ミシュランは、ミシュラン兄弟によって1889年に設立されたフランスに本拠を置く世界的なタイヤメーカーです。タイヤ業界のビッグ３の一角を占めます。世界で初めてラジアルタイヤを開発したことでも有名です。レストランガイドのミシュランガイド（レッドガイドブック）事業も展開しています。
2019年度
売上高は前年度比10%増の24,135百万ユーロになりました。営業利益は前年度比6%増の2,691百万ユーロになりました。営業利益率は11%となりました。売上の増加は主に、Fenner、Camso、Multistrada、Masternautを買収したことによるものです。
2020年度
売上高は前年度比15%減の20,469百万ユーロになりました。営業利益は前年度比48%減の1,403百万ユーロになりました。営業利益率は7%となりました。売上の減少は主に、新型コロナウイルス感染症により販売量が急激に減少したことによるものです。
2021年度
売上高は前年度比16%増の23,795百万ユーロになりました。営業利益は前年度比98%増の2,777百万ユーロになりました。営業利益率は12%となりました。売上の増加は、販売量の増加と為替変動によるものです。販売量は、需要の回復を反映し11.8%増加しました。
2022年度
売上高は前年度比20%増の28,590百万ユーロになりました。営業利益は前年度比9%増の3,021百万ユーロになりました。営業利益率は11%となりました。販売量は2%減少しましたが、販売価格の上昇と為替変動により、総売上高は増加しました。販売価格の上昇は、原材料、エネルギー、人件費、その他の売上原価の上昇を相殺するために実施しました。
2023年度
売上高は前年度比1%減の28,343百万ユーロになりました。営業利益は前年度比12%減の2,652百万ユーロになりました。営業利益率は9%となりました。販売価格を上昇させたことによる売上の増加分は5.7%でしたが、販売量の減少と為替変動により、総売上高が減少しました。販売量の減少は、不安定な経済環境と金利の高騰により、ディーラーと法人顧客が在庫を大幅に減らしたことによるものです。
ミシュランの業績推移
2022年上半期（1ー6月）
売上高は前年同期比19%増の13,289百万ユーロになりました。営業利益は1,257百万ユーロ、営業利益率は9%となりました。販売量は減少(-2.2%)しましたが、販売価格の上昇(13.9%)、メンテナンスサービス向け事業の成長(17.6%)、為替変動(+5.2%)により全体の売上は増加しました。販売量の減少は、中国市場と東欧市場で発生し、それ以外の地域での販売量は前年同期比でほぼ同じでした。
2022年下半期（7ー12月）
売上高は前年同期比21%増の15,301百万ユーロになりました。営業利益は1,764百万ユーロ、営業利益率は12%となりました。
2023年上半期（1ー6月）
売上高は前年同期比6%増の14,079百万ユーロになりました。営業利益は1,614百万ユーロ、営業利益率は11%となりました。販売量は減少(-3.7%)しましたが、販売価格の上昇(9.4%)と、コンベア、シール、ベルト事業とメンテナンスサービス向け事業の成長(16.6%)により総売上高は増加しました。販売量の減少は、不安定な経済環境や金利上昇などにより、ディーラーが在庫を減らしたことによるものです。
2023年下半期（7ー12月）
売上高は前年同期比7%減の14,264百万ユーロになりました。営業利益は1,038百万ユーロ、営業利益率は7%となりました。
2024年上半期（1ー6月）
売上高は前年同期比4%減の13,481百万ユーロになりました。営業利益は1,571百万ユーロ、営業利益率は12%となりました。売上の減少は主に販売量の減少によるものです。販売量の減少は予定されたもので、ミシュランの技術を最大限活用できる分野への注力を図っている最中です。
ミシュランの四半期業績推移
希薄化後EPSは前年度比1%減の2.75ユーロになりました。1株当たりの配当は前年度比8%増の1.35ユーロになりました。配当性向は49%になりました。
ミシュランのEPS・１株配当・配当性向の推移
2024年7月
2024年度上半期のフィナンシャルレポートにて、2024年度通期の営業利益は3,500百万ユーロを予定していると掲載されています。
セグメントは、自動車タイヤ、トラックタイヤ、特殊タイヤに分類されます。セグメント別の売り上げ構成は以下の通りです。
ミシュランの売上構成（2023年度）
自動車タイヤ
18インチ以上の乗用車用やスポーツカー用タイヤの開発・製造を行っています。ハイブリッド車や電気自動車用のタイヤもこのセグメントに含まれます。
トラックタイヤ
トラック用タイヤを開発・製造し、トラック会社やトラックメンテナンス会社に販売しています。
特殊タイヤ
鉱業、農業、航空宇宙、建設業界用のタイヤを開発・製造しています。二輪車用タイヤもこのセグメントに含まれます。
2017年
使用済みタイヤや工業製品のゴムを新しいタイヤやその他の製品の材料に変換し、原材料の量を削減する材料会社であるLehigh Technologiesを買収
2018年
産業用ベルトおよびポリマーベース製品のFennerの買収
2018年
オフロード車向けのタイヤ等を製造するCamsoを買収
2019年
車両運行管理の車載テレマティクス・ソリューションMasternautを買収
2019年
インドネシアを拠点とするタイヤメーカーMultistrada Arah Saranaを買収
2022年
道路網に重点を置き、人工知能 (AI) を活用してインフラの状態を評価および管理することに特化したテクノロジー企業RoadBoticsを買収
2023年
エンジニアリングファブリックとフィルムなどの材料の開発・製造を専門とするFlex Composite Groupを買収
磨サービスを専門とするNOVASiCを買収
