タイヤ業界の市場シェア・売上高ランキング・市場規模・再編の分析

タイヤ業界の世界市場シェア・売上高ランキング・市場規模・M&A(合併買収)について分析をしています。ブリジストン、ミシュラン、グッドイヤー、コンチネンタル、ピレリ、ダンロップといったタイヤメーカーの概要や動向も掲載しています。

世界シェア

タイヤメーカー各社の2021年度の売上高(⇒参照したデータの詳細情報)を分子に、後述するタイヤ業界の市場規模を分母に世界市場シェアを計算すると、2021年のタイヤ業界の世界1位はフランスのミシュラン、2位は日本のブリジストン、3位は米国のグッドイヤーとなります。

タイヤ会社の市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位会社名市場シェア
1位ミシュラン19.5%
2位ブリジストン18.6%
3位グッドイヤー12.7%
4位コンチネンタル9.6%
5位住友ゴム工業5.0%
6位ピレリ4.4%
7位ハンコック4.3%
8位横浜ゴム2.9%
9位杭州中策2.8%
10位正新ゴム工業2.6%
11位サントウ・リンロン・タイヤ2.1%
12位トーヨータイヤ1.9%
13位Gitiタイヤ1.8%
14位クムホタイヤ1.6%
15位MRFタイヤ1.2%
タイヤ会社の市場シェアと業界ランキング(2021年)

タイヤ業界の世界シェア(2021年)
タイヤ業界の世界シェア(2021年)

1位はフランスの名門企業のミシュランです。2位のブリジストンが世界1位の座を激しく競っています。3位は米国のグッドイヤーです。住友ゴムとの提携を解消して、グローバル展開を推し進めています。2021年にアフターマーケットタイヤ大手のクーパーを買収し、3位のポジションをより堅固にしました。
4位はドイツの名門コンチネンタルです。ドイツのベアリング大手シェフラーグループはタイヤ以外にも自動車部品事業も展開しています。グッドイヤーに肉薄しています。
ブリジストン、ミシュラン、グッドイヤーの3社でタイヤ業界の御三家、コンチネンタルの4社を含めてタイヤ業界の四天王と言われており、5位以下とは圧倒的な規模の差をつけています。
5位は住友ゴム工業、6位は中国の大手化学メーカーの中国化工集団(ケムチャイナ)グループとなったイタリアのピレリです。9位の杭州中策とあわせて中国のメーカーが上位を狙っています。7位は韓国のハンコックです。

業界上位3社の成長率と収益力比較

業界トップ3のポジションにいるブリジストン、ミシュラン、グッドイヤーの3社について、売上高成長率(過去5年平均)、EBITDA成長率 (過去5年平均)、ROE(直前期)について比較をしました。

長らく業界トップ3のポジションにいる3社ですが、成長性や収益力を見てみると勢いに陰りがみられます。業界下位メーカーが徐々に競争力をつけていることが伺えます。その中でも、ブリジストンは多角化事業の再編中ということもあり、成長率で特に見劣りしています。

タイヤ大手3社の指標比較(2021年)
タイヤ大手3社の指標比較
*各財務数値は2021年度決算数値を使用しています。
**売上高とEBITDA成長率は直前期を基準に過去5年間の年平均成長率(CAGR)を計算しています。
***ROEは直前期の当期利益と期初と期末の自己資本額の平均値から計算をしています。

市場規模

タイヤは用途によって大きく自動車用タイヤ、産業車用タイヤ、農業機械用タイヤ、航空機用タイヤ、二輪自動車用タイヤに分類されます。産業車、農業機器用タイヤはオフザロード(OTR)タイヤと総称されています。

当サイトでは、2021年のタイヤ業界の市場規模を1376億ドルとしております。参照した各種調査データは以下の通りです。

調査会社モルドールによると、2020年の自動車用タイヤの市場規模は1020億ドルです。2026年にかけて年平均3%で成長し、2026年には1220億ドルへと拡大することを見込んでいます。アライドマーケットリサーチによれば、2019年の自動車向けタイヤの売上高は1123億ドルとなっています。
調査会社マーケッツアンドマーケッツによると、OTRタイヤの2021年の市場規模は87億ドルです。2026年にかけて年平均5%での成長を見込み、2026年には110億ドルへと拡大するこを見込んでいます。
調査会社グローバルマーケットインサイツによると、航空機タイヤ業界の2021年に市場規模は約26億ドルです。2028年にかけて年平均3.2%で成長することを見込みます。
調査会社プロフシェアによると、二輪自動車用タイヤの2021年の市場規模は140億ドルです。2029年にかけて年平均3.9%での成長を見込みます。⇒参照したデータの詳細情報

タイヤの分類と市場規模
タイヤの種類別の推定市場シェア(2021年)

2022年以降のタイヤ種類推定成長率
2022年以降のタイヤ種類推定成長率

売上高ランキング

2021年10-12月*四半期売上高をベースとしたタイヤメーカーのランキングでは、1位ブリジストン、2位ミシュラン、3位グッドイヤーとなっています。タイヤ業界トップ3強健在です。ブリジストンは四半期ベースですが、首位に返り咲きました。⇒参照したデータの詳細情報

タイヤメーカーの売上高ランキング(四半期ベース)
タイヤメーカーの売上高ランキング(四半期ベース)
*が付されている企業は2021年7-9月決算

M&A(合併買収)

  • 1988年 ブリジストンによる米ファイヤストンの買収
  • 2005年 GoodyearによるSouth Pacific Tyresの買収
  • 2007年 ブリジストンによる更生タイヤメーカーの米バンダグの買収
  • 2008年 Schaefflerによる独Continentalの買収
  • 2009年 インドのApollo TyresによるオランダのVredestein Bauden買収
  • 2010年 東洋タイヤによるSilverstoneの買収
  • 2013年 投資ファンドのKKRによるAlliance Tire Groupの買収
  • 2013年 投資ファンドによるCarlisle Transportation Productsの買収
  • 2015年 中国のケムチャイナによるイタリアのピレリタイヤの買収
  • 2016年 横浜ゴムによるオランダのAlliance Tire Groupの買収
  • 2017年 中国の双星による韓国クムホタイヤへの出資
  • 2021年 グッドイヤーによるクーパー・タイヤ・アンド・ラバーの買収
  • 2022年 横浜ゴムが農機用のタイヤを手掛けるスウェーデンのトレルボルグ・ホイール・システムズを買収

タイヤの構造

外側から見ると単なる黒いゴムで単純そうに見えるタイヤですが、内側は高度な設計になっています。タイヤの構造は、一番外側のトレッドゴム(黒いゴムの部分)に始まり、カーカス、インナーライナー、ビードワイヤー等が組み合わさりできています。原材料は、ゴム(天然・合成)、配合剤(シリカ、カーボンブラック等)、タイヤコード(ナイロン等)、ワイヤー(ピアノ線のようなもの)となります。

世界のタイヤメーカーの動向

ブリジストン(Bridgestone)

1930年に石橋氏が福岡にて創業した日本を代表するタイヤメーカーです。世界ビッグ3の一角です。幅広い輸送機(乗用車用、トラック・バス用、二輪車用、航空機用、建設・鉱山車両用、農業機械用)の新車及び補修用タイヤを手掛けています。米ファイアストンを傘下に保有しています。
テニス(2020年に撤退を発表)・ゴルフ・自転車等の分野でも事業を展開しています。2019年にオランダの地図大手TomTomからテレマティックス事業を約10億ドルで買収し、タイヤを通じたビッグデータの解析の強化を図っています。従来のタイヤ製造販売事業から、TaaS(タイヤアズアサービス)とよばれる事業モデルへの変革をすすめています。ゴルフボールは、1935年に国産ボールを販売して以降、現在はTOURSTAGE、Newing、Reygrande、ツアーB等のブランドで展開しています。さらに詳しく

Michelin(ミシュラン)

ミシュラン兄弟によって1889年に設立されたフランスに本拠を置く世界的なタイヤメーカーです。タイヤ業界のビッグ3の一角を占めます。世界で初めてラジアルタイヤを開発したことでも有名です。レストランガイドのミシュランガイド(レッドガイドブック)事業も展開しています。さらに詳しく

The Goodyear Tire(グッドイヤー・タイヤー・アンド・ラバー)

グッドイヤーは、1898年に創業をした米国に本拠を置く世界的なタイヤメーカーです。世界ビッグ3の一角で、日本の住友ゴム工業と提携をしていましたが、解消しています。GOODYEAR、DUNLOP、FULDAなどのブランドで展開しています。商用トラックタイヤにも強みを持ちます。2021年にクーパー・タイヤ・アンド・ラバーを買収しました。

Cooper Tire & Rubber(クーパー・タイヤ・アンド・ラバー)
米国の大手タイヤメーカーです。タイヤの取り換え用のブランドとして強みがあります。

Continental(コンチネンタル)

Continental(コンチネンタル)は、1871年に創業されたドイツのハノーヴァーに本拠を置くタイヤ・ブレーキ等の自動車部品メーカーです。シーメンスやモトローラより自動車制御関連の事業も積極的に買収しています。2008年にドイツのベアリング大手のシェフラ―を傘下にもつシェフラー家が支配株主となりました。大きくタイヤ事業と自動車部品事業に分かれます。タイヤ事業の世界シェアではミシュラン、ブリジストン、グッドイヤーのトップ3に次ぐ規模を誇っています。自動車部品メーカーにおける規模でも、ボッシュやデンソー等に匹敵する世界最大級の自動車部品メーカーです。自動車部品の中でも、ブレーキ、パワートレイン、シャーシ、インパネ、カーオーディオ、ディスプレイといった分野の世界シェアでは上位に位置しています。さらに詳しく

Pirelli(ピレリ)

イタリアを代表するタイヤメーカーです。高級車向けのタイヤに強みを持ちます。2015年に中国の政府系化学メーカーの中国化工集団(ケムチャイナ)が買収しました。ケムチャイナ傘下のタイヤメーカー風神輪胎とピレリの組み合わせで上位4社を追い上げます。

ケムチャイナ

中国化工集団(ケムチャイナ、ChemChina、China National Chemical Corporation )はRen Jianxin(任建新)氏によって設立されたChina National Blue Star Corp(藍星) と China Haohua Chemical Industrial Corp(昊華)が2004年に経営統合して誕生した中国政府系の化学メーカーです。中国政府が100%株式を保有しています。農薬、ゴム、シリコーンや機能性化学等の分野で事業展開しています。2016年から寧高寧氏がシノケムとケムチャイナのCEOとなり、2021年に国営化学会社のシノケムと経営統合、中国中化(シノケム)ホールディングス傘下になりました。続きを読む

住友ゴム工業

住友ゴム工業株式会社は、1909年に創業されたタイヤメーカーの世界大手です。ダンロップ、ファルケンブランドで世界展開しています。グッドイヤーとの包括提携を2015年に解消しました。テニスやゴルフといったスポーツ用品事業もダンロップブランドで展開しています。テニスボールの公式球であるダンロップFORTは有名です。ゴルフでは、ゼクシオやスリクソンブランドで事業を展開しています。2016年にスポーツ用品のダンロップブランドの商標権を英スポーツダイレクト社から買収して、更なる海外展開を図っています。さらに詳しく

横浜ゴム

横浜ゴムは、1917年に設立された国内大手のタイヤメーカーです。2016年にKKRから農業機械・建設機械用タイヤメーカーのAlliance Tire Groupを買収しました。韓国クムホタイヤと提携しています。2022年に農機用タイヤを手掛けるスウェーデンのトレルボルグ・ホイール・システムズを買収しました。ビッグ3の壁が厚い乗用車向けでなく、特殊タイヤ事業強化を鮮明にしています。主なタイヤブランドはADVAN、BluEarth、GEOLANDAR、iceGUARD、ECOS、PARADAです。ゴルフ用具もPRGRブランドで展開しています。

Hankook tire(ハンコック)

韓国最大のタイヤメーカーです。新興国を中心に売上を延ばしています。

Cheng Shin Rubber(正新ゴム工業)

台湾大手のタイヤメーカーです。アジアを中心に事業を展開しています。

Kumho Tire(クムホタイヤ)

韓国の錦湖アシアナグループに属する大手タイヤメーカーです。過剰投資が裏目に出て2009年以降に銀行管理下に置かれましたが、2017年に中国のタイヤ・運動靴大手青島双星グループが買収しました。青島双星は、中国政府系の会社で、運動靴の双星ブランドが有名です。

ZC Rubber(杭州中策)

中国の大手タイヤメーカーです。CHAOYANG(朝陽)、GOODRIDE(好運)、WEST LAKE(威獅)といったブランドのタイヤを販売しています。

トーヨータイヤ

国内大手のタイヤメーカーです。ブリジストンと資本提携しています。

MRFタイヤ

インドのチェンナイに本拠を置くインド最大のタイヤメーカーです。

アポロタイヤ

インドに本拠を置くタイヤメーカーです。

GITIタイヤ

シンガポールに本拠を置くタイヤ会社です。

GUIZHOU TYRE(貴州タイヤ)

中国のタイヤメーカーです。ADVANCE(前進)ブランドのタイヤを展開しています。

Shandong Linglong Tyre(山東リンロンタイヤ)

山東リンロンタイヤは、1975年に設立されたタイヤメーカーです。乗用車用ラジアルタイヤ(PCR)、小型トラック用ラジアルタイヤ(LTR)、トラック・バス用ラジアルタイヤ(TBR)などの製造販売を行っています。

参照したデータの詳細情報について


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