUは持分法適用会社です。さらに詳しく

GM(ゼネラルモーターズ)

ゼネラルモーターズは、1908年にウィリアム・C・デュラント氏によって設立された米国を代表する自動車メーカーです。2008年にトヨタに抜かれるまで、77年間自動車販売台数で世界1位を維持していました。2009年に経営破たん(チャプター11)後は、国有化の上、2010年に再上場を果たしました。2017年にドイツのオペルをプジョーシトロエンに売却しました。主要ブランドは、キャデラック、シボレー、ビュイック、GMCです。カーギャルことメアリー・バーラ氏が率い、2035年までに新車を電気自動車等のゼロ・エミッション車へ切り替える予定です。さらに詳しく

VW(フォルクスワーゲン)

1937年に設立されたドイツを代表する自動車メーカーです。第二次世界大戦後にビートルで成長を遂げ、ゴルフシリーズの成功で世界大手となりました。高級自動車である、Bentley、ランボルギーニ、ポルシェ、ブガッティやAudi(アウディ)を傘下に擁しています。2015年の排ガス不正ソフトウェア問題が課題となりましたが、現在ではEV化へ舵を切っています。トラック・バス事業は2018年にTraton(トレイトン)として分社化しました。フォルクスワーゲングループブランドの新車・中古車を調達できることが強みを活かした自動車リース事業も展開しています。さらに詳しく

HYUNDAI(現代)

1967年に鄭周永氏によって設立された韓国を代表する自動車メーカーです。韓国国内では圧倒的なシェアを保ちます。日本車よりも安価だが、同等の品質といった差別化戦略でグローバルでの地位も固めています。

ステランティス(Stellantis)

フランスのPSAとイタリアのフィアット・クライスラー・オートモービルズが2021年経営統合をして誕生した自動車メーカーです。高級車のマセラティ、アルファロメオ、SUVのジープ、フィアット、ランチア、クライスラー、ダッジ、プジョー、シトロエン、オペル、ボクソールといったブランドを有しています。

フィアット・クライスラー・オートモーティブ

1899年にジョバンニ・アニェッリ(Giovanni Agnelli)氏によって設立されたフィアットと1925年に設立されたクライスラーが経営統合して誕生したイタリアを代表する自動車メーカーです。

PSA(プジョー・シトロエン)

仏大手自動車メーカーです。2017年に米GMから年間生産台数約130万台のドイツのオペルを買収しました。

Ford(フォード)

1903年にヘンリー・フォード氏によって設立された米国を代表する自動車メーカーです。T型フォードで自動車の大量生産の時代を切り開きました。トップ3から脱落して久しいがブランド力等は圧倒的です。

SUZUKI(スズキ)

スズキは、1909年に鈴木式織機として設立された自動車、二輪車および船外機メーカーです、特に、軽自動車、小型車やオートバイに強みを有しております。海外ではインドの4輪市場では圧倒的な存在感を示しています。さらに詳しく

RENAULT(ルノー)

1898年にルイ・ルノー氏によって設立された仏大手自動車メーカーです。日産の筆頭株主です。2016年に三菱自動車も傘下に入れ、ルノー・日産・三菱自動車・アフトヴァース(AVTOVAZ)連合を形成しました。2017年は1060万台と世界首位のVWに肉薄するものの、連合の事実上のCEOでもあったカルロス・ゴーン氏が日本の検察に逮捕されました。ルーマニアのダチア(Dacia)も有しています。

NISSAN(日産)

1933年に設立された国内大手自動車メーカーです。1999年にフランスの大手自動車メーカーのルノーから資金支援を受けました。現在もルノーが43.7%の株式を保有する筆頭株主です。日産もルノーの株式を15%保有しており、株式の持合が続いています。

三菱自動車

1970年に三菱重工から分社化して誕生した日本の大手自動車メーカーです。三菱重工時代はクライスラーとの提携が続き、2000年にダイムラークライスラー(当時、現ダイムラー)と資本提携を行いました。三菱ふそうトラックをダイムラーにしました。2008年にはダイムラーとの提携を解消し、フランスのPSAと提携をしました。2016年に日産が筆頭株主となり、現在はルノー日産グループの一員となっています。

BMW

1916年に航空機エンジンメーカーとして設立されたBMWは、現在はドイツの高級自動車メーカーです。BMW、MINI、ロールスロイス、オートバイのBMWのモトラッドブランドで世界展開しています。ロールスロイスは1998年、MINIは1994年にBMWの傘下に入りました。モトラッドは1923年から展開している大型バイクメーカーです。自動車リースも手掛け、Alphabet(アルファベット)で展開しています。電気自動車(EV)でも上位に位置します。さらに詳しく

ダイムラー

ドイツに本拠を置く大手自動車メーカーです。乗用車と自動車リースが事業の柱となっています。乗用車ではメルセデスベンツで高級車セグメントにフォーカスした世界展開をしています。1998年にクライスラーと合併したが、2007年にクライスラーを売却しました。インドではバーラト・ベンツ (BharatBenz) ブランドを展開しています。2021年にメルセデスベンツとダイムラートラックが分社化され、社名をメルセデスベンツグループへと変更しました。自動車リースはAthlonで展開しています。

分社化された、ダイムラートラックは、三菱ふそうトラック・バスを傘下に保有しています。バス分野はメルセデスベンツとゼトラ(Setra )ブランドで展開しています。売上の約66%が欧州となっています。さらに詳しく

HONDA(ホンダ)

1948年に本田宗一郎氏によって設立された日本の誇る自動車・オートバイメーカーです。乗用車では世界大手、オートバイでは世界最大手です。船外機、芝刈り機などのガーデニング機器、高級エアクラフト機であるホンダジェット、販売金融、人型のロボット開発(ASIMO)といった事業も手掛けています。さらに詳しく

テスラ

Tesla(テスラ)は、イーロン・マスク氏が率いる電気自動車大手メーカーです。リチウムイオンバッテリーは日本のパナソニックと合弁工場を運営しています。工場は、かつてのトヨタとGMの合弁工場であったNUMMIなどで行っています。時価総額でトヨタを抜くなど、電気自動車の市場拡大に伴い、今後の成長が期待されています。さらに詳しく

中国のOEM

中国の主要自動車メーカーには、長安汽車、広州汽車、上海汽車、吉利、長城、BYD等が挙げられます。

BYDについて

BYD(比亜迪)は、王伝福(Wang Chuanfu)氏によって1995年に設立された中国の電気自動車・車載電池メーカーです。スマホや産業機器向けのリチウムイオン電池の製造に加え、車載向けの電池と電気自動車製造の一貫生産体制が強みです。電気自動車は、SUVのTang、PHVのQin、セダン型のEVであるe6、e5等のブランドを展開しています。王氏は電池王とも称されています。電気自動車を含む新エネ車(EV自動車)でも世界最大規模を誇ります。ウォーレンバフェット率いるバークシャー・ハサウェイ傘下のMidAmerican Energyが大株主となっています。2020年には刀片電池と言われる長距離走行が可能な車載電池を開発しました。さらに詳しく

参照したデータの詳細情報について


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